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休日前の平和な夜に










 加賀は、提督のあどけない顔を思い浮かべる。若くして艦隊司令を任された重圧。その苦悩たるや、相当なものであるだろう。

(そのようなことは、わかってはいるのだけど)

 自分が感情表現が苦手ということもわかってはいる。ただ、自分の提督に対する態度はいつもそっけなく、見方によってはとても辛く当たってしまっているのかもしれない。つい数日前の出来事がまさにそれだ。敵艦隊との交戦中。後方からの緊急通信に、加賀は異を唱えた。

『撤退? まだ戦えます。この状況で、非常に弱気な判断に思えます。怖くなったのですか?』

『そんなことはない! いいから、早く撤退するんだ!』

 提督と呼ばれるには不釣り合いな、まだ遊びたい盛りの少年は頬を紅潮させながら叫んだ。この時加賀は、彼のことを小馬鹿にしてしまっていた。彼は年齢こそ若年ながらも、戦局を見極め正確な判断を下す能力は水準以上だった。加賀は自分達が、敵の仕掛けた罠にはまってしまう寸前だったことを、後になってから知るのだった。

『仕方がないですね』

 自分は意地を張っていたかもしれないと、加賀は思う。実際、艦隊の中には何名か傷ついている者もおり、決して無理をするべき状況下ではなかった。それなのに、突撃体勢をとってしまった。

(悪い判断じゃなかった)

 提督の判断は悪いどころか、極めて適切だった。しかし。

(遊びたい盛りの子供じゃあるまいに)

 それは提督に対してではなく自分に対して思った事。他ならぬ、秘書艦の加賀自身が『今いいところだから邪魔するな!』と、そんな気持ちになっていた。まったく、猪突猛進もいい加減にするべきだ。戦場で冷静さを失い、感情に任せて戦うとは。我ながら情けないわと、加賀は恥じ入った。

(その結果が、小破ね)

 もう既に回復したけれど、加賀自身も手痛い一撃を受けてしまった。

(原因は明らかに、撤退のタイミングが遅れたせい。誰かさんの我が侭で、ね)

 優先的に入渠をさせてもらったけれど、自分だけでなく他の娘にも大いに迷惑をかけてしまった。提督に合わせる顔がない。が、真面目な加賀は、恥を偲んで謝罪のため提督の私室を訪れたのだった。けじめはきちんとつけなければいけないと思うから。もしかすると、今回の件を受けて秘書艦を外されるかもしれないけれど、それも仕方がない。責任を受け入れなければならない。

「提督。いらっしゃいますか?」

 重い扉にノックをする。が、返事はない。不在だろうか? 時間を確かめてみるが。

(まだお休みになるには早い)

 だめなら出直すしかないが、なんとなく、ドアノブに手をかけてみる。すると。

(開いた?)

 予想外のことに加賀はあれ、と、戸惑いながらも、中へと入り声をかける。

「提督。いらっしゃいます……か……?」

 提督は確かに室内にいた。だが……。その光景に加賀は息を飲み、驚愕のあまり目を大きく見開く。

「加賀……? な、なん……で?」

「……」

 加賀は急に真顔になり、ドアを後ろ手で閉め、鍵までかけた。見開いていた目はじっとりとした半開き……つまるところ、ジト目になっていた。

「それはこちらの台詞です。栄光ある艦隊司令ともあろうお方が、自慰にふけっているとはどういうことですか」

 怒っている。自分はきっと今、彼にそう思われているのだろう。思いっきり軽蔑されているとか、チッと下品な舌打ちをされるくらい呆れられているとか、果ては『こんな破廉恥艦隊、出て行かせていただきます!』とでも言われるかと思っているのかもしれない。

(いえ。怒るつもりはないのだけど)

「あ、う……。こ、これは……」

 若い女性が水着姿だったり制服姿だったりといった表紙が目に入る。提督はアプリコット通信とか、ビバべっぴんとか、クリィムとか、そういったタイトルの卑猥な雑誌をデスクに載せ、ズボンのチャックから飛び出したものを今まさにいじくっている真っ最中だったようだ。

