朝なゆ
日曜日の朝七時頃。祐一の部屋にて。 「ゆ〜いち。朝だよー」 普段云われ慣れてる言葉を、今日は名雪が口にしていた。何故かそんなシチュエーション。 「起きて〜」 間延びした声で呼びかけてゆさゆさと揺するも、春眠暁を覚えずとばかりに祐一は眠りこけて起きない。気持ちのいい朝日が室内を照らしていたから尚更。 「ゆ〜いち〜」 それでも更にゆさゆさと揺する。それでも祐一は微動だにしない。 「もぉ……。じゃあ、こうだよ」 名雪は一端部屋から出る。そして数秒後。何かをもってきて、祐一の耳元で『それ』を再生した。 「……っ!」 祐一の体が一瞬ビクッと震えた。それは、祐一の声を録音した目覚まし時計。とても恥ずかしくなるような台詞が入っている一撃必殺の攻撃兵器。 「起きて〜」 「……」 しかしながら、恥じらいよりも睡魔の方が勝り、尚且つ祐一も既に意地になっていたので根性で寝続けるのだった。恥ずかしい台詞のリピートにも微動だにしない。 「うー」 名雪は次なる作戦を考える。もはやこれは二人にとって勝負となっていた。負けるわけにはいかない。 「起きないと、こうだよ。……んしょ、んしょ。んーっ!」 名雪は何を思ったか仰向けに寝そべる祐一の上にいきなりまたがって、首筋にいきなりキスをした。それはあたかも吸血鬼が血を吸うかのように豪快に。 「っく! ぅ……!」 そんな敏感なところをいきなり唇で愛撫されて、祐一はびくっとのけぞる。目を閉じていて感覚が鋭くなっているから尚更。 「ん。ん。んんん……ん。ん……ちゅ……ん」 名雪の攻勢は一気に続く。二度、三度と立て続けにキスを繰り返してから、舌でぺろっとなめる。 「ぅ……。ん……」 祐一は額に軽く汗をかきながら堪える。優しく、暖かな舌の感触は可愛らしい小悪魔のように意地悪で、押し倒したくなるくらい愛おしかった。 「ゆ〜う〜い〜ち〜ぃ〜。お〜き〜て〜よ〜ぉ〜」 防戦一方でも頑張り続ける祐一に対し、名雪は困り果てながらも子猫のようにぺろぺろと舐める。こうなったら最後の手段。 「起きてくれないと、えっちなことしちゃうよ?」 「……」 やっぱり反応は無い。脅しでなく本気なのか、名雪は体を起こしてブラウスのボタンを外し始めた。目を閉じてる祐一には、名雪が何やらもぞもぞしてるとしかわからない。 「えいっ!」 「……。んぐっ!」 そして突然、祐一の顔にふにゅっと柔らかなものが押し当てられた。 「お〜き〜て〜」 「む、むぐ……!?」 それは名雪の胸だった。ブラウスの前をはだけさせ、ブラを脱いで、祐一の顔をぎゅむーーーーっと埋める。 「ゆういち〜」 ふっくらと柔らかく、豊かなボリュームの胸は瑞々しくていい香りがした。その中に、少し固くこりこりとした二つの感触が加わって……祐一は呼吸ができないのも忘れて心地よさにひたる。 「起きないと、こう! えーーーい!」 「……んぐ!」 ぐりぐりぐりーーーっと押しつける。その度に少し起った乳首がくにゃ、と折り曲がる。 「祐一? ……わっ! 顔が赤いよ〜!」 祐一は既に呼吸困難に陥っていた。慌てて離す。 「もう。しょうがないなぁ」 名雪はその行為での解決を諦めたのか、祐一の上から離れる。 「起きないなら、こんなことしちゃうよ?」 「……?」 目を閉じてる祐一には何もわからない。が、すぐにわかることになる。 「……っ!」 名雪は祐一の股間に手を当てて、チャックを降ろして出てきたものをぱくっとくわえこみ、お口でご奉仕し始めたのだった。 「ん、ん。あむ……んんぅ」 「〜〜〜!」 ちゅぷちゅぷと水音をたて、規則正しくくわえ込んでは引き抜き、舌も交えてねっとりとフェラ。祐一の意志に反して、愛撫されていくうちに極限まで起ってしまうのだった。 「んちゅ。ゆ〜いひぃ。んぷ。お〜ひへ〜。んくんく、んくんく」 優しく、柔らかで暖かな感触はやがて、祐一を絶頂へと導いていく。 「くぅ……!」 「ん、ん、んっ。ん〜……んんっ!?」 そして二度、三度、四度と連続して口内射精。