「うぅぅぅぅっ!」
古手川は詩織の頭を掴んではぐいぐいと押し付ける。友達の、恥ずかしい場所を愛撫させるために。
――古手川老人に割り振られた部屋には四人の少女がいた。今、ベッドの上にはかすみが仰向けに寝そべり、ロープで両手両足を四隅に固定され、大きく股を
開かされている。閉じたくてももはや力すら入らずどうしようもない。
そして今、詩織の愛撫が始まるのだ。あまりにも恥ずかしいところに舌が這う。
「あふぅ。はふっ。あ、ぅ……。や、め、てぇぇ」
「ん、ん……」
かすみも詩織も一様に虚ろな瞳をしていた。身動き一つ取れず、犯されているのに甘ったるい声をあげてしまうかすみ。友達を犯すことを強要され、ただ規則
的にピンク色の舌をちろちろと動かし続ける詩織。
少女達が弄ばれているその後ろでも、同じ……。
「むぐ、おぐ……。おぅぅ……。ぐ、ぅ」
とても小さな愛らしい少女、みおが苦悶の表情を浮かべていた。喉に届きそうなくらい口内の奥深くまで古手川のものが突っ込まされていたのだから。見開か
れた目からは涙がとめどなく流れ落ちていく。
「ふぉっふぉ。いい子じゃいい子じゃ。おしゃぶりも上手くなったのう」
「おご、おごぅ……ぅ。むぐ……おごぉぉ」
みおは一心不乱に口を開きしゃぶり続ける。そうしないと……そうしなければ、またあそこに入れられてしまう。小さく、狭い入り口を無理やりこじ開けて
入ってくる。激痛に気が狂いそうになる。それだけは嫌だった。口でくわえるのだって勿論嫌だけど……。みおはもう、選択する権利すら与えられてはいなかっ
た。
「出すぞい」
「んぐっ! んんぅーーーーっ!」
洪水が起きたかのように、みおの口内に大量の精液がぶちまけられた。
「げふぉっ。ごほっごほっ。ぐ、ぇぇぇぇっ! うぇぇぇっ! げほっ」
むせ返り、のたうちまわるみお。吐き出された精液がこぼれ落ちてはみおの体を汚していく。古手川はそんなみおの体を問答無用で引き寄せる。ものを扱うか
のように、乱暴に。
「ま、まぁぁ……。あぐぅっ!」
ずん、と強烈な衝撃。杭を打ち込むような感覚で、古手川が挿入した。こうされるのが嫌だから、必死に口での愛撫を続けたのに。あまりの理不尽さにみおは
無き叫んだ。
「いたあああいっ! あがっあっ! ああああっ! いやあぁぁぁっ! うあぁぁぁぁんっ!」
みおの体が激しく揺さぶられる。
「締まりがいいのう」
「い、やだぁぁ。ま、ママぁ……」
やがて中に射精。みおはただしゃくり上げるだけだった。
「かえり……たい……」
床の上に仰向けに寝そべる舞。ただ一人あぶれ、放置されていた舞が呟く。犯され、弄ばれ続ける友達を虚ろな目で見ながら静かに泣いていた。
思い出すのは暖かく、笑い声に溢れた家。今すぐ帰りたい。けれど、帰りたいのはそれだけじゃなかった。楽しかった日々。過去に帰りたいと誰もが強くそう
思った。難しい勉強に悩み、将来の希望と不安に一喜一憂し、いつも楽しく友達と遊んだりおしゃべりしたり時に喧嘩したり、恋に夢中になったり。それが今で
は……。あまりにも残酷な事実。
「あ、ぅぅぅ……」
みおの顔は真っ赤になっている。呼吸が困難になっているから当然のことだった。
またも男のいきり立ったものを口内に突っ込まれてはしゃぶらされている。自分たちを犯すことしか考えていない、醜悪な老人のものを。だらだらと唾液と精
液をこぼしながら。
「あぁぁぁ、あぁぁ……。た……すけてぇぇぇ」
そしてまた、何度も秘所に突っ込まれては中に出された。古手川はみおの口内に再び射精した後、床に寝そべる舞の上にうつ伏せに重ね合わせた。
「ほぉれ。お友達とキスし合うんじゃよ」
「うぐぅっ」
古手川はみおの頭を掴んで舞の顔に押し付ける。虚ろな瞳が数センチの距離で重なり合う。そしてそのまま。
「ぐぅぅぅぅっ!」
みおが絶叫する。古手川がみおの尻に挿入したのだ。異常性欲者の行為は普通ではなかった。
「い、たいぃぃぃっ! たすけて……たすけ、て。たす……け、てぇぇ」
みおがうわ言のように呟く。助けられない悲しさに、舞は目を背けることすらできなかった。自分の上で小さな友達が犯され、揺さぶられている。
恐怖に脅え、激痛に苦しみ、悪夢のような現実に苛まれる瞳。みおの目から涙がこぼれ落ち、舞の顔を濡らす。
「すぐにお前さんにも入れてやるからのう。ほぉれ、しっかり抑えるんじゃよ」
「……」
犯されている友達は自分と同じ。自分もみんなと同じ。誰かが犯される度に、自分も犯されている。自分が犯される度に、みんなも傷ついていく。
古手川はみおの体を固定するため、舞の両腕で抱き締めるよう命令した。
「ひど、い……」
抵抗すらできず、全てを奪われた悲しみと悔しさ。人としての尊厳も、人生も全て。
「あっ! あっ! あっ! んんんんぅっ!」
古手川が射精する。みおの絶叫をかきけすように、舞は唇を重ね合わせ、舌でなめ回した。
いっそ命を絶つことができたら、楽になれるのに。
もはやそれすらも夢物語。
『修学旅行、楽しかったね……』
と、いつか誰かがちょっと寂しげにそんなことを云ったような気がした。
訪れるはずだった未来。男たちによってねじ曲げられ、訪れなかった未来。
何年も前に。木造の建物が朽ち果て崩れ落ちたであろう場所があった。
今はただ埋もれるように背の高い草木が生い茂り、何も見えはしなかった。
『かえりたい……』
風にかき消されてしまう。小さな、消え入りそうな声。
無念の死を遂げた少女達の魂はこの地に永遠に留まり続ける。誰にも知られることすらないまま。