「あ、う……」

「……」

 無言のままつかつかと、加賀は提督の側まで歩んでいく。きっと提督にとって、威圧感に満ちた歩みだろう。まだ年端もいかない少年提督は、悪い事をしている所を母親に見られたかのように怯えている。

(加賀。待ちなさい。落ち着くのよ。……これは全くおかしいことじゃない。健全な男子なれば至極当然のこと。彼くらいの年頃ならば尚更。そもそも私は提督を叱責する為に来たわけじゃない。むしろ逆に、叱責されるために来たのよ)

 冷静になってよく考えてみる。下半身がだらしのない軍関係者など珍しくも何ともない。悪い意味での武勇伝を持つものなど、そこら辺に吐いて捨てるほどいる。そんなゲスな男達に比べたら、この提督は優しくて思いやりに溢れている。そういう人だと加賀はわかっている。

「提督っ!」

「ひっ!」

 怒りのこもった声。当の加賀の気持ちは全く逆なのに。

(ああ……。違う、違う。私は提督に余計な指し出口をきき、艦隊に少なくない被害をもたらした事に対する謝罪と、最善の判断を下し、私自身を小破程度の損害で済ませてくれたことに対する感謝の意を伝えに来たのよ。何、どこかの曙みたいに、素直になれないツンケンした娘になっているのよ)

 少なくとも、怒りに来たわけではない。どうにかしてそれを伝えなければいけない。けれど、どうする? どうやって彼に誤解であると伝えれば良いのだろう? 自分はただでさえ感情表現が下手くそなのに、どうすればいいのか。

「ご、ご、ごめんなさい! もうしないから、許して!」

 つかつかと歩んだ挙げ句、加賀は提督のすぐ側まで来た。そうして、これから手を振り上げて平手打ちでもされるかとでも、この提督は思っているのだろうか?

(私……。普段、そんなに怒ってばかりいるのかしら?)

 そんなに生真面目で潔癖な堅物だと思われているのだろうか? 少し悲しくなりながら、加賀は椅子に腰掛けている提督に……。

「もう。馬鹿ですね」

「え……?」

 硬い表情を緩め、穏やかに微笑みかけながら、提督の体を優しく抱きしめた。

「え? え?」

「私は怒りに来たのではありません。逆に、今回の不手際を謝罪しに来たのですよ。……さすがにちょっと、この様子にはびっくりしましたが」

「そ、そう、だったの?」

「そうですよ。だからそんなに怯えないでください。何も見なかったことにしますから」

 慣れない笑顔はもしかすると引きつっていたりするかもしれない。我ながらかわいげの無い娘だと、加賀は密かにため息をつくのだった。

「うん。……ごめんなさい」

「悪くないのだから謝ることなどありません。……強いて言うのならば、迂闊ですね。こういう事は、部屋の鍵をきちんと閉めてからしてください」

「はい……」

 その指摘は確かに、全くその通り。手の甲で涙を拭きながら、提督は声を絞り出した。

(……)

 赤ん坊のように顔を赤らめてしゃくりあげる提督。その表情を間近に見て、加賀は思う。思わずつばをごくりと飲んでから。

(……可愛い)

 どきんっ。と、一瞬胸の鼓動が高鳴ったような気がした。そして、込み上げてきた思いを素直にぶつけてみせる。見なかったことにするつもりだったけれど、忘れられない思い出を作ってみたいと思ったから。というわけなので、あっさりと前言を撤回することにした。

「提督。……そんな本を見て一人でするより。私と、しませんか?」

 加賀からのお誘いに提督は上目遣いの眼差しを向ける。

「加賀……?」

 加賀は無意識のうちに、ぺろりと舌を舐めていた。提督にはそれがとても艶めかしく見えた。加賀にとっても提督にとっても初めての、熱い体験が始まる。










…………










(大きい)

