【繭ちゃんの嫉妬(二)】

どもども。
2000年も無事、明けましておめでとうございます。
久々なMinardi改vbx作のSSでございますです。
といってもこれは繭SSの続編なのですけど(^^;)
七瀬「何でこんなに時間かかったのよ?(T_T#)」
いや〜。
本当はもっと早く書き上げるつもりだったんだけど、年末にPC壊したり…なおったら今度は私自身が風邪でしばらくリタイアしてね〜(^^;)
書こうと思ってもなかなか書けなかったのです。
七瀬「PC壊したって…一体何やったのよ?(T−T;)」
…詳しいことはいえんが、とりあえず一言。『火花』が散ったのです(^^)
七瀬「危ないわね(汗)」
ま、それはいいけど(いいの?)風邪で遅くなったのはごめんなさいです〜(;_;)
仕上げ間際に布団の中でダウンしてたからね〜(汗)
七瀬「不摂生が原因でしょ!(TT)」
う〜む…まぁそうなんでしょうけど、でも何はともかくみぃれにあむ最初のSS作品だよ!
こころしてよむべし!
一文字ももらさず読めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!!!!(ウソです。ごめんなさい ;_;)
七瀬「偉そうに言うなぁっ!!(T−T#)」

バキッ!

ぐはっ!(x_x)
で、ではどうぞ〜…。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇















「うっ……ひぐっ………ぐすっ……」
泣きながら走り続けて、気がついたらかなり遠いところまで来ていた。
「ぐす……。こーへいの……ばか………」
澪のリボンを引っ張ったのは,決して悪戯などではなかった。
年上の、自分より背の低い無邪気な少女によって……大切な人を取られてしまいそうだったから……。
「みゅー。とられちゃう……」
澪の大きなリボンがすごく綺麗に、可憐に見えてしまったから…だから取ってしまおうとしたのだ。
「みゅー…わるいこ。……こーへい……きらい………ぐすっ………」
浩平は少女の複雑な心を知る術もなかった。
「うそ。こーへい……すき………ぐすっ……」
繭は、浩平が思っているより遥かに成長しているのだから。
反省してるものの、顔を合わせるのがコワイ…。
そんな気分だった。
一方その頃、繭を探している浩平たちは。
「しいなーーーーーーーっ!どこだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ?」
「まゆ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!どこにいるの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ?」
『どこにいるのなの〜?』

タッタッタッタ!

「…椎名のやつ、一体どこに行ったんだ?」
「う〜ん…どこにもいないね〜」
『きっとどこかにいるの!』
「…手分けして探そう。長森はグラウンドの方を頼む!」
「うん。わかったよ」

タッタッタッタッ

「澪は裏庭の方を探してくれ」
『わかったの』

タッタッタッタッ…

迷い子を探し回る三人がいた。















もう一方そのころ、別の場所では。
「まゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!どぉぉぉぉぉぉこぉぉぉぉぉぉぉぉだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
一人、七瀬が吼えていた。
これぞまさしく一匹狼だ!
野に放たれた一匹の精悍な野獣!
ううむ、まさに真の漢(おとこ)だぜぃ!(T_T;)
「私は乙女だっていってるでしょうがぁっ!!」

ゲシッ!

ぐふっ!(x_x)
な、ナレーターにつっこむのは反則だぞ。七瀬よ。
「やかましいわっ!」

ゴスッ!

ぐはぁっ!(x_x)
「くぉぉぉぉぉぉのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!あんチクショーめが!どぅこにいきやがったんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!私のマフラー返せえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!」

ダダダダッ!

