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【2014/02/01 彼女の新しい趣味】



ところできみは、趣味とか何かないんか?(--)

新奈「唐突ですね(^^)」

うむ。問いは恋と同じようにいつだって唐突なものさ。で……?(--)

新奈「読書とウィンドウショッピングって、私の紹介ページに書いてありますよ? ……野宿は違いますけど(^^)」

それ以外だ。つまりはそう、通常メニューにない隠しのような。例えるならば、ペルポイの町で売ってる空欄みたいなものだ(--)

新奈「牢屋の鍵みたいなものですか(^^)」

うむ。……って、よぉ知ってるな君は。っていうかペルポイの町ってさ。鍵で入り口閉ざしちゃって地下に引きこもっちゃって、完全に鎖国状態だよね。あれって経済回るのかな? 物流はあんなんでいいのかな? それにだ。地下への入り口に防衛部隊置いとかなければ、あっという間に水攻めでも兵糧攻めでもくらうんちゃうか?(--;;;)

新奈「それだけハーゴンの侵略が脅威だったんじゃないでしょうか(^^)」

それはまあそうだが。って、どうして知っておるのかね(--;;;)

新奈「どうしても何も。館長がある日いきなり私にファミコンのカセットを渡して『どれだけ時間かかってもいいから絶対にクリアしろ。上司兼雇い主命令だ』って、言ったから(^^)」

……そだっけ?(--;;;)

新奈「そうですよ。……仕事終わってご飯とかお風呂を済ませてから、少しずつこつこつとやってました。……慣れるまでに時間かかったり、パスワードの写しを間違えたりして、一からやりなおしたりしてましたけど。ちゃんと最後まで終わらせたんですよ? 報告しましたよね?(--;;;)」

そ、そうだったのか(--;;;)

新奈「完全に忘れてますね(--;;;)」

でもなんで一からやり直しに? その前のパスワードは?(--;;;)

新奈「今までゲームとかしたことがなかったので、どうやって中断させればいいのかわからなくて。……館長、説明書もくれませんでしたから(--;;;)」

それで、いけるところまで行ってみて、何だかパスワードというものがあるのに気付いたと?(--;;;)

新奈「ええ。……これでいいのかな、って。ムーンペタって街まで行ったんですけど(--;;;)」

まあその。なんだ。……やっててトラウマになったこととか、なかった?(--;;;)

新奈「えっと……。最後の方の洞窟でいっぱい落とし穴に落ちた事とか。落ちた階がものすごく広い上に、腐った死体ばっかり出てくることとか。……長い長い雪の道を歩いていたら、青い火みたいなのがいっぱい出てきて……(--;;;)」

ザラキ祭りか。急にウィンドウの色が赤くなるんだよな(--;;;)

新奈「はい……。逃げても回り込まれてしまって……(--;;;)」

くじけそうになった?(--;;;)

新奈「とても(--;;;)」

……。そ、そうだったのか。……ま、まあ。それはそれとして。趣味だけど(--;;;)

新奈「一応、あることはありますよ?(^^)」

ほう。それは一体?(--)

新奈「お茶作りです(^^)」

……ほう(--)

新奈「といっても、大袈裟なものではありませんけど(^^)」

そのお茶とは?(--)

新奈「どくだみ茶です(^^)」

……ひょっとして、今おれが飲んでいるこのお茶も?(--)

新奈「そうです(^^)」

何でどくだみ茶なん?(--)

新奈「この図書館の裏に、いっぱい生えてますから(^^)」

何という金のかからない趣味なんだ……(--;;;)

新奈「だからこその趣味なんですよ(^^)」

給料安くてごめんよ(--;;;;)

新奈「いえ(^^;;;)」

いっぱい生えてるもんな。雑草みたいに(--;;;)

新奈「そうです。草むしりしていたときに、お茶にしようかなーって思って。それで今に至るんです(^^)」

草むしりとかしてるん?(--)

新奈「たまにしてますよ? お花植えたりとか(^^)」

ひょっとして、麦わら帽子とかかぶってたりする?(--;;;)

新奈「日差しが強い時は、そうですね(^^;;;)」

それじゃまるで、儚げな女の子じゃないか! Σ(--;;;)

新奈「女の子ですってば(^^;;;)」

じゃあ、まあ。あれだ。ほら、これ持って(--)

新奈「はあ(^^;;;)」

そうと決まれば善は急げだ。早速、お茶のCM撮影と洒落込もうではないか(--)

新奈「何のCMですか?(^^;;;)」

無論、あれだ! 名付けて『数量限定、ウチの図書館の裏でとれたどくだみ茶』だ!(--)

新奈「そのままですね(^^;;;)」

ほれほれ、ポーズを取りたまへ(--)

新奈「はあ。こ、こうですか?(^^;;;)」

そうそう。そんな感じ。いいぞいいぞ。そんなわけで一枚、ぱしゃりとな(--)






新奈「えっと。これって、プロモーション活動か何かですか?(^^;;;)」

そんなところだ。よし。よぅ撮れておる。……この写真は記念として、額縁に入れて司書室に飾っておくとしよう(--)

新奈「そうですか(^^;;;)」



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