「あっぅぅっ! ……ぅ、うぐっ! うっうっ!」

 地下牢という名の密室に、少女の苦痛に満ちた声が断続的に響いている。クラス委員の私はただじっとしながらそれを聞いているだけ。

 多くの少女は泣き疲れながらも、両手をばたつかせて抵抗を続けた。ひたすら襲いかかってくる男達の手から逃れようと必死にもがき、苦しみ続けた結果、最後には力尽きてしまった。そうして捕らえられ、今ではただ弱々しく嗚咽を漏らすだけ。犯されている時は皆そうだ。私達はこんな光景を何度となく目にすることになってしまった。

 今日も又、クラスメイトの誰かがゆさゆさと男の上で揺さぶられている。……仰向けに寝そべる木戸という男の上には全裸の奈緒ちゃんが股がされ、巨大なものを股間の割れ目からずっと奥までねじ込まれていた。まるで拷問。串刺しの刑にでも処されているかのようだ。

「ふん。こいつももう使い物にならないか」

 私達はもはや完全に物扱いされていた。奈緒ちゃんは呆然としたような表情で、あらぬ方向を向いている。ぼやけたようにうつろな瞳は視線が定まっておらず、口元からはあふれ出た涎が一筋こぼれて落ちる。痛みと羞恥と極限の恐怖に支配され、もはや何も考えられないのだろう。

「あぐうぅ、はぐぅ、う、ぅ、ぅ」

 それでも時折嗚咽と共に苦痛に満ちた声が漏れてしまう。冷たい涙が幾筋も頬を伝わり、落ちていた。壊れたって、痛みや苦しみから解放されるわけではないようだ。

(痛いよね……。苦しいよね……。助けて欲しいよね……。でも、ごめんなさい……。私は……私には……何も。う、う……)

 無能な私には、何もできないのだから。クラス委員なのに、どうして何もしてあげられないのだろう。あまりの無力さにただ苛まれる。

「あ、あぁ……あ、あ……。あがっ……」

 そのうち奈緒ちゃんがのけぞり、白目を剥いて悶絶していた。木戸が達したのだ。消防用の太いホースをねじ込まれ、放水でもされているかのように、大量の精液が奈緒ちゃんの子宮目がけてぶちまけられていた。見ず知らずの男の精液を膣内に出される。それは死にたくなるようなショックのはずだ。それでも……これで、ひとまずは解放される。せめてもの救いなのかもしれないと私はそう思ったが、甘かった。どうやら奈緒ちゃんは気を失ったようだが、木戸はそれを幸いとばかりに奈緒ちゃんの体を持ち上げ、ひっくりかえして床に押し付け、這わせるような格好にさせ、剥き出しになったままのアヌスへと一気に挿入してしまったのだ。

「へっ。気を失ったのは好都合だ。変な力が抜けてすんなり入るぜ」

 木戸は容赦なく奈緒ちゃんのアヌスへと肉棒を突き立て、汚し尽くした。ずむ、ずむ、と猛烈な早さと勢いで何度も乱暴に突き立てた。木戸のものをすべて受け入れた奈緒ちゃんのアヌスは大きく開ききっていた。小柄な奈緒ちゃんの体は木戸の巨体にすっぽりと隠され、様子など見えなかった。ただ……ああ、今もまた犯されているんだ、としか想像できない。

「出る」

 そうしてまたも射精。それも一回や二回じゃない。出される量だって半端なものではない。

 それからまたかなりの時間が経過して、ようやくのことで奈緒ちゃんは解放された。だが、冷たい床の上にうつ伏せになったまま、もはやピクリとも動かなくなっていた。考えたくないけれど、死んでしまったのかもしれない。もしかするとそれはある意味幸せなのかもしれない……。

「いやああああ!」

 突如、別の娘の叫び声が響き渡る。小さなかわいいクラスメイト、みおちゃん。古手川という名の老人によって細い腕を掴んで引き回され、放置されうつ伏せに寝そべっている奈緒ちゃんのアヌスに顔を押し当てられ、舌での愛撫を要求されていた。みおちゃんは心底嫌そうに目を閉じるけれど、古手川は容赦しなかった。