そ、それはさておき(x_x)















「みゅー。…あやまらなきゃ……ダメ……」
少し時間がたち、繭も冷静さを取り戻していた。
既に涙も引いていて、先ほど自分がした事の罪悪感に、弱気になっていた。
「でも……コワイ……」
繭は、リボンの女の子。澪にヒドイ事をしてしまい浩平に叩かれた事を気にしていた。
といっても軽く叩かれただけなのだが。
「みゅー………すごくわるいこ。ゆるしてくれる………かな?………ぐすっ………」
そんなとき。
「まゆ〜〜〜。どこにいるの〜〜〜〜???」
「みゅっ!?」
叫びながら繭を探す瑞佳が近くに走ってきた。
「あっ、いた。まゆ〜」
「みゅ〜……にげる……」

タタタタッ!

「ま、まって〜、まゆ〜〜!」
「みゅ〜!みゅ〜!」
バツが悪いというか、いきなり現れた瑞佳を見て思わず逃げ出してしまった。
謝ろうとしていた決心が鈍ったのである。

タタタタッ!

「はうう〜………おねがい〜〜〜、まって〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
「みゅ〜………みずかおねえちゃん………ごめんなさい………」

タタタタッ!

罪悪感を感じながら、繭は走った。
何も考えずに















「みゅ〜〜〜〜〜〜みゅ〜〜〜〜〜〜!」

タタタタッ!

またしばらく走ると、瑞佳の声はとっくに聞こえなくなっていた。
脇目もふらずに走って、気がつくと今度は学校の裏にある森の中にいた。
どこをどう走ったのかなど覚えていないが偶然にも、かつて飼っていたフェレット、みゅーの眠る場所。
…みゅーとお別れした場所。
浩平とはじめて会った場所。
そんなところに行き着いていた。
「………みゅー………ぐすっぐすっ………」
一人沈黙の中、みゅーの小さなお墓を見ていると心細くなってきて。
自然に涙がこみ上げてきた。
かつて自分が困ったとき、唯一相談できる友の眠る場所。
一人、弱気になっていると。

ガサガサッ!

「!?」
いきなり響く藪の中をかき分けて来る音。

ガサガサッ!…ザザザザッ!

「みゅっ!……だれ?」

ガサガサッ!……バキバキバキバキッ!!!

なにかが自分に向かって転がってくるような音。
「みゅぅぅ………こわいぃ………ひぐっ!」
繭は立ちすくんだ。
そして『それ』が繭の目の前に……!

バキバキバキバキバキバキバキバキッ!………ポテッ

「…?」
藪をかき分けてきたものは。
『いたいの〜〜〜』

えぐえぐっ

草まみれになって、涙目の澪だった。
「みゅ?みゅ?みゅー???」
事態を把握して無い繭。
『ころんだの〜〜〜』

えぐえぐっ

言うまでもなく、藪をかきわけているときに転んだらしい。
きょとんとした表情で、澪を眺める繭。
「だいじょうぶ?」

ナデナデ

痛そうだったから澪の頭をなでてやる繭。
「みゅ〜。いたいのいたいのとんでけ〜」
『…ありがとうなの』
涙目のまま頷く澪。
「みゅ、あのね。……りぼん………ごめんなさい………」
自然と言葉が出た。
澪がいきなり目の前に現れたので、心の準備など必要なかったようだ。

ふるふる

『いいの。きにしてないの』

にこにこ

「?」
スケッチブックに書かれた字を不思議そうに眺める繭。
『あのね』
笑顔のまま文字を綴る澪。
『みおはね。しゃべることができないの』
「みゅー……たいへん……」
『でもね。むかし、あるひとがおしえてくれたの。……おはなしするほうほうを』
「そうなの?」
『そうなの〜』
「そのひとって……だれ?」
『……わからないの。澪、小さかったから…忘れちゃったの。でも、とってもやさしいひとなの』
「やさしいひと」
どんな人だろう?
優しい人。繭にとってのそれは…いつも見守ってくれる母。
自分を導いてくれる瑞佳…。
嫌がっているように見えても、やっぱり優しい七瀬。
そして…浩平…。
今までに出会った、いろんな人々の顔が、繭の頭に浮かんだ。
「あのね…。みゅーもね……ここで、おわかれしたの……」
そう言って繭はみゅーのお墓を指差した。
土の上に墓石代わりの少し大きな石がおいてある。
『おともだちなの?』
「…うん」
『しんじゃったの』
澪の表情も曇った。
「ひぐっ………かなしかった………こわかった………さびしかった。けどね………けどね………そのとき、あったの………」
所々しゃくり上げながらも、言葉を続ける繭。
「みゅー……みずかおねえちゃんも……ななせおねえちゃんも………こーへーも………だいすき………」
『みおもすきなの〜』
浩平の名を聞き、にこにこしながらスケッチブックに筆をすすめる澪。
「みんなおうえんしてくれたの……」

