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half dark










 光と闇が三対七くらいの割合で交ざったような、薄暗い空間。明かりの付いていないその場所は、二人にはそう思えた。夕食前の夕暮れ時だからなおさらそうなのかもしれない。

(ゆ、祐一! だめっだめっ! だめぇっ!)

 水瀬家の、キッチンへと続く通路にて。名雪は華奢な体を壁に押し付けられながら、ロングスカートの中に手を突っ込まれて、いたずらされていた。必死に、込み上げてくる声をこらえるものの、吐息だけが細かく出てしまう。

(あっあっ!)

 ……いたずらをしている者は云うまでもない。祐一だった。もうすぐ夕食ということで、名雪が祐一の部屋に呼びにきたのだけど。そこで、彼女がよく着ているロングスカートを見ているうちに、だんだんと触りたくなってしまったのだった。

 名雪は制服の短いスカートも可愛いと思うけれど、清楚なロングのそれも良く似合っている。と、祐一はつくづくそう思った。

 長い布地は、よほどの風でも吹かない限り、絶対に下着など見えたりしない。そんな禁欲的な感じが逆に、祐一の中で攻め落としてみたいと云うべきか、征服してみたいという欲求にかられるのだった。

 と、云う訳なので。階段を降りて、キッチンへと続く薄暗い通路に出たところで。難攻不落な名雪のスカートを攻めにいくのだった。何でそんな場所を選んだのかと云うと……秋子さんの近くですることで、名雪を羞恥の渦に叩き落とすため。祐一はとても意地悪だった。

「わっ!」

 突然のことに、当然のことながら名雪はびっくりしてしまう。いきなり、スカートの上からお尻を触られたのだから。

「声出すなよ」

「んっ!」

 そして祐一は名雪の両手を掴んで壁に押し付けて、その背後から素早くスカートの中に右手を入れて、薄い布地の下着も邪魔とばかりにかきわけて、剥き出しの秘所を指でなで回し始めた。

「だ、だめぇ。だめだよ祐一。お母さんに気づかれちゃう……!」

 顔を真っ赤にして抗議する名雪。だけど祐一は構いはしない。

(あっあっあっあっ)

 薄い陰毛をかきわけ、滑らかな割れ目の中に指を這わせて、ずぷ、と出入りを繰り返す。敏感な名雪の秘所は、祐一の指をすぐに受け入れてしまう。

(はぅっ! はぅぅっ! あ、あ、やぁ。こんな、の。は、恥ずかしいよぉぉ。あぁぁ)

 暗がりの向こうのキッチンからは、秋子さんがフライパンで何かを炒めるような、ジュージューと云う音が聞こえ、同時においしそうな匂いがしてきた。そんな所で、祐一に指攻めされて感じ始めてしまっている。そう思うと名雪は、頭の中が真っ白になってしまう。

(だ、だめ。だめ、だめ、だめぇぇ。もう、だめだよ、こんなの……ああっ)

 祐一は名雪の秘所に指を一本、ニ本、と徐々に増やしながら挿入し、抜き差しを繰り返しながら、同時に左手でお尻の割れ目をまさぐる。名雪は陸上部で鍛えられているだけあって、すらっとしていて触り心地がよかった。

(そんなとこ、だめぇっ! あひっ!)

 力を入れて、きゅ、とすぼんでしまったお尻の穴をつつかれ、名雪は羞恥に頭を振る。祐一の指先……堅い爪の感触が、閉じた穴をこじ開けるように入ってきて、名雪の抵抗空しく。ずぷ、と第一関節が埋まり込んでしまった。その瞬間、名雪の体は軽く跳ね上がる。

 そうこうしてる間に、名雪の秘所は潤んできて、祐一の指が出入りするたびにくちゅくちゅとわずかに粘り気のある水音を立ててしまう。

(ひぁっ! ああ。ああ)

 祐一は、名雪の感じるポイントを把握済みだった。時にゆっくりと、時に早く、緩急をつけて攻める。

(や……。だめ、そこ……あっあっあっ)

 名雪の下着がとろとろに濡れて、ぽた、ぽた、と一滴、ニ滴、滴が床に落ちる。祐一の指先も濡れていく。祐一は指の出入りを更に早めていく。

「いく?」

 名雪ははっきりと頷いた。祐一の小さな声は、名雪の耳にはっきりと入ったのだから。それに合わせたわけではないけれど、程なくして名雪はあっさりと達してしまった。ひくひくと体を小刻みに震わせ、滴を更にこぼしながら。

(ああああっ! ああっ! ああっ! やあぁっ!)