「んがあっ! うぐああっ! やだあぁぁぁぁぁぁあ! むぐうううううっ!」

 あ、あんな小さくていたいけな娘にもと、私は愕然とする。強要されて嫌々と舌を出すみおちゃん。舌を引っ込めようとした瞬間。

「こっちの方が良いのかのう?」

「ひっ! あがあああああっ! だめええええっ! ひいいいいいっ!」

 古手川が脅しをかけみおちゃんのアヌスを犯そうと、入り口に突き立てかけていたのだった。もはやみおちゃんは言われるがままにするしかなかった。みおちゃんの舌がアヌスの中へと侵入するたび、奈緒ちゃんは時折ぴくんと痙攣していた。生きているようだったけれど、こんなひどいことをされ続けたら死んでしまう……。それも、最低最悪な死に方だ。

「や、やめ、てえぇぇ……! う、う。うあ、うああぁ、んぐああぁぁぁっ! ひい、ひいぃっ!」

「あ、あ……な、に……あひっ!」

 奈緒ちゃんはやがて目を覚まし、自分がおかれた現状を知り、しゃくりあげる。男達はとても嬉しそうに邪悪な笑みを浮かべていた。そのうち直人という名の男も加わり、他の娘も連れてきては列車を連結するかのように、お友達のアヌスを舌で愛撫するよう要求したのだ。みんな全裸にさせられていて、何度となく犯されている。境遇は一緒……。あまりにも異様な光景だった。当然のことながら、みんな心底嫌そうな顔をしている。

「ひい! ひい! ひぎい! うぐあああっ!」

「あ、がああぁっ! あぐっ! がふっ!」

「うぐっ! ぐふっ! げふっ!」

「んぐぁっ! い、やぁぁぁ! こんな、こんな……!」

 亜衣ちゃん、かすみちゃん、美紗紀ちゃん、詩織ちゃん……他にも数名、それぞれみんな目を見開いて、かすれかけた声で悲鳴を上げている。突如、アヌスを愛撫していた娘が耐え切れず絶叫を上げる。思わず口を離すとしかし、男が近づいてきて低い声で脅すように言った。

「誰が離していいだなんて言った? 前にも後ろにも口にもねじ込んでやろうか? 同時にな」

「ひっ! んぐあっ!」

 強く首根っこを掴まれ恐怖に震え、おずおずと愛撫を再開するのだった。

「ふははは。お前ら、嬉しいだろ? 互いにケツの穴をなめ合って一生の思い出になったろう? 最高の修学旅行だったって家族や友達に教えてやれ!」

「ふぉっふぉ。よく撮れておるわい。誰が誰の穴をなめてやったか自慢しあえるのう。みんなで仲良く尻の穴をなめ合いました、とな。もはやお笑いものじゃな」

 すべて、こんなところまでビデオで撮影されているのだ。記憶だけでも抹消できないというのに、こんな姿まで……。

「ま、全員俺達が貫通済みだがな」

 仮に助かったって……これではもはや、元に戻ることなどできはしないだろう。こんな目を背けたくなるような事をさせられ、絶対に思い出したくない過去の一つを作られている……。ひ、ひどい……。あまりにもひどすぎる。これは、人のすることじゃないわ。目の前でお友達が傷つけられ、目茶苦茶な目にあわされているのに、離れたところにいた私はただ、力無く涙をこぼすだけだった。

 ごめんね。許して。助けて。もういや……みんな互いに心の中で絶叫しつつ、互いのお尻の割れ目に顔を埋め、小さなすぼみに舌をはわせては、逆に自らも同じようにされ、悶絶し続けるのだった。そうしなければ……言うとおりにしなければ、痛い目にあわされながらじわじわと殺される……。