うんうん

『みんなやさしいの〜』
「だからみゅー……がんばったの」
『そうなの…』
ほえ〜、といった表情で繭の顔を見つめる澪。
「……こーへーを………とらないで。………ぐすっ」
縋るような目で、澪を見つめる繭。
いきなり事の核心をつくようなメッセージが、繭の口から紡ぎ出されていた。
そんな繭に、澪は笑顔のまま。
『だいじょうぶなの。澪はとらないの』
「ほんとう?」
『ほんとうなの。だって…澪もね。小さい頃…お別れしたの』
「みゅ…やさしいひと?」
先ほどの話にあった『お話しする方法』を教えてくれた人?
繭はそう問うた。
『そうなの。でもね。その人…いなくなっちゃったの』
「みゅ…」
『もしかすると澪のりぼんだけは…おぼえていてくれるかもしれないから…』
「…」
『だから…まつの。りぼんをつけて…』
「どうして?」
待ち続けられるの?と、繭は言おうとした。
澪のいい方では…随分昔に出会ったような…もう、自分のことなど忘れられているかもしれない…そんな人のことを。
『あのね。もしあうことができたら、澪のリボンをみておもいだしてくれるかもしれないから』
「みゅ…そうなんだ」
『このすけっちぶっくは、そのときまで澪がちゃんともっているの』
にこにこ笑いながら、何度もうんうん頷く澪。
古い…年季の入ったスケッチブックを懐かしそうに眺める澪。
そんな様子を見て繭は。
「すけっちぶっく…繭も書いていい?」

うんうんっ。

勿論だよ。と聞こえてきそうなくらいにはしゃぎ出す澪。
『どうぞなの』
手渡されたスケッチブックに、ぎこちないながらも字を書いていく繭。

カキカキ…

『そのりぼん、きれい…』
そのメッセージを見て、返事を書く澪もいつも以上に嬉しそうだ。
『ありがとうなの〜。うれしいの〜』
『まゆもほしい…。きれいなりぼん…』
『おうちにあったから、こんどもってくるの』
「みゅ。…いいの?」
思わず、澪の顔を覗き込む繭。
『もちろんなの〜!』
「みゅー♪うれしいの〜♪」
そんなこんなで、小さな二人のおしゃべりは、次第に盛り上がっていった。















「しいな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!どこだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
「まゆ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!どこにいるの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
遠くから叫ぶ声。
「こーへー?」
「あっ、いたっ!」
「しいな…探したぞ!」
「はぅぅ…。繭、足速いね〜。私、全然追いつけないよ〜…あは」
息を切らして、浩平と瑞佳が繭のところに走りこんできた。
「みゅ……こーへー。ごめんなさい」
「謝るのは俺にじゃないだろ」
「…ごめんなさい、いった」
「澪、そうなのか?」
浩平が問うと、澪は満面の笑みで。
『なかなおりしたの〜〜〜』
にこにこと。
『あのね、いっしょにおはなししてたの〜』
「うんっ!」
「あは。新しいお友達ができたね、繭」
「みゅ。……うんっ♪」
『…』

あっ。

何かを思い出したかのような澪。
『ちょっともっていてほしいの』
「スケッチブックか?…いいけど、どうした?」
『…』
澪は無言のまま頭のリボンに手を伸ばし、そして。

スルスル…ハラッ…

「澪!?お前、そのリボン…」

スッ

「みゅ?みゅ?」

『…』

キュッ!

