悪夢EX 第六話 -笠置みお・新堂早由美・栗生ひかり-





 かつては無邪気な子役と云われた。クラスの中でも、テレビの中でもその印象は同じ。彼女の名は笠置みお。名前自体が子供っぽいと、本人はそれなりに気にしていた。外見も中身も純粋な少女。その面影はもう、なかった。彼女も男達の毒牙にかかってしまったのだから。服を脱がされてから、古手川に全身をなめ尽された揚げ句、震えながら失禁してしまう。だが……。

「ひぎゃああああっ! やだあああああっ!」

 子供っぽい彼女からは想像もできないような、鋭い悲鳴を上げる。

「ふぉふぉ。全部飲んでやったぞ」

「あ、あぅ……あぅ」

 古手川はみおの股間から顔を上げ、邪悪な笑みを向ける。あまりにも信じられない行為に、みおは恐怖を覚える。そしてそのままで終わるわけもなく、今度はみおの口目がけて小便を始めた。

「今度は全部飲んでもらうからのう」

「ぐええええっ! げふぉっ! げふっ! ごほっ!」

 吐き出そうものなら何をされるか。そう思い、みおは必死に飲み込んだ。そうして散々犯された揚げ句、風呂に連れて行かれる。

「さあ、じいちゃんときれいになろうかの」

「いやあああああっ!」

 体中に石鹸をつけられ、古手川と体をこすり合わされる。

「ひぎゃあああああああっ! 触っちゃやああああああっ!」

 その後、マットの上で体を折り曲げられて、秘所とお尻の穴を何度も指で突っ込まれては犯された。あまりの嫌悪感にみおはただ、絶叫するだけだった。





残された者は僅か





 早由美の立場は、みおより遥かに単純だった。

「う、え……」

 その小さな体を完全に持ち上げられて、犯されていた。ただそれだけだった。

「あ、あ、あがっ!」

 ねちっこい古手川とは違い、木戸のやり方はストレートだった。巨大なものがえぐるかのようにして、早由美の中をうごめき、そして、揺さぶる。

 早由美は既に全身の力が抜けてしまい、足をだらりとさせながら、力無く喘いだ。当初は暴れたが、じたばたと動けば動くほど痛みが拡大するだけだった。

「マ、マァ……」

 直後に奥まで射精。これが何度目かなど、もはや分からない。おもちゃのように扱われて、壊されていくだけだ。現にまた……。

「あと五回はいけるからな」

「ひぃ……」

 木戸の一言に、早由美は低く悲鳴を上げて震えるだけだった。





『彼女』は最後の一人だった。





 広間から、一人また一人と少女達は連れ去られ、二度と戻ることは無かった。残された者は何度と無くそんな光景を目の当たりにした。いつも、例外なく恐怖に震えながら。そして最後まで残された少女がいた。当然の事ながら一人になった時から、自分に残された時間があまりにも少ないことを悟る。だが、どうしようもなかった。どうすることもできはしなかった。ただ、待つだけしかできなかった。

(こ、わい……)

 先に連れ去られた皆が何をされているのか。どんな目に遭わされているのか。全て想像が付くから尚更怖かった。段々と減っていくクラスメイトを見ていると、そう思う。そしてある日。遂に、その時が来てしまったか……と、思った。

「さあ、来るんだ」

「いやあっ!」

 だが、違った。代わりにとばかり、クラスメイトの一人が連行されていった。自分を除いた最後の一人だ。これで、広間には一人。残されたのは栗生ひかり。髪を二房のお下げでまとめた少女。男達は少女を引きずって行く際、薄く笑って云った。安心しろ。お前もすぐに同じ目に遭わせてやるからな。と。ひかりはそれを聞いてびくんと震え上がった。後はただ一人、恐怖に震えるだけだった。

 どれ程の時間が経過したのだろう。唐突に、恐怖の時は訪れる。……ある日のこと、ひかりは皆と同じように引きずられるように連れて行かれてしまう。後はもう、ずっと想像していた通りのことをされる。