 男たちに言いたい。みんなの頬を流れる涙を見て。悲しげな、苦痛に満ちた声を聞いて。身も心も傷つき、壊されていく女の子達。何も、思わないの? 叫んで糾弾したい。けれど、そんなことをしたら私も……。

「げほげほっ! うげええぇぇっ! もうやあっあぁぁ! ま、ママァーーーーーっ! 助けてええええええっ!」

「何逃げようとしてるんだ、このガキ!」

 あまりのひどい仕打ちに耐え切れず、早由美ちゃんがよろめきながら立ち上がり、逃げ出そうとした。だが……すぐに捕まり、木戸の巨大な一物をアヌスへとねじ込まれていった。めり、と裂けるような音が聞こえた気がする。

「ぐぎゃあああああっ! うぎゃあっ! ひぎゃああああっ! あ、あああああ! いたあああああいいいっ! うえええええんっ! ま、まあぁぁ……!」

 アヌスへと突っ込まれたショックのあまり失禁し、じょろじょろと滴が落ちていき、四つん這いのままのお友達の顔を汚していく。壊れた、と思った。早由美ちゃんは壊れてしまっただろう。もう、まともに話すことすらできないくらいに。もし仮に早由美ちゃんのお母さんが今この光景を見たら何と言うだろうか……。

 それからも、男たちは好き放題みんなを犯して汚し尽くした。口でしゃぶらせ、アヌスやあそこにつっこみ、体中をまさぐり撫で回し、胸の大きな娘にはパイズリを要求し、散々引きずり回してお友達同士でのレズ行為を強要した。乱行はいつ果てることもなく続いていった。汗と涙と精液にまみれ、力なく横たわるだけ。まともに歩くことすらできなくなってしまったのに、硬い鎖で繋がれ、鉄格子が無情にも行く手を遮っていた。

「う、あ……あ……」

 気がついたら、私も犯されていた。男達は他の娘を犯し尽くして飽きたのか、牢の片隅にいた私に目を付けたようだ。今は何時なのだろう……。暗闇の中で、悪い夢を見続けていた。





病室





 例えば、という話をした。クラスメイトの一人、早由美は奇跡的に生還を果たした。今では入院し、生命維持装置をつけられて辛うじて生きながらえているにすぎない。あまりの激しい凌辱により、植物人間にされてしまったのだ。

「助けたかった。本当に、助けたかったのよ……」

 私の傍らには、愛しい人がいた。私は涙を拭いながら、あの地獄のような日々についてひたすら独白を続けていた。

「でも……。だめだった。わ、私だって……あの人達に……」

 私の頬を冷たい涙が伝っていく。できなかった事に対する後悔が今も精神をむしばんでいく。

「みんなを助けたかったのに……。あ、あの時……バスごと連れ去られて、大広間に集められて……。勇気を出して、あなた達の代表者に会わせてくださいって、そうお願いしたら……」

 誘拐されて初日のことだった。こんな非道なことをやめてもらうようにと説得するため、みんなを解放してくださいとお願いするため、私は勇気を振り絞って、男達の代表に会いに行った。そうしたら……。

「飲まないと他の子に飲ませるって言われて、変な薬を無理やり飲まされて……。そうしたら私……意識が遠くなって」

 その間の事はしっかりと覚えている。自分が自分じゃなくなってしまった数分間の事だった。

「わ、たし……。う、う……。じ、自分で服も下着も脱ぎはじめて……。男に体を触られて、キスをされて……喜んでた。もう、わけがわからなくなって……でも、どうしようもなくて……。言われるまま、男の……性器を……口で、くわえさせられて……気持ち良くなるまでしゃぶらされて……」

 そうして口内に出されたものを惜し気もなく飲み干した。彼が言っている。もういいんだ、と。もう話さなくていい、と。けれど私は独白を続けた。そうしなければ……私はひたすら苛まれ続けるだけだから。あの時何があったか、どんな目にあわされていたか、全てを話さなければ……汚れた自分を知って欲しいから。許して欲しいから。

