朝潮さん、ご命令をどうぞ!
鎮守府にて。長期にわたる遠征が無事に終了し、艦隊の旗艦である駆逐艦娘朝潮が、提督に報告を終えていた。 「――以上で報告を終わります」 「ご苦労だった」 報告の内容に問題はなかった。提督は頷いてから敬礼し、朝潮もそれにならう。これにて遠征任務の全てが終わる。 これから朝潮には、非番の日が待っている。緊張もほぐれ、肩の力も抜けるというものだ。 「朝潮。それともう一つ。……ああ、これは命令ではないのだが」 「何でしょうか?」 どんな時も、気を抜いてはいけない。朝潮は再び表情を引き締めながら、敬礼を解く。 重要な伝達事項ではないかと思いつつ、司令官の言葉を待つ。 「朝潮はこの後、何か予定でもあるか?」 「いいえ。何もありませんが?」 「そうか」 「それが何か?」 一体何だと言うのだろう? 朝潮が問い返すと……。 「なら、その、な。……一緒に、食事にでも、行かないか?」 それを聞いた瞬間、朝潮はきょとんとして、何度か瞬きをしてしまう。 やがて朝潮は、これはとっても素敵なお誘いなのだということに気づく。硬く、生真面目な表情を崩し、そして……。 「はい! 司令官がよろしければ、是非ご一緒させてください!」 嬉しそうに笑顔を見せるのだった。 ◇ ◇ ◇ ◇
「し、司令官」 「どうした?」 「その……」 緊張した面持ちの朝潮。 「ひょっとしてこういう所、好みじゃなかったか?」 「と、とんでもありません! ……そうじゃなくてその。このお店。お、お高いのでは?」 どうやら朝潮は、提督の懐具合を心配しているようだった。 「ああ。そんなでもないから気にするな。ここはこう見えてなかなかね、リーズナブルな店なんだよ」 「そうなのですか」 それを聞いて朝潮はホッとする。 「朝潮にはいつも世話になりっぱなしだからな。たまにはこう、お礼をしたいと思っていたんだ」 「そんな……。気を使わないでください」 命令ですから、と朝潮が言おうとしたところで、提督は笑顔を見せた。 「だからな。今日から明日まで、俺は朝潮の命令を聞くことにしたい」 「え?」 ぽかんとする朝潮。 「遠慮するな。何でも言うこと聞くぞ」 「そ、そんな……」 「ご命令は?」 「ええっ!?」 突然そんなことを言われ、大いに混乱する朝潮。 司令官に命令!? 一体全体、どうすればいいのだろうか? ◇ ◇ ◇ ◇
そして、どうなったかというと? 「あの……。その……」 朝潮と提督は今、二人きり。 側にあるのは可愛らしいピンク色をしたシーツ。ベッドはたっぷり大きいダブル仕様。 ここは、仲睦まじい男女が誰にも見られずに、たっぷりと秘め事をする場所。二人はそんな、ムードたっぷりのベッドに腰かけていた。 「朝潮の命令通りにしたつもりなのだが」 「は、はい。間違って、いないです」 朝潮の命令……。 最初は、優しく撫で撫でしてほしいという、とても可愛らしいものだった。 提督が『人が見ているけどいいのか?』と、指摘すると朝潮は慌てて頭をふり、追加の命令を下したのだった。 静かで、誰もいなくて、落ち着いて、思う存分二人きりになれる場所で、してください、と。 そしたら、こんなところになってしまった。 「朝潮。やっぱりやめるか?」 「や、やめません! このまま、おねがいします!」 決していい加減な気持ちで来たわけではない。 食事を終え、二人揃って店を出た。そして、朝潮の命令を満たせる場所を探してみたところ、とある看板が見えた。 あそこなら、大丈夫そうだぞ? 提督は冗談で言った。それなのに、あそこでいいですと、朝潮は消え入りそうな声でそう言った。二人の視線の先には、きらびやかなピンク色の看板。そう、ラブホテルだった。 いや、あの、冗談で言ったつもりなんだが。と、提督が言い訳をすると朝潮は、あそこが、いいですと再度言った。提督は、断ることができなくなっていた。 「じ、じゃあその……。早速、優しくするぞ?」 「はい!」 「えっと。撫で撫で、だったよな」 こくんと頷く朝潮。 「……」 提督は朝潮の、長くて艶やかな黒髪とともに、頭を軽く撫でた。 「朝潮?」 「はい」 朝潮は緊張しつつも髪に触れてもらえて嬉しいのか、心なしか表情が柔らかくなっている。