「い、や、あぁぁぁぁぁっ!」

 ひかりは監禁された中で最後に残された処女だった。だからか、男達の責めは最大のものと化した。

「も……もう、暴れない……だから……」

 スカートと下着だけ残されて、上半身を剥き出しにさせられる。そしてひかりは涙ながらに首輪を外して、と訴える。鎖のついた堅い首輪を。目の前には木戸と直人の巨大な肉棒。今まさにひかりを犯そうとしているもの。

 ひかりは他の娘達と同じように広間から連れ去られた後、首輪を付けられたまま、男のものを口に突っ込まれた。あまりにも屈辱的な格好にひかりは涙をこぼし、哀願する。

 それ以前にも何度となく射精されたのか、華奢な体はどこもかしこも白く汚されていた。恐らく、彼女をいじめるためにわざとそうしたのだろう。

 けれど、ひかりが心の底から哀願しても、男たちは冷たかった。二度も暴れたのは誰だ? そう云われてひかりは返す言葉も無かった。

「やだあああああああっ!」

 一度目。それは、服を剥ぎ取られる時だった。部屋に入れられた直後。唐突に、上着に手をかけられ、ひかりはじたばたと暴れた。だが、男達の手は圧倒的な力で腕をひねり、ひかりは痛みに声を上げた。あまりにも無力だった。あっさりと上着を脱がされると、ブラを付けていないことを笑われた。悔しくて顔が熱くなった。

「いやいやいやあああっ!」

 二度目。半裸にさせられたと思ったらいきなり、男達の大きくそそり立ったものを口元に押し当てられた時だった。どんなに拒否しても力ずくで全て、実行させられた。

「う、ぐ……む、う……」

 結局、仁王立ちする二人のものを交互にしゃぶらされる。特に古手川のものは、強烈な匂いと味で……ひかりは嫌悪感に呼吸すらできず、もがいていた。それでも必死に口を開いてくわえ込み、舌でなめ回して愛撫した。

 そして最後には顔と口内に出され、むせ返る……。

「あああああっ!」

 更に陵辱は続く。最後の処女だからと、男たちは無茶を強いた。ひかりは前と後ろ。二カ所の穴に同時に挿入された。信じられない所を貫かれ、ひかりは半狂乱になって叫ぼうとした。だが結局は声すらろくに出せないまま、二人の男に挟まれながら揺さぶられ続けた。痛みと屈辱に大粒の涙がこぼれ落ちる。まさか……後ろまで、そんなところにまで入れられて、犯されるとは。そう思った。

 ひかりのロストバージンは、誰よりも凄惨で苦痛に満ちたものとなった。もはや二度と、笑える日など来ないだろう。あの頃を思い出す。楽しかったあの頃を。僅か数カ月前……もしかすると、数日前かもしれない。





『ね、ね。ひかりんはしたことあるー?』

 友達の一人が云う。何を、とひかりが問うと友達は小声で返す。

『……を、だよ』

 え? と、問い返す。よく聞こえないから。そうしたら別の友達が。

『一人えっち、だよ』

 と、補足説明。さすがに大きな声では云えなかった。

 ……。ひかりはびくっと軽く体を震わせて、そしてしたことなんてないよ、と云った。あるわけがない。できるわけがないよ、と。そんなの、恥ずかしくていけないことだから。

『そっかー』

 それきり。友達は納得してくれたようで、その話は終わった。

 ひかりは嘘をついていた。……実は他の娘と同じかそれ以上に、とても興味があるわけで。こっそりとえっちな本を購入しては、真似をしたりした。無論、男の友達などいないから、一人でこっそりと。

『あ……ん』

 最初は怖かった。体の恥ずかしいところを触っていくと、徐々に気持ちがよくなっていく。体がおかしいんじゃないかって思った。けれど、段々と慣れていくうちに……癖になってしまっていた。とても人には云えない自分だけの秘密だった。