「そ、れで……」

 私はベッドに横になり、みだらに股を開いたのだ。そして……男のそそり立ったものが入り口に宛てがわれて。

「痛いって思った瞬間。目が覚めたように……私は我に帰って。でも、もうそのときは……。う、う、あ……うああああ! ごめんなさい! ごめんなさい……私は……私は、あ、あ……」

 私は処女を奪われ、汚された……。

「痛いって言ったのに。やめてって叫んだのに。助けてって思ったのに。……ずっと、ごめんなさいって……心の中で、春彦くんに……謝ってた。許されないってわかっていて……」

 男は散々私を汚した。揚げ句の果てに、中に射精した。

「それで……やっと終わった。私は裸のまま地下室に連れて行かれて……鎖の突いた首輪で繋がれて、そのまま置き去りにされた。暗くて、寒くて、恐くて……そんなところにずっと。く、鎖と首輪が堅くて冷たくて嫌だったわ。その上、鉄格子も。た、楽しい修学旅行が……どうしてこんなことになっているのって、何度も思った。何かが間違っているんじゃないかって。悪い夢をみているんじゃないかって思った」

 けれどすぐに一人ではなくなった。

「文さんは……呆然としながら連れてこられたわ」

 自分と同じように全裸にさせられ、処女を奪われたクラスメイト達が地下室へと連れてこられた時のことを思い出す。古風なくらい落ち着いた、おっとりした文は犯されて心底ショックだったようで、呆然としていた。

「彩乃ちゃんは、男に抱えられて来た」

 処女喪失に加えてアヌスにすら突き上げられた。激しい凌辱に失心してしまったのだろう。意識を取り戻してから、お尻とあそこに出された違和感を感じ、確かめてみて呆然とする。わなわなと震え、やがて悲鳴を上げたり泣きじゃくったりし始めていたのを思い出した。

「流花ちゃんは、泣きじゃくってた……」

 痛みと恥ずかしさにただひたすら泣きじゃくっていた。傷ついたクラスメイトを抱き締めてあげたり、髪を撫でてあげたりするくらいしかできなかった。

「監禁されて、時間すらわからなくて、寒くて……必死に、猫みたいにみんなで寄り添ってた。寒いよ、寒いよ、もういやだよ、助けてよ、帰りたいよって、みんな言いながら……。震えながら」

 悲惨な日々。

「それでも男達はいつも突然やってきて……好き放題に私達を汚したわ。眠っている時も泣いている時もおかまいなしに。もちろん抵抗したわ。悲鳴をあげて、手足をばたつかせて……でも、すぐに押さえ付けられて、あそこにねじ込まれて……私もみんなも、痛みと恥ずかしさに、そのうち何もできなくなっていた」

 時に目の前でそんな光景が繰り広げられた。組み伏せられ、のしかかられ、体の中へと異物を埋め込まれて行く。時には自分もそうだった。

「目の前で、みんな激痛にうなされたように言うのよ。助けてって。痛いよって。もういやだって。お母さんって……。ぎゃあああ、って悲鳴上げて。私は一体どうすればよかったのよ……。やめて、もうやめて、お願いって……泣きながらそんなことしか言えなかった。もちろん男達はそんなこと、一度も聞き入れてはくれなかった。男の中には、女の子を犯しながらお尻を平手打ちして……悲鳴をあげさせて喜んでたのだから。私達が嫌がれば嫌がるほど嬉しそうにしていた。もっとわめけ、泣け、叫べって」

 無理やり助けようものなら容赦のない凌辱にさらされた。

「時にはお尻の中へねじこまれたわ。そこはいやって、みんな言っているのに。そんなところに入れられて、出されて……そうしたら男は言ったわ。そのまま他の娘の口に突っ込んで、きれいにしろって。全部飲めって……」

