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#2 復活 『儚げな印象は出会った瞬間から崩れて』




















『あんにゃろう』こと、『七瀬さくら』とかいう珍獣みたいなのが俺の部屋に来てから、かれこれ数日が過ぎた。










あれから状況は何も変わってはいない。










要は、未だ俺の部屋に居候中ということだ。










……僅か数日間でも、色々あった。










 まず第一に、居候の癖して沸かしたての一番風呂に入る。ひたすら図太い。
「あ〜〜〜。気持ちいい〜〜〜♪ 生き返る〜〜〜♪ 天国ぅ〜〜〜♪ お風呂最高〜〜〜♪ おーふろっできゅきゅきゅっきゅっきゅっきゅきゅーーー♪」
「この野郎調子に乗るんじゃねぇっ! いい加減にしろッ!」
「んだぁっ!? のぞくなバカーーーーーーーーーーーっ!」
 ばきっと一撃を食らう。
「ぐおっ!」
 こいつは恥じらってるようでいて恥じらっていない。その証拠に、素っ裸でのハイキック!
 第二に、居候の癖して、主人である俺の三倍は飯を食う。炊飯器などあっという間にすっからからんだ。我が家のエンゲル係数が……。
「あぐあぐあぐあぐ! おかわり〜〜〜!」
 ほっぺたにご飯粒をつけたまま、満面の笑顔でお茶碗を出す。
「三回目のおかわりくらいそっと出せコラ!」
「んにゃむにゃくちゃむちゃ。んんん、あたしは今。ごっくん。とぉっても。ずるずるずるるずちゅずちゅむちゅ。育ち盛り。ずびずびずびびびび。なのよ〜」
「音たてて食うなあああああっ!」
 本気で親の顔を見てみたいぞ!
 第三に、居候の癖してテレビのチャンネル権を独占する。リモコンを絶対離さない。
「あははははははは! まじ面白〜〜い! ありえないったらありえな〜〜〜い! きゃはははは! 笑えるぅぅぅ〜〜〜!」
「おいコラ。独占してんじゃねぇ!」
 第四に、居候の癖して、主人である俺を押しのけてベッドで寝る!
「ぐがーーーーぐがーーーごぎーーーぐぎーーー!」
「うるせぇ黙れッ!」
 俺を来客用の寝袋に押しのけてだ。しかも毎晩毎晩いびきがすげぇうるせぇ。ぶち殺したくなるくらいに! めちゃくちゃむかついたので、足で顔面をミシッと踏みつけるという、かなり鬼畜でハードなプレイをしてやった。そしたら……。
「んぐぐぐ。あぐんッ!」
「んぎゃあっ!」
「むしゃむしゃ」
「くくく、食うな! 俺の足を食うなああああっ!」
 足を噛まれた……。なかなかやりやがる。眠ってもただでは起きない奴だ……。
 第五に……は、もういいか。これ以外にもこいつのやることなすことそんなンばっかりだからなッ!
 ともかく、上記に上げたように、居候の分際でやりたい放題なのだ。なのだが……それをすんなり受け入れている俺も俺でどこか感覚がおかしいのだろう。一つ確かなのは、彼女は記憶喪失の危機感とか悲壮感など、全く微塵も感じさせないノー天気さ加減なのだった。
 で、まぁ。コレもまた今更な説明だが、見た感じ高校生くらいの年齢かと思うわけで、実際聞いてみたわけだが、その時は……。
「おい。そこの居候ななさく」
「は?」
 ななさく。いや、カタカナでナナサクの方がマヌケな感じがして似合う。改名した方がいいだろう。うむ。
「七瀬さくら。略してななさく」
「はぁっ!? 人様の名前、んな略しかたすんなあああああ!」
 とてもわかりやすい略し方だと思ったのだが、彼女には不評だったようだ。
「それはともかく、一つ聞きたいことがある。てめぇ歳いくつだ?」
「さりげなく流さないでよ! それに、レディーに堂々と歳聞くって失礼じゃない?」
「レディーって柄かよ。このがきんちょ」
 本気でそう思うのだ。外見以上に幼いというか、子供っぽい感じを醸し出していて実際中身もそうだから無理もない。
「がきんちょいうなーーーっ! あたしはレディーよ! れでぃったられでぃよ! らんでぃ・れでぃよ! だからスパイクと呼びなさい!」
 とか、彼女は意味分からんことをムキになって云う。普通、レディーは自分のことをレディーとは云わないだろう、と思った。
「まあいい。お前の名字、『抜け田』に改名しろよ。抜け田さくらに」
「なによそれ」
「そしたらお前のこと、ぬけさくってよんでやるから。おいぬけさく」
 ぴったりだ、と俺は思った。
「バカにしないでよ!」
「じゃあ、畑山さくら。とか。それだと畑作」
「よぶなーーーー!」
 バキッと殴られる。全国の畑山さんに失礼な奴め。
 とりあえず。とてもからかい甲斐のある奴だということはよくわかった。殴られると痛いけど。
「どーせ七瀬なんて名前も記憶失ったついでに適当に付けたんだろ」
「違うっ! ちゃんとした名前なの! 由緒正しい名前なのっ!」
 どうなんだか。










