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愛車に乗って









 とっても安い、中古の軽自動車。それが、祐一が人生で手にした初めての愛車だった。

 納車されたのは、彼が大学生になって、しばらくしてからのこと。

 当初、購入のために用意していた資金の殆どは、運転免許を取るために使い果たしていた。思った以上にお金がかかってしまったのだけど、それでも祐一は、めげずに追加のバイトを頑張った。

 両親から、資金援助の申し出はあったものの、祐一はあえてバイト代で全て賄った。

 何となく、そうしたいと思ったのだ。

 自分のものに、したいなと。

「さて名雪。どこに行く?」

「うーん。あっちの方かな」

「あっちだな。了解」

 夏も過ぎて、鋭い日差しがようやく和らいできた頃のこと。

 祐一は愛車の助手席に可愛い彼女を乗せて、気ままにドライブをしていた。

 他の誰のものでもない、自分の車。

 見た目も内装も、できるだけ状態がよいものを選んだつもりだ。けれど……。

「ボロ車で悪いな」

 お世辞にも、決して格好のいいスポーツカーではない。かといって、広々とした内装の、ゆったりとした普通車でもない。

 とはいえ、こんな中古車でも燃費はいいし、税金などの維持費も安いし、それでいてしっかり走る。実用性に関しては、必要十分なファミリーカーだ。

 祐一が自嘲気味に『ボロ』だと愛車を評すると、名雪は決まって頭を軽く振り、諭すように言ったものだ。

「そんなことないよ。祐一が一生懸命バイトして買った車だもん。いつも乗せてくれて、ありがと」

 そして、名雪は楽しそうに微笑むのだ。

「それにね。この車は見た目も可愛いし、わたしは好きだよ」

 地方都市だからか、たかだか十数分程度走っただけで、自然豊かな景色に変わっていく。

 二人は、この街の郊外にある大学に揃って進学し、毎日祐一の運転で通っていた。

 高校生の頃と比べて、格段に移動可能な距離が伸びて、世界が広がった。

「いろんなところに連れてってくれて、楽しいよ」

 長い髪の彼女。

 名雪も大学生になって、少しばかり大人びてきたのかなと、祐一は思った。のんびり屋なのは相変わらずだけども。

 天気のいい休日。

 一緒に、どこまでも行こう。

 二人とも、そんな気分になっていた。





…………





 ぐにゃぐにゃとカーブが連続する山を越え、大きな橋を渡る。向こうの方には、人造のダム湖が見える。

 単線の、電化されていないローカル線に沿って走り、すっかり稲刈りが終わった田園を眺め見る。田舎の長閑な風景が、どこまでも続く。

 そのうちに道の駅を見つけたので、休憩タイムにした。食事と、それとおやつも。

「ソフトクリーム、おいしいね」

 名雪は子供のように、屈託のない笑顔を見せた。可愛い彼女だと、祐一は思った。

 そうしてしばらくくつろいでから、再び出発した。

 山を越え、谷を越え、見知らぬ街を走り抜けていく。

 と、調子良くすいすい走ってきたところで、思わぬストップが入った。

(渋滞だ)

 迂回路もなさそうだし、これは少しばかり、抜けるのに時間がかかりそうだ。

 そんな時ふと、祐一が助手席の方を見ると……。

「く〜」

 お腹がいっぱいになった名雪が、気持ち良さそうに寝息をたてていた。

 十数分程度前に『わたし、なんだか眠くなってきちゃった』とか言っていたのを、祐一は思い出していた。

 寝てていいぞと言ったら名雪は、そうさせてもらうねと頷いた。それと、祐一は、絶対に寝ちゃだめだからねと一言。居眠り運転に関する注意も沿えた。

 眠気覚ましの缶コーヒーもあるし、まあ、大丈夫だろう。祐一は気を引き締めた。

「うにゅ」

 それにしても、幸せそうなやつだと、祐一は思った。

 ブレーキペダルをしっかりと踏んでいるので、アイドリングストップの状態が続く。

「……」

 そんな時だった。

 少し、魔が差した。

 男子としては、本能的に避けられないもの。

 目に入る、印象的なもの。

 つんと澄ましたように、ちょっと尖った膨らみ。

 特別大きいわけじゃないけれど、程良く膨らんでいて、形の良い名雪の胸。

 好きな女の子のおっぱい。

(だめだってのに)