そのまま一気にリボンを結びなおす澪。
離れた瞬間、繭の頭には水色の大きなリボンが、ヒラヒラと風に舞っていた。
「みゅーー!みゅーー!」
『すごくにあってるの〜♪』
「澪、ホントにいいのか?」
『いいの』
うんうん
「あは。仲直りできたね〜。繭、澪ちゃん」
「ああ。めでたしめでたし…だな」
「みゅー!リボンっ!リボンっ!みゅ〜みゅ〜みゅ〜!きれいなりぼん〜!」
繭はリボンをもらった事がよほど嬉しいのか、微笑みながらあたりをくるくると走りまわっていた。
そんなとき。
「まゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!どぉぉぉぉぉこぉぉぉぉぉだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
「みゅ?」
「なにっ!?」
「あの声は…」
『みみがいたいの〜』
いきなり山の奥まで響き渡りそうな怒声が。
「あの・・・ゴ○ラも顔負けな叫び声は!?」
生い茂る藪をものともせず『ズドドドドッ!』と、暴走する機関車の如く突進してきた。
『す、すごいいきおいなの〜!?』
「…目の色が…赤い。やばい!ヤツは暴走してる暴走っ!!あ、青い服の少女はどこだぁぁぁぁぁぁ!?頼む!七瀬をとめてくれぇぇぇぇぇぇっ!!!」
緊迫感の無い奴である(T_T#)
「こ、こうへい〜!!こ、こんなときに何よくわからないこと言ってるんだよ〜〜〜!!!!」
慌てふためく瑞佳。
もくもくとわき起こる噴煙の中から出現したそいつは。















怪物!















コードネーム、永遠怪獣NANASE!















バキッ!

ぐはっ!(x_x)
「誰が怪物だぁっ!だれがコードネーム、怪獣NANASEだぁっ!!」
め、目の前に存在する全てのものをなぎ倒して…。
な、七瀬よ…テレパスィで攻撃するのはやめてくれぃ!
ガードできんではないか(x_x)
「やかましいっ!!」
そ、それはともかく・・・。

バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキッ!!!!!!!

いかなる障害があろうとなぎ倒して進む!
そしてついにターゲット(繭)を発見した!
「むっ!?いたなっ!まゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!すぅおくぉぉを(そこを)うごくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
「なっ、ななせっ!自然破壊はいけないぞっ!保護運動やっている人々からしかられちゃうぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
「やぁかましいわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!お〜り〜は〜ら〜〜〜!!!!じゃまだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!そこをどけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇイッ!!!!!」
「みゅー!こ、こわい……」
そのまま七瀬の迫力に怯えて身動きできない繭めがけて…。
「うぉんどぅをぅりゃ(おんどりゃ)ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」















ザザザザ…ザザザッ!!!!!
















ドシュッ!















飛んだッ!!!















「みゅ!?……みゅ……みゅ〜〜〜〜!」
「し、しいなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!に、にげろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!」

ガバッ!!

その場にへたり込んでしまった繭を庇うため、浩平も飛び込んだ!!
だが…。

ガツッ!

「ぐあっ!」
七瀬が繭と激突する寸前、足下にあった石ころに躓いて。
そして、そのまま繭ではなく七瀬の方向へ。
スローモーションVTRを見るかの如く……ゆっくりとした瞬間だった……!
接触(激突とも言う)の瞬間はっ!

ずどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっっ!!!!

「ぐわぁっ!(x_x)」
「きゃうぅ〜〜(x_x)」
浩平、七瀬…二人とも頭からモロにぶち当たっていた…。
更に、お約束の如く。

ちゅっ!