前回ずっと言い忘れていたことだが。俺の名は鈴木悟。










この話の主役なわけだ。










まあ、野郎の名前なんてどうでもいいかもしれないが。










親の仕送りと、アルバイトで生計を立てている、ごく普通の大学生だ。










 で。俺は平均的な暇大学生故に、凄まじく夏休みが長い。というわけなので、九月に入ってからも休みだ。なので稼ぎ時でもあるわけだ。正直なところ、親の仕送りだけでは何かと厳しいから、仕方なくバイトをしているのだったが。
「おい。さくら」
「何〜?」
 扶養家族などを養う余裕は全くないのだが……。こんにゃろうにそんなことをいってもわかるわけがなかった。
「俺はこれからバイトだ」
「あっそ」
 盗まれて困るほど貴重なもの、というものも無いから余り用心はしていない。一番貴重なものといえばパソコンくらいだが、こいつにパソコンの使い方がわかるとは到底思えないから気にしないでいた。実際使えなさそーだしな。頭悪そうというか、実際に悪いし。馬鹿だし。
「暇つぶしにDVDでも見てろ」
 ドサッとばかりに、DVDボックスを置いてやる。大量に。
「なにこれ?」
「おめーがお気に入りなアレの元ネタだよ」
「ぬぁんですと!?」
 アレの元ネタ、という言葉を聞いて彼女の表情が変わる。わかりやすいやつめ。