 男たちはそれを見逃さなかった。よく仕込まれている体だ、と。

 ひかりは処女を奪われる寸前。男たちの愛撫で絶頂を迎えさせられた。ショーツの上から愛撫され、乳首を優しく揉まれ……。犯されているのにもかかわらず、感じてしまった。そのことがあまりにも恥ずかしくて、悔しくて、ひかりは自分が嫌になった。どうしてこんなやつらに、と、そう思った。

 そうして犯されてから、ひかりは呆然としてしまった。お尻の穴とあそこからは熱いものが止めどなくたれて行くのをぼんやりと感じながら。





どれほどの時間が経過したのだろう。





 冷たい木の床には、全裸にされたままのひかりが捨てられたように横たわっていた。

「あ……ぁ……」

 それは、処女を奪われた直後のひかり。いつも元気で、クラスの人気者だった彼女はそこにはいなかった。今はもう、ショックと痛みと苦しみで、ひくひく震えながら呆然とするだけ。体が麻痺したように、動かない。

「ぅ……」

 直人と古手川。男が二人がかりで容赦なく襲いかかり、ひかりの秘部とアヌス……前後の穴を同時に貫いた。小さな体には、あまりにも辛い仕打ちだった。

「い……ぁ……」

 秘部とお尻の穴からは、とろりとした白い精液がこぼれ落ちていく。血の赤い色が幾分か混ざった精液が。

 けれど、それだけではなかった。その証拠に、口からもこぼれ落ちているから。処女を奪われた記憶がぼんやりと戻って来る。

(痛……ぃ……よ……)

 無惨なまでに身も心もぼろぼろにされ、考えることすらできないでいると。

「なんだあいつら。俺に黙って最後のごちそうを食っちまうとは」

「あ……ひ……」

 ばたんとドアを乱暴に開け、木戸が入ってきた。広間に誰もいなくなったと思って来てみると。ここで何が起こったのか全てを悟り、舌打ちをする。

「フン。使い古しか。……まあいい。ケツの穴に入れてやる。おらっ!」

「……あぐひっ!」

 ひかりは小さく華奢な体を軽々と抱えられて、背後からお尻の穴を貫かれた。

「ぐはぁぁあぁッ! ひぐぅぅぅっ! あぐひぃっ!」

 ひかりはもはや、口を閉じる事すらできなくなっていた。ぽっかりと空いた口からは、唾液がたらたらとたれていく。

「おらおら。全部受け入れろよ。そらっ!」

「ひぎゃあっ! ぎぁっ! がふっ! げほっげほっげほっ!」

 木戸と直人のものを飲み込まされた反動で、むせかえる。華奢な体はガクガクと揺さぶられて、道具のように扱われていく。お尻の穴が熱い。体をえぐられていくかのような感覚。

 そして、程なくして……。

「も……ぅ。だ、め……」

 再三に渡る激痛に耐えかね、ひかりは白目を剥いて気絶してしまった。

「なんだぁ? 気絶しやがったか!」

 だらりと垂れ下がった両腕と髪を揺らしながら、木戸はひかりを持ち上げて、揺さぶる。木戸が犯した少女、早由美も全く同じ反応をしめしたから、つまらん、と思ったのだ。

「まあいい、最後までやらせてもらうだけだ。ふんっ!」





ひかりはまた、気付いた。





 夢の中にでもいるのだろうか、と思ったが。そうではなかった。

「あ……?」

 最初に犯されたときよりは少しだけ広い部屋。部屋の真ん中にはベッド。ひかりはそのベッドの上に寝かされていた。そして、×の字を描くようにして両腕と股を大きく開かれて、ロープで四隅にくくりつけられて固定されていた。

