戻る





七人の日常(一)・
-遠藤美佳編『costume play』-










遠藤 美佳

名前:遠藤 美佳(えんどう みか)
誕生日:2月1日
身長・スタイル:157cm、すくすくと成長中。……胸以外が。もっと膨らめーと、努力中
好きな食べ物:パフェ、甘い物。別腹別腹
嫌いな食べ物:オクラ。粘っこいものが苦手
好みの男性のタイプ:ノリのいい人。突っこみを入れてくれる人
趣味:コスプレ、古着屋巡り
家族構成:両親と妹が一人
性格:色んな服が好きなお洒落さん。天真爛漫な性格。










 彼女が着ているのは何の変哲もないごく普通の制服。あえて少し変わった要素をピックアップしてみるとすれば、エンブレムが縫い付けられた白いベレー帽くらい。そんな典型的な女子学生のコスチュームも、一つか二つのアイテムをちょっぴり追加してみるだけで、イメージはガラッと変わるもの。それが上質を知る人のこだわりだと、美佳は思う。

「ホーキにマント、っと。これで完璧魔法使いっしょ」

 危険だと注意されるような行為だけれども、屋上の手すりに、ぴょんっと飛び乗ってみせる。大丈夫。このくらいの高さなら、仮に落ちたって華麗に着地してみせる自信はある。足場は柔らかな芝生だしどーってことない。……というよりもむしろ、過去に何度か落ちた経験があったりする。経験者の談としては、やっぱり大した事は全然なかったよ〜、だそうな。とにかく美佳はそんな悪戯好きな性格の少女だった。

「んー。魔法使いっていうか、今風に言えばあれかな。魔法少女って感じなのかなー」

 下校時刻になってたまたま風に当たりたくなったので屋上に出てみたら、誰かが置き忘れたのであろう竹ボウキが無造作に置いてあった。ホーキときたらマント。とんがり帽子がないのがちょっと残念だけど、この際贅沢は言わない。

「そいでもってついでにこのストール……もといマントの出番なのですよ」

 もうそろそろ暖かくもなりつつあるけれど、でもやっぱり風も冷たい時がそれなりにあるので防寒用にと持ってきていたストール。その二つのアイテムが揃ったならば、子供の頃に夢見たような事を試してみたくなるもの。つまりこれは一種のコスプレなのだった。

「ふあぁ〜。気持ちい〜」

 何だか本当に空でも飛べそうな気持ちになってきた。どこまでも澄み切った空に爽やかな風。そして眼下には咲き乱れる桜。ずっとこのままここにいたくなるような気持ちになっていく。

「ふぁぁぁぁ。ん〜。最高に気持ちいい〜。でも、そろそろ帰ろっかな」

 このままだと本当に眠りについてしまいそうで、少々名残惜しいけれど帰ることにする。というわけなので、手すりの上から飛び降り、ストッと音をたてて着地。と、そんな時……。

「んふぁ?」

 間抜けな声を出している美佳のすぐ目の前に、見知らぬ男性の姿があった。今の今までまったく気付かない程に気配を感じさせなかった彼はきっとただ者ではない。いつの間に近づいてきたのですかと美佳はちょっとびびっていた。

 その若い男性はパリッとした清潔なスーツを着ていて、どこのクラスかはわからないけれどきっと先生……なのだろうなと思った。何せ、全校生徒数が数百名に達するかどうかの巨大な学校ゆえに、全ての先生まで覚えているわけではなかったから。とにかくも、その先生の若く、穏やかそうな表情は彼女の中では充分に爽やかでイケメンとされるような部類なのだった。

「あ、あはは。あの〜。……見ました、よね」

「危ないぞ。そんなところに突っ立ってると」

「いや〜。これはその〜。……すみません。危険でしたよね〜」

 ああ、やっぱり怒られた。でも、そんなに強い口調じゃなかったから、問題になるほどでは無さそう。仕方のないやつだ。不問に付してやる、とか、そんな感覚だろう、きっと。美佳はごまかすように軽く会釈をして、そのままそそくさと通り過ぎようとした。……しかし、異変は突然に起こる。

「そ、それじゃまた〜。先生さようなら〜。……え?」

 歩もうとして、妙な抵抗を感じる。気が付けば背後から突然抱きつかれ、拘束されていたのだ。足がもつれてしまって思わず転びそうになるけれど、男の手が支えられていたために事無きをえた。しかしそれは、新たな惨劇の幕開けに過ぎない。

 それは一瞬の事だった。ブラウスの胸元がぐい、と掴まれ、大きく左右に開かれていった。バリッと引き裂かれたような派手な音がして、美佳は全身を硬直させてしまう。

「えっ? えっ? ええっ?」

 ブラウスの引きちぎられたボタンが飛び散って落ちた。男の手は瞬く間に数回は翻った。その結果、美佳の下腹部を除いて首元から胸元にかけて、ブラウスのボタンがまとめて三つか四つくらいが一気に吹き飛び、失われていた。