名雪は少しむせかけながらも全て飲み込んだ。コク、と軽く喉を鳴らして……。 「ん、んぐ。ん、う……ん。起きた〜?」 「……」 それでもなおも祐一は狸寝入りを続けるのだった。 「う〜」 名雪は頬をぷ〜っと膨らませて、最後の手段に出る。 「いいもん。起きないなら祐一とえっちしちゃうもん」 射精してへなへなとへたれてしまった祐一のものを手でしごき始める。再び立ってきたところで……。 「入れちゃうから」 祐一にまたがって、そしてそのまま挿入……。 「ま……」 しかけたところで流石に祐一も止めに入る。 「ま、ま、まてまてまて! 起きる! 俺の負けだ! 負けを認めるからそれはまて!」 「嫌」 名雪は祐一の言葉を無視して、腰を落として行く。 「んっ。あ……ああぁ……あっ!」 「ぬああ! な、名雪ぃぃ!」 ずにゅうぅ、と柔らかな肉体を裂くように挿入していく。 「う、んっ!」 かなり強引に、根元まで全部埋まりこむ。 「ゆーいち。絶対に動いちゃだめだからね」 勝負に勝ったのは名雪なのだから、強気に出る。もはやペースは完全に名雪のもの。 「わたしが……あっ。いっちゃうまで……だめ、だから……ねっ」 一気に上下に動きはじめる。ウォーミングアップなどは省略して、ぐちゅぐちゅと結合部から音を立てながら。 「う、うおおおお! な、名雪……激しすぎ!」 「う……んっんっんっ! あっあっあっあっんっ! うくっ! ああんっ!」 祐一のお腹に手を当てて支え、くねらすように華奢な体を上下していく。何度も何度も執拗に……。そうしているウチに……。 「や、やば……い。も、もう出そう……」 祐一の表情が快楽という名の苦痛に歪んだのをみて、名雪は急に動きを止める。 「だめ」 「くおおおおっ! へ、蛇の生殺しだ……」 「わたしが。あっ……。いっちゃうまで、出しちゃ……だめ、だよ……。んっ!」 そんなこんなで、名雪が達するまで祐一は必死に堪えることになるのだった。 やがて。
「い……っちゃう! んあああっ! ああっああっ! あっ……んっ!!」 「い、いったか?」 びくびくと震えながら熱い吐息。体中で祐一を感じて、達した。それに対し祐一はぜーぜーと荒い息を吐きながら限界まで射精感を堪えていた。 「う、ん……。いっちゃった」 「じゃあ、今度は俺が……」 一気にスパートをかけて、下から突き上げていく。 「う、ん。……して。ああ……んあっ! あひっ! あっ……!」 そうして、敗者の祐一はやっとのことで名雪の体に大量にぶちまけたのだった。 その後。
二人、裸で寄り添っていた。 「お前。大胆になったなぁ」 「……」 主導権を握られっぱなしだなんて珍しくて、祐一は感心したように云った。が。 「ううん」 そんな事を云われて、ふるふると頭を振る。 「もしかして、全部勢いでしちゃった?」 「……うん」 そして、思い出してから猛烈に恥ずかしさがこみ上げてきて。 「す、すごく……。ものすごく恥ずかしいこと……しちゃったよぉ。恥ずかしいよぉぉ〜」 「今更何云ってんだか」 「だってぇ」 状況に流されるまま、大胆なことをしてしまった。そんな羞恥心を冷ますには。 「だから、祐一……」 「うん? ……おわっ!」 祐一の前で大きく股を開き、秘部を見せつけるように人差し指と中指で薄い皮をめくり……。 「わたしの中に、入れて。今度は祐一が……リードして」 「名雪。お前、えろすぎ」 「こんなえっちになれるのは、祐一の前でだけ。だよ……」 大好きな人だから、全てさらけ出せる。だから、あんな大胆なことをしてしまった。 「じゃ、期待に応えて」 「うん……。いっぱい、して」 そうして交わされる口付けは
もう一回目のスタート。
----------後書き----------
えろすの中にも恥じらいを! という考えで、名雪の反応を最後でいつもとちょっと変えてみました。いかがでしたでしょうか。 ご意見ご感想シチュエーションのリクエスト、誤字脱字報告はWeb拍手にてお願い致します。 |