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風紀の正し方










 それは月明かりが絶えることなく辺りを照らし続けている夜のこと。

「こ……んなことして、何が楽しいのよ……」

「楽しいよ? 楽しいったら本当に楽しくて仕方が無いね。あの生真面目な風紀委員長の二木さんが、そんな恰好で学校内をうろついているのを見られるなんてね」

「くっ」

 佳奈多は半裸。上半身はともかく、本来下半身を覆っているはずの制服のスカートは今はなく、辛うじて恥部を隠しているのはTバックタイプの下着という、布地の面積の心もとなさにも程があるもの。
 
「ほらほら、ちゃんと見回り続けないと」

「わかってる、わよ」

 佳奈多自身、自分はこんな場所で、痴女のように霰も無い恰好で何をしているのだろうと自問自答し続けている。その細い腕には風紀委員という文字の入った赤い腕章が巻かれている。あたかも、佳奈多を挑発するかのように。

「どこかに風紀を乱している人はいないかな?」

「……」

 ここにいるわよ、とでも言ってやるべきなのかもしれないけれど、もはや真面目に付き合う気も起こらない。理樹による羞恥攻めは続く。佳奈多はもう、とっくに風紀委員を辞めたはずなのに、過去の実績やイメージをネタに、色々弄ばれている。全てはこの忌まわしい腕章がいけないのだ。呪いでもかけられているかのように、佳奈多の心をちくちくと突いていく。

 いつだったか、佳奈多が部屋の整理をしていたところ、返し忘れていた腕章が出てきたのだった。そうして改めて返しに行こうとしたところで理樹に呼び止められて世間話になって、そして、彼に言われたものだ。

『それ、返すのちょっと待って』

『うん?』

 その時の理樹は、それは優しく微笑んでいた。とても悪巧みをしているようには見えない雰囲気だったのをはっきりと覚えている。後で落ちついて考えてみると、何だか詐欺師に騙されたような、そんな気がしてしまう。

 それからのこと。色んな事をした……あるいはされたものだ。普通に制服を身につけて腕章を腕に巻いて校内を巡回……だけで終わる訳が当然の如く無いわけで、歩きながら理樹の手が佳奈多のお尻をひたすらまさぐり続けたりした。スカート及びショーツの上から、中から、割れ目をなぞられ穴をつつかれ膨らみを揉みくちゃにされた。それも白昼堂々、人目のあるところで。手慣れた、常習の痴漢みたいだと佳奈多はもじもじと体をよじりながら言ったものだが、拒否もまたしなかった。

 それが始まりで、淫行は段々とエスカレートしていった。

「は、あっ」

「二木さん、全然嫌がってないし。あの時もそうだったよね」

「……」

 そうなのだった。最初は馬鹿らしいと思っていたけれど、しばらく理樹が何もしないでいると、佳奈多は物足りなく感じてしまい、それとなく続きをしてとねだるようになってしまったのだった。調教されちゃったかな、とつくづく思う。

「そういえば、あんなこともあったよね。ほら、体育の授業の時」










またまた別のエピソードを思い出す。これまでしてきたことの中でも、極めつけだと言えるような……。










 あれは確か、一カ月位前の事だっただろうか。とあるクラスが体育の授業を行っている時のこと。事前に示し合わせたように、理樹と佳奈多は何かしらの口実を作って教室を抜け出すことに成功した。そして二人が揃って向かった先は、女生徒の衣服が各々の机の上に置いてある教室だった。ずらりと並んだ机の上には制服も下着もあった。きちんと折りたたまれているものもあれば、大雑把に脱ぎ捨てられているものもある。

『ほら。ここだよ』

『……』

 向かった先は佳奈多の妹、三枝葉留佳の席。やっぱり、衣服の折りたたみ方は乱雑だった。

『これからどうすればいいか、わかるでしょ?』

『そうね』

 理樹に対して佳奈多は冷めたようなそっけない答え。事前に説明を受けていたから、戸惑いはない。……本当のところは、鼓動の高まりを抑えることができなかったから、ただ無意識のうちに適当な言葉が出てきただけ。

(本当に、するの?)

 佳奈多はそう思いつつ、しゅる、と布地を擦らせながらリボンを外す。そうして自分の制服を一枚ずつ脱いでいき、やがて葉留佳の制服へと着替えていった。誰もいない教室はただ静かで、窓の外に見えるグラウンドからは教師の声や笛の音、他にも男女問わず叫ぶような声や笑い声なんかが鮮明に聞こえてくる。その中には葉留佳の声ももしかすると交じっているのかもしれない。あの子のことだから、きっと思いっきりはしゃぎまわっていることだろう。その様子が目に浮かぶ。

(……するのね。いいわ。私自身がしたいと思っているのだから。……でも。本当に、いいの?)

