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なゆキス










 リビングのソファーにて。祐一と名雪はただ今デザートタイム。

「ほら、名雪」

「うんっ」

 名雪に差し出されたのは、フォークに刺さった苺。大きくて、瑞瑞しくて、新鮮で、甘い香りが漂ってくる。

 云うまでもなく、苺は名雪にとってお気に入りナンバーワンのデザート。

「あ〜ん」

 名雪はとても嬉しそうに、ぱくっと一口でそれを食べる。もぐもぐと噛むと、口の中いっぱいに苺の甘酸っぱさが溢れる。

「う〜ん。おいし〜」

 最高に幸せな瞬間なので、頬もゆるむ。

「お前は本当に苺が好きだな」

 そんな彼女を見て、祐一も笑顔。

「だって、おいしいんだもん」

 そして今度は名雪の方から祐一に、ということで。苺の葉を取って、フォークに刺して差し出した。

「祐一。あ〜ん」

「……」

 でも、祐一はあ〜んしなかった。

「祐一〜」

 ノリが悪いなぁ、と云わんばかりに残念そうな声。

「改めてされるとなんか、恥ずかしいぞ」

 してみる分にはよかったのだけど、される側になるととても気恥ずかしいのだった。

「だれも見てないよ」

 唯一見られる可能性のある人物……こと、秋子さんはただ今外出中なのだけど。

「そういう問題じゃない」

「じゃあ、目つぶって」

「……。まあ、それならいっか」

「じゃ。いくよ〜」

 祐一は目を閉じて、苺が口に運ばれるのを待った。が……。数刻後に感じたのは、かすかに苺の味の、ふにゅっとした柔らかな感触だった。

「お、まえなぁ」

「えへへ」

 目を開けると、名雪が悪戯っ子のように舌をぺろっと出した。予想外のキスに、祐一の顔は苺のように赤くなってしまった。

「祐一、赤くなってる〜」

「うるさい。今度はこっちからだ」

 祐一は逆襲とばかりに、名雪の唇を奪おうとするけれど。

「わ。わ。だめだよ〜。わ〜」

 名雪はくすくす笑いながらそれを拒むのだった。

「いきなり何をするか」

「あは。目をつぶった祐一を見てたら、キスしたくなっちゃったんだよ〜」

 ちょっと大胆と思いながら、積極的になれてしまった。

「そういう悪戯っ子には、オシオキが必要だな」

「わっ!」





そして祐一は、名雪を押し倒すのだった。





「ん、ん」

 動けないように組み伏せて、思う存分キスをした。

「ゆうぃ……んん、んん」

 短いキス、長いキス。交互に織り混ぜて、文字通りに百倍返し。

「ぷぁ。はふ」

 いつしか名雪も目を閉じて、唇が重なり合う感触に身を任せる。

「すき……。んん」

「オシオキのつもりでしたんだが。何だか名雪のペースにはまってる気がするぞ」

「そんなこと、ないよ」

 恥じらいながら火照っていく頬は、ほんのり赤く染まっていく。

「すごく、恥ずかしいよ。けど。もっといっぱい……して、欲しい……よ」

「そっか」

「うん」

 今度は長いディープキス。舌同士を絡め合わせながら互いの温もりを感じ合う。

 同時に祐一は、名雪の下腹部からもぞもぞと手を這わせていく。そして、ブラの布地をずらして胸をまさぐる。柔らかな二つの膨らみが、祐一の両手で揉まれて形を変える。

「んんぅ〜。くすぐったいよ」

 祐一は、唇が離れるのを許さなかった。

「あ、ん」

 くちゅ、くちゅ、と唾液を絡ませながら、むさぼるようなキスは続く。

 そして更に祐一は、人差し指と中指で名雪の乳首をつまみ、弄ぶ。きゅ、と弾力のある先端は僅かに尖っていた。

「乳首。起ってくぞ」

「はぁ……ぁ。知らない……」

 散々キスをされて、ようやく解放された名雪は、小刻みに呼吸を繰り返した。

「わたし。恥ずかしい……。けど、好き……」

「恥ずかしくされるのが好きなんて。名雪はえっちだな」

「だって。祐一の、『好き』って気持ちをいっぱい、感じている……から」

 大好きな人の温もりに身を任せるのは、恥ずかしいけれど幸せ。

「もっと……。して」





名雪は更に祐一を求めた。