 横目で見ながら、触りたいと、強くそう思ったのだ。





…………





 祐一はそーっと、左手をハンドルから離して、伸ばした。

 そしてぴたりと、名雪の右胸の膨らみに触れてみた。

「……」

 名雪の反応は無い。寝息は相変わらず穏やかで規則正しくて、祐一に触れられていることに、気づいていないのだとわかる。

 祐一は一旦左手をハンドルへと戻す。一度目は、様子見だ。偵察といったところ。

 もう少し。……もう一回、したい。欲求を抑えられない。

 そーっと、手の震えが伝わらないように心がけて、目的の箇所に触れる。

 触れたら今度はきゅっと、軽く摘まんでみた。ふにゅふにゅとした柔らかな感触が、指先にはっきりと伝わる。

「……ん、ぅ」

 名雪の寝息がわずかに乱れた。祐一は即座に左手を待避させた。

 それからしばらくの間、沈黙が続く。

 どうやら、名雪はまだ気づいていないようだ。状況から、祐一はそう判断した。ちなみに、渋滞もまだそのまま変わりなし。

 それから、二、三分が経過した。

 名雪の寝息に乱れは生じていない。祐一は、三度目のお触りを決行することにした。

 二回目と同じように手の震えを感じさせないように注意しつつ、膨らみの先端を軽く摘まんだ。

 他とは違う、堅い感触があった。

(あ……)

 それがどこなのか、衣服の布地越しからでもわかる。たまたま、ピンポイントで、名雪の敏感な部分に触れていたようだ。

(起ってる?)

 柔らかい、ゴムのような弾力。

 もっと、ここをいじりたい。

 いけないことだとわかっているけれど、高まる欲求を抑えきれない。

 祐一は人指し指と中指、親指も使ってそれを軽くふにふにとこねまわす。

「ん、んぅ」

 あんまり長時間触っていたら、気付かれてしまう。

 だから少し強めに、ぐにゅっ! と、折り曲げてみてから、手を離した。

「んぁっ!」

(やばっ!)

 突如。名雪がびくんっと全身を震わせて飛び起きた。

 祐一は、左手でハンドルを掴み、何事もなかったかのように装った。

「ど、どうした?」

「い、今? 何か……。んっ」

「何か、何だ?」

「えっと……。あの。その……」

 説明しようのない違和感に、名雪は混乱していた。

「変な夢でも見ていたんじゃないか?」

「そう、なのかな?」

 更に状況までもが味方した。

 ずっと止まっていた車列が、動き始めたのだ。

「お。やっと進んできたぞ」

「う、うん」

 そのままブレーキペダルを離し、クリープ現象特有のゆったりとした速度で、徐行していく。

(ば、ばれたかと思った)

