いつでもどこでも
それはとてもよく晴れた日曜日の事だった。 賑わう街角には制服姿のクドと理樹。言うまでもなく、仲睦まじくデート中。 「これ可愛いです」 「そうだね」 陽光が辺りを優しく照らす中、二人は散歩感覚で気ままに雑貨屋に入ってみたり、古着を物色してみたりと完全にリラックスしている。そんな時。 (あ……) たまたま入ってみた古本屋にて、クドは成人男性向けの雑誌が置いてあるのを発見。それはもうとてつもなく大胆で、男を誘うように妖艶な表情をした女性が表紙を飾っている。無論全裸で、口紅を塗った唇がなまめかしい。クドは赤面し、見てはいけないものと思いすぐに目を背けるけれど、そのインパクトはなかなか強烈だった。 そうしてクドの中でもやもやした感情がわき上がり、解消できないまま古本屋を出て再び通りを歩む。 「リキ。あの、あの……」 「うん?」 「あの……。わ、わふ……。んしょ」 理樹と話をしようとしたらベレー帽がずれてきた。両手で押さえて直しつつ、クドは恥じらいの表情を見せながら何かを言おうとしていた。 「お願いしたいことがあるんです。その……。とても恥ずかしいことなんですが」 「何かな?」 「わふぅ……」 もじもじとしているクドに対し、理樹はにこりと笑いかけてあげる。その笑顔が逆に、クドがますます言い辛くなっていく要因だった。 「言いにくいこと?」 「……です」 「そっか」 理樹は少し困ったように首を傾げながら言った。 「どんなことなのかな? やっぱり気になるよ」 「それは……それは……。え、えっちなこと……なのです。とても。……はふぅ」 理樹にとっては意外だった。クドの方から求めてくるなんて、これまで滅多になかったから。 「え? ど、どんなこと? えっと……。ほら、今なら人もあんまりいないから耳元でささやいてみて。早く」 丁度通りは人影もまばらになっていて、理樹はクドに督促する。 「わふぅ……」 このお話、なかったことにしてくれないですか? くれないですよね……。やっぱり言わなきゃダメですか? だめですよね……。クドはそんな風に自問自答しながら決心し、顔を真っ赤にしつつ、理樹の耳元で微かにだけどはっきりと呟いた。 『突然……り、リキのおち○ちんを……その……。お、おしゃぶりしたくなってきちゃったんです。わ、わふ〜〜〜……!』 …………
古本屋で感じた一件は確かに影響大だったけれど、それにしてもどうしてこんなに興奮してしまったのだろうか? はっきりとした理由は最後までわからなかった。もっとも、今となってはどうでもいいと、クドはそう思うことにした。今の状況が状況なので。 (理樹もああいう雑誌を見て、その……一人えっちしたり、するんでしょうか?) 一つはっきりとしているのは、クドの中で無意識のうちに謎の対抗心が生まれていたということ。 「ん……ん」 立ち尽くす理樹の股間にクドはひざまずき、口での愛撫を実施中。 理樹は思う。多分、突然むらむらときて、つまるところ動物的に発情したというか欲情してしまったのかな、と。そういうことは自分もあるし、とも。時折、クドとえっちなことをしたくなることくらい、当然のようにある。だから決して悪いことじゃなくて、嬉しいこと。あの後、恥ずかしさに硬直してしまったクドに理樹は言ったものだった。 『……いいよ。じゃあ、折角だからしてもらおうかな』 そして、人目につかない場所がないか探してみる。――結論からいうと、そんなところは見当たらなかった。どこまでいっても人影が完全になくなることはなく、建造物の物陰など都合良くあるはずもない。 『なかなかないね。できるところ』 『そう、ですね』 決して人に見られてはいけない行為なのだから、場所選びは慎重に。