コレもまた数日前のことなのだが……。










 俺がベランダに洗濯物を干していたとき、 どたどたどたどたとかけてくる。云うまでもなくそれはさくらだった。
「……。ねえ悟。この作品、続きはっ? 続きはないのっ!? 続きはどこったらどこにあんのよ! 出しなさいったら出しなさいよ! 出さないと撃つぞーーーーっ!」
 またアホが何か云うとる。
 ……さくらは俺以上にとてつもなく暇だったので、積んであった同人誌を適当に与えたら適当に読んでいた。そしたらハマったのか、だんだん真剣になって、そのうちひたすら集中して読みふけっていた。……最初は俺のことをオタだのなんだの文句ばかり云っていたが、とある作品を読んで強烈に興味を持ったようなのだ。
「あるわけねぇだろ」
「どーしてよっ! 読みたい読みたい読みたいーーーー! あたしに続きを読ませろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
 駄々をこねるように床に横になり手足をじたばたさせている。極めてお子様である。シラフなんだか酔っぱらってんだか。
「てめぇ、人のこと散々オタ呼ばわりしやがったくせして……」
「ごめん! 撤回する! あたしもオタでいいから! 腐女子でもなんでもいーから! だから続き〜! 続きをぷりーーーずぅぅーーーー!」
 まあ、そういうところは素直なようだ。ちょっとだけだが、何となく好感がわいたぞ。
「その本は知り合いから押しつけられたもんなんだから、それ以降は持ってない。旧刊もない」
「えーーーえーーーえーーー! そんなぁ〜〜〜! いけずぅ〜〜〜!」
 その作品は、現在大ブレイク中のアニメの……BL同人誌。いわゆる美男子と美男子がくっついたり恋をしたりするような、まあその、BLと書いてボーイズラブというやつだ。
 あいにく、俺にはそういう趣味というか属性は全くないのだが、たまたまそのような作品をいっぱい出しているサークルの人と知り合いで、一緒に食事をしたときにくれるといわれて、内心断りたかったのだができなかったのだった。……故に、続編などは持っていないわけだが。
「どこに行けば手に入るの?」
 と、彼女は食い下がった。
「冬コミ行け。サークルが落ちてなきゃ多分出てるだろ」
 落ちていても委託しているかも。確認してないからわからんが、通販とかもあるかもしれないけど。
「フユコミって何?」
「世界最大規模の同人誌即売会」
「よくわかんないけど行く! 絶対行く! 連れてって!」
「あ、ああ……。いいけどよ」
 そして結果的に、彼女は腐女子への道を歩むのだった。歩むというか、突き進むといった方が正しいか。そして、突き進ませたのは俺だな……。背中を軽く押してやったというより、思いっきりけっ飛ばして前進させた感じがする。ちょっとだけ罪悪感を感じなくもない。










というわけ。










 で、さくらはDVDの山を見て目をキラキラと輝かせている。とても楽しそうに、期待に満ちている。早く観させろといわんばかりに。
 例えるならそれは……。楽しみにしていた本を書店でいっぱい買って、急いで帰ってきて、袋を開ける時のワクワクした感じに似ている。その気持ちはよくわかる。こいつもある意味俺と同じ種類の人間だとわかって、少しだけ嬉しかった。
 ……でも、えっちな本をいっぱい買った帰りは『今だけは絶対に事故りたくねぇ』などと思うものだが、それはまたさておき。
「全部で四十話以上もあるけど」
「観る!全部観る!」
 本当にお子様のように目を輝かせる七瀬さくらだった。かなり気合いが入っている。
「そうかい。飲み物なんかは冷蔵庫にあるから、適当に飲んでな」
「うん。ありがとぉう!」
 俺はそう云って部屋を出て行くのだった。










……で、数時間が経過し。バイトから帰ると。










「帰ったぞ」
「……」
「さくら?」
 夕暮れ時を迎えて暗い部屋には、テレビの青白い光だけが燦々と輝いていた。
「……」
 返事がない。ただ単に没頭しているだけのようだ。
「さーくーらー」
「……」
 再度呼びかけてみてもやっぱり返事がない。ただの馬鹿のようだ。
「お前……。まさか」
 まさかじゃない。こいつは、この数時間近くの間、ずーーーーっとDVDを見続けていたのだろう。目がどこか虚ろで死んでいる。
全四十数話のアニメ。一話がCMの時間とか除いて二十分くらいとしても……。多分、もし俺が定時通り帰ってこなかったら、こいつは十時間以上もぶっ続けで見続けていたのだろう。呆れたものだ。
「さくら」
「なぁにぃ〜……?」
 さすがにさくらも疲れ果てた表情だった。
「アホ」
 アホだ。確かにアホだこいつは。根性のあるアホだ。
「だぁ〜ってぇ〜……」
「大アホ」
 いや、前言撤回。ただのアホではない。大アホだ。救いようの無い大アホたれだ。
「続きが気になっちゃうんだもん〜。面白いんだもん〜」
「アホアホアホ。アホの総大将。記憶喪失の癖してのんきすぎるアホたれ女」
 この際だから、今までの鬱憤を晴らす意味でも言葉の暴力をたんまりとふるってやる。
「うぅ〜〜〜……」
 事実だから一切反論できず、かなり悔しそう。
「ていうかお前。アニメばっかり見てないで少し危機感持てよ。記憶喪失なんだろが」
「危機感持ったからって記憶が戻るわけじゃないしー」
 それはまあ、そうなのだけど。
「気楽にいこーよ気楽に。ていくいっといーじーってやつでー」
お前が言うな、と突っ込みを入れてやりたい。思いっきり空手チョップでもくらわせてやりたい。
「とりあえずだ。DVD観賞は少し中断しろ。飯食いに行くぞ」
「あ、うん!」
 こいつが来て以来、飯を作るのが億劫になってきているかもしれない。食い過ぎるから……。










