彼女達のティータイム
「ねえ新吾ちゃん」 切れ長な瞳はどこか物憂げな雰囲気を漂わせている。そして、上目使いで誘い始める蘭華。妖艶な眼差しと唇は新吾を大いに惑わせ、男としての若き鼓動を一気に高めさせていった。 「な、何ですか学園長」 「いーこと、しない?」 何だろう、この既視感は。……最初から目的が決まっているような、女教師を主役にしたアダルトビデオの如くただならぬ雰囲気に、新吾は息を飲む。その一瞬の隙を逃さず蘭華は近付いて、密着。スーツの上からでもわかる柔らかな感覚が、新吾を包み込む。 「え? あ……」 「遠慮しないでいいわよ」 そう言いつつ新吾の腕を握り、自らの膨よかな膨らみに押しつける。 「あ、あの……」 ――彼女の娘、新吾のクラスメイトである愛理とはまた違った雰囲気を感じる。蘭華は強気で生真面目な愛理とは違い、大人びていて余裕があって、全てにおいて優しくリードしてくれそうだ。と、そんな風に新吾は評し、恥じ入った。そしてそれらは全て蘭華はお見通し。 「愛理ちゃんと比べてるんでしょ?」 「え……。あ、えっと……。はい」 どうしてわかったんだろう。新吾には不思議でならない。 「ふふ。照れてる新吾ちゃん、かわいい。あたしにリードしてもらいたいって思ったでしょ? お望みどおり、手取り足取り個人レッスンしてあげるわよぉ」 「あ……。こ、こんなこと。だめですよ」 新吾がそういうと、蘭華はけらけら笑って答えたものだ。 「大丈夫よ。鍵かかってるし、この部屋は音漏れもしないし。それになにより表には不在って札かけてあるし。新吾ちゃんさえ黙っていれば、誰にもばれたりはしないわよ? 絶対に、ね」 一切の隙はないわよと、新吾を心の底から安心させる。 「そ、そういうことじゃなくて」 倫理的な問題が大ありですと新吾が言おうとしたら。 「もー。愛理ちゃんみたいに真面目ぶっちゃって。影響されちゃった?」 「ちょっ……! あ……」 蘭華は奇襲を仕掛けるように新吾の唇をふさぎ、有無を言わさない。 「ふふ。何だかんだ言って、ここはもっこりしてきたじゃない。体は正直ねぇ」 「あ、あ」 ズボンの上からわかるくらい膨らんでいるところを鷲掴みされ、新吾は体を震わせる。 「んふ。あたしのここも、もう準備オッケーだったりするのよ」 「え……。あっ!」 新吾の手首を掴んでスーツの短いスカートの中に潜り込ませる。とろりとした湿り気が新吾の指先に確かに感じた。 「大丈夫よぉ。ちょっとあたしの中にずぷって入れちゃうだけだから。簡単よ」 「あ……あ……」 「言ったでしょ? しっかりリードするって。だから大丈夫よ。全てあたしに任せなさい」 いつしか新吾の一物は蘭華の手によってズボンの中から引っ張り出され、にぎにぎとしごかされていた。そうしてしばらくそんな事を続けた後、蘭華は新吾にますます密着していく。新吾を壁にもたれかけさせ、身長差を考慮してか少しばかり腰を落とさせる。そうして準備が整ったら、蘭華は右膝を高く上げて片手で押さえ、新吾のそそり立った一物を自らの秘所の入り口にしっかりと宛てがい、ゆっくりと腰を落としていくのだった。 「んっ。いい、わね。しっかり入ってくるわよぉ。新吾ちゃんの大っきいのが」 ずにゅ、と裂くような圧迫感は強烈だった。強い抵抗をかきわけるようにして、奥まで到達していくのが二人とも分かる。 「んあっ! あっ! ああっ! いいっ! んああっ!」 蘭華は耐えるようにしている新吾の体にしっかりと抱き着きながら、ゆさゆさと体を揺らしていく。その動きは速さを増していき、やがて、きつい膣が更に収縮して、新吾の濃厚な精液を絞り取っていくのだった。 「ふふ。新吾ちゃんの初めて、もらっちゃった」 とんでもない事をしてしまったという、既成事実のできあがり。 「あ……あ……」 あまりにも蘭華の手際がよくて、新吾は何がどうなってるのかすらわからない。膣内が収縮しては、新吾のものを絞り上げていく。絶頂を向かえるのはあっと言う間だった。