 祐一は平静を装っているけれど、鼓動はばくばくと高鳴っていた。





…………





「……」

 名雪は、完全に目が覚めてしまっていた。

 もじもじと落ち着かない様子で、視線も定まらない。

「名雪。どうした?」

「えっと」

 少し、顔が赤いように見える。

「気分でも悪いのか?」

「ち、違うよ。そうじゃなくて。その……」

 段々と小声になっていく。

「い、言い辛いんだけど」

 恐る恐るといったような、上目遣い。

「怒らないで、聞いてくれる?」

「あ? ああ。聞く聞く」

 名雪は自分を庇うように、両腕を組んで胸を押さえながら、言った。

「何でかわからないんだけど。わたし。……寝ていて突然、えっちなこと、したくなっちゃったの」

「そ、そうなのか?」

「ごめんね。したくなっちゃったんだよ〜。変態だって思うでしょ? 何考えてるんだって。ふざけるなって言っちゃうんでしょ?」

「思わない思わない! 言わないし! お、俺だってそういう時くらいあるから!」

 名雪は情けなさそうに目を逸らす。

 とんでもない。謝るのは俺の方だと、祐一は心の中で詫びていた。

 ちょっとした出来心の悪戯が、予想外の事態を巻き起こしている。

 罪悪感が込み上げるけれど、それでも、祐一は正直に悪戯を白状することはできなかった。

「本当に、何故か突然、えっちな気持ちになっちゃったんだよ〜!」

 祐一は名雪にとっての性欲スイッチのようなものを、図らずも入れてしまったのだろう。きっと。

 この状況を落ちつかせる為にはどうすればいいか? 祐一は考えた。

 結論は、一つしかないことに気付いた。

「じ、じゃあその。……する?」

 うんと、名雪ははっきりと頷いた。

 いつの間にか渋滞は解消していて、山道へと入っていくところだった。

 つい先程とは正反対に、後続どころか、対向車もまるでないような道だ。

「ええっと。どこか、できる場所。……なさそうだな。こんな様子じゃ」

 お城のようだったり、メルヘンチックだったり、ピンクや紫のきらびやかな電飾が光っているような、そんな施設というのか、場所がないものだろうか。祐一がそう思っていると、名雪は頭を振った。違うよ、と。

「そういう所は、高いよ。やめとこ?」

「で、でも。じゃあ、どうするんだ? 家まで我慢できるのか?」

 随分と遠くまで来たから。帰宅できるのは何時になることやら。

 ううんと、名雪は頭を振った。

「我慢、できないよぉ。すぐにでも、したい」

 火照ったような、熱い吐息。

 ぽーっとした半開きの眼差し。きょろきょろと宙を彷徨う視線。

 無意識のうちに手が、敏感な所に触れていく。

 これはまずいと、祐一は思った。

 どこか。誰も来なくて、決して見つからないような、そんな都合のいい場所は無いだろうか?





…………





 結論から言うと、あった。

 幹線道路から外れた、薄暗い山道の脇。

 緑に埋もれてしまいそうなくらい、深い森。その奥に、誰も使っていなさそうな、広い駐車スペースがあったのだ。

 恐らく、ここしかない。祐一は車を奥の方へと慎重に進ませ、停車させた。

 既に時刻は日没を迎えようとしている頃だ。こんな所、誰かが来ることも、気付かれることも、まずないだろう。

「こんなところで、どうだ?」

 ちらりと助手席の方を向いてみる。

「……いいよ」

 名雪は頷いた。

「ここで、しよ」

 祐一と同じように、誰にも見つからないだろうと判断したのだろう。

 祐一はエンジンスイッチを切った。別に、暑いわけじゃないから、エアコンをつける必要もない。無音でなければ、気が気ではならない。勿論、ルームライトもつけない。目立つものは全て排除する。

