「や……やあああっ!」

 全裸にされ、ベッドに押し倒された文は悲鳴を上げ続ける。目は限界まで大きく見開かれ、涙が頬を伝い幾筋にも流れ落ちていた。

 あまりにも残酷な光景だった。今も文の目前で男のものがうごめいているのだ。ずりゅ、ずりゅ、と這うような音をたてながら文の大きな胸と胸の谷間を紳一のものが前後に動き続けている。文は自分の両胸を手で掴んで寄せ上げさせられ、紳一のものを挟んで前後にこするよう強要されていた。

「や、やめ……やめっ……やめてえええっ! いやあああああっ! いやああああああっ! いやっいやっいやああっ!」

 それは延々と続く拷問だった。熱く、肌に絡み付くような不快感に文は顔を歪ませる。今時珍しい程古風でおしとやかな性格で、歳の割にバストサイズが大きい文。そんな魅力的な少女の豊満な胸を紳一は見逃すはずがなかった。

「いい胸だ」

「うっ……ううっ……」

 文はただしゃくり上げる。胸……触られることはおろか、見られることですら死にたくなるほど恥ずかしいところなのに、男のものを胸の間に挟み込まれ、淫らにしごかされている。玩具のような扱いに、文は嫌々と頭を振る。修学旅行を楽しんでいただけなのに。いつの間にか信じられないような事になっていた。あまりの非現実的な光景に、文は絶望的な気持ちになっていく。

「でかいし、形もいい」

「あっ!」

 文の体に電流のようなしびれが走る。紳一は文の乳首をつまみ、ひねり上げたのだ。

「色も白くて美乳だ。それに触った質感も感触も吸い付くようで最高だ。何より乳首も小振りで色も可憐で最高の胸だな」

「い……わないでください。そんなこ……と……」

 紳一が言葉を続ける度に、自分の何かが傷ついていく。そんな気がした。

「どうして? 褒めてやっているんだぞ? お前のクラスメイトにも胸がでかくて美乳なやつは何人かいたが、お前はその中でも最高だ。もっと喜べ」

 紳一は簡単に云い放つ。きっとみんなこのようにして犯されたのだ。そして今、自分の番が来てしまった。みんな逃げることも叶わずにただ犯され、男達の慰み者にされた挙げ句、殺されるのだろう。少女達の誰もが結末を想像できてしまっては、打ちひしがれていた。

「嫌……です。嫌なんです。こんな胸……」

 文は呻くように云う。大きな胸……。自分自身の最も恥ずかしくて、人に見てもらいたくない、大嫌いな部分だった。そして紳一は、文の心を全て見透かした上で云っているのだ。不釣り合いな大きな胸に、文がコンプレックスを持っていることに。

「男に揉まれた事はあるのか?」

「っ! ありませ……んっ!」

 あるわけがない。

「吸われたことは?」

「ない……ですっ! あっ!」

 ないに決まってる。

「じゃあ、俺以外の男にパイズリしてやったことは」

 どんなに否定しても、紳一はいやらしい質問を繰り返す。

「う、う……」

 まともに答えても聞いてなどもらえない。文は唇をかみしめる。紳一は文が嫌がり恥じらうのを見て心の底から喜んでいるのだ。

「乳首が起ってる。感じてるんだな」

「違います……っ! 違いま……す。あっ」

 淫乱だと云われているように感じて、文は慌てながら否定しようとしたが、奇妙な快感によって遮られてしまう。

「何が違うんだ?」

「やめ……てえぇ。触ら……ないで。いやあっ!」

 乳首を強く引っ張られ、文は悲鳴を上げる。

「水泳とか体育の授業とか、本当は楽しみなんだろう? みんなに見てもらいたいんだろう?」

「そ、そんなことありませんっ! 本当なんです! 違いますっ! 違うんですっ! ううぅ……も、もういやあああっ! こんなの……こんなのいやぁっ! ……あんまりですっ! ううううっ! もうやめてええええええっ!」

 羞恥のあまり文は子供のように泣きじゃくりはじめた。けれど紳一は容赦しなかった。文を見下ろし、無情な一言。

「なめろ」

「う……」

 文の寄せ上げた胸の先端。自分の胸の乳首をなめろと強要される。文はしゃくり上げながら従う。その間も紳一のものは激しく前後にうごめいていく。

「う、うう、うう、ん」

 自分の、左右の乳首に吸い付いては舌でなめ回す。あまりにもはしたない行為をさせられ、文は眉を歪める。

「自分で自分の胸をしゃぶって感じてるんだな」

「……」

 もう何も云えない。何を云っても信じてなどくれないだろう。それに……紳一には絶対にばれたくない感覚が込み上げてくる。けれど、完全にばれている。

(あ、熱い……。ど、どうして)

「いくぞ」

 紳一の動くが更に早まる。文は恐怖におののくが、パイズリを強要される前に云われたことを思い出していた。

(約束……)