全てを知り尽くしたかのように、手際が良すぎて我慢などできはしなかった。 「くううっ! いっくうううっ! あっあっ! んああああっ!」 勢いよく続く子宮内へのゼロ距離射精。新吾はただ一人、呆然としていた。これから愛理と出会った時、どんな顔をすればいいのかわからなくなりそうだ。 「よかったわよ、新吾ちゃん。……あ、もしかして初めてじゃなかった? 愛理ちゃんの中より、気持ち良かったかしら? ふふ」 新吾と違い、蘭華はきわどい冗談を言う余裕すらある。そんな中、未だにどくん、どくん、と震える結合部がポンプのように、収縮を繰り返していた。射精は尚も続き、精液があふれていくのだった。 …………
「なんてなんてなんて! あああもういいなあそれっ! 一回でいいからしてみたいっ! 新吾ちゃんったら可愛すぎっ! く〜っ! たまらんっ!」 ……瀬名家の客間にて女子(?)会開催中。鼻血ものの妄想を思う存分披露して勝手に興奮して、豪華でとってもお値段が良さそうなテーブルをバンバン叩いて身もだえている蘭華。 「ええ。それはもう、とても微笑ましい背徳の放課後レッスンですね」 蘭華の妄想を聞き、決して否定をしたり馬鹿にしたりすることなく、にこやかに紅茶を飲みながら評価しているのは、天羽みうのお母さんこと結子。彼女もまた、蘭華と同じように娘達の姉と形容してもおかしくないくらい若々しい女性なのだった。 「でしょ〜。それで、終わった後であたしが新吾ちゃんに言うのよ。言っちゃうのよ〜! 『我が儘娘の相手に疲れちゃったら、またいらっしゃい。いつでも癒してあげるわよ』って」 「まあ。若き殿方の悩みを優しく包み込んであげるのですね。ふふ」 「そうそう! そーいうこと! 結子ったら、わかってるぅ!」 とても若々しいノリでトークが弾む二人だったが。こつん、とカップが受け皿に戻される音が、控えめに響いた。 「あなた方は、もう……」 呆れたような、冷めたような、とても落ち着いた声が聞こえる。メイド服を着た、真面目そうな女性の姿。ハイテンション名二人とは対照的に、常識をわきまえた振る舞い。 「なによぉ。いい子ちゃんぶっちゃって−。羨ましいんでしょ? 素直にそう言いなさいよぉネリィ」 「ふふ。ネリィさんは照れ屋さんなのですよ。でも、心の底に秘めた思いは私達と同じですよね? きっと」 「好き放題言っていますね」 この人達に何を言っても無駄だ。と、悟りきっている彼女の名はエレノア・シーウェル。その名が示す通り、新吾のクラスメイトであるメイド娘アンジェの母その人。いつもハイテンションな娘とは違い、外見も物腰も落ちついた女性なのだった。そしてその胸も娘とは異なり、平坦と言うべきか、とにかくスマートなのであった。この三人は学生時代の同級生という関係。今日はたまたまいい具合に時間が取れたので、お茶でも飲んでお話しようと、そういうことになったのだった。 「それはそうと。結子はどうなのよ? どーいうのがいいのよ?」 「そうですね……」 そうして新たな妄想が披露される。 …………
「あらあら。わざわざありがとうございます。もう、あの娘ったらうっかりさんなんだから」 天羽家の玄関先。みうがなにやら部室に忘れものをしていたようで、新吾が届けに来たのだった。 「それじゃ、これで」 そうして二言、三言交わした後に天羽家を辞そうとした新吾。……の、腕を結子は軽く掴んで引き留めるのだった。 「待ってください」 振り返る新吾はドキッと鼓動が高まっていた。クラスメイトの女子と見間違いそうな仕草の結子が目に入ったから。切な気な瞳が潤んでいるように見えた。 「新吾さん。よかったら、お茶でも飲んでいきませんか? わざわざ届けに来てくれたお礼をさせてください」 若々しい笑顔を見せる結子。娘に負けないくらいの可愛らしさを感じて貰えたら嬉しいと思いながら、お誘いをしてみるのだった。そうして新吾は、結子の厚意に甘えることにするのだった。断る理由も無いわけで、みうのお話でも聞いてみたいなと、純粋にそう思ったから。 そして、和やかな雰囲気のティータイムが始まる。