 そうして、二人はのそのそと、軽自動車の割には広々している後部座席へと移動した。

「祐一ぃ。はふぅ。ん……」

 名雪は、この場所に来るまでひたすら、軽い自慰行為にふけっていた。

 もう我慢できないと、泣きそうになりながら訴える名雪に、祐一は言ったものだ。

 早く、いい場所を探すから。それまで指で触っていじくって、どうにか誤魔化して、と。

 名雪は、誰からも見つからないようにと気をつけた。濡らしたら嫌なので、ショーツもあらかじめ脱いでおいた。

 胸を揉み、割れ目を指でなぞり、絶頂を迎えない程度の微弱な刺激を、自らに与え続けた。

 だけど、それももはや限界。

「ねえ、お願い。早く、わたしの中におち○ちん入れさせて!」

 名雪は立ち上がり、スカートを自らまくり上げていた。

 前戯なんか全てすっとばして、いきなり求める。

「早く、おち○ちん出して」

「ち、ちょっと待って」

 祐一は、かちゃかちゃと音を立てながら、ベルトを外す。その仕草すら、名雪にはもどかしく感じるようだ。

「脱いだぞ」

「……横になって」

 名雪は祐一を座席に横たわらせて、その上に跨がった。

 割れ目を中心に、しっとりと湿っているのが祐一にもわかる。

「入れるよ〜」

 やがて。熟した果実のように、とろりとした濃厚な蜜が、糸を引いて落ちていった。





…………





「んあぁ!」

 始まったのは、騎乗位セックス。

 シートに横たわる祐一の上で、名雪は入口部分を手で開き、慎重に位置を探り当ててから、腰を落としていた。

 挿入の圧迫感に、名雪は少し表情を歪ませ、淫らに喘いだ。

「あ、あぁぁ。入ってくよぉ。んんっ! んっ!」

 散々いじり回してきたからか、既に充分すぎるほど、名雪の秘所は湿りを帯びていた。

 ローションも要らないくらいにすべりが良くなっていて、さしたる抵抗もないまま、祐一のものを根本まで飲み込んでしまった。

「ん……。あ。全部、入っちゃった」

「ほんとだ」

「ね、祐一。わたし、動いてもいい?」

「ああ」

「ありがと」

 思う存分するねと、名雪は笑顔で頷いた。

「あっ! あっ!」

 ずにゅり、ずにゅりと、一つに繋がった二人の肉体が擦れ合わさる。

「あ、あ。気持ちいいよぉ。すごい」

 指でするのとは全然違う。

 太さも、長さも、そして温もりも。

「あふぅ」

 足に力を込め、両手で祐一の胸に手を当てて支えにして、引き抜くように腰を浮かす。ある程度のところで動きを変えて、ゆったりと降りていく。

 ずずず、ずずずと、膣のひだひだが祐一のものを包んで撫で回す。

「んひっ。んっ」

 動きは少しずつ、早まっていく。名雪はリズムカルに跳ねながら、快感に酔いしれた。

「祐一ぃ。あ、ん。はぁん。いい」

 名雪は大学に進学した後も、陸上サークルに所属して、日々汗を流していた。

 だからか。体つきは細くて、引き締まっている。均整の取れたアスリート体型で、とても軽かった。

「名雪の中、締まるぞ」

「あっ! はっ! そ、う。んっ!」

「なんだか、絞り上げられてるみたいだ」

 時間がたっていき、祐一は暗闇に目が慣れていく。限りなく黒に近い、グレーのシルエットが見える。

 それは、腰を上下させながら、ぴくぴくと震えている名雪の姿。

「くひっ!」

 祐一は名雪の服に手を伸ばし、二つの膨らみをギュッと握りつぶしていた。

「悪い。痛かったか?」

「ううん、大丈夫。ちょっと痛いくらいが、丁度いい。……んぁぁっ! あっあっ! そこはだめぇぇっ! すぐいっちゃう!」

 俺の彼女はとても感じやすいなあと、祐一は思いながら、左右の乳首を同時に掴んで、ぐにゅっと折り曲げていた。

「あ」

 それが、今回の騒動を引き起こしたことを、祐一はすっかり忘れていた。

「ひいっ!」

「名雪? うお!」

 ぎゅぎゅっと、締め付けが一気に強まった。

「だめっ! だめえっ! あ、あ、ああああああっ! あーーーっ!」

 名雪の見開いた目から、涙がこぼれて落ちた。

 下品なくらい口を大きく開けて舌を出し、わななくように絶叫。名雪はびくびくと痙攣し、背筋を仰け反らせながら、一気に達していた。

 強制的に迎えさせられて、名雪は不本意だった。

「あ、あっ! あ、んっ! ゆ、う、いちの、ばかぁ……。はぁぁ。はぅ……」

 突然の事に、名雪は放心状態になっていた。





…………





 ぱんぱんぱんぱんっと、祐一が連続して名雪の中に突き込む音が、車中に響く。

 まくり上げられ、衣服としての機能を失ったロングのスカート。

 汗を帯びた素肌が、何度も触れ合う。

 若く、盛った男女による、無秩序な交わり。

「あぅっ! あぅぅっ! はぅっ!」

 祐一は、先程乳首をいじくられてイったばかりの名雪を立たせ、シートの上に膝をつかせた。そして彼女の後ろから愛液がしたたり落ちる秘部に挿入をして、責め立てていたのだった。

「そういえば俺達。初めてしたときも、バックだったよな」

「あひっ! あっ! そんな、の! はふっ! ぁっ!」

「覚えてないのか?」

「あっあっあっあっ! き、も、ち、いぃよぉ! ひぅっ! あふっ! だめっ! やっ!」

 がくがくと揺さぶられている名雪は、見るからにいっぱいいっぱいで、祐一の質問に答える余裕は無いようだった。

「うぐっ! 奥! 奥、すごい。当たる……。あっあっ! もっと! もっとぉ! 奥まで突いてぇっ!」

 白くてすべすべの肌。名雪の丸みを帯びた尻めがけて、祐一のものが容赦なく出入りを繰り返している。

 祐一は、名雪の括れた腰を両手でしっかりと掴んで、前後に揺さぶるようにして、うごめいている。時折思い出したように片手を離して尻を撫で回し、もちもちとした瑞々しい感触を楽しむ。