 佳奈多の戸惑いを無視したように、体は勝手に動いては着替えを進めていく。背徳的、と言えば一言で済んでしまうけれど、結局一番望んでいるのは自分。どんなに理樹のせいにしようとしても、そうではないとわかってしまうのだった。妹の制服を着てしたいだなんて馬鹿げている。わかっているけれど、したくてたまらない。

(ぴったりね。殆ど……)

 双子だから、ということはないだろうけれど、違和感はまるでない。大切な人の衣服を玩具にしてしまう自分に罪悪感は感じるけれど、それ以上にスリルを求めてしまう。

『はい。着替えたわよ』

 当然のことながら、着替える前と後とでは見た目は何も変わらない。けれど、本来起こり得ない異常な光景であることには変わりがない。

『うん。じゃあ手初めにさ。おしゃぶりしてもらえる?』

『何を? って、聞くまでもないわね。わかってるわ。あなたのち○ぽを思いっきりしゃぶらせてもらうわ』

『気持ち良くさせてもらうよ』

 佳奈多は理樹の元に屈み込み、歯医者で治療を受ける時のように、口を大きく開けて近付いていく。――理樹は佳奈多の瑞々しい舌や唇、更には献身的な気持ちを全て下腹部の一物に集中させてもらうのだった。

『いい咥えっぷりだね』

『んん、んん』

 ……妹の制服に身を包んで淫行にふけるのは、思った通りかそれ以上に気持ちいい。潤滑油代わりの唾液に濡れた唇と一物がこすれ合う瞬間、佳奈多は体に何か熱いものが通り過ぎるような気がした。

『やっぱりさ。女子の風紀委員って、みんなこんな練習してるの? 日々、放課後とかにさ』

『んぅ……』

 答えるに値しない質問だった。バカにでもされているのではないかと思う。でも……もしもそうだったら、どうなるのだろう? 風紀を乱さないようにと、裏でこっそりとそんな行為にみんなが手を染めていたとしたら? 想像するだけで、世界が狂っていく。その場合、自分はきっと先輩として、他の娘達を指導していくのだろう。今みたいに男の一物を咥え込んだ女生徒の頭を掴んで、激しく前後に揺さぶって、厳しい声を上げたり? あるいは……見本ということで実演してみたり?

(私がするのは、直枝だけ……。こういうことは……。他の人とは……嫌よ)

 正気を保つかのごとく、そう思う。本当なのだけど、理樹に命令されたら、常識が狂ってしまいそうだから。

『んぐ、んぐ、んく。んん、んぅ、んんぅ』

 ずずず、ずるる、ずー……。時折前に垂れて来る長い髪を片手で抑えながら、堕落しきった元風紀委員長による淫行は続く。妹の制服を無断着用した不届き者によるフェラが。

『んぐ、ん、うん、んんぅ』

 時折咥え込んでいた亀頭から口を離し、舌先でぺろぺろと裏筋をなめ回す。指先でしごきながら、佳奈多は理樹の絶頂を待ち望む。

『ああ、上手上手。二木さん、手の使い方も上手くなったよね。玉の転がし方とか裏筋のなめ方とか、本当に痴女みたいだよ』

(それは、喜んでいいの?)

 褒められているのだか、尻軽だと罵られているのかよくわからない。けれど、喜んでくれるのは嬉しいことなのだ。

『そろそろ二木さんのお口でイきそうだよ。もうちょっとしたら出すよー』

 ……佳奈多は緊張する。けれど、理樹の様子からまだ大丈夫だと安堵した。着ている物が物だけに、ぶっかけられたりされたらたまらないから、しっかりとタイミングを見図らなければならない。そもそも、最初から口内射精をしてよとあらかじめ要求していたのだから、大丈夫だ。むせたりして自分から吐き出したりでもしない限りは、きっと。

『あ、あ。イきそうだよ。イくよ……!』

 理樹の両手が佳奈多の頭をしっかりと抑えて、一物を内部で固定する。そうして一物が大きく震え、射精が始まる。来る、と佳奈多は覚悟した。

『んっ! んぉっ……!』

 しかし、その射精は予想よりも……というよりも、予想を遥かに越えるような勢いと量、更には連続性を伴っていた。前からすごいとは思っていたけれど、このシチュエーションは理樹の興奮を爆発的に増幅させたのだろう。佳奈多はそれを読み切れなかった。

『ん……っ! んおぉっ! んぐううううっ! げふっ! げほっ! げふぉっ! んえぇぇぇっ!』

 びゅうう、とたたきつけるようにそれは始まった。たった一度の射精で佳奈多の口内は大洪水状態になっていた。続く二射目であふれ出し、滝のようにあごを伝って落ちて行く。当然の事ながら、ピンク色のリボンはおろか黒いジャケットからブラウスまでもが汚されていく。佳奈多はむせ返りながら肉棒から口を離し、大量の精液をびちゃ、と床に吐き出してしまった。

『何吐き出してるのさ。全部飲むって豪語していたのに』

『けほっ! で、きるわけ……んぐっ! んあっ! こん、な。量……。んぐっ!』

『ほらほら、風紀委員なんだからしゃんとして。こんないかがわしいのは全部飲み干して処理しなきゃだめでしょう?』

『んぐぁ……』

 射精の猛威は尚も続く。びゅくびゅくと音を立て、放物線を描きながら放たれた第三射目で佳奈多の顔中を汚しつくし、佳奈多が思わずのけぞったところで、最も勢いの強い第四射目がとどめとなった。制服のジャケットはおろか、スカートにまでぶちまけられていったのだった。更にはダメを押すかのように、第五謝目が佳奈多の首元目掛けてピンポイントで放たれて、制服の中までどろどろにしていく。