まるで、御主人に懐いた子犬のように、ちょっとうっとりとしたような、安心しきった顔をしていた。 「これでいいのか?」 「はい!」 それならいいかと、提督は納得した。 なでなで、なでなで、なでなで、とそんな静かな時間がしばらく続く。 「朝潮。手が疲れてきた」 「そうですか。無理をなさらないでください」 「悪いな。で。次は何をすればいい?」 「え? 次、ですか?」 「うん。次」 次の事なんて、まるで考えていなかった。 「えっと……」 「何でもいいぞ。俺にできることに限るけどな」 そう言われると、何と言えばいいかわからない。答えが思い浮かばず、やがて朝潮は目を回してしまう。 「えっと……その……。朝潮に……優しく、してください!」 結局口から出たのは、曖昧極まる指示だった。どうすればいいのかわからないと、各艦艇から文句を言われそうなものだ。 「俺。……ひょっとして今まで、朝潮に厳しかった?」 「ち、違います! そんなことはありません! ……そうじゃなくてその。……撫で撫で以外にも、優しく。司令官が思うことを……」 ああそういうことかと、提督はほっとした。 「わかった。嫌だったら、言ってくれよ?」 それから、二人は抱き締め合った。ハグはきっと、優しいことだろうから。 「ん……」 それから、もっと優しいこと。 唇が触れ合う。優しいキス。ちょっと大胆だったかなと提督は思ったけれど、朝潮はまるで抵抗をしなかった。 細くて小柄な朝潮の体は、提督によってすっぽりと覆われてしまう。 「朝潮は、可愛いな」 褒められて嬉しい。可愛いという言葉は、優しい。そして、恥ずかしい。朝潮は頬を赤らめる。 「好きだぞ。朝潮」 好意が言葉になって届く。こそばゆい。 「ん……」 恋人がじゃれつくように抱きしめあい、そして時折キス。撫で撫で以外の、優しいスキンシップ。 「しれい……か……」 「嫌なら、言ってくれよ? すぐやめるから」 こんなこと、嫌なわけが無い。 「嫌じゃ、ないです。……もっと、してほしいです。もっと、いっぱい」 「そっか」 「あ……」 肌が触れ合う。朝潮はくすぐったいのか、ぶるると震える。 「可愛いな」 朝潮は自分の事を愛想がない娘だと、わかっている。 それなのにこの人は、可愛いと言ってくれた。嬉しいと素直に思う。 「ん……」 ちゅ、とほんの少しだけ。一瞬触れ合うだけのキス。 「黒くて長い髪。綺麗だ」 手櫛で、朝潮の長い黒髪を弄ぶ提督。 「さらさらしてて、いつまでも触っていたい」 「ありがとう、ございます。……ん」 キスをする度に、呼吸を止める朝潮。潜水艦のように、潜ったりすることは難しいかもしれない。ちょっと苦しい。 「真面目で、いつも一生懸命で」 「んん」 人差し指でくい、と顎を上げさせられ、今度は少し長めのキス。 「本当に、可愛いよ」 「あふ……」 朝潮は、段々と力が抜けていく。提督がしてくれることは、何もかもが優しい。リラックスしすぎてしまう。 「朝潮」 「ふ、ふぁい……」 提督に導かれてゆっくりと、ベッドに身を横たえさせる。この後は、ええと……。 「し、司令官。……朝潮の体。撫で撫で、してください」 「アイコピー。ってね。了解しましたよ」 ◇ ◇ ◇ ◇
提督は朝潮の、赤いリボンの下辺りを手の平でまさぐっていた。 ふにょふにょと、胸元の僅かに柔らかな感触が手に伝わってくる。未発達な、小さな膨らみが形を変える。 「あ」 柔らかい中に、少しだけかたい部分が見受けられる。それは決して、服をとめるボタンでは無い。 「ふ……。ぅ……」 「朝潮。痛くないか?」 「大丈夫、です。おっぱいを……もっといっぱい、触ってください」 その部分を中心に撫で回してやると、朝潮は微かに震えながら息を吸い込み、吐き出した。 「くふ……。あ……ぅふ」 過剰包装のように、白いブラが胸元を包み込んでいる。膨らみの大きさ的に、本来ならば包み込む必要すらないのだが、擦れると先端が痛くなったりするのだった。 「撫で撫で、していただくと……気持ちいぃ……です。ぁ……」 提督は朝潮の白いボレロの中にまで手を忍ばせる。それに合わせてぴく、ぴく、と朝潮は震える。 提督は無言のまま、ひたすら両手でまさぐり続けた。 「ぁ……ふ。ぁ……ひ。ふぁぁ……」 かたい部分がはっきりとわかるようになっていた。