「な、に……? うくっ!」

 ずき、とお尻とあそこが痛んだ。激しい凌辱の傷痕。が……そんなひかりをあざ笑うかのように、男たちの声が聞こえた。

「え? あ……」

 と、同時に。人影がベッドの両脇に集まって来る。亜衣、詩織、かすみ……莉菜に奈緒。皆、同じ牢に監禁されていた友人達。計十二名。

 既に誰もが皆、犯し尽くされていた。お尻も、あそこも、口も。中には胸を強く揉みしだかれ、乳首をしゃぶられ、痛々しく腫れ上がっている娘もいる。……誰もが皆、瞳は虚ろ。もう二度と帰れないのだから。もし仮に帰れたとしても……心は既に、壊れてしまった。諦めと、どうしようもない絶望感に、少女達の瞳から光は消えていた。

「みん、な?」

 ひかりが友人達にロープを外してよ、と云おうとする間もなく、少女たちはひかりの体に触れ始めた。

「え……えっ!? や、やぁっ! な、何するのみんなっ……あっ!」

 当然のように拒否の声を上げる。が……ひかりは両手両足を固定されてるのでどうしようもない。

 友人達は皆、操り人形のように男たちのいいなりになっていた。全て、惰性で動いているにすぎない。

 拘束したひかりを気持ち良くさせてやれ。その一言を云って、男たちは低く笑った。

「ひっ! ひいいいっ! やああああっ! や、やだあああっ! やめてぇっ! んぐうううっ!」

 莉菜がひかりの唇を塞ぐ。ひかりにとってのファーストキスだった。精液の味がした。ひかりの気持ち。男たちはそんなものを完全に無視して、大きくそそり立った性器をひかりの口に突っ込んだのだから。莉菜はそのまま、ひかりの首筋に舌を這わせては、耳の穴を指でくりくりと突く。

「ひああああっ! だめえええっ! やあああああっ!」

 奈緒が左を、かすみが右を。ひかりの小さな胸を愛撫する。少女達の指はしなやかで、華奢で、柔らかくて、男たちの行為とは対照的に優しかった。ゆっくりと愛撫を続けた後、乳首を摘まみコリコリと転がし……舌でなめ回した。そして、ちゅーちゅーと音を立てて吸い付いた。少ない脂肪分が吸い寄せられて、離れた拍子にぷるんと揺れた。

「ひはあああっ! やっやっ……! やめ……ああああっ! 離してええええええっ!」

 美紗紀がひかりのへそを指でほじり、舌でなめ回す。同時に、詩織は脇腹を舌と指で愛撫する。

「はひいいいいっ! み、んな……やめ……て、ええぇぇ! はぅっ!」

 ひかりはあまりのくすぐったさに涙を流す。が……友人達は構う様子もない。むしろ積極的になっていく。

 舞とさくらがひかりの両手の指をしゃぶる。男たちのものをくわえさせられたときのように、柔順に。

「や……あひっ! あひぃっ! あっ……ぅっ……うっ!? きゃあああああああっ!」

 突然誰かがひかりの秘所に顔を埋めた。処女を奪われたばかりで痛々しく腫れ上がっているところを愛撫するのは亜衣。そんな恥ずかしい所を友達に……そう思うと悲しくなってひかりはぽろぽろと涙をこぼす。けれど亜衣の舌は優しくて、更に指でひかりのクリトリスをこね回す。ひかりはそのたびに体をのけぞらせてあえぐ。

「ひいいいいいっ! ひああああああっ! やああ! やあっ! いやあああっ!」

 同時に今度は左をはるか、右を絵理香。ひかりの足の指から裏まで舌でしゃぶり始めた。さらにみおと早由美がひかりの両股を舐めて愛撫。みおはひかりのお尻を丁寧になで回し、早由美はお尻の穴を指でさすった。