『あ、あ……あぁぁ……あぁぁぁぁ……。せ、制服が……。葉留佳の……制服……が……』

 佳奈多はいつしか脱力し、べとべとになった教室の床にぺたんと座り込んでしまった。どうしよう。もはや取り返しがつかないことになってしまった。こんなことをしていると葉留佳が知ったら、何と言うことだろう? もはや、染みがどうこう言うレベルじゃない。クリーニングに出すのも憚られるようなレベルの汚れだ。とんでもない事態に佳奈多が呆然としていると。

『もう、だらしないな。それでも風紀委員?』

『あ!? あ……っ!』

 理樹は佳奈多の細い腕を掴んで引っ張り、葉留佳の机にしがみつくようにさせてから短いスカートをまくり上げた。露になったのは飾り気のないベージュのショーツ。理樹がちょっと乱暴にショーツを引っ張ると、佳奈多の尻の割れ目が露わになった。

『なんだ。縞パンじゃないんだ。今度は葉留佳さんの本物パンツをはいてきてよね?』

『な、にを。……くうっ!』

 佳奈多が身じろぎするたびに、制服のべたつきが机の板にも塗ったくられていく。そんな中、ぐい、とショーツが足元まで強引にずり降ろされる。

『あ、あ……』

『お口でしてただけなのにお○んがこんな濡れ濡れだなんて。二木さんって、本当に元風紀委員? あまりにも淫乱過ぎて、向いていないんじゃない?』

『だ……って。あっ!』

 尻の割れ目がぐい、と左右に開かれる。

『どうして欲しいのか言いなよ。そうしないと机に縛り付けたまま放置するから』

『そんっ……な!』

 まだこの時間の授業は始まったばかりだけど、じきに皆戻って来る。こんな格好のまま放置されて、誰かに見つかったら……と、佳奈多がそんな架空の未来を想像していると、突然理樹の指が二本、恐らく人差し指と中指が恥部にねじ込まれた。

『はうっ!』

『今想像したでしょ? 放置された時の展開をさ。僕にはすぐわかったよ? やらしいおつゆが思いっきりしたたったからね。二木さんのお○んこから、ぽたぽたって落ちたんだから。本当に、下のお口は正直だよね。意地っ張りな上のお口と違ってさ』

 意地っ張り……。確かにそうだ。素直になれればどれだけいいかと何度考えたことか。でも、今ならばきっと、素直になれるはず。

『あ、あ、あ……。あぅ……。い、いれてぇぇ……。なお、え……。いれて……』

 理樹は何も答えない。何度と無く繰り返されたシチュエーションだった。佳奈多のその言葉では足りないのだ。もっと過激に、あからさまに、痴女のように恥じらいをかなぐり捨てて言わなければ、理樹は要求に応じてはくれないのだ。

『はぅぅ。この、淫乱風紀委員長の……ねちょねちょのどろどろになった、びろびろのおま○こに……。ん……ん、んぐっ! あ……指、が。あぁぁ。はぅっ!』

『指だけで満足なの?』

『う、ううんっ。ん、んぐっ。んんっ……』

 佳奈多は一呼吸置くために、口内に未だ溜まったままの精液を思い切り飲み干して。そして……。

『直枝のおち○こ……突っ込んで! ずぶずぶってねじ込んで! ぐちゅぐちゅってして! 激しくファックして! お願い早く! ファックしてえぇぇ!』

 このくらいなら、まあいいかと、理樹は頷いた。こうして理樹の審査が通り、二人は一つに繋がっていく。理樹の大きな一物がねじ込まれ、間髪入れずにずこずこと前後にうごめく。あまりの振動に机の足が床とこすれ、ぎしぎしと音を立てる。と、同時に机の中に入れられたノートやプリント類、筆記用具などががしゃがしゃと揺れ、不協和音を奏でる。

『あっあっあっ! いいっ! 気持ちいいっ! 熱くてきつくてとろけそう!』

『僕も気持ちいいよ。風紀委員のお○んこは最高だよ』

 二人の交わりは更に激しさを増し、佳奈多の丸みを帯びた尻がたゆむ。机の足と床がこすれ合う、ぎしぎしという音はがたんがたん、と跳びはねるようなものに代わっていく。

『あっあっあんっあんっはぁんっあっあっやっあっあふっはふっああんっ! 気持ちいいいいいいっ! いっくううううっ!』

 いつしか佳奈多は理樹の動きに合わせて尻をくねらせていた。柔らかな肉体の中に理樹の堅い一物が埋没し、子宮の方にまで届かんとする射精が始まっていく。

『あ! ああぁっ! 出てる! 奥まで出てるぅぅ! 葉留佳……。葉留佳ぁ。んく……。ごめん……。ごめんね。お○んこ気持ち良くて……仕方ないの……。あふぅ。あぅ……。馬鹿で、変態なお姉ちゃんで……ごめんね。ごめんね』

