ふくフク! その後
二人が引っ越した先はとっても素敵な部屋。特に、彼女が想像していた通りにバスルームが広くて、いっぱいいちゃいちゃすることができそう。 「フク。おいで」 「主……」 てきぱきと荷物を整理して簡単に食事をして、その後で二人一緒にお風呂に入ることにした。引っ越したら、まず最初にそうしようねと決めていた。二人だけのささやかな約束が今、果たされようとしている。 「フク」 (優しい……) しっとりと湿った肌が重なり合い、待ち遠しかった瞬間が訪れたという実感が湧いてきた。彼女にとって、念願がかなったと言っても過言では無かった。抱き締められて、それから石鹸で泡立てた互いの体をこすれ合わせて、それかれそれから……。色んな思いが浮かんでは、実現していくのだろう。 「ほら、これ持って」 「う、ん」 彼女はシャワーのグリップを掴むように促され、右肩に軽く当たるように構える。暖かな雫が流れていき、石鹸の泡を溶かしながら落ちていく。 「フク」 「あっ」 彼は彼女の背後から手を回して、二つのふくよかな膨らみを撫でるように触れていた。泡立つ石鹸を手の平につけてから、柔らかな胸に満遍なくなすり付けるようにしながら。愛しそうに、手に吸い付くような弾力を確かめるように。痛くしないようにと、適度な強さでこね回す。 「あ、あっ。主……。んあっ」 彼と触れ合う度に、彼女の感度がどんどん上がっていく。ピーンと立ってしまった猫耳と尻尾がその証拠。桜色の乳輪の中心にツン、と膨らんだ乳首ももう一つの証拠。ああ、はしたない。いっぱい優しく触られて、こんなに感じてしまってる……。と、真面目な彼女は思うけれど、拒否することなどできるはずがない。もっとして欲しいと、そう思うのだから。 「あ! そん、なっ。摘まんじゃ……」 嫌じゃない。もっと触れてもらいたい。気持ち良くしてもらいたい。彼女は心底そう思う。もっとはしたなく喘いで体をひくひくと震わせて、絶頂を向かえさせてもらって……。 「フク。こっち向いて」 「ん、ぅっ? あ、む。……あむ。はむ」 振り向けば彼の顔。本当にもう、この人が愛しくてたまらない。だから、貪るようなキスは彼女の方から積極的に求めていく。 「んぅ。……あふ、あぅ。れろ……。んんぅ……。んふ。主……。あ、ふ」 そのまま左右の胸をもにゅもにゅと大きく揉みしだかれ、乳首を同時にこね回されている。そんな中で尚も唇同士を絡め合うようなキスをし続ける。彼女の両足はがくがくと震え、力が抜けてしまいそう。 「ふぁぁっ! あぁぁっ! あっ! あ、んっ!」 「フク。もう、入れるよ」 「う、ん。主……。いっぱいして。はぁっ。ああっ」 いちゃいちゃしながら、本格的に交わり始める。引っ越しの話を聞いた時からいいな、ぜひとも……なんて思っていたけれど、想像以上に楽しくて気持ち良くてたまらない。 「あっあっあっ。主、のが……。あああっ! あっ! はぁっ! んあっ!」 「フク。可愛いよ。本当に……」 声も温もりも心遣いも優しい。快感に加えて、そんな柔らかな雰囲気に包まれて、彼女はうれし涙をぽろぽろとこぼしてしまう。彼女はただ、力つきて崩れ落ちないよう、壁のタイルに両手をつきながら、背後から押し上げられていく感触に、か細い声で喘ぎ続ける。 「あ……っ。主。……ありがとう! ああっ! も、もう……あっあっああっ!」 「出すよ。フク」 「うあああっ! な、か……に。あ、あぁぁぁ。はぁぁぁ……」 体の奥深くまで熱いものが溢れていき、止まらない。溢れてしまいそうな優しさが、彼女を包み込む。 (主に……。大好きな人にこんなに愛されて、私は幸せ者だ) 二人して壁の高い位置に固定されたシャワーを浴びながら、笑顔でキスをした。文字通り、心も体も満たされていく。二人の甘い生活はこうしてまた、続いていくのだった。 ----------後書き----------
この本に登場するヒロイン達……はゆるちゃん、華恋お嬢様、芹沢さんといった娘達が皆可愛くて、何となくちょっとした短編を書いてみたくなった次第であります。 誰にしてみようかなと迷いましたが、結局招き猫のフクちゃんに。 |