「あーーーーっ! あーーーーーっ! やあーーーーーっ! も、も、もお……だ、め、えぇぇ……」

 一人の少女に群がる友人達。

 ひかりがびくびくと体を震わせて絶叫するのを見て、少女達は薄く笑う。うふふ、と声すら出てきそうな雰囲気だ。

「きゃああああああっ! だめっだめっだめええええええっ! みんなやめてええええっ! 許してええええっ! 助けてええええええっ! しないでえええええっ!」

 体のありとあらゆる所を愛撫され、ひかりはあっけなく達してしまいぴゅ、ぴゅ、と立て続けに潮をふいた。……股間付近にいた亜衣の顔に、もろにしぶきをぶち当ててしまう。

「いいいいやあああああっ! あーーーーーーーーっ!」

 ひかりは快楽の渦に飲み込まれていた。

「あ……はうっ!」

 不意に、亜衣が低いうめきを上げる。ひかりの秘所に顔を埋めたまま、直人によってアヌスを犯されたのだ。途端に呼吸が荒くなる。

 それを見た木戸と古手川も触発されたのだろう。

「ひっ!」

「あふっ!」

 ほぼ同時に、かすみと美紗紀のアヌスを貫いた。

 ……そうして程なくして、部屋の中で大乱交が始まった。男たちは少女達を四つん這いにさせ、横一列に並ばせた。娘たちの尻が並んだ様は壮観だな、と木戸は低く笑う。

 そして、少女たちのふっくらしたお尻の割れ目を目がけて手当たり次第に突っ込んだ。すぐさまぱんぱんと体がぶつかりあう音が響く。

「ああっあっ!」

 亜衣は犯され、喘ぐ。最初に犯されてから、どれ程の時が経過したのだろう。そう思う。もはや思い出す術はないと云うのに。

「今度はお前だ。そらっ!」

「あぅっ! あぅっ!」

 木戸はかすみの大きな胸を握り潰すように揉みつつ、アヌスを貫いていた。

「もっと腰を振れよ。この淫乱! 売女!」

「はぅっ! あ、あぁぁ……」

 亜衣の尻を平手打ちしつつ、はっぱをかける直人。亜衣の頭の中を『淫乱』と『売女』という言葉が渦巻く。あたしは、そうなの? と、自問自答する。そんなはずじゃなかったのにと、そう思う。

「ああああっ! ああああっ!」

「くう。締まる」

 古手川は今度は早由美を犯しつつ、アヌスを指でほじる。意外な程に肉付きのいい胸に気づき、パイズリもさせた。

 どの娘に対しても同じ。中に射精したら即座に別の娘に挿入。お尻の穴も、あそこも見境なく。常に誰かしらが犯されていた。

 更にその後。行為に飽きた男たちは、部屋の中にいる少女全員に媚薬を投与したのだった。監禁当初、柚流に飲ませたものより遥かに強力なそれを。

「はひっ! はひぃっ!」

「あふっ! あああああっ!」

「ひいいいいっ! あうううううっ!」

 媚薬は即効性のものだった。少女達はすぐに、悲鳴のような喘ぎを上げつつ、互いに体を絡ませ始めた。甘く、性欲に満ちた吐息が室内に満ちて行く。もはや我慢できなかった。

 舌と指での愛撫合戦。力つき、倒れた少女は男たちによって髪を掴まれては強引に起こされ、まだ元気な娘達の前に放り込まれる。男たちはただひたすら欲望に従い、少女達を犯していた。そうしていつしか誰彼構わず達し、潮をふき、できあがった水たまりに群がるかのように、猫のように舌でぴちゃぴちゃとなめた。