 膣内射精に全身をびくんびくんと震わせながら、佳奈多は精液まみれの机を舌でなめ回し続けた。そしてそれに飽き足らず、床にこぼれたものまで舌ですくいとっていく。










…………










「最低ね。最低……」

「本当だよね」

「大変だったんだから。あの後」

 思い起こせばついさっきのよう。熱い吐息と獣のような喘ぎに言いようの知れない興奮を覚える。あの時を越える快感を味わいたい……。

「クリーニングに出す訳にもいかないし……。綺麗にするのに苦労したわよ」

「だから、全部飲み干せばよかったんだよ」

「できないわよ。あんな非常識な量」

 まるで消防車のホースのようだったわと、佳奈多は今でも思う。飲み干しても、次から次に射精は続いていって、あっという間に決壊させられてしまった。目を見開く程驚いたものだ。

「でも、替えの制服を持っていて良かったね」

「事前に聞いていたからよ。……じゃなきゃ葉留佳の制服のスペアなんて、用意していないわ」

 それで難を逃れたのだった。ただ、机の上になすり付けられた精液を拭きとったり、これまたあらかじめ用意していた消臭スプレーを用いてどうにかして匂いを消したりと大慌てだったのは確かだった。

「で。今日はどうするの?」

 ルーチンワークにでもしたように、佳奈多は平然と問う。

「どうって。もう始まっているんだけど?」

「……そうね。そうなのよね」

 今の状態……いつの間にか口や手での愛撫を要求されて、軽く二、三回は射精を受けていた。その証拠に佳奈多の端正な顔には白い液体がべっとりとぶちまけられている。

「もう、顔にぶっかけられたり露出させられる程度じゃ興奮しなくなっちゃった?」

「違う……。と、思いたいわ」

「僕達、色んな事をしてきたもんね」

「そうね」

 もしかすると過去を再び繰り返している状態なのかもしれないと、そう思う。タイムスリップでもしたかのように。

「でもさ。夜より、案外昼の方が楽しいよね」

「……そう、ね」

「人がいるから、かな?」

「……」

 確かにそれはあると、佳奈多は思う。人の近くですればする程、体の火照りが違うのは確かだ。

「僕さ。また、いいこと考えちゃった」

「変態ね。変態……」

 それってどんなこと? 詳しく教えてよと、赤らんだ頬に微笑を浮かべ、佳奈多は暗に聞いている。変態なのは自分の方だと言い聞かせるように、言葉を紡ぐ。

「明日の放課後くらいになったらまた、教えてあげるよ」

「そう」

 ええ? どうして焦らすのよ。この意地悪男と叫びたくなった。口はともかく心の中は平静ではいられない。このもやもやした思いは、自慰行為にふけてようやく解消することができるだろう。佳奈多はこの後の予定を密かに決めていた。










日はまた昇る。そうしてまた、二人の密かな遊戯が始まる。










 廊下に夕焼け色の光が差し込む頃のこと。

「……」

 ただ普通に、放課後の廊下を歩む。それだけでぴりぴりと痺れるような刺激が神経に作用する。

「行ってきたわよ」

「どうだった?」

「そうね。誰にも、気付かれてないと思うわ」

「そう。よかったね」

 いつもと違うこと。それは二つ。短いスカートの丈を更に切り詰めているということと、いつも恥部をしっかりと覆っている下着がないということ。

「お尻もあそこも割れ目がほんの少しだけ見えてるのにね」

「……」

 じっとしていれば、かえってばれてしまうのかもしれない。歩んでいれば、プリーツスカートの布地がちらちらと揺れ、カモフラージュになっているのかも知れない。全ては憶測にすぎないけれど。

「もう一回行ってきてよ。風紀委員さん」

「う、ん」

 次辺り、誰かにばれてしまうかもしれない。そう思いながら佳奈多は歩んで行く。頼りなさそうなうつむき加減に加えて内股で……。足を進めるだけで、しっとりと濡れた割れ目が擦れてにちゅ、にちゅ、と音をたてているような気がする。

「あっ」

 つるりとした感触。一粒の雫が糸を引いて落ちていった。振り返ることはできない。小さな小さな雫が廊下の床に落ちていることだろう。

「くっ!」

 風紀委員という名の腕章をつけた変態娘がここにいる。早く……早く彼の元に戻らなければ。そう思うけれど、でも、まだこのまま彷徨っていたいと、そんな気に包まれてもいたりする。人のいる方に歩んでいって、すれ違ってみたり、後ろから着いていったり……。

(この感覚……)

 堪らない。いつまでも続いて欲しい。その思いに支配されていく。恥部を晒しながら校内を歩くのが、どうしてこんなに気持ち良いのだろう。

「はぁっはぁっ……」

「お帰り」

「あ……。はぅっ!」

 理樹のところに戻った瞬間のこと。佳奈多は快感の絶頂に達していた。元々神経が鋭敏になっていたところに、理樹の指が割れ目の中にねじ込まれていたのだから。

「いい濡れ具合だねー。指がずぼずぼ入っちゃうよ」

「あっあっ! んああああっ! そんなっ! くぅっ!」

 この僅かな時間で何度絶頂を迎えさせられたかわからない。佳奈多は自分の感覚が全て理樹に筒抜けのように思えた。指が二本、三本まとめて侵入してくる。容赦することなく、くちゅくちゅと乱されていく。

