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特別編SAGA 2nd




















「うがーーーーっ!」

 飢えた獣のごとく叫ぶナナサクこと七瀬ミナエルさくら。

「うおおおおおっ!」

 対して彼氏の鈴木悟君も負けじと叫ぶ。

 これだけだと、二人が殴り合いにでも発展するような壮絶な喧嘩でもしているか、はたまたレスリングの試合でもしているかのように見えることだろう。何しろものすごい形相で怒鳴り合っているのだから。

 だが、実態は違った。二人が今していること。それは……。

「あっあっあっ! くそ悟てめぇっ! さっさと……んんっ! い、イキやがれってんだよ……あっ……この野郎ぉっ! しつけぇぞ……あぅんっ!」

「うっ……くっ。う、うるせぇっ! てめぇこそ先にイキやがれこのアホ! お、おおお。締まるううううっ!」

 互いに罵り合う二人。仰向けに寝そべる悟に馬乗りの状態で跨り、激しく体を上下するさくら。

「うおおおおおおおおっ!」

「おらああああああああっ!」

 ついでに云うと二人とも全裸。さくらの中には悟の大きくそそり立ったものがずっぽりと入っていて、ずぶずぶと上下して出入りを繰り返していた。

 ただいま二人は恋人同士が夜な夜な致すことをしていた。すなわち愛し合ってるというわけで。いわゆるエッチ中。もっと具体的にかつはっきり云うとセックス中。がっつり野生動物のように激しい営み進行中。

 だが、時に二人の愛は格闘技のように激しいものとなるのだった。

 そう。二人は今まさに、セックスという名の戦いをしているのだ!

 それはどちらが先に達するかのチキンレース。相撲のようにがんがん激しく肉体をぶつかり合わせ、互いの熱いものを叩き付ける。先にイかせてやるから天にも昇るような絶頂感を味わえ。限界まで気持ちよくさせてやる。だからこそぜってぇ負けねぇと互いに思う。

 私を、俺を、照れくさいから口にはあんまり出さないけれど誰よりも大好きな人に、自分自身を思う存分全て吸い尽くすかのように感じて欲しいのだッ。

 だからあなたは先にイってくれッ。

 愛と云う名の激しい戦い。互いに怒鳴り散らすかのような激しい優しさ。これは競争なのだッ!

「あああああああおおおおおおおおっ! いいい、いっくううううっ! まだいきたくないのにいいいいっ!」

「おおおおおおおおおおおおううううっ! ででで、出るううううううっ! ままま、まだだまだだめだまだだめなんだあああああああっ!」

「あーーーーあーーーあーーーーーっ!」

「ぬおおおおおおおっ!」

 さくらは涙をこぼす。悟もきつそうに顔をしかめ、歯を食いしばる。何が二人をそんなにも追い込むのか。

 別段大きいわけでもないけれど小さすぎるわけでもないという、形はちょっと尖り気味で良いけれど中途半端に丁度いいサイズの胸をぷるぷる振るわせながらさくらはびくびくびくッと痙攣し、悟のものと交わってとろとろに濡れた秘所からはぷしゅっと潮を吹く音が微かに聞こえた。つまりは絶頂を迎えたのだった。

 と云うことはこの勝負、悟の勝ちか!? と、思いきや。同じ瞬間。

「くうっ!」

 悟はどぴゅっどぴゅどぴゅっと立て続けに射精。さくらの中に。悟の股間はさくらの愛液というかえっちぃ汁と射精した白く濃厚な熱い精液によって汚されていった。まさに同時にチェッカーフラッグを見たというところだ。

 両者同時絶頂。

 故にこの勝負。

「ああぁっ!?」

「引き分けだぁっ!?」

 互いにその結果に満足がいくわけがない。負けず嫌いかつ意地っ張りかつ素直じゃないのはお互い様。そして、まだまだ衰える程ヤワではない。

「てめぇ悟ふざけんじゃねぇっ!」

「それはこっちの台詞だ!」

 互いのものを引き抜くことすら億劫になり、すぐさま再戦を始めるのだった!





