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-One Scene 〜彼と彼女の日常〜-
月宮あゆ編
月宮あゆ編















 しとしとと雨の降る中。相合い傘の二人がいた。

「いっぱい買ったな」

「うん」

 傘を差す祐一と、大きな紙袋を二つ抱えるあゆ。

「たい焼き早く食べたいよ」

「そうか」

 商店街で色々買い物をして、帰る途中。雨音だけが微かに響く住宅街。

「それにしても、あゆ」

「うん?」

「似合ってるな。服」

「え?」

 ピンク色の半袖Tシャツにキュロット。あゆはとてもボーイッシュで、健康的な肌がとても可愛らしい。

「あ、ありがとう」

「何だよ、その表情は」

「だって。祐一君がほめてくれるなんて」

 滅多にないことだから、何か企んでいるんじゃないかと勘ぐってしまうのだった。

「あ。そういうこと云うか」

「だ、だって〜」

「そういうこと云う娘にはお仕置きだ」

「うぐぅっ! ゆ、祐一君のえっち〜!」

 紙袋を抱えて両手が塞がったあゆの、お尻をじーっと見つめた。

「むぅ」

 見つめただけで、何もしていない。でも、あゆは当然のことながら警戒するわけで。

「うぐ〜〜〜! や、やめてよぉ〜〜〜! 何もしないでよぉ〜〜!」

「何もしてないぞ」

 じーーーっと見つめられて、恥ずかしくてもがくのだった。まさに、お仕置きは視姦というべきか。

「な、何お尻見てんの〜〜〜!」

「ああ、ごめんごめん。見とれてた」

「そんなとこ見とれないでよぉ〜〜〜!」

 云われて、お尻から目を逸らす。……が、今度は。

「うぐぅ〜〜〜! 足見ないでよぉ〜〜〜!」

「あゆってさ。……結構肉付きいいんだな」

「え……?」

「いや。結構太ももがむにっとしていて、な。ぷにぷにしていそう」

「えっち!」

「というわけで。帰ったら、しような」

 何がというわけで、なのだろうか。

「な、何をするの〜〜〜!」

「まあまあ。……それは置いといて」

「置いとかないで。……うぐっ!?」

 祐一はいきなり、何の前触れも脈絡もなくキスをした。

「うぐぅぅ〜〜〜!」

「やっぱり、あゆは可愛いなぁ」

 慌てふためくあゆがとても可愛らしい。

「祐一君。ボクのことおもちゃにしてる……」

「そんなことはないぞ。それとも」

 祐一はちょっと真顔になって云った。

「キス、嫌いなのか?」

「き、嫌いじゃないよっ! ……ただ、恥ずかしいだけ……だよ」

「そっか」

 祐一はわかったわかった、とあゆの頭をぽんぽん撫でながら、あゆが持っている紙袋をがさごそと漁り。

「……祐一君。家に帰ってから食べようよ」

 じとーっとした目で祐一を見る。

「いいじゃないか、一つくらい。……ほら」

「んぐっ!?」

 いきなりあゆの口にたい焼きを押しつけて、くわえさせた。

「一緒に食べような。……んむっ!」

 そして、あゆがくわえたたい焼きの反対側を、祐一はくわえて、食べ始めた。

「うぐぅっ! うぐぅ〜〜〜っ!」















そして。















 そのまま食べ進めるしかなくて。

「ん、んぐ……。ん〜ん〜ん〜っ!」

「ん。ごちそうさまでした」

 ごちそうさまのキスは、とても甘い味だった。

「もう。祐一君のえっち……」

「あ、あゆ」

「え? ……うぐっ!」

 ぶちゅっと、あゆのほっぺたにしゃぶり付く祐一。

「ななな、今度は何なの〜〜〜!?」

「ほっぺにあんこが付いてた。……それにしても、あゆの肌ってつるつるしてて、気持ちいいな」

「うぐぅぅぅ〜〜〜っ!」

「大好きだぞ。あゆ」

 大好きな人は、たい焼きよりも甘いごちそうということで。




















----------後書き----------

 買い物の一シーン。

 うろ覚えなのだけど。昔、確かコンプティークの別冊付録だかで、あゆのアフターストーリーがあったのだけど。

 服装とかシチュエーションとか、そんなイメージで考えてみました。



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