書感・その13:電影少女
えろ度(5):★★★★★ 肉感度(5):★★★★★ 恋愛度(5):★★★★★ 人間というものは、それなりに生きていれば大なり小なり、許容範囲を超える過剰なストレス、つまるところトラウマが発生するやうな状況に遭遇するもので。それは例えるならば事故や事件等の恐ろしい体験であったり、失恋や恋人の浮気と言ったようなショッキングなものであったりと、状況はまったくもって様々ではあるけれども、創作物においてもそういった心理的にクるものは確実にある。と、断言する次第である。ほらあれ。はだしのゲンが島根あたりでいろいろあったように。思い出せば子供心にありゃなかなかショッキングだったなぁ。夏休みにテレビをつけたら丁度原爆投下のシーンで、確か風船持った小さな女の子の顔が大変なことになってて、おれは多大なショックを受け、楽しい夏休みのはずなのに数日間は一日鬱状態になったけど『戦争ってやべぇ……』というインパクトは植え付けられた。……と、それはまあよい。 で、本書において著者たる私はまさしくそのような体験をしたと言っても過言ではないのであった。本作の、色々と突っ込みを入れたくなるような、余りにも内向的でいたたまれなくなるような恋愛模様とか、携帯がなかった時代ゆえのすれ違いとかもうちょっとうまくやりなはれと思うところはそれはまあさておくとして、とにかくえろすである。えろいんである。思春期真っ直中のガキにとっては前後の展開なんぞどうでもいいくらい、えろのインパクトがあり、それはすなわち当方にとっての多大なトラウマに長い事なってしまっているのである。 ヒロインの服がぼろぼろにぶち破られたり、男に言われるがままにロングスカートたくし上げてみたり、はたまたヒロインがイキナリ襲いかかられたり、巻頭カラーで生おっぱいだしたりと、そんなことされたらもう辛抱堪らんというものであります。絵柄やキャラクターの体格なんかがリアル志向なので、尚更そう感じるのかもしれませぬ。で、今現在、一般作であってももっとえろを前面に出した作品は多数あるとしても、なかなか本作のような強烈なインパクトを感じることは稀であると言わざるを得ないのです。本当にもう、桂正和氏が描かれるおなごの尻はまさに国宝級。伝説ということで一つ。 ちなみに当方は、作中のキャラクターとしてはもえみ嬢がお気に入りです。巻が進めば進む程色々いっぱいいっぱいになってたりヤンデレっぽい行為に走っちゃったりするのも、置かれた状況が状況だけにどうしようもなかったのではないかと思うし、そこはそれ、ちゃんとフォローしてやんなさいよと優柔不断な主人公を見てイライラしたりもするわけで。極めて人間らしいなーと感じたのでありました。 了
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