 提督のものは、年齢と、小柄で細い体とは打って変わって大きくて、益荒男のそれを思わせるものだった。そそり立つものの威容に、加賀は一瞬圧倒された。

「手伝ってあげると言ったでしょう?」

「う、うぁぁっ!」

 加賀の手が提督のものを握りしめ、上下に素早く動きしごき続けている。ずりゅずりゅと生えかけの薄い陰毛が擦れ、加賀の細い手指を先走り液が汚す。

「自分の手でするのと違いますか?」

「ぜ、全然違う。うぁぁっ! だ、だめ!」

「だめではありません。我慢せず、イってもいいです。思いっきり飛ばしてください」

「くあぁぁっ! で、出る! 出ちゃう!」

「出してください」

 加賀は手加減を知らない。提督はあっという間に絶頂を迎えさせられてしまう。びゅくん、びゅくん、と波打つようにして、射精は始まった。その勢いは凄まじいの一言だった。

(……。すごい)

 提督のデスクからドアの方まで、数メートル。その上の天井にまで、大量の精液が吹き飛んでいき、びちゃっと当たって落ちていった。

「あああぁぁぁっ!」

「ものすごい射程距離……。さすがです」

 長射程だけじゃない。連射も、量も半端なものではなかった。まだ毛も生えそろっていないのに、これほどとは。超長距離射程に惚れ惚れする加賀。表情を緩め、満足したような笑みを見せる。

「あぁぁ……」

「でも、一発で終わりなわけはないですね」

「え?」

 射精が終わり、手の平にこぼれた精液をぺろりと舐めてから、加賀は立ち上がる。

「次は……。そうね。今度はあなたの甲板の上で、遊ばせてもらいます」

「わっ!」

 加賀は提督の体をベッドの上に横たわらせ、その上に跨がる。

「……あまり艦載機を乗せられ無さそうな胸ですね」

 薄くて白い胸板。頼りなさ気な優男といったイメージ。

「あ、当たり前だろう! 僕はまだ……子供なんだ」

「そうですね。でも、主砲は立派なものでした」

「何を……! 何をするんだ!」

「主砲がちゃんと使えるのは、今の演習でよくわかったわ。今度は実戦。よく狙って撃ってください」

 しゅるり、と布地が擦れる音。加賀の袴がするりと落ちていく。そしてごく自然に、残った下着もずり降ろしていく。恥じらいに加賀は頬を赤らめるが、それ以上に好奇心が湧き出してたまらない。

「うわあっ!」

 そのまま一気にずぶり、とめり込む感触。提督のものを手で握り、入り口に宛てがい、腰を落とす。

「んっ!」

「だ、だめだ! やめろ……!」

「やめません。このまま続けさせてもらいます。く……」

 ず、ず、ず、とめり込み続ける。加賀自身も強烈な圧迫感に歯を食いしばっている。

「くふっ。んっ!」

「加賀……。痛く、ないのか?」

「……も、問題、ありません。んんっ」

 こんな状況において、人の事を心配しているとか。この提督はどれ程お人好しなのだろうか。

「それに。加賀は……僕とこんなことをして、平気なの?」

「質問の意味がわかりかねますが?」

「僕は……加賀に嫌われてると思ってた。それなのに、こんな事して……嫌じゃないの?」

 ああ、そういう意味か。やはり誤解は解けてはいなかった。ならば、正直に言うしかないだろう。コミュニケーション不足は時として深刻な実害をもたらすのだから、いい加減にしてはいけない。

「私は。好きでもない人とこの様な事ができるほど、落ちぶれてはおりませんし、尻軽でもありません」

「そう、なの?」

「そうですよ。……先程も言いましたが、今回の戦闘で頭に血が上った私が不始末を犯したことを謝罪するのと同時に、提督の適切な指示で助けて頂いた御礼をしに来たのですから」