 広間から紳一の部屋に連れて行かれ、襲いかかられた時のこと。ベッドに押し倒され、ファーストキスはあっさり奪われた。そしてあっと言う間に制服を剥ぎ取られて裸にさせられ、初めてを……結婚まで守りたかった貞操を奪われかけた。文は必死に懇願した…何でもするからそれだけは、と。そして今……パイズリを強要されているのだ。

 望んでいないのに大きくなっていく、大嫌いな胸。茶道の稽古をする時……着物を着る時は無理やり晒できつく縛って小さくしようとしている胸。制服の時……街を歩くだけで男性達の好奇の交じった目で見られる胸。必死に、小さめのブラで潰すようにしているのにどうにもならない胸。

「う、う、ううううううっ!」

 文は一心不乱に胸を前後に動かし、紳一のものをしごき続けた。そうして終わらせ、紳一を満足させれば初めてだけは……既に様々なものを失い、一生忘れられないくらいの傷を負ったものの、一番大事なものだけは守れる。そう信じて疑わなかった。胸で、舌で、口で、文は泣きじゃくりながらも奉仕を続けた。

 そして、文の必死の努力の甲斐あって……一気に射精が始まった。処女を奪われる程ではないけれど、それでもあまりにも不快な行為には違いない。

「いやあっ! ああああああっ!」

 口に、頬に、胸に……。熱く白いものが放出される。だが、すぐに……。

「しゃぶれ」

「むぐうううっ!」

 口内の奥深くまで押し込まれる。逃げたくても、体の上にのしかかられて身動き一つ取れない。口で……くわえさせられている。あまりにも苦しくて、それでも歯を立てようものなら何をされるか。文は必死に口を開け、舌で愛撫を続けた。

(たす……けてぇぇ……! もういやぁぁっ! ゆるしてぇぇぇっ!)

 誰にも届かない心の叫びだった。





その僅か後。





「いやああああっ! 嘘つきっ!! 助けてえええええっ!」

 紳一は云った。ここまできたのだから、最後まで捧げろと。全てを諦めろとあっさり云い放った。

 ……今までの全てが無駄になり、裏切られた。文はベッドの上に四つん這いにさせられ、犯された。ずぶずぶとめり込んで行くものの感触が分かる。嘘つき呼ばわりされ、紳一は頭に来たようだ。一気に腰を進めていく。

「いやああああーーーーーーっ!」

 文は無残に処女を奪われ、絶叫を上げた。

 こじ開けるように紳一のものが入ってくる。体の奥まで侵入された。激痛と共に、大切なものを奪われた無力感がこみ上げてくる。

(おか……された。よご……された。ひど……いいぃ)

 痛みにのたうちまわり心の傷に震える文とは対症的に、紳一は快感が込み上げてきていた。文の腰を力強く固定し、挿入を続ける。文の柔らかなお尻が紳一の下腹部とぶつかり合い、たゆむ。

 パイズリをさせられ精液まみれにさせられた胸もゆさゆさと揺れている。突然ぐにゅ、と形を変えた。紳一が背後から手を回し、握り潰すように揉みしだいたのだ。乳首ごと潰され、股間と共に痛みを感じる。

「いた……いぃぃ。たす……けてえぇ……。ゆるし……てぇぇ……。おかあ……さ、まぁ……あぁぁ」

 紳一は笑いながらすさまじい勢いで腰を振っていた。心の底からうれしいのだ。貞操観念の強い古風な少女を犯し、汚し、苛め、絶望の底に叩き落として喜んでいるのだ。ぱん、ぱん、と体同士がぶつかる音が響いているが、文には聞こえない。ただ目を見開いて涙をこぼし、開け放たれた口からは射精された精液と共に唾液が涎のように流れていく。

「いくぞ」

「な……中だけは……中だけはやめてえええええぇぇぇっ!」

 紳一が射精する寸前。文は絶叫を上げた。最後の抵抗。そして……。

「中はいやあああああああぁっ! い、や、あ、あ……あ……中はっ……い、いやなんですっ! 中はやめてええええぇぇぇぇぇーーーーっ!」

 紳一は文の奥深くまで侵入したまま動きを止める。大量の精液が文の中であふれそうな位に射精を繰り返している。いくらか時間が経過してから紳一が離れていき、支えを失った文の体はドサリと横たわった。大きく割れた秘所からは破瓜の血と共に白い精液がとろとろとこぼれていた。

「な、か……い、や……ぁ……ぁ、ぁ……」

 認めたくない。きっとこれは悪い夢。全てを失った文はシーツに包まれながら呆然と呟き続けるだけだった。

「どう……して……」





これはただの始まりに過ぎなかった。





「そんなとこいやあああああああぁぁぁっ!」

 数日後に行われた二回目。再び秘所を貫かれた後、紳一は文のお尻の穴を貫いていた。

「きゃあああああああああーーーーーーっ!」

 激痛とショックに文は失禁していた。ベッドの上にしゃああと雫がこぼれていくが、紳一は構わず腰を進めていった。信じられないような所を犯され、揺さぶられ、文の精神は崩壊していった。

 全てが終わった後。文はうわごとのように呟いたが、誰にも聞こえることはなかった。

「どう……して」

 その問いに答えてくれる者はいない。