「あっ! あーーーーーーーーーーーーっ!」










…………










 いつも風紀委員達が集まっては会議を開いたり打ち合わせをしている部屋。理樹はつまりはそこで、本日のメインイベントと洒落込むことにしたのだった。

「あ……」

 会議用の大きな机の上に佇む佳奈多。そこはまるで、ステージの上よう。

「どこでこういうもの見つけてくるのよ……」

 佳奈多は呆れと恥じらいと戸惑いの入り交じったような表情。

「さあね」

 腕章はそのままだけど、佳奈多が着ているのは制服ではなく、薄いピンク色をしたナースコスチューム。特徴のあるキャップと白衣が学校には不釣り合いに感じられる。不自然なまでに丈を切り詰められたミニスカートが、太ももの肉感を主張させている。けれど、そんなことよりも遥かに目を引くのは、服の布地がうっすらと透けていること。つまりはそういう服……最初から佳奈多を羞恥の渦に叩き落とすことを目的とした、卑猥なコスチュームなのだった。

「二木さんのつるつるお○んこがよく見えるよ」

 選考基準はいつも理樹の気紛れ。他にもいくつかの候補があったとのこと。それらもいずれはお目見えすることだろう。

「……」

 手で隠してはいけない。そういう約束。見ないでとも言えない。見せてと頼まれて、いいわよと二言返事で頷いたのだから。

「どうしてそんなにマン汁たらしてるのかな?」

 幾筋もの雫が割れ目から分泌され、太ももを伝っていく。そんな事は言われる間でもなく、自覚している。もやもやした気持ちを一日持て余した上で、恥部を晒しながら校内を徘徊してきたのだから。興奮するに決まっている。

「う……」

「だめだよ二木さん。ここ、風紀委員の部屋なんだから。風紀乱すようなことしちゃ。風紀委員長だったんでしょ?」

 だからどうだって言うのよと、以前の自分ならばそう返しただろうと佳奈多は思う。けれど、今は違う。

「……」

 誰が来るかわからない場所。そして、以前自分が属していた、風紀を守る為の者達が集う場。そんなところで乱れようとしている。その事実が佳奈多の体を火照らせる。

 ふと、目を側に向ける。色々なことが書かれているホワイトボードが目に入る。巡回の内容。時間、コース、そして最近起こっていることや、注意する点。中には三枝葉留佳の名前が『要注意人物』という赤い文字と共に書いてある。自分もよく目にしたボードが、現実を思い出させる。

「直枝。……しましょうよ。ここで」

 元々透けている服のスカートをたくし上げ、遮るもの一つ無い割れ目を両手で左右に押し開き、男性器の挿入を求める。要注意人物は葉留佳じゃない。自分だ。

「風紀、乱してもいいの?」

「もう乱してる。……乱しても、いい。むしろ乱れたい。それも、思いきりね。風紀委員が集まる部屋で、思いっきりずこばこしたいわ」

 目が半開きの、とろんとした表情。はぁはぁと聞こえてくる吐息は小刻みに粗く、全身の震えと連動している。

「じゃ、しよっか」

「ええ。して。……早くっ。もう、これ以上焦らさないで」

「動画、上手く撮れるといいな」

「え?」

 佳奈多はふと、気付く。部屋の片隅には三脚と共に、コンパクトデジカメがセットされていることに。当然、二人の交わりを記録するために用意されている。どこでどんなことをしていても、大体記録されるように設置されている。これらを弱みに使われて、性奴隷にされても構わない。むしろ、望むところ。そんな風にして欲しい。

「入れるよ」

「あ……。んっ!」

 机の上で四つん這い。そうして理樹のものがねじ込まれていく。入ってくる時の圧迫感がたまらない。

「ちなみにさ」

「あっあっ!」

 とろとろに濡れた秘所は理樹の大きなものを奥まで受け入れ、そのまま揺さぶられても痛みなど感じない。理樹にされるがままじゃなくて、下腹部に力を込めて、ぎゅうう、と締め付けて見せる。理樹も対抗して、力一杯引き抜いては押し込み続ける。