そうして、居候約一名を連れ、近くのラーメン屋に行く。










そこでもやはり、普通のヒロインではないところを見せつけられる。










 近所では結構有名な、制限時間以内にラーメンを五杯食えば無料な店、だった。
「五杯。いけるか?」
「もち! 美味いもん! 全然おっけー! やってやらぁ!」
 どうやら、ラーメンという食い物がかなり気に入ったようだ。しかし、ラーメンを知らんとは……本当に日本人なのだろうか?
「にしてもよぉ」
「あんよ?」
 注文を云い終え、待ち時間。しげしげとこいつの顔を見てやる。
「お前。変な髪型だな」
「へっへー。可愛いでしょ? だしょだしょ〜?」
 ツーテール。俗に云うツインテール。に……更に一つ尻尾が増えた髪型。合計、三つの尻尾……。なんじゃそら。
「変」
「いいじゃない。ツインがあるならトリプルがあったって」
 アイスクリームみたいな感覚で云わないで欲しいところだ。
「おかしいぞ、三を『トリプル』って言うなら、二は『ダブル』になるはずだし、二を『ツイン』って言うなら、三は『トリオ』じゃねぇのか?」
「そんなんどーでもいいのっ! 細かいこと突っ込むんじゃないわよっ!」
「よくないっ! それは極めて重要な問題だ!」
「トリオテールなんて語呂悪いじゃないっ! トリプルテールでいいのっ!」
 開き直ったように云いやがるのだった。まぁ、世間一般ではツインテールともツーテールとも云わないのだがな。
「最初からそんな紛らわしい髪型しなけりゃいいんだよっ!」
「ンなもん七瀬さくらの勝手でしょが!」
「烏かてめぇは!」
 ……いつの間にか口論になっていた。それも、かなりくだらないことで。……こいつと話をするといつも最後は云い合いになっているような気がする。
 そして、ラーメンが運ばれてくるのだったが……。
「ふんっ! ……んぐ、んぐ、んがああああああっ! うっがああああああああっ!」
 そして、運ばれてきたラーメンを一杯、一気にずるずるずるずるずるっと腹ン中に飲み込むのだった。それはあたかも、巨大な鯨が魚の群を一口で飲み干すように。
「……お前。ラーメンはもう少しゆっくり食えよ」
 一口目で麺の半分以上を箸ですくい上げ、ふーーふーーさましてから、でっっっっかくあんぐりと口を開けて全部飲み込みやがった。
 しかも、食うときになんか獣みたいな雄叫びをあげているし。
「制限時間あるんでしょ! それに、ちゃんと味わってるから大丈夫よっ!」
 といって、残りのスープをずずずずずと全部飲み込むのだった。所要時間、一分足らず。さすがに店員も唖然とした表情で見つめている。
 残りの四杯も、似たような感じで……。それどころか、五杯目を楽々平らげたあと……更に五杯のダブルチャレンジを達成しやがった。  どことなく店員さんが泣きたそうな、そんな表情が哀れに見えた……。もしかしたら俺たち、この店にはもう、出入り禁止なのかもしれない。
(この細い身体のどこにそんな入るんだ……)
 こいつは真っ当に考えて、黙って静かにしていればかなりの美少女なのにな。
「ふ〜〜〜。お腹いっぱい♪ ご馳走様〜〜〜♪」










