黄色と水色のミッション
ある日のこと。水瀬家は真琴の部屋の中が何やらわいわい騒がしい。それもそのはず。騒がしい居候娘が二人もいるわけで。 「似合ってる〜っ! 完璧〜っ!」 「うれしくない……」 その水瀬家の騒がしい居候二人は対照的な表情だった。一人、真琴の方は何だかとっても嬉しそうに、対してもう一人の方、あゆは泣きそうなくらい情け無さそうに表情を歪めていじけていた。 「祐一とえっちしたいんでしょ? それを着て『よばい』かければ一発よっ!」 えっへんとばかりに得意気な真琴。間違いなし、とでも云いたげだ。 「うぐっ! ぼ、ボクはそんなつもりないのに……」 その内容は何やら邪な相談事のようで。ちなみに、あゆが着ている(というよりも、着させられた)ものとは……。 「なによぅ。文句ばっか云ってんじゃないのよぅ! だいたい幼稚園児の服なんて、そうそう着られるものじゃないのよっ! もうちょっと喜んでよぅ」 ということなのだった。胸の所に名札があり『つきみや あゆ はなぐみ』と、ご丁寧に平仮名で名前が書かれていた。それくらいまでにリアルな再現度というよりも、本物なのだった。云わずと知れた、真琴がお手伝いしている幼稚園の服で、相談を聞いて色々考えて、ツテを頼ってゲットしたのだった。何故大きめのサイズがあったのかは真琴曰く企業秘密、とのこと。 「だって、だって……。いくら似合うって云われても……これは……。うぐ」 あゆは年齢に比べて童顔であり幼児体型であり、性格自体も元気で無邪気というべきか、とにかく子供っぽかったが、それでも幼稚園児の服を着る程ではないわけで。似合っていると云われてとってもショックなのだった。ボクってそんなに子供っぽいの!? とでも云いたくなるくらいに。 「いーからっ! 早く祐一の部屋に行ってくるのっ! ミッション開始なのよっ!」 いつの間にか真琴の中でそれはミッションと化していたのだった。 「うぐ〜〜〜!」 あゆは真琴によって強引に背中を押されに押されまくって、祐一の部屋へと追いやられていった。 驚愕は突然に。
「うぐ……。祐一くん〜」 「あゆか? 入っていいぞ」 コンコン、という音とともにドアが開き。祐一はそっちの方を見た。途端……。 「どうし……ぶはっ!」 飲んでいたコーヒーを思わず吹いてしまう。あゆの姿を一目見て異変に気付く。黄色い帽子と水色の服という典型的な幼稚園児ルックなのだから当然のこと。 「な、な、何なんだいきなり! 何だその格好は!」 祐一はげほげほとむせ返りながらも何とか呼吸を整える。そして、これまた当然の如くあゆの服装に対して突っこみを入れるのだった。 「うぐ……。ま、真琴ちゃんが。これを着て、祐一くんに夜這いをかければ……間違いなくえっちしてくれるって……そう云うから」 「あいつの入れ知恵かよ!」 「ぼ、ボク……。最近祐一くんと、あんまりお話できてないから……。だから、真琴ちゃんに相談したんだけど……それで」 恋人同士のコミュニケーション、イコールお話ではなくて体同士でのお話こと性交渉と、真琴はそう受け取ってしまったようだ。完全に耳年増と云うべきか。 「なるほど。どこをどう間違ったか知らんが、そういう流れになってしまったわけか」 溜息をつく祐一だったが。それでも、まあ、真琴の考えそうなことだし、と強引に理解してやって、大人の対応をした。……だけでは終わらなかった。 「まあでも。話を聞く限り、真琴もあれはあれで一生懸命に考えてくれたみたいだし」 「……うん。それはそうだとボクも思う。……だけど」 じゃあ、その労力に報いなければいけないかということになるわけで。それでも事が事だし、とあゆは思ったようだが祐一は遠慮しなかったのだった。 「折角だし。するか」 「え? うぐぅっ!」 そう来るの!? と、あゆは思って防衛本能で体を縮こまらせようとしたけれど後の祭り。 そうして祐一はあゆの体をあっという間に掴んで、ちょっと強引にベッドに放り投げるようにして押し倒した。