 話をしているうちに、全てが加賀の中へと埋まり込む。血気盛んな自分と、冷静だった提督。普通は逆なのだろうに、おかしなものだ。加賀の、むっちりとした太股が提督の腰回りを包み込む。

「提督。私は、貴方の事を信頼しているのですよ。……当の本人に、全くそうは思われていなかったのが、悲しいですが」

 わかってはいた。普段からあんな素っ気ない態度を取っていれば、無理もない。全ては自分の責任だ。けれど、こうなった以上、そんな事はもうどうでもいい。この状況を楽しみたい。そして、加賀という娘をもっと知って欲しい。

「提督は、私の事が嫌いですか?」

 その問いに、大げさなくらい勢い良く頭を振る提督。

「嫌いなんかじゃ、ない! ……どうすれば仲良くできるのかなって、いつも考えていた。でも……僕の伝え方が、下手だったんだ。上手くいっていないとは、ずっと思っていた。このままじゃいけないって、そう思っていた。でも、どうすればいいのか全然わからなかった」

「そうですね。……私も、仲良くしたいと思っていました。上手くいかないものですね」

 けれど、提督が言っているように、上手くコミュニケーションができなかった。そして、今がある。過去はどうにもならないけれど、大切なのはこれからだ。

「もっと、仲良くしましょう」

「うん」

 ずぶずぶと、加賀の中にめり込んでは引き抜かれるもの。膣内のひだに擦れては、痺れるような快感に加賀は酔いしれる。トランポリンの上を跳ねるように、ずにゅずにゅと何度となく上下に揺れてみせる。

「ん……。あ……。提督。達しても、いいですよ?」

「う……。でも。こんな早くじゃ……」

「早漏だなんて、馬鹿にしたりしませんよ」

 多分そんなことを気にしているのではないかと思い、くす、と微笑みかける。プライドなどは関係がない。ありのままでよいのだから。

「思う存分、私の中を堪能してください」

 ……余裕たっぷり。加賀の佇まいに大人の女性の魅力を感じる提督。しかし実際は違った。

(て、提督……。早く達してください。じゃないと私が先に……達してしまいます。こんなに早く……)

 提督の大きなものが容赦なく、ずぶずぶと奥の方までめり込み続けている。その刺激はなかなかに強く、気を抜いたらあっという間に意識が飛んでしまいそう。

「く、ふっ。あっ。提督……。私の中は、どうですか?」

「うん。気持ちいい。さっき出したばかりなのに、またいっちゃいそう」

「そう」

 落ちついた受け答えは我慢の上に成立っていた。

(くうう……。ま、まだですか。提督……。いっちゃいそう、じゃなくて早くいっちゃってください)