……










「名雪。……あら」

 秋子さんがキッチンから顔を出す。おたまを持って、エプロン姿。名雪が祐一を呼びにいったのに、戻るのが遅いと思ったようで。だけど、二人はちゃっかり椅子に腰掛けていた。

 なぜか名雪はぽーっとしたような顔をしているけれど、秋子さんは気づかなかったようだ。そして、思い出したかのように云った。

「もう少しでできますから。待っててくださいね」

「あ、う……うん」

 同意。それに対し、横に座っている祐一も。

「はい」

 秋子さんは云って、再度キッチンへと戻る。ぐしょぐしょに濡れた秘所をそのままに、名雪はもじもじと股をよじらせた。

「名雪」

「ん……」

 そんな名雪を見て、祐一は云った。

「後で。しような?」

「うん」

 その一言で、名雪の頭の中にイメージが広がる。いっぱいしてもらおう。いっぱい入れてもらおう。バックで、騎上位で、体を折り曲げられながら激しく、強く、何度も奥まで突っ込んでもらおう。胸を強く揉んでもらって、乳首をしゃぶってもらって。舌をからめ合わせるようなキスをしてもらって。そして、口の奥まで祐一のものをしゃぶらせてもらおう。

 思えば思うほど、秘所の湿りは増していく。既に下着はおろかスカートも濡らしてしまっているけれど、もはやどうしようもなかった。










食事の後。










「あっあっあっ! 祐一っ! 祐一ぃっ!」

「激しいな。今日の名雪は」

「だって……。我慢できなかったんだもん」

「そっか」

 名雪の部屋のベッドの上にて。祐一を仰向けに寝かせ、その上に名雪はまたがっていた。今は二人とも全裸。

 どんな体位がいい? とか祐一は冗談めかして聞いてきて、名雪は迷うことなく選んだのだった。

 自分のペースで、激しく強くうごけるから。今日はわがままを云わせてもらうことにしたのだった。

「どうだ?」

「う、うん。気持ちいいよぉ」

「だったらさ……」

「……」

 小声で何かを吹き込む祐一。名雪は少し迷いながらも、云い始める。

「あっ。はっ。い、いい……よぉ。いい、よぉ」

 気持ちいい時は、いい、と云えと。そんなことだったのだけど。ほわ〜っと間延びした名雪の声だと、あんまりえっちな感じがしないな、と祐一は思うのだった。いい、と大きな声で叫びながら腰を振る淫らな女性の役は、名雪にはちょっと無理そうだと思った。

「んっんっんっ!」

 懸命に腰を上下する名雪をみると、ふさふさと胸が揺れていたのでむんずとばかりに掴んでみた。

「んああっ!」

 ぎしぎしとベッドがきしむ度に、祐一の射精感は増していく。さて、どこに出してやろうかな、と考える。が……考える間もなく祐一は達しようとしていた。それだけ名雪の中は締め付けが良くて暖かかった。

 祐一は名雪の体を引き寄せてキスをしてから、逆襲を始める。まだ出すのは早いと思ったので、名雪の体をひっくり返してベッドに押し倒し、上から覆いかぶさり、叩き付けるように挿入を開始する。

「んんっ。あ、ああっ! やっあっ。んんんっ!」

 焦ることはない。一度や二度では済むはずがないのだから。

 二人の夜は今、始まったばかり。










----------後書き----------

 久方ぶりの名雪えっちものでした。やはり名雪は良いとしみじみ思うのでありました。



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