「むぐっ………ん?あれ?な………な………せ!?」
「あ…………っく………んん???……あ、あれ?おりは…………ら???」
ぶつかった拍子に倒れ込み、七瀬が浩平を地面に押し倒した形になって……そして抱き合ったまま……。

ちぅぅぅぅぅっ!

ふかいふかいふかぁいキッスをしてましたとさ。
「あ、あれ?あれ?…あれ?おりは……ら?…………あ、あはは……はは………はははは…………はは…………(^^;)」
真っ赤になって誤魔化し笑いする七瀬。
が、次の瞬間!
「き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
「えっ?えっ?えっ???みず………か?…………な、な………なに?なに?なにっ!?」
未だに呆然としていて事態を把握していない七瀬。
「や……な、な、な、な…………ななせさん。こ、こ、こ、こ、こうへいと………き、き、き、き、き、き、きキスキスキスキスキスキスキスしちゃったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!」
興奮して号泣する瑞佳。
『……ひどいの……ひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいの〜〜〜〜!!!!!』

カキカキカキカキ!

えぐえぐえぐえぐっ………ひっくひっく………ぐすっ………。

速記術も顔負けの早さで『ひどいの』をスケッチブックに書きまくり、同時に思いっきり涙目でしゃくりあげてる澪。
七瀬の立場はか〜な〜り、やばかった。
「そ、そんなぁ…………私の……………乙女の…………ファ〜ストキッスがぁ〜〜〜〜…………ううっ」
我に返り、思いっきりうなだれる七瀬。
「でっ、でもでもでもでもでもっ!!こうへいとだもんこうへいとだもんこうへいとだもんこうへいとだもんこうへいとだもんこうへいとだもんこうへいとだもんこうへいとファーストキスだもんっっ!!!」
『ずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいのずるいの〜〜〜!!!!』
ステレオでまくし立てる二人。
「だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!やぁかましいわあああああっ!!!私だってね!私だってね!私だってねぇ〜〜!!!ファーストキッスだったのよ!ファーストキッス!!!乙女のファーストキッスだったのよぉっ!!それをそれをそれをそれをッ!!よりにもよってこんなシチュエーションで奪われちゃったのよぉォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォっ!!!!!」
「でもっ!でもでもでもでもっ!七瀬さんだって前、浩平のこと好きだって言ってたもんっ!好きな人とファーストキスだもんっ!ひどいんだよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
『ひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいのひどいの〜〜っ!!!』
「だっ!だ………だ………だ………だ…………だ………………だ………………だだれが折原のことすきだなんていったのよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
「七瀬さんこの間の自習時間に言ってたもんっ!気持ち良さそうに寝ながら『私……本当は折原のこと…好き。…でも、なかなか素直になれないのよ!こんなんじゃ……ダメよね。乙女失格だよね…』って、小さな声だったけど私しっかりときいてたもんっ!!!」
「う、ううううううううううううっ!!うそいわないでよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!私がそんなこという筈絶対無いに決まってるでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!幻聴よっ!幻よっ!夢を見ていたのは瑞佳のほうよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!フェ○ックス幻○拳でもくらってたのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!絶対っ!!」
「嘘じゃないもんっ!幻聴でも幻でも夢でもフェニッ○ス幻○拳でもないもんっ!!私、ちゃんとはっきりしっかりきいたもんっ!『告白したい。でも、あの人には私なんて…』っていって憂いを帯びた表情で浩平の方を見ながら静かにため息をついてたもんっ!」
「な、な、な、なっ!わ……わ……わ……わたわたわたわた、私まだそこまでいってないわよっ!……って、あ……」
『せんぱいひどいの〜!』

ぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかっ!!