「う……。ゆ、祐一〜」

 名雪は柔らかいソファーの背もたれによりかかるようにして、体を逆さまにされていた。

「こんな格好、恥ずかしいよぉ」

「そういうのが好きなんだろ?」

「そ、そうだけど。でもぉ」

 長いスカートをまくり上げられ、下着を取られてむき出しになった秘部をまじまじと見られ、名雪は消え入りそうな声で呟いた。

「だから、まんぐり返しってことで。お尻の穴まで丸見えだぞ」

「うぅ。そんなとこ、見ないでよ……」

 そんなことを云ってる間にも、ずぷぷ、と名雪の中に祐一の人差し指がゆっくりと入っていく。

「はぅ! はぅ〜っ!」

「名雪の中。暖かいな」

「あっ……。あっ……。あぁ」

 指が根本まで埋没し、さしたる抵抗もなく引き抜かれ、名雪はその度にぴくんと震えながら甘ったるい声をあげてしまう。

「少し、濡れてるぞ」

「云わないで。……んっ」

 そういいつつ、祐一は指をもう一本入れた。人差し指に加え、中指を。少し湿り気を帯びていたそこはあっさりと受け入れていく。

「あっ! あぁんっ! ゆ、び……だめ。あっ!」

 名雪は感じてしまって、とろんとした瞳。その間も、ちゅぷちゅぷと出入りする。

「ほら。名雪も、して」

「え……。あ」

 名雪の口元に、大きくなったものが差し出された。チャックをじーっと開け、ふるんと勢いよく飛び出してくる程のものが。

「ん……ん」

 舌と唇で愛撫。その間も祐一の指攻めは続く。名雪の秘部は引っかかるようににゅずずと軽い抵抗を与えながら、祐一の指を濡らしていく。段々と指を抜き差しする動きは早くなっていき、ちゅくちゅくと淫靡な音をたてていく。

「んー。んんぅー!」

 名雪も必死に祐一のものをくわえこもうとするけれど、手数は明らかに祐一の方が上。

「汁がたれてきたぞ。ぐちょぐちょだ」

「だって……。だって、祐一の指が……あぁっん」

「このままじゃ、スカート汚しちゃうな」

 というわけで祐一は、指で愛撫しながら舌でたれてきた愛液を舐めた。

「ゆ、祐一……。そんなの」

 ざらっとした舌の感覚に、祐一はぞくっと背中を震わせて堪える。

「ほら。お口がお留守だぞ」

 祐一はそう云って容赦なく腰を突き出して、名雪の口の奥まで突っ込む。

「んんぅっ」

 必死にくわえ込むけれど、強烈な刺激によってなかなかうまくいかないようだった。

「そうだ」

 祐一は何を思ったのか、テーブルの上からあるものを取り出して、名雪の秘部へとあてがった。

「え……。あ……。や、やあぁ〜。な、何なの〜?」

 違和感に、名雪は動揺する。

「スプーンだよ」

「そ、んなの」

 名雪の秘部を左手の人差し指と親指で押し広げて、果肉をすくうように、かき混ぜるようにして小さなスプーンでこちょこちょといじる。度重なる愛撫によってぐちょぐちょに湿ってしまったそこは、糸を引き、とろけるように柔らかかった。

「あ、ああ……あ、あ……あひっ! そんな……そんな、の……あああっ!」

 同時に、小さな突起……クリトリスをつまんで転がす。

「ああああっ! ああああっ! あっあっあっ! やっ! あっ! あーーーっ!」

 秘部から水音が聞こえるくらい度重なる愛撫に、名雪は身をよじりながら悶えた。

「ひあっ! ゆ、祐一……もう、もう……だめ」

「ほら。お前のえっちなお汁だ」

「んくっ! だ、だめだよぉっ! 恥ずかしいぃっ!」

 止めどなく溢れてくる名雪のいやらしい汁を数滴スプーンですくって、口内に押し付けた。

「う、ぅぅ……。もう、もう……おかしくなっちゃうよぉ」

 名雪はもう、限界だった。消え入りそうな声で恥ずかしさを押し殺し、云った。

「お願い。わたしの中に……。祐一の、入れて」





そして……。





 二人はソファーに腰掛けたまま抱きしめ合って、一つになった。

「う、あ。祐一のが、入ってくる……」

「全部入ったぞ」

「う、んっ」

 名雪は下着とスカートを脱がされて、下半身だけむき出しの状態。祐一は名雪のお尻を両手で持ち上げるように支えて、名雪は祐一にしがみつくようにして背中に手を回し、繋がる。