理樹はクドの小さな手を引きつつ歩み続け、結局たどり着いたのは郊外の公園。……その更に裏手の、こんもりとした茂みの中だった。 『ここなら大丈夫かな。いい?』 『はい……』 二人揃ってきょろきょろと辺りを見回す。人の気配はない。これなら大丈夫そうだ。理樹は制服のズボンに手をかけて、チャックをゆっくりと降ろし、はちきれんばかりに大きくなっていたものを取り出す。何だかんだで、クドにおしゃぶりしてもらえると考えれば考える程、興奮を抑える事はできなくなっていたのだから。ぷるん、と震えながら出てきたものにクドは目を見開いて驚いてしまう。 『わふ!?』 理樹は照れくさそうに笑う。 『あは。クドにおしゃぶりしてもらうって思っただけで、こんなに起っちゃってさ。誰かにばれたりしないか冷や冷やものだったんだよ』 『お、大きい……です』 『じゃ。してもらえるかな? おしゃぶり』 『はいです……』 こうしてクドはひざまずき、理樹のものをかぷ、と口でくわえ込むのだった。小さな口を目一杯開き、ゆっくりと顔を前後に動かす。ちゅく、ぷちゅ、と湿りを帯びた音が響いていく。 ――と、今はそんな事をし続けているのだった。 「んく、んく」 「嬉しいなあ。クドにおしゃぶりしてもらえるなんて」 理樹は健気なクドを見ていて、愛らしい子犬がじゃれついているかのように感じられた。 「デート中に突然したくなっちゃったの?」 「ん……。ぷふ……。はい、ですぅ。何故か突然、リキのお○んちんをお口でおしゃぶりしたくなっちゃったんです。お口でくわえて、なめなめしたくてたまらなくなっちゃったんです」 クドはくわえこんでいたものを一旦離し、舌先でぺろぺろと、例えるならばソフトクリームをなめるような愛撫をしつつ、これまでのいきさつを説明する。 「クドはいけない子だね。子犬っぽいからなあ。発情しちゃったんだね、きっと」 「はい……ですぅ。ん、ん、ん」 再びくわえ込む。大きくて固くて、それでいて柔らかいようにも感じる理樹のもの。口に入りきらないくらいにそそり立ったものを、クドは必死に口内で包み込む。 「あー気持ちいい。クドのお口は柔らかくて暖かくて、とろけちゃいそうだよ」 相変わらず日差しは程よく差し込んでいて、穏やかな風が気持ちいい。爽やかな雰囲気の中で正反対の行為を続けていることに、二人とも興奮を隠せない。 「ん、んく、んく」 「クド。手も使って。……そうそう、いい感じ。そんな感じで周りも撫で撫でしてくれると嬉しいな」 理樹に言われるがまま、クドの小さくて柔らかな手が、丸い二つの膨らみへと触れる。 「んぅ、んぅ、んぅぅ」 「今のクド、すっごくいやらしくてエッチな顔してるよ。お口いっぱい開けて、男のお○んちんくわえこんでるんだからね」 自分が今どんな風に見られているのかを想像し、クドはますます恥ずかしくなっていく。 「外見は幼いのに、心は立派な大人なんだね」 「はふ、はふ、あふ」 幼くないですと言おうとして、少し考えてやっぱり幼いですと思って少し凹むクド。 「ほら、目を開けて」 「んぅ? ……んっ!?」 クドが目を開けた途端、カシャ、とシャッターが切られる音。上目使いで見やると、理樹が携帯を構えて写真を撮っていた。 「うわぁ。えっちだ」 「んーー! んぅーーーっ! ぷはっ。り、リキ! 何撮ってるですかーっ!」 「だって、すっごくえっちだから。無修正だし」 当たり前のことに感動している理樹だった。 「この写真があれば、クドを脅していいなりにできちゃったりするのかな?」 微笑みながらさりげなく邪悪なことを呟く理樹。 「り、リキ」 「冗談だよ」 「冗談、なのですか?」 「え?」 「私はやっぱりえっちな娘です。……リキにえっちな写真を撮られて、脅してほしいなんて思っちゃいましたから。