 あまりにも酷すぎる過去。

「いつだったか。お友達を犯して精液まみれにさせながらあの老人が得意げに言ったわ。これでクラスの全員に入れて中に出してやったぞ、と。みんな一度はわしとやったんじゃ、と。みんな……みんなあの老人に、一度は……中に……。それだけじゃない、他の男達にも何度も……」

 ひどすぎると、柚流は目を伏せる。明らかに皆の両親よりも年上であろう醜悪な老人に……クラスメイト全員が同じ男によって犯された。体の中に大量の精液を吐き出された。

「口でも、男のものをしゃぶらされて……。私達は、おもちゃにされたわ……」

 非人道的な行為の数々。小さな体の娘にも、男の巨大な一物が容赦なくねじこまれていった。

「ま、前と後ろから……二人の男に同時に入れられて……」

 私物化された体……。

「みんな……みんな……疲れ果てて、何も食べられなくなって、傷ついて、死んでいった」

 凌辱の果てに訪れたのは死。静かな、誰からも忘れ去られた死。事件によって、クラスメイトの大半は衰弱死した。たまたま運よく生きながらえたのは十人にも満たなかった。柚流もその中の一人。中には凌辱されている最中に絶命した娘もいた。あまりにも無念で残酷で、天国に……行けるのだろうか。

「みんな、少しずつ壊れていったわ。ぼうっとして、楽しそうに誰かとお話していたり。歌を歌っていたり……夢でも見ているみたいに笑っていたり……。わけ もなく笑っていたり」

 あまりにも苛酷な状況に誰もが精神を崩壊させた。柚流も例外ではなかった。

「それでもあの男達は、壊れた娘も犯したり、お友達の体に舌を這わせたり、指でいじくったり。お、お尻の穴までなめろとか言われて……。もう、何も分からなくなって……」

 そしてまた、突如として犯される。その繰り返し。

「もう……もう……。私は……。う、う……。私を、許して。こんな……汚されて……生きてて……。死にたいって、何度も思った。でも、できなかった。私は……私のクラスは全員犯されて、死んで……クラス委員の私だけがこんな……。う、ああぁぁ」

 もういいんだと彼は言った。柚流は何も悪くない。生きてくれているだけでいい、と。もう大丈夫だから、と。

「みんな……。私を許して」

 救えなかった友達の事を思い出す。みんな可愛くて、個性豊かな娘達だった。過去形でしか説明できないのがたまらなく悲しい。強気な娘もいれば、おとなしくて優しい娘もいた。大人っぽい娘もいれば、可愛い妹みたいな娘のもいれば、元気いっぱいな娘もいた。背の大きな娘もいれば小さな娘、胸の大きな娘もいれば小さいことを希にしている娘もいた。どの娘も例外なく全裸にさせられ処女を破られ、激痛と恥辱にさらされて死んでいった。

「私達のクラスが……クラスが……めちゃくちゃにされた。み、みんな……帰ってきて……」

 一つのクラスが消滅した事実をいまだに受け入れる事などできはしない。

 運よく救出され、私は長きにわたるリハビリの末、ようやくのことで我を取り戻した。助かったお友達の中には、いまだに意識を取り戻せずに寝たきり状態の娘もいれば、完全に自我を喪失し、早由美のように植物人間にされてしまった娘もいる。残念なことに手遅れで助からなかった娘もいる。恐怖に震え、鎮静剤を投与されている娘もいる。地獄はまだ続いていて、一生終わることはないだろう。

「春彦くん……」

 もういいんだ、と彼は言った。今はただ、優しく抱き締めてくれた。柚流にはその温もりが何よりも優しく、ずっと身を任せていたくなった。

 こんな自分を……考えていられる幸せを、助からなかった友達は許してくれるだろうか。認めてくれるだろうか。そう思いつつ、柚流は好きな人の胸で泣きじゃくっていた。

 身も心も汚され、痛め尽くされたあげくに放置され、無念の死を迎えたクラスメイトたちの魂は……今もどこかに漂い、泣いているのではないだろうか。

 私の悪夢は終わりを告げた。今はただ、彼の温もりが優しかった。