「あ、あ、あ!」

 ぐちゅん、ぐちゅん、と加賀の白い肌が震える。汗ばみ、艶のある大きな尻が提督の小さな体を包み込むかのように上下している。

「あ……。あ……。っふぅ」

「加賀の方こそ、どうなの? 僕のなんかじゃ感じない?」

 とんでもない。今にもイかされてしまいそうですと加賀は思う。ずぶ、ずぶ、と音を立て、結合部が更に湿りを帯びていく。

「いいえ。とても、幸せな気持ちです。そのまま続けてください」

「あ……っ。だめ。僕、もう……」

「はい。いいですよ」

 間一髪、といったところだろうか。提督の方が先に絶頂を迎えた。ああ、よかったと加賀は思った。

「加賀……。離れて。じゃないと僕、中に……」

「ええ。出してください。思う存分。……あっ。熱いのが……込み上げてきます」

「ああああああっ! そんなっ!」

 先程の、部屋の片隅まで吹っ飛ばす位の射精が、加賀の膣内にされていく。ずびゅ、ずびゅ、と強烈な注入。体の中が爆発するかのような射精。

「くぁっ! 装甲が、突き破られそうです……。く……っ!」

 そのくらいの勢いと量。見事だと加賀は思った。そして、提督の絶頂に紛れるかのように、加賀もまた達していた。

「はぁ、はぁ……。僕、いっちゃった……」

 事ここに至り、加賀もまた絶頂を迎えたことをさりげなく白状する。

「私も、です。堪能しました」










…………










 全く、自分は何をやっているんだろう。軽く目を伏せ、額に手を当てる加賀。

「……順序が逆だった、かもしれません」

「かもしれないじゃなくて、思いっきりそうだよ!」

 色々した後で、思い出したように初めてのキスをする二人。加賀もちょっと、夢中になりすぎたかなと思っていた。こんな、自分よりも遥かに小さい少年にのし掛かって純情を奪ってしまった。勢いもあったけれど、やりすぎた。

「提督は、優しいですね」

「指揮官としてはまだまだ甘いとか、そう言うんだろう? 一人前にはほど遠いって」

 提督は少し拗ねているのだろうか? そして、自分はそんなに厳しいとか毒舌家だとでも思われているのだろうか。加賀は苦笑しながら、軽くため息をつくのだった。

「いいえ。きちんと現実を見ていらっしゃいますし、いつもしっかりと任務を遂行していらっしゃいます。甘いだなんて、思いませんよ。提督は立派な司令官です。一人前だと思っています」

 以前からもそうだったけれど、今回の件で加賀は完全に提督を信頼するようになっていた。誰か、提督を攻撃する者がいたら、全力で守ってあげたいと思う。

「あ、あの。加賀……」

「触りたい、ですか?」

「……」

 提督の視線の先は加賀の胸。直に見て触りたいと、僅かに頷く提督。加賀には拒否する理由などなかった。

「少し、後ろを向いていていただけませんか?」

「あ……。うん」

 これだけしておいても、何故か服を脱ぐところを見られるのは恥ずかしく感じる加賀。そして、同じくここまでしておいて尚、ドキドキしながら待っている提督。しゅるりという音が紐を解いていて、ゆっくりと道着やたすきを脱いでいるのがわかる。

「いいですよ」

 提督が振り返ると、黒いソックス以外に全ての衣服を脱ぎ去った加賀の姿。霰も無い姿とはまさにこれ。

「大きい」

 一瞬見ただけで印象に残るほど、むっちりとしていてボリュームたっぷりの胸。乳輪と乳首も淡い桜色で、程良い大きさ。少しツンと尖ったような形。少し身じろぎするだけで、ぷるんと震えている。

「……。大きいのは、お嫌いですか?」

「き、嫌いじゃない」

 提督は違うと頭を振った。自分の何気ない一言が、加賀を傷付けたり怒らせたりしてしまったかもしれないと思ったから。

「どうしたいですか?」

 何でもしていいですよと、加賀は思う。

「さ、触っても……いい?」

「はい。おっぱいが、いいのですね?」

 加賀はおっぱいという単語を、わざと強調して言ってみる。提督が恥ずかしがるだろうから。そして加賀の予想通りに提督は恥じらい、その様を見て加賀はまた『可愛い……』と、密かに身悶えするのだった。

「う、うん」

 提督はおずおずと、二つの膨らみに触れる。遠慮がちに、ただ軽く触れただけ。

「もっと思うがままに触ってください。多少強く揉まれたくらいなら、大丈夫ですから」

「あ、ありがとう。じゃあ……そうする」

 ――それからしばらくの間、提督は加賀の胸をいじり倒した。ぎゅ、と鷲づかみにして、絞るようにこね回したり。乳首を指先でふにふにと転がしてから、交互に吸い付いたり。胸の谷間に顔を埋め、息が止まるくらい甘えてみたり。

(なんだか、母親になったみたいです)