逆に、いいなりにして欲しいです。おち○ちんおしゃぶりしてる写真を誰かに見せるぞとか、学校にばらまくぞとか」 「クド……」 「でも、もうそんなことをする必要なんてないです。だって……」 クドは再び理樹の股間に顔を埋め、裏筋に舌を這わせながら言った。 「私はもう……リキのいいなりなのですから……。んん……」 それから数十秒間、クドはフェラに集中していった。唇と舌を駆使して柔らかく包み込んでは顔を前後に動かしてこすれ合わせる。それはもう積極的に、縦横無尽な動きで。 (リキのお○んちん、おいしいのです……。全部飲んじゃいたいのです) 「クド、そろそろ出すよ。クドのお口の中に。むせないようにね」 「んく、んく、んん」 はいです、とクドの声が表情から読み取れる。愛撫の速度が更に早まっていき、やがて理樹は堪えきれなくなって射精が始まり、びしゃりとクドの口内へ叩きつける。二度、三度と繰り返され、溢れそうなくらいどぷりと溜まっていく。 「ん、ん、ん……っ!」 「どうしようかな。折角だから飲んでもらおうかな。……そうだ」 射精も終わった頃の事。何を思ったのか、理樹は突然クドの口から引き抜き、クドに言った。 「クド。ストップ。まだ飲んじゃダメ」 飲む寸前で止められて、クドは呼吸を止める。 「んぅ?」 「あっちにさ、自販機あるよね。見える?」 「んうぅ」 こくりと頷くクド。 「ジュース買ってきてよ。口の中に溜め込んだまま。……でも、それだけじゃ物足りないかな」 「んふぅぅっ! ん、んうぅ!」 独り言を呟くように理樹は言いながら、亀頭をクドの顔面に押し当て擦り付ける。口から引き抜いて拭いてもいないそれはぐちゅぐちゅと音をたてて、クドの顔中をあっと言う間にべとべとに、唾液と精液まみれにしていく。 「さ、行ってきてよ。僕はここで待ってるから」 「……」 「僕のいいなり、なんでしょ?」 その通りだ。クドは頷きながら立ち上がり、歩んで行く。 ――相変わらず人影はまばら。けれど誰もいない訳ではない。 (リキは……意地悪です) 顔を手で隠したり、精液を飲み込んだり、それらはすべて禁止事項。猛烈に恥ずかしいけれどしかし、拒む気はまるでおきなかった。何故か? (でも……。もっと、いじめてほしいです) 小さな子供がクドのそばを元気に駆け抜けていく。クドの異変にはまるで気づいていない。 (私のお顔とお口はリキのザーメンまみれなのですよ?) 赤い色をした自販機へとたどり着く。硬貨を何枚か入れて適当にボタンを押す。一本買い、二本目を取り出し、踵を返す。 (わふぅ。何だか本当に発情しちゃったみたいです) 早く理樹のところに戻りたい。口内にたっぷりと溜められているものを飲み干したい。そして理樹に更なる行為を求めたい。クドはいつしか小走りになっていた。 ジョギングをしている人が走り過ぎる。自転車に乗った若い男性が勢いよく通り過ぎる。犬の散歩をしている人、もとい犬に引きずられている人がわずか数メートル脇を通り過ぎる。皆、クドのことに気づいてはいないようだった。いつまでばれずにいるかなんてわかりはしない。クドは堪えきれなくなって駆け出していた。 (ば、ばれてないみたいです。リキ……リキ……っ) 茂みをかきわけ。理樹の元へと戻ってきたクドは物憂げなまなざしを向ける。しかし。 「おかえり」 「買ってきましたです」 「うん。……はい、お座り」 「わふ……」 犬の仕付けと同じだった。クドは言われた通り、その場にちょこんとしゃがみこむ。三秒、五秒と過ぎたところで理樹は言った。 「飲んでいいよ」 「ん、ん……んふぅ……」 こく、こく、と喉を僅かに鳴らしてクドは理樹の精液をすべて飲み干した。やっと飲ませてもらえた。クドは嬉しそうに笑顔。 「おいしそうに飲むね」 「はい、です」 「飲んでもらったばかりで悪いんだけどさ。もう一回、おしゃぶりしてくれないかな?」 二人共、一度だけで満足できるはずがなかった。 「はい! いっぱいしたいです!」 「じゃあ、はい。……着たままだから大丈夫だよね」 「は、い。……はむ、あむ、あむむ、ん」 愛情のたっぷりこもった口遣い。鳥のさえずりが聞こえる中、二人はひたすら交わりに没頭していった。 …………