「あっあっあっあっあっ!」

「名雪の中、気持ちいいよ。ひだひだがぬめぬめして、とろけそう」

 車も、二人の激しい動きに合わせてギシギシと、小刻みに揺れている。

「祐一! 祐一ぃ! あっ! んっ!」

「名雪。気持ちいいなら、ついでにエロいことでも言ってみてよ」

「う、うん! 言うよ!」

 祐一は面白がって、名雪の羞恥心を更に煽る。名雪も拒絶することなく、それに乗る。

「あっ! 祐一のお○んちん、気持ちいい!」

「そりゃよかった。もっと言ってみてよ。そらっ!」

 意地悪をするかのように、深い突き込みをしてみせた。

「はぅ! お、お○んこにお○んちんが入って、ずにゅずにゅってして、中でごりごりこすれて、むずむずするのが、気持ちいいの! ますます濡れちゃうよぉ!」

 純粋でのんびり屋の彼女を羞恥責めするのが、楽しくて仕方がない。恥ずかしい事を言わせるたびに、祐一のものは勢いを増していく。

「俺も、名雪とずっこんばっこんするのが気持ちいいよ」

「うん! わたしも、祐一にずこばこって、乱暴にされると、お○んこ気持ちいい。あっ。はぅっ! そ、そこ!」

 単にするだけなら、自分一人、手でもできる。相手の……好きな人が見せる反応が、この上なく魅力的なんだと祐一は思った。

 腰を振って奥まで突っ込めば突っ込む程に、名雪はか細く、切なげな喘ぎを聞かせてくれる。

 可愛いと、祐一は思った。

 そんな可愛い彼女を、もっといじめたい。快楽責めにしたい。

「バックでぱこぱこするとさ。名雪の尻がぷるんぷるん震えてたゆんで、なんだか面白いな」

「うぅ。お尻なんて、恥ずかしいよ。あっ! くぅ」

「穴も丸見えだ」

「そ、そんなとこ見ないでよぉ。さ、触っちゃだめ〜〜〜!」

 そうこうしているうちに、今度は祐一が達しようとしていた。

「あ。もう、出るかも」

「いいよ! 出して! いっぱい! わたしの中に! ずこばこして、わたしの中で気持ち良くなって、イって! あ、あ、あ!」

「じゃあ、遠慮なく。そうさせてもらおうかな。……よっと」

「はぅっ!」

「いくぞー!」

 祐一はラストスパートに入ったようだ。

 交わる音が一際、大きくなった。

「あああああああっ! すごい! いぃよぉっ! お○んこ気持ちいいぃっ! もっとして! もっとお○んちんずぼずぼしてぇっ! 奥までずこばこしてぇぇっ! あぁんっ! 気持ちいぃぃぃぃっ!」