 そして、どちらからともなくキスをして、動き始める。

「んっ……あんっ。んんぅっ」

「名雪。半脱ぎ、えろすぎ」

 床に投げ捨てられたスカートと下着を横目に、ずっずっずっと上下にうごめく。

「あっあっ……。ゆ、祐一のえっち」

「そんな格好で腰動かしてといて、人のこと云えるかよ」

「はぅ! そんなとこ、触っちゃだ……め。あああっ!」

 丸く柔らかなお尻をなで回し、穴をつついて刺激すると一気に締め付けが強くなる。

「あっあっあっ! だめっ! だめぇっ! ひぅっ。はぅぅっ。も、もう……わたし」

 潤んだ瞳で絶頂が近いと何度も云いながら、お尻を上下に動かす。

「俺も。もう、出る……!」

「出して……。いっぱい……ああぁっ! はぁうっ!」

 互いの鼓動と呼吸を感じながら、ぎしぎしとソファーがきしむ程激しく上下に動き、やがて……。

「くうっ!」

「あっ……ぅっ!」

 射精する瞬間に引き抜いて、名雪のお腹に熱くなったものを大量にぶちまけた。





……





「はぁ……はぅ……」

 まだ体の火照りも落ち着かなくて、呼吸も整わない名雪。

「名雪。気持ち良かった?」

「う、ん。祐一、暖かかったよ」

「そっか」

 そして祐一は名雪を抱き寄せて、軽くキス。

「んん。……ゆ〜いち」

 唇が離れると、今度は名雪からキス。

「ん」

「好き」

「俺も」

 そしたら今度は祐一から。と、そんなことをしていると。

「ただいま」

 という声と共に玄関ががちゃっと開き、秋子さんが帰って来たのだった。

「うぁ! 忘れてた!」

「え、あ……ああっ! ど、どうしよ……!」

慌てふためく二人。名雪はまだスカートも下着もはいてなかった。

「お、落ち着け。……ほら、スカートとパンツ!」

「う、うん。あ……」

「早く着ろよ!」

「だ、だめ。汚れちゃうよ〜!」

 名雪のお腹から秘部の茂みにかけて、白いものがまだべっとりとくっついたままだった。

「じゃあ……。早く二階にでも行ってろ!」

 下着をポケットに押し込み、スカートを同じように押し込もうとして失敗して、ソファーの下に放り込 む。

「う、うん。あ」

 まだ腰に力が入らないのか、よろよろと頼り無げに立ち上がってから、また気付く。

「今度は何だよ!」

「階段。玄関の側……」

「ああもうっ! じゃあ、トイレ……って、もう間に合わない! ティッシュティッシュ!」

 ……残念ながらティッシュはそこにはなかった。

「ええいっ! じゃあこうだ!」

 祐一は名雪をぐいっと引き寄せて、再度ソファーに座らせ。

「わっ!」

 祐一はポケットから名雪の下着を取り出して、ぐしぐしごしごしと拭いて、手早くソファーの下からスカートを 取り出して、無理矢理はかせた。

「祐一ひどいよ〜」

「んなこと云ってる場合かっ!」

 そして、程なくして。

「あら。二人とも、一緒にいたのね」

 秋子さん登場。間一髪、というところでセーフだった。

「あ。お、お帰りなさい」

「お、お帰りなさい〜」

 ぎこちない笑顔になってしまうのは、仕方のないことだった。

「苺食べていたのね。……また、買ってたんだけど」

 買い物袋の中から苺を取り出して微笑む秋子さん。

「わっ。食べる〜」

「そう? それじゃ、丁度よかったわね」

「うんっ!」

 いくら食べても、甘いものは別腹なのだった。





でも。





「祐一ぃ」

「うん?」

 秋子さんがキッチンの方に行くのを見て、名雪は苺を口にくわえて。

「おわっ!」

 祐一に抱きついて、キスをした。

「んん〜。んにゅっ」

 祐一への反撃は、大胆な苺味のキス。

「んぐ……っ。お、まえなぁっ!」

 口の中に押し込まれた苺をもぐもぐ食べながら、祐一は赤面した。

 とっさに反撃のキスをしようにも、名雪は口に新たな苺をくわえてガード。

「えへへ」

 やられた、という表情の祐一に名雪は微笑んで。

「祐一〜」

 祐一の腕をぎゅーっと抱きしめて。

「大好き、だよ」

 そしてまた、祐一の頬にキスをした。





二人の甘い甘いデザートタイムは、まだまだ続くのだった。










----------後書き----------

 キスからはじまるほのらぶなえっちぃお話でしたとさ。

 いやまぁ。名雪の私服+半脱ぎって、考えてみればえらいえっちぃな、と思った次第でありまして。



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