――夕暮れ色に染まる教室。とっくに下校時刻を過ぎていて誰もいない。二人を除いて。 ぱちん、ぱちん、ぱちん、と三度音が鳴る。クドの目の前でリキが指を鳴らす音。それを聞いたクドは硬直したようにぴたりと立ち尽くし、そしてやがてリキの前に屈み込みチャックを開け、そそり立った物を引っ張り出して手で押さえ、ぱくりとくわえ込む。 「わふぅ……」 窓際の席に腰掛け、外の方向を眺め見ている理樹。机と椅子によって廊下側からは一見何をしているのかは見えない。 「はむ、あむ……」 指を三回鳴らすのは理樹がクドにおしゃぶりをして欲しいなって思った時の合図。いつでもどこでも例外はない。 「クドは本当にえっちな子犬だよね」 小さい口が張り裂けそうなくらい目一杯開けて理樹のものを頬張るクド。唇で包み込み、うごめく舌で絡め、柔らかな頬をすぼめ、喉の方まで深く擦れていく。 「ん、ん、ん」 とにかく一生懸命で健気。理樹はクドの頭に軽く手を置いて前後の動きを楽しんだ。小さくて可愛くて綺麗な娘がなんでも言うことを聞いてくれるのだから、最高に幸せ。 「今度の日曜日も、デートしようね」 「……」 くわえたものは離さずに上目遣いで笑顔。それは、『はいです!』と同意の意思表示。くちゅ、くちゅ、と途端に湿った音が大きくなっていく。弄ばれているのは、もしかすると自分の方なのかもしれないなと理樹は思った。 (ぺろぺろするの、大好きです。やらしい音が聞こえてきます……。じゅるじゅる、じゅぽじゅぽ……。また全部飲んじゃいます……) クドはたまらずに愛撫をしながら飲み込む。ずず、ずず、とすする音も聞こえてくる。けれど理樹はまだ射精をしていない。出し惜しみをしているのだけれども、長時間持つわけがない。 「んぐ、んぐ」 「おいしそうに飲むよね〜。嬉しいよ」 言いながら理樹は射精。勢いも強く溢れんばかりの量。クドはもう慣れたのかむせ返ったりはしない。それに、これだけで終わるわけがないとわかっているから、クドは理樹のものをくわえたまま。 「今度は僕が動かすから、むせないようにね」 「んん」 理樹はクドの頭を両手で掴んで前後に動かし始めた。それはもう、おもちゃを扱うように。 (恥ずかしいこと、してます。男の人のお○んちんをおしゃぶり……。教室で……) 飲みきれずに溢れ出た精液が口元を汚し、糸を引いてたれていく。 「んん、んぅ、んんぅ」 夕暮れ色が段々と濃くなっていく。そんな中クドは揺さぶられ、弄ばれていく。理樹はクドの頭を前後に動かすのと同時に、自らも腰を前後に揺さぶっていた。 (リキがしたい時にしたいところで……何でもするです) ――この前は今と似たような時間に階段の踊り場でおしゃぶりをした。その前は体育館裏で。そのまた前は男子トイレの個室に連れ込まれて、そこで。次はどこでしてくれるんだろう? 考えれば考える程興奮が止まらない。 勿論口でするだけじゃない。まだまだいっぱい色んな事をしていきたい。熱い夜はもうすぐそこまで迫っているから、場所を変え、行為を変え、何度でも交わっていきたい。二人は揃ってそう思っていた。 ----------後書き----------
ここしばらくお話書きが低迷していましたが、ちょっと復活の短編(えろ有)。 リトバスではクドが一番好きなんだなぁと書いていて思うのでした。 |