【嘘】
皆さんこんにちは。Minardi改です
例えばある時、耐え難いほどの現実に直面したとき、貴方はどうしますか?
甘んじて『受け入れる』か、あるいは『拒絶する』。
いずれにしても選択肢は一つしかありません。
…これは、そんな悲しい人達のお話です。
それではどうぞ。
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嘘ををつく事が辛かった。
でも、自分が傷つくことは…もっと怖いから。
私は嘘をつき続ける…。
逃れられない現実に。
私は耐えきれないから…。
「…………私は栞なんて妹、知らないわ」
私は……嘘をついた。
「お姉ちゃんっ!ヒドイよっ!」
重くのし掛かる……現実。
「あのねぇ。……何でこんなにいっぱいお弁当作るのよ〜っ!」
「夢だったから。お姉ちゃんと一緒にお弁当食べるのが…」
栞は嬉しそうに言うけど、食べる方としては聞き捨てならない。
「限度ってものがあるでしょうがっ!!」
机まるまる四つ分に山のように積み上げられたお弁当。
私達は、呆然としていた。
「しかしまぁ、どうやってこんなに持って来たんだ?」
相沢君がもっともらしいことを聞いた。
「それは、私の四次元ポケッ…………ゴホッゴホッ!………え、ええとっ、その……………大きめのリュックサックに入れてきたんです(汗)」
なんだかドモったのが少し気になるけど、そうみたい。
「あはは………。すごいねえ栞ちゃん」
名雪は呑気なことをいってる。
「笑い事じゃないでしょ!どうするのよこれ…」
とてもじゃないけどこれだけの量を休み時間内に食べきるのは不可能だと思う。
「どうしよう……」
名雪も頷く。
「きっと大丈夫ですよ。祐一さんが全部食べてくれそうですから」
相沢君。貴方も大変ね………。
「絶対無理」
私もそう思うわ。
「そんなこという人、嫌いです〜!」
ほっぺたを膨らまして拗ねる栞…。
「そんなこといっても無理なものは無理なんだよ!」
「残念です。私……お弁当全部食べてくれたら祐一さんのことを『お兄ちゃん』と呼んでもよかったのに………」
栞たら、何をいってるんだか……。
「っ!」
それを聞いて急に相沢君の目つきが変わった。
「え?え?………祐一って栞ちゃんのお兄さんだったの〜?」
名雪だけがよくわかっていないようだった。
ガタッ!
「………ふっ!無理なわけないじゃないかっ!これぐらいの量、俺が時間内に全部食べ尽くしてやるぜっ!!」
「な〜に馬鹿なこと言ってるのよ……」
呆れた顔で私はそういった。
「何をいう!『お兄ちゃん』と呼ばれるのは男の浪漫(ロマン)なんだぞ!全国津々浦々一億三千万の『お兄ちゃん』萌えの方々に失礼だぞっ!!香里っ!!………いや、香里お姉ちゃん!!!」
「誰がお姉ちゃんよ!」
「栞!その約束は絶対だな!」
「はい〜♪」
「いくぞぉっ!うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
相沢君はもの凄い勢いで食べはじめた。ったく、この男は〜〜〜!!
・
・
・
………まったく驚いたわ。
相沢君によってあれだけあったお弁当が、僅かな間に全て食べ尽くされていた。
「す、すごいね〜。祐一」
「………ホント、よくやるわよね〜」
「んぐっ!ぐふっ!………ぜ…………全部。…………………約束通り食べきったぞ!栞っ!」
「はいっ!すごいです〜っ!祐一お兄ちゃんっ♪」
「う………うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ(^▽^)!!!!」
……相沢君、狂喜乱舞してるし。
「はぁ〜。やっぱり私、栞なんて妹知らないわ……(T_T;)」
そして、今日も……
私は嘘をつきつづける。
決して終わることのない…
嘘…を……。
「そんなこというお姉ちゃん、嫌いだよ〜!(T_T#)」
(おしまい^^♪)
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(後書き)
栞「お兄ちゃん」
……はふ〜〜、栞ちゃんが僕のことを『お兄ちゃん』って呼んでくれたよ〜(^▽^)
北川「おい」
ぽ〜〜〜〜〜〜〜♪(^▽^)
北川「おい!」
ぽ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪(^▽^)
北川「おいっ!!」
ぽ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪(^▽^)
北川「無視するなこの野郎っ!」
ガンッ!
あたっ!(x_x)
……ありゃ?誰かと思えば、住井じゃないか?
北川「誰が住井だ!俺は北川だ!」
……そうだっけ?で、その北川君が僕に何か用かい?
北川「『なんか用かい?』じゃない!何で今回は俺が出てないんだっ!!俺は昼飯のレギュラーメンバーじゃないかっ!!」
ああ、その理由(ワケ)は簡単さ。
北川「な……なんだよ!(TT;)」
書き忘れてた。
香里「この人、本気で今の今まで忘れていたみたいよ。北川君(^^;)」
北川「そ…そんなぁ。………………ううっ(;_;)」
ガクッ…
おや?香里お姉ちゃんじゃないですか(^▽^)
香里「誰が『お姉ちゃん』よっ!(T_T#)」
だって、栞が『お兄ちゃん』と言っている以上、君のことも『お姉ちゃん』と呼ぶのが礼儀でしょ?
香里「……そんなに『お兄ちゃん』と呼ばれるのがいいの?(TT;)」
おぶ・こ〜すさっ♪(^▽^)
香里「じゃあ、私が呼んであげるわよ」
へ!?
香里「お………お兄ちゃん」
……………………………全然似合わないからやめてくれ(x_x)
香里「なら『お姉ちゃん』と呼ぶのもやめなさいっ!!(TT#)」
嫌だよ。だって君はどう見ても『お姉ちゃん』というイメージの女性だし。事実、美坂栞の『お姉ちゃん』なんだから、やっぱり『お姉ちゃん』って呼ばなきゃ全国の『お姉ちゃん』ファンの方々に失礼だよ〜!!
香里「何度も呼ぶなっつっとるんじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!(T_T#)」
ズガシッ!!
ぐふぅっ!(x_x)
北川「うううっ………。俺のこと忘れないでくれよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!(xx)」