皆が監禁されている地下牢とは別の棟に苦痛の声が響き渡っていた。その音源はせりか、紫音、礼菜、美紗紀の四人。皆既に一度以上は陵辱されたのか制服を剥ぎ取られ、全裸にさせられていた。

 ――四人が他の少女達とは別の牢に入れられているのには理由があった。四人はクラスの中でも特に強気な性格であると自他共に認めている。男達による度重なる凌辱に、クラスメイト達の誰もが苦しみ心が折れそうになる中でも決して屈服せず、反抗の精神を失わなかった。それが故に懲罰と言う名の拷問にかけられる結果に繋がってしまったのだった。そして今まさに、その拷問が行われていた。

「う、ぐっ! う、うぅぅ!」

「あ、あ……あっ! く、苦しいぃぃ……っ!」

 がしゃがしゃと鎖の擦れる音と共に、荒い息のせりかと美紗紀。

 ――天井には四つの滑車。滑車からは吊り下げられた鎖。鎖の先には革製の首輪があり、絞首刑のように四人の首を拘束していた。それだけでも十分屈辱的な行為だが、男達の責めは更に過酷を極めていた。

「はぁっ! はぅっ! げほっ!」

 トップアイドル礼菜が切羽詰まったような声をあげてもがく。もはや『かつてはアイドルだった』と説明をつけなければならないほどに、華やかさは失われ、弱々しくやつれていた。

 男達の仕打ちは余りにも狡猾で無慈悲なものだった。少女達が必死につま先立ちをしなければ丁度首を絞められる高さに鎖の位置調整がなされていたのだったのだ。そんな状況下に置かれ、かれこれ数時間が経過していた。幸いなのか意図的なのかは不明だが、かろうじて両手だけは拘束されておらず鎖の上部を掴んで首に重量がかからないようにするものの、長時間の拘束は地獄のような苦痛を伴った。

「こんなの、もぉ……。いやあ……」

 既に音を上げ、紫音がぽろぽろと涙をこぼす。豪奢なドレスが似合う、我が侭放題で世間知らずの財閥令嬢だった面影はなく、囚われの身になった哀れな少女と化していた。

「あ、あああぁ……。い、やぁぁ。だめぇぇぇ。出ちゃううぅぅぅっ! あ、あ、あぁぁ」

 新人芸能人だった美紗紀が消え入りそうな悲鳴を上げる。その理由は苦痛だけではなかった。ちょろちょろと音を立て、失禁。ずっと堪えてきて、我慢しきれなくなり決壊したのだ。すらっとした両足を暖かい滴が幾筋も流れ落ちていく。恥じらいと屈辱とショックの余り脱力しそうになるが、逃げることは許されない。力を抜くということはつまり死を意味することだから。

「ふぉっふぉ。お嬢ちゃん達。居心地はどうかな?」

 牢の外から古手川がにやけながら少女達を挑発する。

「う、うぅぅ! もういやぁ! ゆ、るしてえ! う、うあぁぁぁっ!」

 可愛らしい顔を涙でくしゃくしゃにしながらせりかが懇願する。男嫌いで有名な少女はしかし、今まさに屈服させられかけていた。

「は、外しなさいよ! この変態!」

「こんなこと、もうやめなさい! う、ぅ……」

 礼菜と紫音は未だに反抗的な態度を崩さず、食ってかかる。それが更なる悲劇を呼ぶとも知らずに。

「ほう。まだ元気があるとは、感心じゃのう」

 古手川はゆっくりと滑車の位置をいじる。

「ぐ、あ、あぁぁぁぁっ!」

「ひぐっ! な、にを……!? げ……が、あがあああっ!」

 滑車に繋いである鎖が少しずつ巻き取られていく。せりかと美紗紀を繋いでいる首輪の位置が更に引き上げられ、堅い首輪が少女達の喉元へと跡が突くほどに強く食い込んでいった。ぎり、ぎり、と締め付ける音が僅かに聞こえ、せりかと美紗紀は口を大きく開けて舌を出し、だらしなく涎と涙と鼻汁をこぼしていった。体を支えるつま先が床から離れる寸前まで追い込まれていった。