「二木さんのぬれぬれパンツとブラジャー。教室札に引っかけておいたりして」

「え……。あぅっ! はふっ! そん、なっ!」

 交わりの果てに、愛液と精液にまみれた下着。もはや風紀を乱す乱さない以前の問題。

「あっあっあっあっあっあっ!」

「よく締まるなぁ。あれだけやってきたのに。……こんなところでえっちなすけすけナース服着てするのがそんなにいいんだ」

「う、ん……。はぅっ。あぅっ。う、ん。そう。いい……わ。はぅっ!」

 大きな机がぎしぎしときしむ。激しく出入りを繰り返す秘所からはぽたぽたと雫が落ちていく。そうして気が付くといつの間に、理樹の動きに合わせて腰をくねらせていた。

「上手だよ。でも、いいの? 風紀委員なんでしょ? 風紀委員が学校でエッチしても、いいの?」

「んっ。関係、ないわ。もう、そんなのどうだっていい。あっ。直枝と、セックスする方が……嬉し……。んひっ!」

「そうなんだ。……ね。想像してみて。今この場でさ、僕達がしているまま、風紀委員の会議とかあったら。どうなるかなって」

「それは……。あっ!」

 理樹に言われた通りに想像してみる。見知った顔の彼らは、平然と会議を続けられるだろうか? あるいは例えば、自分が司会者だとして……議事進行を進めながら、背後からの立ちバックスタイルでの交わりをされていたりしたら。

「どんな風になる? 試しにやってみてよ」

「う……。ほ、んじつの議題……は。あっ。風紀を乱……すっ。者、を……んあっ! ふっ! 取り、締まり……。 あひっ! はぅんっ! じゅんかいを……強化し……うあああああっ! 風紀乱してるのは私っ。縛り上げてお仕置きしてぇっ!」

 ぱんぱんぱんぱん、とぶつかり合う音が強く響く。佳奈多は言葉を紡ぎ出せず、思いきり達してしまう。

「ああああああっ! な、中にいぃぃぃっ! うあああああああっ!」

 佳奈多が達すると同時に、理樹は予告無しに射精をしていた。佳奈多の奥深くに。……そして暫くしてから一物が抜ける。その瞬間、ぴゅ、ぴゅ、ぴゅ、と雫が勢いよく辺りにぶちまけられていく。机の上はあっという間に水浸し。

「風紀委員長は潮吹き魔だったんだね」

「うん……。気持ち良くて。イっちゃって。お漏らしみたいに、しちゃった」

「ふーん。ほら、今度はこれでも咥えて」

 机の端に置いてあった赤い水性マーカーを口に押し込まれる佳奈多。

「んぐっ!」

 そのまま机の上から下ろされて、ホワイトボードの側に導かれていく。

「じゃ、書いてみてよ。お○んこ気持ちいいって」

「あふぅっ!」

 ずぎゅ、とまた奥まで入ってくるのがわかる。交わりが復活し、ぱちんぱちんと体が音をたてる。柔らかい尻の肉がたゆみ、肉棒が子宮の方にまでねじ込まれていく。出したばかりの精液が溢れ、結合部を白く染めていく。

「ほらほら。早く」

「ん、んんーーーーーっ! んぅっ! んんんんんっ!」

 佳奈多は口を動かして咥えたマーカーで文字を書こうとするも、激しい攻めに、ミミズがのたくったような文字になってしまう。かろうじて判読が可能な文字はしかし、打ち付けられる余波でがくがくと揺さぶられるたびに、ぐちゃぐちゃになってしまう。

「何て書いてあるんだかわからないよ」

「う……。ふぅ……」

 こんなに激しくされて、書ける訳がない。佳奈多の口からマーカーがぽろりと落ちた。

「……。お、お○んこきもちいいって、そう……んっ。か、書こうと……あぅっ。したのよ」

「ふーん。そうなんだ」

 理樹は呟きながら佳奈多の中を抉るように深く突き込み、絶頂を迎えさせてしまった。

「あ! あ! ああああああああっ! んあああああああっ! いくうううううううぁぁぁぁぁんっ!」

 顔をホワイトボードに押しつけて、涙と唾液で濡らしていく。それだけでは飽き足らず、手の平に付着した精液をなすりつけていく。










部屋の外……。廊下にて、ちょっとしたお口直しの性行を要求してみた。










「ん、ん……」

 壁にもたれ掛かっている理樹と、その股間に顔を埋めて口での奉仕を続ける佳奈多。風紀委員の腕章が淫靡に見える。

「上手になったね、二木さん」

「んぅんぅ」

 それはそうでしょうと佳奈多は思う。何しろ、普段から舌や口での愛撫を練習させられているから。

『制服着たままでいいからさ』

 理樹はそう言ったものだ。そうして辺りに人がいないのを見計らってから、佳奈多は極太のバイブをどこからか取り出してしゃぶり始めた。じゅぽじゅぽと音を立て、唾を垂らしながら。

『そんな苦しそうな顔しないで、もっとおいしそうにさ。そうそう、舌でれろんってなめたりしてさ。上手だよ。痴女みたい』

 好きな人がほめてくれている。これ程嬉しいことはない。だけど佳奈多はそんなときは決まって恥ずかしくて、そっけない反応しかできない。だから、行動で示してみせるのだった。

「ああっ! 出るよ……」

「んっ! ん、ぐ……。ん、んぅ……。風紀委員のお口は、気持ち良かった?」

 開き直ったような微笑に、理樹は背筋をぞくりと震わせる。










そうしたら、今度はまた派手にしてもらうことにする。










 顔中精液まみれでピンク色のミニスカートをくるくるとまくり上げ、下半身は剥き出し……。辛うじて、秘所の割れ目を覆うように、絆創膏が貼られていた。わざとらしい隠し方だと、佳奈多は思う。