「や、ちょ……ちょっと上月さんっ!……いたい、いたいって〜!」
「うっ………ぐすっ…………七瀬さんが…………浩平と………浩平と!…………はう〜〜〜〜んっ!!(x_x)」
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーもーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!どーーーーーーーーーーーーーーーーーしてわたしがこんなめにあわなくちゃいけないのよっぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!(x_x)」















そんなこんなで女三人ギャーギャーやかましくやっている中。
災禍の中心から離れたところにいた浩平と繭は。
「いててて…。椎名、大丈夫か?」
「みゅ〜……うんっ!」

ガバッ!

「おわっ!?」

ちゅっ!

「し、しいなっ!何するんだ〜っ!」
「みゅー、キスするの〜♪」

ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅちゅっちゅっちゅっちゅぅ〜〜〜♪

浩平にしがみつきながら、キスを連発する繭。
とっても楽しそうに…。
お子様じみてはいるけれど、愛のこもったキスを何度も。
が。
そんならう゛らう゛状態を他の人々が放っておくわけもなく…。
『「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!」なのっ!!!!!!!!』
言うまでもなく瑞佳・七瀬・澪の叫び。
「ま、繭ぅ〜っ!浩平となにやってるんだよ〜〜〜〜っ!!!」
「繭っ!私の前で折原とキスするとはいい度胸ねっ!!」

えぐえぐっ

『繭ちゃん…ひどいの〜』
恨みがましい三人の視線が集まり、ジリッジリッと浩平達に近づいてくる。
「あ………え………こ、これは………………や、やばいっ!逃げるぞ椎名っ!!」
その殺気に身の危機を感じ、全身冷や汗まみれになる浩平。
そして、繭を背中にひっつけたまま。















トンズラッ!!!















だだだだっ!

「……まぁてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドっ!!!!!!

「ど、どひ〜〜〜!!!!……に、にげろ〜〜〜〜!!(汗)」
「にーーーーーーーーーーーーーーーーーーーがすーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーかあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!(T_T#)」
「どええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ〜〜〜!!!!(x_x)」
「みゅ〜!みゅ〜!おいかけっこ〜!たのしい〜(^▽^)」
怒涛のごとく追いかけてくる三人から、必死に逃げる浩平。
それはいつもの風景。
ごく当たり前の日常だった。















必死に走る浩平に抱きかかえられたまま。
…浩平の胸の中で、繭は楽しそうにはしゃぎながら。
「みゅ〜♪……こーへい、だいすきっ!(^^)」

ちゅっ♪

ほっぺたにキスをしましたとさっ♪















(おしまい)















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

(後書き)
すわぁて、後書きですぜ旦那!
七瀬「誰が旦那よっ!(T_T)」
う〜む…今回はとことん時間がかかったってしまったです…(x_x)
物理的な原因としては前書きでも述べたようにPCの故障とか私自身の不調とかなのですが。
澪と繭…この二人のSS内での関係を表現するのがとにかく難しかったです。
だって澪はとことん『なの』だし繭は徹底的にみゅ〜だし(謎)
お話の構成自体無理矢理な所もあったからね〜(;_;)
七瀬「あんたの書く話は全部無理矢理でしょ!大体、今回の私の扱いは何よっ!!(T−T#)」
瑞佳「ダメだよ七瀬さん。いくら本当のことだからってそんなにキツク言っちゃ…。作者さん可哀想だよ〜(^^;)」
うっ、慰められてるんだか責められてるんだか(;_;)
でもうまくいったのはやっぱりラストの部分だね!
七瀬の見事な活躍!
あれは全部即興で考えたんだよ〜(^▽^)
七瀬「あ・・あんたねぇっ!!乙女のファーストキスをっ!!!(T_T#)」

ズゴンッ!

ぐはっ!(x_x)
七瀬「それに何よっ!私が折原のことを好きだって!?ふざけんのもいい加減にしなさいよっ!さもないと…ブチ殺すわよっ!(T_T#)」
も、もうすでにやっとるでないかい(x_x)
あう……重ね重ね支離滅裂な文章にお付き合いいただきましてどうもありがとうございました。
では…Minardi改vbxの次回作をお楽しみに〜。