そして





 現在の体位。体面座位。

「あっあっあっああっ! さ、と、るぅぅぅっ!」

 初めての頃の、痛みに涙したさくらはそこにはいなかった。今ではもう、好きな人と思う存分一つになっている。

 二人の激しいセックス戦は結局ドローが続き、勝敗は決まらなかった。

 が、そのうちにさくらも悟も純粋に気持ちが良くなってしまった。特にさくらはツンツンしまくっていたのが嘘のように、でれ〜っとだだ甘の甘えん坊さんモードと化していた。そうなればもう、別の意味で激しくねっとりと濃い行為が続く。

「あ、あ。きすー……。ん、んん」

「さ、くら。おま……」

 あまりにも気持ち良くてとろーんとした微笑を浮かべるさくら。何げなく一方的に求めてしたキスは、実は……。

「な、何だ!? 何をしたんだ?」

「んぅ? 悟のせーりょくが∞になるおまじないー。えへへへへー」

「んなっ!?」

 うれしそうに云うさくらだが、とんでもない事実が含まれていたのだった。

 すぐさま効果は現れる。悟の体内で何かが爆発したような、どかんと云う音が響いた。キスを介して強力なものを飲ませたようだ。

「う、うおおおおおおおっ! なななな、何だ何だ何だあああああっ!?」

 ものすごいエネルギーがみなぎってくる!

「それとぉ。いっぱおえっちになるお薬ー。あはははははー」

「媚薬かよっ! ちくしょおおおおおおっ! やりやがったなこのこのっこのっこのっ!」

 一度や二度の絶頂程度では絶対に満足できない。性欲が衰えることはない。それがわかった悟は無意識のうちに腰を激しく動かしていた。さくらはそれを望んでいたかのように、嬉しそうに喘ぎ声を上げまくるのだった。

「あっあっあっあっ」

 人間の持つ能力などたかが知れている。どんなに訓練を積んでも、だ。天使のさくらはそれを知っているから、悟のリミッターを……潜在能力を解除させたわけだ。

「も、もう知らねーぞ。お前を、めちゃくちゃに……しちまいそうだっ! いけっ! いっちまえ!」

 悟の動きは一段と激しくなる。さくらも全力でそれを受け入れる。

「あっあんっ! う、うん。してぇぇぇっ! もっといっぱいしてぇぇぇ! めちゃくちゃにしてぇぇぇっ! あっあっあんっあんっ! すごいのぉぉ〜〜〜!」

 心底嬉しそうに悟を求めるさくら。舌を出し、涎をたらし、快楽に溺れた涙を流すさくら。もはや酔っ払ったかのようにろれつが回らなかった。

「う、うおおおおおっ! さくらっ! この……淫乱な堕天使めええええっ! おめーの中、き、気持ちいいじゃねーかっ!」

 ものすごい勢いで二人は震える。通常の倍くらい大きくなった悟のものが、さくらの中をこれでもかとかきまぜる。

「あっあっ! だ、だって、だって、らってぇぇ! 気持ちいいんらもん〜〜〜! ああ、らめぇぇぇ! いっちゃううううっ! 悟ぅ! 好き! 好き! 好きいぃぃ〜〜〜! 大好きだよぉぉぉ〜〜〜〜!」

「馬鹿野郎! てめぇだけじゃねぇ! こっちだって、大好きだぁぁぁぁっ!」

「うんっ! 一緒に! 一緒に、いっちゃおおおおっ!」

 騒がしいと云うよりもやかましい二人。バカップル、ここに極まれり。

 びくんと大きく震え、一瞬停止。その後すぐに悟はさくらの中に射精。爆発したかのような衝撃波が発せられ、アパート全体が震えるのだった。そして射精量も半端なものではなく、例えるなら消防車の放水のごとくどばばばと云うものだった。たまらずに引き抜くと、さくらはおしっこでも漏らしたかのように秘所から精液をたらすのだった。

「さ、と、るぅぅ〜。あは。あはは。あはははは。いっぱい出ちゃったね〜。うふ」

 さくらは壊れたようにけらけら笑いながら仰向けに寝そべって、限界まで大きく股を開いた。

「でもぉ。まだまだしてぇ。きてぇぇぇ。ここおぉぉぉ。ここに入れてぇぇぇ」

「云われんでもいくぜ! おらぁっ!」

「はうんっ! お、おっきいよぉぉ〜〜〜!」

 さくらの上に覆いかぶさる悟。ずぶりと大きなものがさくらの穴に突き刺さる。

 天にも昇るような感覚に、二人は朝が来るまで交わり続けるのだったとさ。




















おしまい























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