 何が起こったのかわからなかった。何をされたのかも。そして何より、余りにも突然の事で声がまるで出なかった。

「あ、あ……っ!」

 美佳が呆然としている間に尚も男の狼藉は続く。ブチッブチッ、ビリッ、バリッ、と鈍い音が響く。ブラウスだけに留まらずジャケットのボタンもいくつか軽く引きちぎられていく。更に……いつの間にか露わになってしまったブラジャーの、左右のカップ同士を繋ぎ合わせている中央部分も掴まれ、強引に力をかけられた結果、あっという間に引きちぎられていた。コンマ数秒の早業に、美佳は抵抗する事すらできなかった。

「ひ……っ! き、きゃああ……」

 ようやくの事で美佳は我に返り、嫌だと本能的に叫ぼうとした。喚き散らし泣きじゃくり、もがいて暴れて抵抗しようと試みた。が……時既に遅し。その時、男の手は美佳の頭からベレー帽をひったくって丸めて握りつぶし、口内へと強引に押し込んでいた。

「む、むごぉっ! おごっ! もごぉっ!」

 まるで猿轡でもされるかのようだった。逃げるのに失敗し、羽交い締めにされてしまった美佳は足をもつれさせて倒れ込み、屋上の固い床に手をついていた。そしてそのまま力無く這いつくばろうと試みるが、男は既に背後から容赦なく襲いかかってきていた。美佳の短いスカートの中へと両手を伸ばし、ショーツを脱がすのではなく、ブチッブチッと音を立て、いとも簡単に引きちぎってしまった。極めて慣れた手つきで、何度と無くこのような悪行に手を染めていることが伺える。

「んぅっ! んひぃっ! ひっ……ひぐぅっ!?」

 スカートの下には丸い尻。美佳はあっと言う間に尻を剥き出しにされ、高く突き上げさせられるという、恥辱極まる格好にさせられてしまった。そして、男は最初から狙い澄ましていたかのように美佳の割れ目へと限界まで屹立していた一物をねじ込み、処女穴を一気にぶち破ってしまった。

「む、ぐ、う、う……むぅぅぅぅぅっ! うぅぅっ! うぐーーーーーーっ!」

 ぶつっと裂けるような感覚があった。一瞬意識が飛びかける程、想像を絶する激痛だった。信じられないような行為に驚き、見開かれた美佳の目元は大洪水を起こしたように涙に濡れ、無機質な床に雫をふりまいた。美佳は口内奥深くにねじ込まれてしまったベレー帽を引き抜くことすらできず、健康的で瑞々しい顔を汗と涙と鼻汁にまみれさせてくしゃくしゃに歪ませ、ただひたすらのたうち回り続けた。

「ぐひっ! んひいいいいっ! んぐひぃっ! んぎいいいっ! ぐひぃぃぃっ!」

 ずん、ずん、ずん、ずん、と、男の突きは強く、早く、手加減など一切ない。美佳の膣内など、高性能なテンガ代わりくらいにしか思っていない。男による乱暴な突き上げは続く。

(い、い、痛い痛い痛い痛い痛い痛いいいいいいいいい! いやあああああああああああああっ! きゃあああああああっ! な、何でえええっ! いやだああああっ!)

 ばんばんばんばんと、杭を打ち込まれるような感覚が何度も続く。……そうして胸元にも違和感もとい、激痛が走る。男の手が、露わになってしまった美佳の、殆ど膨らんでいない胸をぐりぐりと握りつぶしているのだ。左右の乳首が思い切りつねられ、引っ張られる。そして乳房にも指が食い込んでいく。こんなに乱暴に扱われるのは、無論初めてのことだった。ブラウスもジャケットもブラジャーも引き裂かれ、ただだらしなくだらりと垂れ、まるで本来の用を成してはいない。

「ぐひっ! ぐひいっ! うぐぐぐぐっ! うぐひいいいいいいいいいっ!」

 永遠に続くかと思われたピストン運動も、突然終焉が訪れる。めり、と一段強く突き込まれた瞬間、美佳は完全に失神してしまった。どさり、と固く冷たいコンクリートの床に倒れ落ちたところまでは覚えているが、その際に、淫らに失禁してしまったことなどは、無論知る由も無かった。

 美佳の記念すべき初体験は、このようにして幕を閉じていった。

 薄れ行く意識の中で、ゆさゆさと揺さぶられていくような感覚だけが残っているが、それもすぐに忘却の彼方へ誘われることだろう。破れた服が体から引き剥がされ、全身を撫で回されながらアヌスを犯されていたことなど、知らない方が幸せなのかもしれない。

 ――気がつけば闇。何重にも目隠しをされているのか、何も見えはしない。加えて両手と両足も拘束されているのか、身動きすら取れやしない。更に悪いことに、力尽きてしまったのか声だって出せるわけがない。ただ確かなのは、下半身……股間と尻の方に、ずきずきとした鋭い痛みが間断なく続いているということ。

「ん、ぅ?」

 ここはどこだろう? 一体何が起きたのだろう? そもそも私は誰だったのだろう? 疑問が沸き上がってきて、一つの結論に到達する。自分の名は美佳。ごく普通の女の子……だった。今は? 今は、傷物にされてしまった女の子だと否応なしに理解させられる。

(痛あっ!)