 ずるい子だと、名雪は思った。

 祐一がイきそうだと言っていたのに、またも一足先にエクスタシー気分なのは自分だったから。

「はぁっ! だめぇっ! またいっちゃううううううううっ! 好き! 好きぃぃぃっ!」

 名雪の意識がはじけたその瞬間。どぷり、どぷりと、奥の方で注入が始まっていった。

「あ、あぁ。出てるぅ。奥にいっぱい出てるぅ。祐一ぃ……。わたしのお○んこ、気持ち、よかった?」

「ああ。もう、最高」

 二人は繋がったまま、笑顔になった。

 呼吸が粗いのも、汗だくなのも、まるで気にならない。

 ところが祐一は、空気を読まずにまた動き始めていた。

「なあ名雪。また、動いてもいいか?」

「あっ! 聞く前に動いてるよ!? んっ!」

 新たにもう一ラウンド、開始。

「このまま、抜かずにイけそう」

「えぇっ!? そんなっ! 祐一、絶倫だよぉっ! あぁんっ! 壊れちゃう! あっあっあっあっあっ!」

 暗闇に包まれた深い森の中。

 密かに停車している車が、ぎしぎしゆさゆさと、激しく揺れていった。





…………





 そういえば、大切な事をしていなかったなと、二人は揃って思い出していた

「んん」

 それは、キスのこと。

 何も考えずに、何度も連続で、貪るようにしまくった。

 するのをすっかり忘れていたからか、普段以上のボリュームになった。

 互いのことが、愛しくて堪らない。

「ん、ん、んん〜」

「……名雪が、いきなり中に入れてだなんて言うからさ。いろいろすっとばしたよな」

「だって。おま○ことおっぱいを指でいじくっていたら、体がじんじん疼いちゃったんだもん。だから、すぐにして欲しいなって」

「自分から腰振ってたよな」

「う〜。すごく気持ちよかったんだもん。だめ?」

「ぜんぜんだめじゃないぞ」

「ん……。祐一、優しいね」

 揃って、笑顔が溢れる。

 舌を絡ませるような、濃厚なキス。

 かぶりつくような、味わうような、野性的な行為。

 まだ、し足りない。

 もっと、したい。

「なあ名雪。今度はさ。しゃぶってくれないか?」

「おしゃぶり? いいよ〜。……あ、そうだ」

 名雪はまた、思い出したように言った。

「ね、祐一。わたしの頭を掴んで、おち○ちんを、思いっきり奥まで入れてみてよ」

「おいおい。そんなことしたら、むせるぞ?」

「大丈夫だよ〜。やってみて」

「辛かったら、すぐに教えろよ?」

 そして祐一は名雪に促され、言われた通りにした。

 ちなみに、準備は既に万端。祐一は、名雪の口でして欲しいなと思っただけで、勝手に限界まで大きくなっていたのだった。

「あぐぅ。んんぅ」

 深々と、名雪の口内に祐一のものがねじ込まれていく。

「大丈夫か?」

 心配そうな祐一に、名雪は右手の人指し指と親指で、丸の形を作ってみせる。平気だよということ。

「う、ぐ、ぐ、うぐ」

 ずぶずぶ、ずずずず、と、棒は更に口内奥深くに埋まり込んでいく。苦しそうな声が漏れるけれど、名雪のOKサインは変わらない。このまま続けてということ。

「はぐ……あぐ……。あぁぐ」

「お、おい」

 一体、どこまで入るのだろう?

 口内を埋め尽くして喉の方にまで達していき、遂には根本までくわえ込もうとしていた。

 流石に、これ以上は危ないのではないかと、祐一は思った。

「あぅ……」

 名雪は涙目になりながら、笑顔でピースサイン。それから、自ら力を込めて、最深部までの侵入を促した。

 ずにゅっと、押し込まれるようにして、全てが入り込んだ。

 それから、数秒間静止。

 その後、名雪は深くくわえ込んでいたものを一気に、にゅるんと引き抜いた。

 とろりとした唾液が糸を引き、零れて落ちた。

「けふっ! えふっ! ……えへへ。すごいでしょ?」

 引き抜いたものと口元をティッシュで拭きつつ、名雪は笑った。

「驚いたよ。大胆なことするんだなって」

「いらまちおって言うんだよね? いっぱい練習したんだよ〜。バナナとか使って」

「へえ。そんな事をしていたんだ」

「だから、ね」

 亀頭の部分をぺろりと舌でなめ回しながら、名雪は言った。

「わたしのお口をおま○こ代わりにして、いっぱい出してね。んん」

 名雪はぱくりと亀頭部分を咥え込んだ。普段ののんびり娘が嘘のように、的確で素早い動き。

「遠慮なんてしちゃ、ダメだからね? れろれろれろ」

 可愛らしいのに、とってもハードな交わりが始まった。

「んっんっ」

「お、おぉ。吸い付く」

 車内にじゅっぽじゅっぽと、粘りけのある湿った音が響く。

 直立している祐一にしがみつくようにして、名雪は一心不乱に口を駆使した。

「ん、ん、んんっ! ん、ん、んっ!」

 名雪は男の肉棒に夢中になってしまったかのように、濃厚な媚薬を飲んだような、惚けたような表情で、口を性器代わりにしている。

 じょりじょりと、擦れるような音がしてくる。もじゃもじゃの陰毛が唾液と交じり合い、名雪の白い頬や可愛らしい唇を汚しているのだ。

(祐一の、お○んちん……。わたしのお口を、埋め尽くしていくよ)