最初はそうだった。けれど色々あって、段々と結子が新吾に密着していき、積極的に誘惑していき、超えてはいけない一線を、あっさりと越すことになった。 「あ。……そんな」 新吾は奮い立たされた一物を二つの膨らみによって挟まれていた。慣れた手つきで素早くそうされてしまったのだった。 「私、自信があるんです」 何に? と、問われるまでもなく結子は答える。 「おっぱいのサイズです。もちろん、娘のみうも十分大きいと思いますが、私も負けてないですよ? そう思いませんか?」 あくまで娘も一人の女として見ている結子。 「そ、そう……ですね」 「ありがとうございます。ふふ」 「くっ。あ……」 ふんわりとした柔らかな感触が新吾の下腹部に集中する。ぷにゅぷにゅとした中に、二つの小さな感触。勃起して堅くなった乳首が押し当てられる。感じるツボを心得ているとしか思えない動き。柔らかいのに、瑞々しくて白い肌は新吾のものに吸い付いていき、しっかりとしごいていた。 「我慢しなくていいんですよ。遠慮なく、イっちゃってくださいね。ふふ」 「うああっ! くあぁっ!」 結子の穏やかな口調とは裏腹に、ダイナミックかつ時折小刻みに新吾のものをしごく胸。白くてもちもちとした肌は新吾の亀頭から漏れ出した透明な液体によってとろとろに濡れていく。 「新吾さんは、女の子のどこに出すのがお好きですか?」 その答えを楽しみにしているような、小悪魔的な挑発だった。答えを迷うことが出来ないように、一気に絶頂を迎えさせていく。そのまま放っておいたら、勢いよく射精がなされ、天井はおろか部屋中にぶちまけてしまうかもしれない。 「そんな、こと」 「とても大事な事ですよ? もしかしたら、女の子の人生を左右するかもしれない事ですから」 「ああっ! も、もうっ! くうぅぅぅっ!」 こらえ切れず、破裂するように射精が続いた。突然のことに射精場所を選ぶ余裕もなく、結子の顔にべったりと白濁した液が飛び散っていった。 「ああああああっ! ご、ごめんなさい!」 「ふふ。謝ることはありませんよ。……女の子の顔に出すのがお好きなんですね。新吾さんったら、大胆なのですね」 状況を完全に楽しんでいる結子。唇にこびり付いた精液を舌で舐めていく。当然の事ながら、彼女はそれだけでは飽き足らず……。 「きれいに掃除して差し上げますね。私のお口で」 可愛い先輩の、まさにお姉さんにしか見えない若々しいお母さんによって、新吾の一物はぱっくりと咥えこまれてしまうのだった。 …………
「く〜〜〜っ! いいわねぇそれっ!」 「はい。そんな感じで、母性の象徴を思う存分味わってもらいたいなって思います」 身悶えする蘭華とにこにこしている結子。 「……胸の大きさと母性の象徴は関係無いと思います」 至極真っ当な事を呟くネリィに、蘭華は。 「あらネリィ。ペタ胸だからって、別に気にすることはないと思うわよ?」 「そうです。小さいのがお好きな殿方も世の中には大勢いますから」 二人は挑発するかのように言うけれど、ネリィは取り合わない。 「私をいじってどうするのですか」 「そうねえそうねえ。ネリィだったら、そうねぇ……」 蘭華の妄想が披露される。……本人が頼みもしていないのに勝手に。 …………
「旦那様」 帰宅した新吾の上着を預かりながらネリィは口を開いた。 「え?」 「アンジェは私の大切な娘です。そして、そのアンジェの大切な旦那様は、私にとっても大切な方に他なりません」 そういう思いが込み上げてきて、新吾の背中に軽くしがみついてしまった。 「ですので……」 「あ……」 「アンジェがするのと同じように、ご奉仕させてください」 ごく自然な動作でしゃがみ込み、新吾のものを咥え込み、愛撫を続けていく。 「ん。ん」 「そんなっ!」 「んく……。わたくしの口は、お気に召しませんか?」 「そんなこと……。すごく、気持ち良すぎて……」 「ありがとうございます。……ん、ん」 …………