 しばらくの間、好きにさせてあげた。いじくられて、気持ちもよくて、そのままで居続けたかった。

「ん……。満足しましたか?」

 とろけるような時間が過ぎていった。

「うん」

「でも、提督のここはカチカチのギンギンです。まだまだ、したいのですね?」

「う、うん」

 そんなに何度もしてしまって、大丈夫なのだろうかと、提督は不安になっていた。加賀は穏やかに目を伏せ、新たな提案をするのだった。

「私の甲板に、腰掛けてください」










…………










「こ、これでいいの?」

「はい。よろしいかと」

 仰向けになって横たわる加賀と、その上に跨がっている提督。提督の大きなものが、加賀の大きな胸に挟み込まれている。

「胸部装甲で局部を包み込まれると、殿方はえもいわれぬ悦びを感じると聞いております」

 提督のものは極太で、尚かつ長大だった。加賀の大きな胸をもってしても埋まり込むことはなく、先端部分がちょこんと飛び出している有様。

「このまま動いてください。思う存分。遠慮することはありません」

「で、でも。動くとその……加賀の顔に当たっちゃうけど……」

「構いません。口でも、して差し上げますから」

 加賀は言いながら、ぺろりと舌先で亀頭を舐める。

「さあ、始めてください」

「う、うん」

 ずりゅ、ずりゅ、とゆっくり動き始める。

「本当に、立派な単装砲です。……が、甲板の上にあると、艦載機が発進も着艦もできませんね」

「そんな事言われても……」

 時々かぷりと亀頭を軽く口の中に咥え込みながら、とぼけた事を言う加賀。

「きっと、周り中から非難囂々です。早く全弾打ち切って、どかさなければいけません」

 加賀は自ら胸を掴んで寄せ上げ、しゅこしゅこと素早く前後に揺さぶる。右、左、右、左、両方……ごしゅごしゅと手で搾り出すのと同じような要領で一気に。

「ああああっ! だめっ!」

「何がだめなのですか」

 提督が悲鳴をあげる。ふにふにと柔らかくて、それでいてしっかりとした張りがあって堅いような、そんな感覚が提督のものを一気に包み込む。手でしごくのとはまるで違う快感に、一気に達してしまう。経験の少さもあって、堪えようがない。

「出してください」

 加賀は静かに言った。少しだけ口元を歪め、悪女のような笑みを見せながら。

「くああああああっ! だめっ! 何でおっぱいがこんなに柔らかくて、それでいてものすごくかたいんだよっ! 抜けないっ! 早くおっぱいロックを解除してよ、加賀!」

「だめです」

 提督は必死に引き抜こうとしたが、加賀の胸でがっちりと拘束されていて、無理だった。そして運命の時。加賀に向け、天井方向からの攻撃もとい射精が始まる。

(主砲発射、ですね)

 わくわくしながら全弾を顔や口で受け止めようとする加賀だったが……。

「んっ! くっ! あっ! 痛っ! あぅっ!」

 びしびし、ばちん、と眉間に石でも当たったかのように痛かった。軽く涙目になっているけれど、その間も射精は続く。ばちんばちんばちんと、往復ビンタでも食らってるかのように痛い。これまでの射精とは比べものにならないほど強い。そして、量も多くてむせ返る。

「な、何でただの射精がこんなに……あぅっ! い、痛いのよっ! ふざけないでっ! あっ! ああっ! うぶっ! くぁっ! う、うぅ……一体全体、何発出すのよ! 痛っ! あぐっ!」

「そんなの知らないよ!」

 互いに理不尽な目に遭った為、抗議し合った。実に滑稽で、勝手なものである。

「こうなったら、朝がくるまでやってやる。覚悟しろよ」

 提督からの宣戦布告に、加賀も応じる。

「望むところ。私も、頭に来ましたので。全力で応戦します」

 それからまた、取っ組み合いのような交わりが始まる。こうして二人は朝まで仲良くやりまくっていく。










休日前のとても平和な一時。










----------後書き----------

 加賀さんなお話でした。

 年下の提督相手に、きっと朝までたっぷりと楽しんだことでしょう。


ご感想を頂けると嬉しいです。





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