 とめどなく潮を吹き出し、どろどろのぐしょぐしょに汚されていく少女達に、もはや自我はなかった。皆、男達を満足させるために性的に奉仕する人形に成り果てていた。

 ただ一人の例外を除いて。

 愛。彼女は古手川のお気に入り、と云うよりも私物と化していた。だからか、この乱交劇においても、部屋の片隅で拘束されていた。

 不意に誰かに触れられる。古手川の手。

「どうじゃ。お前のお友達がよがって乱れる声は? なかなかいいものじゃろう?」

「……」

 一粒の滴が頬を伝う。どうしてこんなことになってしまったのだろう、と。そう思っていたから。無言の答え。

 まだ……彼女だけは自我が残っていた。が、それも時間の問題だ。

 大乱行の最中。古手川は愛を皆の前まで連れて行き……。

「そりゃ!」

「はぅっ!」

 その真ん中で、改めて犯したのだった。





狂乱の宴は続く。





 かすみは、大きな胸を友人達数人によって強く揉みしだかれていた。そして、勃起した乳首をしゃぶられ、吸われ、舌でなめ回された。

「ああっ! あんっ! ああっ! ああーーーーっ!」

「んぐ、ん、んぅ……うぅ」

 莉菜は、仰向けに寝そべる奈緒の顔に股間を押し付け、舌で愛撫させ、快感を貪った。

「ん、ん……。あ、は……あ、ん……」

「や、あああ……あ、あ」

「あ、ん……んんんっ」

 舞とさくらは共に、直立するひかりの顔をなめまくった。キスをして、首筋に舌を這わせ……。

「や、あっぁ……あ、あ……ぁ……」

 一人で自慰行為にふける娘もいた。亜衣は……一心不乱に胸を揉み、秘所に指を這わせた。ただひたすら、気持ちいいから。大股開きをして、皆に見せつけるようにした。淫乱だ、と思ったが。売女……とは何だろう、とも思った。

「はひぃっ! あひぃっ! うあああああっ!」

 古手川が、詩織の尻を平手で叩いていた。ぱしぃぃぃん、と乾いた音が響く。次第に赤くなっていく尻。古手川はやがて、爪がめり込むほど強く詩織の尻を掴み、割れ目を開き、大きなものをアヌスに突っ込んだ。

「んぶ、んちゅ……」

「あひっ……あっ」

 はるかと絵理香は互いに交差するように寝かされ……いわゆるシックスナイン状態にさせられ、互いの秘所やアヌスを舌と指で愛撫させられていた。先に達した方に、男のものがつっこまれるのだろう。必死だった。

「ぬぇ……あ」

「あぐ……あぅ」

「う、う……」

 みおと早由美は、木戸の玉を舌で愛撫させられていた。そして……美紗紀は木戸の尻の穴を舌で愛撫させられていた。

 誰もが処女を奪われ、全てを壊され……汚された。

 彼女たちを待っているのは、死。もはや戻れはしない。

 だからか、媚薬によって苦痛から解放され、一時の快楽に身を静める。全てわかっているから、そうなのかもしれない。

 彼女たちはまだ、幸せだったのかもしれない。

 しかしそれは、他人と云う名の極めて無責任な視点。

 彼女たちの自我は実際、見えないところで生きていたのだ。幽体離脱でもしたかのようにして、全ての行為が少し離れたところから見えた。

(いっやあああああああああああああああっ!)

(やめてやめてやめてえええええっ! もうやめてええええっ!)

(ひどいひどいひどいひどいいいいいいっ! うああああああんっ!)

(もっ……もうやだあああああっ! 死に……たいよおおおおおっ! 殺して! もうやだ! 死なせてよぉぉっ! こんなのもうやだああああっ!)

(助けてえええええっ! 誰かっ! 誰か助けて! 誰か来てええええっ! お願いだよおおおおおっ!)