提督はその部分を重点的に指先で転がしていく。 「ひぃんっ! あっ! だ、め……。も……」 生真面目な少女が快感に喘いでいる。乳首を転がされ、ひくついている。その様を見て提督は興奮していく。 「ひぁぁっ! あっ! あっ!」 やがてそこを二つまとめて摘ままれて、くにゅくにゅと折り曲げられた。その瞬間。 「あひっ! あ、あ、あ! ……ああああああっ!」 天にも昇るような気持ちに満たされる。朝潮は快感の絶頂に達していた。 (……。朝潮は、はしたない女です……) 未成熟な体をまさぐられ、愛撫だけで気持ち良くなってしまった。朝潮は満足感と共に、ちょっと自己嫌悪の気持ちになっていた。 ◇ ◇ ◇ ◇
「あぁぁっ! も、もっと。司令官。……朝潮を、めちゃくちゃにしてください!」 「了解。朝潮、ノってきたな」 嬉しそうに提督は言った。 朝潮に言われるまでもなく、提督は更なる愛撫を続けていた。黒くて長いソックスに包まれた秘部は既に、燃料が漏れ出したかのように濡れていた。 「指……が。はぅ! あぁぁっ!」 提督の指先で、ソックスとショーツという薄い複合装甲が破られてしまいそうだ。 「い、くぅぅ……。また……。あ、あぁぁ!」 朝潮はいとも簡単に、二度目の絶頂を迎えさせられていた。乳首とは違う、じゅん、と湿りを帯びた背徳の感覚。 「はぁぁ……。あぁ……。司令官。ごめんなさい。朝潮、また……」 「ああ。わかってる。気持ち良かったか?」 「はい!」 でも、と提督は言った。 「もっと、したくないか?」 「したいです」 じゃあ、と提督は続けた。 「ご命令を。朝潮さん」 「……」 朝潮は、ぐしょぐしょに濡れたソックスとショーツをずり降ろして、そして両足を大きく開いて、剥き出しの割れ目を手でこじ開けてから言った。 「朝潮のここに。司令官の……。ください」 「了解。突入するぞー」 開いた部分に先端が押し当てられ、そして挿入が始まった。 「あっ! 司令官! んぁっ!」 ずんずんと、上から下へと叩き付けるように出し入れが続く。ぎしぎしと音を立て、ベッドがきしむ。 「あっあっあっ! すごい、です。もっと、もっとぉ」 小さな胸が両方とも、乳首ごと、もぎゅもぎゅと揉みつぶされる。 「はっ! あっ! ふっ!」 柔らかくほぐされた秘所が、提督のものを全て受け入れている。子宮まで届くくらいに深く入り込み、愛液と先走り液が絡み合い、にちゃりと粘り気を帯びる。 「し、司令……官! 深い、です……!」 「朝潮の中、絞まって……いいぞ」 「ふっ! あっ! あっ!」 周りを気にする必要などない。朝潮は素直に、込み上げて来る快感に喘ぐだけ。生真面目ぶった自分を捨て去るかのように、声を上げた。 「もっと。もっと強く。してください! あひぃっ!」 「了解しました。朝潮司令官」 とても可愛い命令だと、提督は思った。 「気持ちいいんです。すごく……。中が……ずくずくって、入ってきて」 「そっか。俺もだよ、朝潮」 「はしたなくて、申し訳ありません……」 「そんなことない。好きな人に気持ち良くなってもらえて、俺は嬉しいぞ」 「はい! 朝潮も……同じ気持ち、です」 好きな人。その言葉が、朝潮を笑顔にする。 ずっちゅずっちゅずっちゅとテンポ良く、朝潮の秘所が音を立てている。好きな人と一つに繋がって、交わっている音。 「い、いく……。いっちゃう……。あ……」 びゅうびゅうと熱いものを下腹部に感じながら、朝潮は絶頂を迎えさせられていた。 ◇ ◇ ◇ ◇
「んん。司令かぁん」 「何でしょ?」 「その……。もっと……」 「ご休憩から、お泊まりにしちゃいます?」 騎乗位スタイルで交わり中。朝潮は、提督の上に跨がりながら、こくんと頷いた。 「今晩は寝かさない。っていう命令で、良いでありますか?」 「んくぅ!」 深々と挿入されながら、朝潮は喘いだ。 「あひっ! はい! 一晩中朝潮を……優し、くぅ! ぁっ! いっぱい、可愛がって、くださ……あひっ! あっ! あっ! あぁぁっ!」 大時化の海原を突き進んでいくかのように、朝潮は全身をくねらせていくのだった。 ----------後書き----------
だいぶ久方ぶりの艦これSSとなってしまいました。 生真面目な朝潮が提督にたっぷりと甘える姿は、本当に可愛いですよね。 |