「うぐっ! うぐっ! うぐぅ〜〜〜っ! ゆゆゆ、祐一く〜〜〜んっ! こんな! こんなの……こんな格好! うぐぅうっ!」 「こんな格好って、そんなもん着ておいて今更何云うんだ?」 「そそそ、そうじゃなくて! うぐ〜〜〜っ!」 祐一はあゆの体を折り曲げるようにイキナリまんぐり返しにして足を大きく開かせ、下着の上から恥ずかしいところを指で執拗につんつんつんつん刺激刺激刺激。そしたら手早く指を割れ目にずぷっと少し埋没させてからなぞりまくる。 「ぼ、ボク……恥ずかしいよぉっ! やだよぉっ!」 「可愛いぞ。よく似合ってる。黄色い帽子がとってもキュートだし、水色の服が最高に似合っている。真琴のチョイスはなかなか悪くないな」 心なしか祐一は興奮しているようで、はーはーと呼吸が荒く、視線も欲望に満ちた獣のようでかなり怖い。 「う、嬉しくないよぉっ! 祐一君、それ本気で云ってんのっ!?」 祐一はもちろん本気なわけで、大きく頭を縦に振った。あゆは手足をばたつかせながら抗議する。が、祐一は今度は顔を埋めて舌で愛撫を開始した。それはまさに、暴れるあゆの体をがっちりと固定するかのように。 「あっあっ! こんなの……変態だよぉっ!」 「幼稚園児の服を着てきたあゆに云われたくないぞ」 「だ、だって。これは……真琴ちゃんが……。うぐっ」 結果はどうあれ、今の格好は言い訳できなくて押し黙る。その間も祐一の愛撫は続いていき。 「あ、あ。変な感じ……だよぉ」 直に触れるわけではなくて、下着の布地越しだから生暖かくてむずむずするような、焦らされているような感じであゆはブルッと体を震わせた。それでも段々と秘部は湿りを帯びていく。それは祐一の唾液だけではなくて、あゆも濡れてきてしまったわけで。改めて下着をずらして直に指でほじくられると、ぐちょぐちょになっていく。祐一はそれを見越して、じゅる、じゅる、とわざと音を立ててあゆを羞恥の渦に叩き込む。 「あっあっあっあっ! やだぁっ! そんなっ……音、たてないで……」 嫌、と云いながらも、何だかんだであゆは感じてしまっていて、祐一の攻めを完全に受け入れていた。そして、そろそろ頃合いかなと思ったのか、あゆの体から手を離す。 「じゃ。一気に、するかっ」 「そんな……。うぐっ!」 祐一はズボンのチャックを降ろしてでっかくなったものを取り出し、何故だか明るく楽しく軽やかに云って、反射的にあゆは抗議をしそうになったのだけれども、先制攻撃とばかりにキスでふさがれる。 そして
「あっあっあっ! うぐぅ〜〜〜っ!」 「あゆの中は最高だな。絞まりもいいし、熱いし」 「うぐっ! うぐぅっ! ボク……も、もうダメ……だよ」 四つん這いのあゆはショーツだけ脱がされて、バックで激しくピストンな動きをされていた。がっつんがっつん突くたびにお尻がたゆんたゆんと歪み、ぱんぱんとぶつかりまくる音が響く。 「あっあっあっあっ! は、激し……いよぉっ!」 小振りな胸もむき出しにさせられて、揉みしだかれていた。 「出すぞっ」 「あああああっ! ボクも……いっちゃ……うっ」 勢いよく引き抜いて、あゆの顔に濃厚な精液をぶっかけた。そして祐一は、そのまま今度はお口でしてもらうことにした。 「っと。まだ終わりじゃないぞ。今度はくわえてな」 「んーんーーっ! んんっんんっ!」 じゅぽ、じゅぽ、と音を立てながら、あゆは必死にくわえ込む。そして祐一は祐一で、あゆの頭を掴み、口を女性器に見立てて前後に腰を振り始めたのだった。 「歯。当てないようにな」 「んっ! んっ! んんんぅっ!」 苦しそうなあゆ。だけどもう迷いはなくて、祐一が絶頂を迎えるまで頑張るのだった。 そして最後にはまた顔にぶっかけ。追い打ちをかけるかのように。
「ぷぁっ! んぶっ! んぐぅぅっ! べ、べとべとだよぉ……」 そんなあゆを見て刺激を受けたのか、再び祐一のものは勢いを取り戻し。今度は正常位で挿入!
「うぐぅっ! す、少し休ませ……て」 あまりにも激しく連続した攻めに息も絶え絶えのあゆ。だが、祐一はそんなのお構いなしだ。 「やだ。今はあゆとやりまくりたい。あゆの中にがんがんぶち込みたい。いくぞ、はなぐみあゆちゃん」 「そ、そんな云い方恥ずかしいよぉっ! それにそれに、はなぐみって云わないで。あ、あ、あ! あーーーっ! うぐぅーーーっ!」 小柄なあゆの体に祐一が覆い被さると、すっぽりとベッドに埋もれてしまった。黄色い帽子が何だかとてもいけない雰囲気をかき立てながら。 結局、あゆのお望み通りでもありそして、真琴の狙い通りでもあり。あゆと祐一をえっちさせるミッション(?)は成功なのだった!
「あぅ〜。はっげしいわねぇあの二人」 部屋の外で、首謀者が顔を赤くしながらそう云っていた。それに加えて。 「……祐一の変態」 名雪が呆れ果てたよーに呟いていたのはお約束。 ----------後書き----------
久々Kanonもの。 あゆ+よーちえんじと、以前Web拍手でいただいたシチュエーションでありました。翼リュックはお好みで。 何故かそのような服は黄色と水色というイメージが浮かんだのでそのようになりました。 |