 好きな人の体の一部が、口の中に入り込んでいく。

(わたしとエッチしたくて、おっきしたお○んちん……。好き)

 咥え込むだけじゃなくて、時々口内から引き抜いて、亀頭をキャンディーのようになめ回す。

 緩急をつけるように、手でもしゅこしゅこと小刻みにしごいたりもする。

「う……。あ……」

(イきそうな祐一。可愛いよ)

 女の子のような、か細い声を上げる祐一を見て、名雪は嬉しくなった。

(わたしのお口の中に、いっぱい出してね。一気にイかせちゃうよ〜)

 じゅぽっじゅぽっじゅぽっじゅぽっ、ちゅばちゅばちゅば、と、長靴がぬかるみにはまるような音。

 ねっとりとした口内が、祐一のものを絞り上げる。

「う、あぁぁ! 出、る!」

 どぴゅっと、濃厚な精液が名雪の口内にぶちまけられた。

 その勢いは激しくて。先程子宮の方に注入された時のように、溢れていった。

「んぅっ! んぅぅっ!」

 ごくりと、喉が鳴る。

 名雪は懸命に飲み干そうとしたけれど、とても処理が間に合わない。

 どばどばと、吐き出されてしまう。

 それなのに、口内から引き抜かれた祐一のものは、未だに射精を続けていて、名雪の顔に白濁液がぶちまけられた。

「ぷは……。あぁ……。あぁぁ……。祐一ぃ。すごいよぉ……。熱い。しゃわーみたい。はぁぁ……」

 まるで受け皿のように、顔中を白く塗り尽くされた名雪は、うっとりとした表情で、こぼれないように全てを受け止めた。

 シートの上には、大きめのバスタオルを敷いてはいたけれども、心配になるほどの量が噴出されていく。

「わたしのお口お○んこ、気持ちよかった?」

「最高だったよ」

 嬉しい報告。

「えへへ。よかった〜」

 名雪は、根本の玉を舌でなめ回していた。

「くすぐったい」

「可愛い〜」

 まだ、足りない。

「ねえ祐一。もう一回、しよ? わたしの中に入れて? ほら!」

 名雪はシートの上で、大きく足を開いた。

 同時に、つい先程、中出しされたばかりの割れ目を指で左右にこじ開けてみせた。

「ああ。俺もしたい。名雪の中に、ぶちこむぞ」

「うん! おち○ぽぶちこんで! ずぼずぼってお○んちんはめはめして〜」

 祐一がその上に覆い被さっていった。

 ずんっと、強い挿入感。

 子宮の方まで一気に打ち込まれて、名雪は歓喜の声を上げていた。

「あっ! あぁぁ〜〜〜っ!」

「くぅぅっ! どうだ!」

「あっあっあっあっあっ! お○んこ気持ちいい! おちん○んすごいいぃぃぃっ! 好きいぃぃぃっ!」

 再び車がギシギシと、揺れていった。





…………





「遅くなっちゃったね」

「そうだな」

 お盛んなことで。二人はあれから、尚も致してしまった。

 そんなわけで時はひたすらに過ぎ行き、だいぶ遅い時刻になったのは当然のこと。

「どこか、泊まっていくか」

「……そうだね」

 さすがに遅くなりすぎた。宿代はかかるけれど、帰るのにも相当な時間がかかるわけで、こうなったらもはや仕方がない。

 幸いなことに、明日も休みだったから、慌てる必要はなかった。

「お母さんに、電話するね?」

「ああ」

 祐一は地図が何年分も更新されていない、買ったままの古いカーナビを操作して、この付近で泊まれそうなところがないか探し始めた。

 隣で名雪がスマホを耳に当て、秋子さんに遅くなったのでどこかに泊まる旨を伝えていた。

 ドライブが楽しくて、ついつい遠くまで来すぎてしまったのだと、そんな説明をしていた。ちょっとしたドライブが、小旅行になったのだと。

 仲睦まじいことでよかったわと、秋子さんの声が微かに聞こえてきた。

「運転気をつけてねって、言われたよ」

「そっか」

 祐一は頷いていた。

「……えっちのしすぎで遅くなっちゃったよ〜。なんて、思わず白状するのかと思った」

「言わないよ〜!」

 いくらなんでもそんなことは言えない。名雪は恥じらいながらも反論した。