(出して……。ここから出して……。帰りたいよ……家に。あの頃に……かえ……して)

(夢……だよね。全部……夢……だよね……夢……じゃないと……私……嫌……だよ)

(マ、マ……パ、パ……たすけ、て……。マ、マァ……)

「何で……どうして……こんな目に……。何で、どう……して……」

 少女達は皆、大声で泣きじゃくりながら叫んでいた。現実に声は出ない。涙も出ない。ただ、防音ガラスの向こうで見ているかのような……近くて遠いところ。心は死んでいた。ただ……体から抜け出してしまっただけだった。

 恐らく少女達の全てが滅んでも、この悲しい思いは昇華できないことだろう。生きながらにして、自縛霊にでもなってしまったのだろうか。

「……」

 それが見えているのだろうか。天井から吊るされた愛の瞳から、ポツリと涙が一粒こぼれ落ちた。





狂乱の宴の後。異変が起こる。





 このところ毎日のように現れては少女達を犯していた男達が、ぱったりと姿を見せなくなった。

 それもそのはずだ。紳一が死んだのだ。全ての少女達の処女を奪い去り、汚し、その死に顔は満足感に満ちていた。

 勝沼財閥総帥。病により世間から姿を消していたとは云え、その影響力は絶大だった。

 葬儀は盛大に執り行われた。それ故に、木戸も古手川も数日間、少女を犯すことをしなかったのだった。

 直人は紳一が死んだと聞いた時、茫然自失になった。そして、枕元に向かい、それが事実であることを確認した日の夜。直人は紳一の部屋にて正座し、上着を脱ぎ、ネクタイを放り投げた。そうして白いシャツを白装束に見立てた後。

『紳一様。これより私もお供致します』

 そう云い、愛用の刀を持ち、古来の侍の如く割腹自殺したのだった。

 それから数日立っても、男達は現れなかった。

 それもそのはず。

「ふぉっふぉ。ええのう、ええのう! 西九条の娘は乳の大きさは今一つじゃが、締まりは最高じゃの」

「あ、は……あっ」

 紫音を四つん這いにして貫き、犯す古手川。紫音のすらりとした背中を気持ちよさそうに撫でる。

「へへへっ。財閥のでかさと乳のでかさは比例しないってか? それにしても、アイドルのケツはいい締め付けだぜ」

「う、あ、あ」

 同じく礼菜を犯す木戸。礼菜はただ、苦しそうに息を吐く。

 紳一の死により、彼らはタブーを破ることにしたのだ。今まで手を出せなかった存在。紳一専用の娘たちに手を出していた。紫音、礼菜、文、彩乃、帆之香、柚流、せりか、ひな、流花、鈴……。

 散々犯されて、自我を失った娘たちを更に汚す。取っ替え引っ替え、好き放題に。標的にされた少女達は皆、ただ凌辱の時を耐えるだけだった。

「お、お。紳一おぼっちゃまの調教が行き届いておるのう。いい締まりじゃ」

「あぅ……あぅ……」

 数分後。射精した古手川は紫音を床に転がし、今度は彩乃を犯す。彩乃は尻の穴を犯されていた。何回にもわたる凌辱により、がばがばになっていく。

「直人も生きていればいい目にあえたのに」

「あぐ……あぅ……」

 木戸はひなを犯しながら直人のことを馬鹿な奴だと、云う。足下にはひなの、ずたずたにされたぬいぐるみのなれの果てが転がっていて、木戸に踏みにじられていた。ひなは小さな体を宙に浮かされた状態で、ひたすら揺さぶられた。

「まったくじゃの」

 自分も忠誠心はあるが、殉死するのはいくら何でもちと行き過ぎではないか。と、古手川は思うのだった。と、そこに。

「お、おお。流花ちゃんじゃないかのう。久しぶりじゃな」

 いつだったか、トイレに入っているところをいたずらして、紳一に咎められた事を思い出す。流花がそこにいたので古手川は彩乃の体を邪魔だとばかりにごろんと横たえさせる。

「思う存分してやるからのう。そりゃ!」

「あ……はっ」

 四つん這いに押し倒してアヌスに突っ込んだ。そこに鈴がいたのをみて、古手川は……。

「ふぉふぉ。ここに、わしのものが出入りしてるのが見えるじゃろ? なめなめするんじゃよ」

 鈴は柔順に、流花と古手川のものが出入りする部分に舌を這わせた。





凌辱の時は、まだ終わらない。
























-了-