 ずきっとした痛みが記憶を呼び覚ます。あの後……先生だと思っていた見知らぬ男に犯されて、気を失ってしまった。恐らくあの男は美佳が気を失った後も執拗に体を蹂躙し続けたのだろう。尻の穴まで痛みがあり、射精されたことがわかってしまう。そんなところにまで、と美佳はしゃくり上げる。

(ここは……どこ?)










◇ ◇ ◇ ◇










 ふと感じる浮遊感。自分が揺れている。決して地震や目眩などではない、不思議な感覚。体全体にも、違和感がある。……麻縄か、ロープか何かで体中をぐるぐる巻きにされているのだろう。あたかも、たこ糸で縛られたチャーシューのように。

(誰、か……)

 助けなど、来るのだろうか? 美佳は惨めさと寒さに震える。気が付けば尿意が限界まで高まっていて、耐えきれるわけもなくあっさりと失禁してしまった。ぱしゃぱしゃと流れ落ちる音が余りにも心細くて悲しい。

(もう嫌あぁ……)

 そこは美佳が所属しているクラスの教室だった。男は気が済むまで美佳を犯し尽くし、それでも飽き足らず晒し者にしてしまったのだ。そうして見せしめに、ナイフで制服のジャケットもスカートもずたずたのボロボロに引き裂いた揚げ句、体中をロープで拘束し、天井から吊り下げてしまったのだ。










(どうして私。こんな……目に)

 ぴゅーぴゅーと股間から派手に飛び散っていく雫に比べて、目隠しに遮られて少しずつ流れ落ちていく涙はぽろぽろと力なく、もの悲しい。男のどす黒い欲望に晒され、惨めな姿にされてしまった少女は朝まで吊されていたが、いつしか教室のドアが開く。丁度また、幾度目かの放尿が始まったところだった。

「え?」

 驚いた声が聞こえる。こんな姿、誰にも見られたくなかった。そう強く思ったけれど、思いどおりにはいかなかった。この場から逃げたい。けれどどうにもできない。放尿も止まらない。

(だれか……いる……の?)

 図らずも第一発見者となってしまった女生徒が、震えながら息を飲んでいるのがわかる。そしてワンテンポ遅れて、信じられない光景に目を見開き、悲鳴を上げるのだった。

「き……きゃああああああああああっ!」

(だ、だめ。み、見ちゃ……嫌だよ……。こんな……ところ)

 教室の黒板には美佳がはいていた、引きちぎられたショーツとブラジャーがマグネットで留められ掲示されていた。更に、気を失った後に撮影されたであろう、大股開きをさせられている写真や、頬や口元に男性器を押し当てられ、射精されている写真。更に尻の穴に男性器をねじ込まれている写真。……美佳にとってありとあらゆる忌まわしい記憶が晒されていた。

(だめ……。み、見ちゃだめ……。こんな私……見ちゃだめ……。見ないで……見ちゃ、いやああああ……。やめてえええええ。見ないでええええええ……)

 美佳の思いとは裏腹に、人が集まってくる気配を感じる。女生徒の悲鳴を皮切りに、何が起こったのかと多くの人が来ている。恥ずかしい所を見られてしまう。あそこも、尻も、胸も。そして犯し尽くされたという事実でさえも多くの人に知られてしまう。仲の良い友達や家族にも。柔肌に食い込むロープが痛い。跡ができるくらいに。周りに人の気配を感じる。晒し者にされてしまった悲しみに、美佳は泣き叫んだ……。

「い、い、いやああああああああっ! 見ないで! 見ないでえっ! こんなあたし見ちゃいやああああああっ! だめええええええええっ! だめっ! だめっ! だめえええええええっ! こんなのないよおおおっ! きゃああああああああああーーーーっ!」

 美佳は全身をびくんびくんと大きく痙攣させていた。それはあたかも傷口に塩をなすり付けるかのように痛々しい光景だった。多くの人の好奇や興味、そして恐怖に満ちた視線が美佳の体を突き刺していく。

「降ろして! 助けてえっ! もうやだあああああああっ!」

 美佳はこうして誰からも、犯されてしまった子だという烙印を押されてしまったのだった。















戻る