「ああ……。あぁん。直枝ぇぇ」

 甘ったるい声。顔と同じく精液にまみれた舌でぺろぺろと風紀委員の腕章をなめ回す。

「風紀。守らなきゃ、だめよ……」

 自ら四つん這いになって練り歩き、時折片足を上げて、犬のように放尿。それは校内でも外でも同じ。

「あはぁ」

 理樹に言われるがまま、着ているコスプレ衣装を布切りバサミで切り刻み始める。迷いなど一切見せず、思い切りよく胸の辺りだけを切り取る。程良い大きさの膨らみと、ほのかに赤らんだ乳輪が露わになる。

「直枝。調教してくれて、ありがと」

 こんな風に乱れさせてくれて、と感謝を言葉にしながらお尻を理樹の方に向けていく。そうして言い放つ。

「なめて。ここの穴」

 この恥ずかしい所を舌先で柔らかくほぐしてもらったら、そうしたらずぶずぶと入れてもらおう。佳奈多は素直にそう思った。けれど、その前にもう少し自分を焦らしてみようとも思った。
 
「もうちょっと見回りをしましょうって? そうね。風紀を乱す人がいるかもしれないから」

 まるで矛盾を楽しんでいるよう。佳奈多は自らの手でアナルバイブをねじ込んでいった。

「い、いく……。いっちゃうわ……。風紀、乱しちゃ……ああんっ! らめ……よ、ぉっ! くうっ。いくぅっ!」

 こうして改めて交わる二人。

「ああんっ! はあんっ! お○んこ気持ちいいぃぃぃっ! 風紀、乱しちゃ……あああんっ! お○んちんあついいいいっ!」

 射精と同時に佳奈多の愛液が辺りに飛び散る。

「風紀、守らない人には……。私の……。あ、あ、あぁぁぁ……。だ、だめ。で……ちゃう……。あぁぁ……ぁ」

 羞恥が快楽と化して堪らない。佳奈多はひくひくと震えながらアスファルトの上に座り込んでしまう。理樹は思う。この可愛らしい風紀委員を、今度はどうやっていじめてあげようかと。

「あーあ。おもらしなんかしちゃってさ。風紀を乱しちゃだめでしょ?」

「あぁぅっ! ふ、深……ぃっ!」

 そう言って理樹はまた、佳奈多の膣内目掛けて腰を進めていく。ずぶずぶと肉棒がめり込んでいく度に、二人の密着度は増し、吐息も荒くなっていく。

「ほら、向こうに見回りしている人がいるよ?」

「あ……」

 理樹が指差す先には見覚えのある姿。佳奈多も風紀委員をしていた頃に話したことのある男子生徒。

「あっふっ! あっあっ!」

「そんなことで興奮しちゃってさ。今、すっごく締まりが良くなったよ」

「そん、な……。んっ!」

 佳奈多は動物のように四つん這いになって交わってもらいながら、茂みの向こうに見える人影に、見つけて欲しいと思ってしまう。

「あんまり声出すと気付かれちゃうよ? ……二木さんは気付かれたいと思っているだろうけど、ね」

「そ、う……ねっ。んぅっ。よく、わかっている……わね。んひっ」

「わかるよ。二木さん、ド変態だもの」

 理樹の指摘に佳奈多はただ、頷いた。

「……してよ」

「え?」

「わかっているのなら、もっともっと変態らしく……扱ってよ」

「じゃあ、こんなのはどう?」

「あ……」

 理樹は、佳奈多の腕から風紀委員の腕章を外し、リードを巻き付けて……首輪代わりにした。

「風紀委員の首輪だなんて、有り得ないよね」

「……そう、ね」

 だけど、それだけじゃない。口元に丸い何かが押し当てられて……。

「ほら、大きく口開けて咥えなよ。正真正銘、葉留佳さんの髪飾りだよ」

「んんぅぅっ!?」

 拘束具……ボールギャグ代わりのもの。大切な人がいつも身に付けているもの。

「こっちにもさ、食らいなよ」

「んひいっ!」

 ぐり、ぐり、と何かが体の中に入ってくる。それも葉留佳の髪飾り。二つ、三つ……。佳奈多の恥部にねじ込まれていく。

「あぅっ! おぅぅっ! んぅぅぅぅっ!」

 快楽と背徳感が込み上げ、涙が筋を描いてこぼれ落ちていく。

「じゃ、行こうか」

「うんんっ?」

 どこに? と聞こうにも、声がまともに出せるわけがない。膣内にねじ込まれた髪飾りが擦れ、なかなか足元に力が入らないけれど、どうにか立ち上がる。理樹に手を引かれるまま、ふらふらと歩んで行く先は……。

