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書感・その11:キミと話がしたいのだ。




猫度(5):★★★★★
ほのぼの度(5):★★★★★
緊迫度(1):★☆☆☆☆



 家族の一員と言えるほど、いつも一緒にすごしている関係。つまるところ、ペットと話ができたらどんな感じなのだろう? それは、誰もが一度は想像することであるに違いないが、仮に話が出来たとしても某キュウべえのよーな輩だったら嫌ではあるがな。契約なんてせんぞッ! 絶対になッ!

 それはさておき、そんな、誰もが思い描くであろうIF……ドラ○もん的に言うならば、あんなこといいなできたらいいなと思う夢(話が大幅にそれるが、考えようによってはドラえもんの歌って、えろいよなと思わないでもないが、それはきっと当方の思考が幼少の折と比べ遥かに汚れてしまっているからではなかろうかと愚行する次第であった)が、本書には描かれている。くまという名(本編では触れられていないが、背中の模様が熊っぽいから名前がくまなのだろう、恐らく)の猫ちゃんと、結構イケメンな主人公の物語なのである。とはいっても、辛い経験や、猫が話せるが故に生じる冷たい世間のしがらみだったりやっかみだったり、あるいは悲劇的なやりとりはほぼ無く、ほのぼのとした日常がただ流れている。それでいいのさ。何もフィクションで辛い思いをしたりする必要は本来ないのであるから。

 くまちゃんはしかし、小さい頃はさておき、猫とは思えない程礼儀正しくてお行儀よくて落ち着いていて猫というものは自分勝手で気まぐれでと思うところだが、こういう猫もまあ中にはいるのかもなーと思う。かく言う当方の自宅にも、かつて20年は生きたであろうぬこ様がおったのだが、大人しくてそれ程我が侭を言う子ではなかったのを思い出す。猫にも色々と性格があるようで、なかなかに興味深い。尻尾が二股に割れて人化してくれたら尚良かったのであるが。

 きっと彼らはずっと、そのような生活を続けていくに違いない。主人公たるしんのすけ君に嫁さんでもできたらどうなるのかな、と考えなくもないが、それはそれできっと新たなエピソードが生まれていくのだろうさ。そして、それでいいのさ。






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