そして。










……突発で、イキナリで、何のオチも脈絡もありゃしねぇが。










その後すぐ。彼女の記憶は戻るのだった。










極めてあっさりと。










「ねえ悟!」
 落ち着きのない食事から帰って、部屋の片付けをしながらぼへーっとインターネットを楽しんでいると。
「ねえねえねえ! ねえねえねえ! ねえったらねえ! 悟悟悟!!!」
「あんだようっせぇな」
 彼女は目をきらきらさせて、こういった。
「カタログないっ? カタログカタログカタログ!」
 ……カタログ? 何のことだ?
「もしかして冬コミのか? ありゃまだ発売前だぞ」
「違うよ違うよ! 夏コミの!」
「ああ、あれか。確か、捨てずにとっておいてあるが……。やたら重いしかさばるから捨ててもよかったのだがな……」
 たまに読みたくなるから捨てずにとっておくのであった。俺も貧乏性だな。
「見たい見たい見たいーーー! 見せて見せて見せてーーー!」
 うきうき、うきうき。そんな子供みたいな表情のさくら。
「へいへい」
 過去の同人誌即売会のカタログを見てみたい。とかいうので、押し入れの中を漁って探し出してやる。
「んーと。どこやったかなー。……っと。あったあった」
 ごそごそと、押し入れの奥を漁って、厚い本を手にとって。
「ほれさくら。カタロ……ぐっ!!!」
 ガッと、足下に置いてあった鉄アレイに躓いて、俺は空中を舞うことになった。やばい。動きが微妙にスローモーションだ……!
「あ、ありが……。え?」
 きょとんとするさくらの脳天に、思いっきり『ばきょッ!』という、重量感のこもった一撃が炸裂してしまったのだ。
 必殺技を名付けてみるならば、飛翔・百科事典撃! ……とか?
「あんちょびッ!」
 虫が潰れたように変な悲鳴をあげるさくら。どうでもいいが、こいつの悲鳴は変なのばっかりだな。
「わあ! ごめん! 大丈夫かっ!?」
 本気で謝る。コレはさすがに俺に過失がある。こいつ、首がごきッとなったし!
「あ……あにしやがんのよおおおおおっ! このすっとこどっこい! 女の子のノーーーてん思いっきしどついてんじゃねーーーわよボケええええええええッ!」
 キレるさくら。怒りのオーラが炎のよーに漂っている。
「ご、ごめん! 悪かった!」
……って。それよりも今気づいた! とてもとてもとっても重要なことがある! さくらの身体に異変が!
「お、お前……ッ! 背中!」
「背中がなによっ! あァ!? こんちくしょぅ!」










一瞬。神々しい光が室内を満たした。










俺はその瞬間。自分の目を疑った。










そこには、あるはずのないものがあったから。










 俺は大慌てでさくらの異変を指摘する。本人は気づいてなさそうだったから。
「さくら! 背中背中背中っ! 羽! 羽! 羽っ!」
「羽羽うっさい! あたしゃ天使なんだから羽ぐれぇ生えてて当たり前でしょうがこん畜生っ! ハエや羽虫に羽根があるよーに天使にだってあんのよ! ……って、あたしをハエや羽虫扱いすなあああああああああッ! こン大ばっきゃろーーーーーっ!」
 自分で云っておきながら切れてるさくらの馬鹿さ加減はさておき。聞き捨てならぬ一言を吐きやがった。天……使……? だと?
「……え。あたし、今天使って云った?」
 こ、こいつは一体……。何者なんだ?










さくらの背中には……ゴージャスで、純白の、大きな羽が……生えていた。










そして、それと共に彼女の記憶も完全復活していたのだった!













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