「あ、忘れてた。これも頭にかぶって」

「んん?」

 一瞬、薄っぺらい帽子かと思ったけれど。それは……。

「葉留佳さん愛用の縞パンだよ。それも、染み付きのね」

「んひぃっ!」

 どこでどうやってそんなものを手に入れたのよ……。などと、問い詰める余裕はない。嫌がらせのような行為はしかし、佳奈多の心を徹底的に羞恥で満たしていく。

「ほらっ。しっかり歩いて」

「んんぅっ!」

 リードが引っ張られると、首輪代わりの腕章が佳奈多の首筋に食い込む。そうして連れられて行った先は……。

「もごぁっ!」

 ――古びたベンチがある所。その上で仁王立ちしながら放尿。びちゃびちゃ、ぶしゃあああ、とぶちまける音が響く。飛び散った雫は当然の如く、佳奈多の足にも引っかかる。佳奈多の足は、葉留佳が愛用している縞柄のソックスが覆っていた。

「ああああっ! うああああっ! あああっ!」

 出し終えたらすぐに、理樹の一物が佳奈多の膣内へと突き刺さる。ベンチの背もたれに手を付き、立ったまま犯されていく。口元からは、唾液交じりの白濁した精液がこぼれ落ちてはベンチを汚していく。

「あああああぅっ! はぅっ! あぅぅっ! あふっ! くぅっ!」

「もう、だらしないなぁ。風紀を守るのはどうしたの?」

 もう、そんなこと……。

「いぃ。どうでも……。風紀なんて、乱していいっ! あ、あ、あ、あ、あ。気持ちいぃぃ。お○んぽいいぃっ! お○んこ気持ちいぃぃぃっ! うあああっ! もっと! もっと、突いて……!」

 いつの間にか、頭にはクドが被っているベレー帽。理樹はそんなことまでして、佳奈多の羞恥を増幅させる。

「あぃっ! あっ! あーっ! い、く……っ! くうううううううっ! いっくうううううっ! ひぐぅっ!」

 このあとで、尻の方にもずんずん入れてもらおう。佳奈多はそう思いながら、込み上げて来る絶頂感と理樹の射精に体を震わせた。もちろん場所も変えて……。どこがいいだろう? 理樹に聞いてみよう、と思う。

「ふああああっ!」

 ――男子寮の真ん前で、佳奈多は尻の穴を貫かれた。

「ねえみんな、見てよ。あの生真面目な風紀委員の二木さんって、こういう人だったんだよ?」

 理樹は、既に眠りについているであろう男子生徒達に向けてそんな言葉を呟いた。

「男のち○こで尻穴ずこずこされて、おっぱいぷるぷる揺らしながら喘いでるようなさ。ど淫乱でど変態で真面目ぶったむっつりスケベだったんだよ」

 自分は理樹が言う通りの人間だと、佳奈多は思う。

「そうよ。ん……っ。私は変態で、淫乱で……はなっから風紀なんてどうでもいいと思っていた、スケベ女だったのよ。直枝……。お願い」

「どうしたの?」

 これが終わったら……と、佳奈多は前置きをしてから聞いた。

「本当の私、見て欲しい」

 やがて晒される姿。体の傷もなにもかも隠す事なく露わにする。葉留佳の縞柄ソックスもピンク色の髪飾りも、クドのベレー帽も、コスプレ衣装も全て辺り構わず乱暴に投げ捨てた。体中を理樹の精液にまみれさせ、こぼれ出た愛液を両足にまとわりつかせながら、夜の学校を徘徊する。ただ一つ、風紀委員の腕章だけ首に巻きながら、唇にまとわりついた精液が糸を引く中で、口を開く。

「そしたらまた、ファック、して」

 廊下を歩みながら、覚え立ての言葉を喜んで使う子供のように佳奈多は呟いた。はぁはぁと粗い息と共に、好奇心に満ちた微笑を見せながら。これからもしてほしいから。だから、素直な気持ちを打ち明けた。

「早くう」

 尻の穴すら指で押し広げて晒しながら理樹のものを求めていく。

「焦らさないで。早く、ぶちこんでえ。……あ、あっ。はぁっ……んっ! そう。そう! こんな感じに……いっちゃいまで。くぅっ! いいっ! あはぁぁんっ! はふうぅぅっ!」

 舌の上に精液を乗せ、見せつけるようにしながら尚もねだる。
「ああ……。あはぁ……。え? クドリャフカ、みたいに? ……ええ、いいわ。……わふぅ〜。わふー。わふぅぅんっ! んああっ! 激、し……!」

 理樹のリクエストに応えて、クドの物まねをしてみせる。そうしたら今度は……。

「あああああっ! ああぁっ! はぁぁっ! 今度は……葉留佳、みたいに? わかった、わ。……あ、あ、あっ! かなちん、セックス大好きなのですヨ−! んああああっ! ああああっ! 気持ちいい気持ちいい気持ちいいいいいっ! くうううっ! いっくうううううううううっ!」

 月明かりに照らされ、全裸で乱れ続けている佳奈多の姿は、ただただ綺麗だと、理樹は思うのだった。















----------後書き----------

 そういえばと思うのです。

 かなちゃんのはーどえろすなお話は、今まであんまりなかったと思うので。そういうわけなので、改めて理樹くんに理鬼くん化してもらい、思う存分がんばってもらった次第であります。

 いかがでしたでしょうか。


ご感想を頂けると嬉しいです。





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