「まあ、それはさておき。……泊まれそうなところなんだけどさ」

「どこかよさそうなところ、あった?」

「ない。あるのはいかがわしい雰囲気丸出しのラブホばっかり」

「そ、そうなんだ」

 でも、それももう、この際仕方がないか。

 贅沢は言ってられない。

 二人共、諦めの境地。

「わたしは……いいよ?」

「じゃあ、そうするか」

「うん」

 結局、そういう流れになった。

 そう言えばと、祐一は思い出したように言った。

「やり残したこともあるし」

「やり残したこと? わっ!」

 祐一は不意に、名雪の胸をむんずと揉んでいた。もにゅんと、程良い弾力。

「するのにいっぱいいっぱいで、名雪の乳を揉んだり、吸ったりするのをすっかり忘れてた」

「……そ、そう」

「それともう一つ」

「まだあるの? ひゃっ! 今度は何〜!?」

「久しぶりにさ」

 今度はお尻を撫でられて、上ずった声の名雪。

「こっちの方にも、入れてみたいなって」

「……あ。こっち、ね」

 スカートの上から、割れ目の中をもぞもぞと触れられて、名雪は体をよじらせる。

「も、もう。仕方ないなぁ祐一は。えっちなんだから」

 恥じらいながら、満更でもない名雪。

 とても、人の事を言えるものでもない。

 ただし、お願いしたいことはあった。

「……お尻の方は、ね。その。いいんだけど。……お風呂で、して欲しいな?」

「了解」

 それから小一時間程車を走らせて、山中に妖しげな光を煌々と照らしている、古びたホテルを見つけた。

 高い壁で囲まれた、厳重な作りの建物だった。

 祐一は迷うことなく、車を進ませていった。

 そして、さっさと部屋をとって……。

「はぅ……。あ……」

 バスルームの中で、名雪の乳首に吸いつく祐一。

「あっ! 祐一、赤ちゃんみたいだよ。んっ!」

 無我夢中。一心不乱。祐一は、交互に何度も、ちゅうちゅうと音を立てて名雪の胸を吸った。

 そして、それが終わったら今度は。

「あ、んうぅぅぅぅぅ!」

 約束の通り。やりのことしたことをしていた。

 バスルームの床には、柔らかなバスマットが敷かれている。

 その上には、四つん這いになってお尻を突き出している名雪と、後ろからぴったりと密着している祐一。

「あ、あ、入ってく……。くぅぅ」

 しっかりと念入りに、柔らかくほぐされたところに、ずずずずと、徐々に挿入されていく。

「す、ごい。あぅぅ……」

 猛烈な圧迫感だけど、痛みはまるでなかった。

「どうだ?」

「う、ん。大丈夫。そのまま、続けて。んぅっ!」

 最徐行の揺さぶりだけど、その振動はとてつもない刺激。

「あ、ぁ、ぁ……!」

 名雪は半開きの悩ましげな視線を当てもなく彷徨わせ、喘いだ。

「祐一。あっ。お尻……。気持ちいいよぉ。あっ!」

 愛車に乗ってついつい遠くまで来てしまった。

「ゆっくり、動いてね? んあっ! あっ! あひっ!」

「俺は動いてないぞ? 動いてるのはそっちだ」

「だ、だって! あんっ! ずにゅずにゅってするのが、いいんだもん!」

「名雪の淫乱娘」

「う、うん! わたし、淫乱娘だよ〜! 認めるよ! お尻にお○んちんずにょずにょされて感じてる変態だよ! 認めるから、だから、もっとして!」

「言われんでも、するさ」

「あっあっあっ! もっと! 奥まで、突っ込んで! あああぁっ!」

 こうして、二人の淫らな夜はふけていく。

 予想外の小旅行は実に楽しくて、まだまだ終わりは見えないのだった。





-了-





----------後書き----------

 果たして何年ぶりでしょうか。

 かつては散々書きまくってきたKanonは名雪のえろえろSSでした。

 少し大人になった二人を想像しながら書きました。









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