【お・で・こ♪】
この時代、もはや死語なのかもしれませんが…
『チャームポイント』というものは、誰にでも存在するものでしょうね。
大好きな人の…最も魅力的に見える部分
これはそんな…仲の良い二人のお話。
ちゅっ♪
「きゃっ!な、何っ!?」
急に、おでこの辺りに暖かな感触がして、驚く少女。
盲目だからか、他の感覚に関しては鋭いこともあるのでしょうけれど。
「おでこにキッスだ。みさき先輩」
愛しの恋人…川名みさき、の華奢な身体を胸に埋めるかのように抱きしめながら、恥ずかしい台詞を吐く少年は、折原浩平。
「い、いきなりキスするなんて〜!…びっくりするよ〜!」
「いいじゃんいいじゃん。今日はいい天気なんだしさ♪」
「全然良くないよ〜!」
さらさら…
浩平はみさきの抗議を丁重に無視して、抱きしめ合ったまま改めて両手でみさきの前髪をかき分け…。
「…あ〜ん…もう〜!」
「みさき先輩ってさ…」
ちゅっ♪
現れたおでこを優しく撫でてから、二度目のキッスをしました。
「うー!…な、何だよ〜?」
「…前から思っていたんだけどさ」
ちゅっ♪
立て続けに、三度目のキッス。
「も、もう浩平君たらっ!…放してよ〜。…私、恥ずかしいよ〜!」
恥ずかしくて頬を赤らめ、浩平から目線をずらすみさき。
「前髪が分かれてるところから見えるおでこが…すっごく可愛いよ♪」
浩平の言うとおり。みさきの前髪はふんわりと柔らかくて、綺麗に二つに分かれており、間からおでこが見える。
さらさらと、微かに揺れる黒髪は…しっとりと、でも…柔らかで、綺麗です。
「あんまり嬉しくないよ〜!」
「俺は嬉しいの♪」
全然人の話を聞いていない浩平。
「みさき先輩、好き好き♪ちゅ〜♪」
「…くすっ」
子供っぽい恋人に、ついついみさきも笑みがこぼれて…。
ぱっ!
「だーめ。もう触らせてあげないよーだ♪」
思い切りよく浩平から放れて、腰をかがめ…舌を出してあっかんべーをするみさき。
「えー。そんな〜、みさき先輩〜!」
情けない声を出して残念そうな浩平。…みさきはいたずらっぽくウィンクして、人差し指をピンっと立て…。
「そ・の・か・わ・り…だよ♪」
「…え?」
たっ!
「私を捕まえられたら…いいよ♪」
軽快にブルーのワンピースを揺らしながら、走り始めました。
たたたたっ!
「あ、待て〜っ!」
「あはっ。や〜だ。こっちだよ〜♪」
たたたたっ!
桜が吹雪のように舞う公園で、おいかけっこをする二人。
誰もいない、静かなお昼のひととき。
…雲一つない青い空と、明るい太陽だけが。
微笑ましい二人を見ていましたとさ♪
おしまい♪
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(後書き)
最近長い作品ばかり書いているので。
こういう、短くて…でも、簡潔に。
徹底的に破壊力(?)のありそうな作品を一つってことで。
即興(三十分ほど)で書いてみました…(^^;;)
突貫ものではありますが。みさき先輩属性の方、どうでしたでしょうか?(^^;;;;;)
是非是非ご意見を聴かせてくださいな♪