「ふぉっふぉ。お前さん達が言うこと聞かんからお友達が苦しんでおるぞ」

「そんなっ! や、やめてよ! お願いだからやめてええええっ!」

「ひ、ひどいっ! こんなっ! こんなこと、人のすることじゃありませんっ! やめてええええっ!」

 目の前で友達が苦しめられているのに助ける事すらできない。礼菜と紫音は悔しさの余り叫ぶ。

「ひっ! ひぃっ! あひっ! あ、ひ、ぃ! あ、ぐ、うぅぅ」

「あ、ふ! う、うっ! ひふ、ぅっ! ぐふ、げほ……ぐぇ、ぇ」

 せりかと美紗紀はもはやまともに言葉すら話せない。このままの状態が続けば力が尽きるのも時間の問題だった。

「やめてえええっ! 死んじゃう! 死んじゃうよおおおっ! 許してええええっ!」

「もうやめて! 離して! お願いよおおっ!」

 自分たちのせいで友達が苦痛に晒されている。礼菜と紫音は遂に耐えきれず、半狂乱になりながら許しを乞う。

「だめじゃな」

「ひぃっ!」

「あぐっ!」

 古手川は許してなどくれなかった。礼菜と紫音を繋いでいる首輪も引き上げられていき、せりかと美紗紀が味わっている苦痛を一足遅く味わうことになる。もはや友達を助けるどころではなかった。

 こうして少女達の更なる苦痛に牢の中は満たされていく。

「ふぉふぉふぉ。触り放題じゃのう」

「あ、が、あぁぁぁっ!」

 古手川は少女達の苦痛など無視して四人の体中を弄りはじめた。胸も、お尻も、秘所も、思い思いに……。少女達が苦痛に顔を歪めながら愛撫に全身をひくつかせるのを見て、古手川は心底楽しそうに笑った。

「ひぐ……う、ぐ、う……」

 時間が経つに連れ四人とも全身をひくつかせていた。白目を剥き泡を吹き堪えきれない苦痛に力が抜け、誰もが失禁してしまう。しゃああ、ぴちょ、ぴちょ、と静かに滴がこぼれ落ちる音が響いていく。

「紳一おぼっちゃまに反抗するとこうなるんじゃよ。わかったかな? ……おや、聞いておらんようじゃのう。仕方がないのう」

 答える者はいない。古手川は全員が気を失っているのを確認し、滑車に止められた鎖を一気に緩めた。

 湿りきった床の上に、少女達の体がどさりと音をたてて転がった。モノのように……。





…………





「ほう。おとなしくなったものだな」

 椅子に腰掛け、頬杖をついている紳一の股間にはせりか、紫音、礼菜の三人がひざまずき、舌で愛撫を続けていた。皆一様に虚ろな目をしている。反抗することもなく大人しかった。紳一は満足げに見下ろし、呟いた。

「古手川は調教もできるんだな」

 あんな恐ろしい目にはもうあいたくない。痛いのも苦しいのももう嫌だ。ならばもう、服従するしかない。そんな思いが少女達の心を堅く閉ざしていった。





一方その頃。





「い、や、あぁ!」

「もっと締め付けろ!」

 一人牢の中に取り残された美紗紀が相変わらず首を吊られながら、木戸によって犯されていた。首を絞められる苦痛と共に、アヌスを貫かれる激痛が加わり、美紗紀はもはや揺さぶられるだけだった。

 そしてそこに古手川が現れる。その後ろには全裸の少女達。文と帆之香とさくら。

「ひぃっ!」

「い、嫌っ!」

「こ、怖いっ!」

 三人とも礼菜達とは違い大人しい性格の少女達。この間何が行われたのか、古手川により事前にビデオで見させられ、恐怖に震え上がっていた。

「何でもすると言うのなら、やめてやってもいいんじゃがの?」

 三人とも迷わずする、と言った。





それから十数分後のこと。





「あ、がぁぁぁぁ! お、とうさ……ま。う、うがぁぁぁぁっ!」

「うぐっ! う、う! た、たすけ……あぐぅぅぅっ!」

「うぁぁぁぁっ! ああああああっ! くるしいよぉぉぉっ!」

 文も帆之香もさくらも、皆同じように首を吊られさせられていた。

 彼女たちは文字通り何でもした。古手川に言われるがままに片足を上げさせられ、犬のように放尿をさせられた。お互いの恥ずかしい所を舐めさせられた。

 そんなことまでしたのに。どんな恥辱にも耐えたと言うのに、古手川は無情にもだめだと言い放った。最初からそのつもりだったのだろう。苦しむ少女達を見て、心底愉快そうに笑い続けるのだった。

 ひどい……と、少女達の声にならない心の声が牢の中へと響き渡っていった。