「もう、いいですから」 余りエスカレートされると長くなりそうなので、途中でカットしてしまうネリィ。 「とかとかそんな感じ! ああもうネリィったらご奉仕精神旺盛なんだからぁっ! もうっ! メイドのサガってやつよね絶対!」 もはや敏腕な学園長の姿はそこになく、酔っ払ってテンションが上がりまくったおっさんのような蘭華。 「ええ。本当にもう、慈愛に満ちた幸せな一時になるんでしょうね」 優雅にティーカップを持ちながら、可愛らしい笑顔の結子。 「あなた方は……。本当に、何年たっても変わらないのですね」 かしましい二人を前に、もはや何を言われても仕方がないと諦めているのかため息をつくネリィ。しかし、他にもまだ諦めていない人達はいるのだった。それも、この三人のすぐ側に。 「母さん! いい加減にしなさいよ!」 「お母さんっ! もう、恥ずかしいからやめてよ〜!」 いつからいたのか、愛理とみうが猛然と抗議を始める。ちなみにこの二人以外にも、アンジェや紗凪に新吾や結月達がいるのだった。みんな一様に、困ったような笑顔。これまでのあらすじを余すところなく、しっかりと聞いていた模様。聞きたかったというよりも、聞こえてしまった、というようなバツの悪さ。 「あ、愛理ちゃん? あ、あはは〜」 「もう。みうったらやきもち焼きなんだから」 まあまあ、となだめる蘭華。しかし、愛理とみうの憤りはおさまらない。なぜならば……。 「あはは〜、じゃないでしょ! 何よその格好!」 「そうだよ〜! 何考えてるの〜! 勝手に持ち出して〜!」 娘達の指摘は至極当然。メイド服姿のネリィはさておき、蘭華と結子が今着ているのは他でもない。結姫女子学園の制服なのだった。……つまりは、娘達の制服を一着拝借したわけで。理由としては、学生時代の同級生達とお茶会をやるわけで、あの頃に戻ったような気持ちになるために、服装も合わせてみた。と、そういうこと。 「あら。でも愛理。この制服のサイズ、いい感じにぴったりだったわよ? それって、あたしもまだまだ現役でいけるってことね!」 「母さん……!」 「私の方は、ちょっと胸に余裕がありますね」 「お母さんっ!」 それは神経を逆撫で。もしくは、火に油を注ぐ一言。愛理とみうのこめかみが、揃ってぷちんと音を立てた模様。 「さっきから黙って聞いていればメチャクチャな事ばかり言って!」 「新吾くんに手を出したりしないでよ〜! 妄想の中でもだめ〜!」 「あ、あははは。まあまあ愛理ちゃん、そんなに怒らないで。ジョークよジョーク。可愛いジョークじゃない」 「本当に。今時の女の子は独占欲が強いんだから。そんな事じゃ、男の子に怖がられちゃうわよ?」 ――母達と娘達がぎゃあぎゃあと言い合ってる中で。 「お母様ぁ。旦那様への愛情深き思い、アンジェ感激致しました〜!」 勝手に感激されても困ります。と、ネリィ。 「わたくしは、それについて一言も話しておりません」 あくまで蘭華と結子の勝手な妄想に過ぎないのですと、すっぱり一刀両断。 「そうでございます。ですがですが、そのお話を拝聴しているときのお母様は、とても優しいお顔をしてらっしゃいました〜!」 「……気のせいです」 娘の指摘にぷい、と視線を逸らしてしまうネリィ。確かに、娘の大切な人には……流石にあの妄想はやりすぎにしても、優しく接したいなと思うのだった。 「あらあら、ネリィは照れ屋ねぇ」 「ネリィさんは、とても奥ゆかしいのですよ」 「……。知りません」 いつの間にか娘達の追求と非難を軽くいなしていた蘭華も結子がひょっこりと現れては突っこみを入れる。お調子者はいつまでたっても変わらないようだった。 ----------後書き----------
人妻三人による女子……会てなことで。 エレノア・シーウェルお母様については、ドラマCDの三巻を是非とも参照されたいのであります。それにしても、一枚絵を見たいものです。和泉つばす様の絵で。きっと素敵なお母様に違いありませんよね。
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