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ことみの悪戯










 興味本位。何気なくやってみたといったところ。あーんと口を開け、ぱくりと一口でくわえ込む。それは小さくて柔らかくてふにふにしていて、それでいて程よく弾力があった。……先端にちょこんと付いているそれを唇をすぼめて包み込み、ふにふにと転がせる。

「んん」

 ことみが口でいじっているのは自分の胸……お餅のように白くて大きくて真ん丸なバストの先端だった。桜色をした小ぶりな乳輪と、サクランボのような乳首がツン、と突き出ていた。

 事の経緯は十数分程前に溯る。

 ――自宅、夜、一人。……ただし、ほんの数分前までは側に朋也がいて、一緒に晩ごはんを食べたりお話をしたり、とても楽しいひとときをすごしていた。朋也が帰り、食事の後片付けはすぐに終わって、エプロンを外そうとした時にことみは何となく、朋也に言われたことを思い出していた。

(私の胸。大きいの?)

 そんなことを意識したことはあまりなかった。大きさを誰かと比較することも。だから朋也に言われたその一言が結構な印象として残っている。もっとも、過去にはことみの友人の杏に背後から揉まれたりいじくられたりして、その際に『結構あるわね』とか言われたものだが、そんなことはすっかり忘れてしまったようだった。

(そうなの?)

 じっとブラウスの胸元を眺め見る。確かにふっくらとした膨らみがブラウスをはちきれそうなくらいに圧迫しているし、ブラのサイズもかなり大きめな方なのかもしれない。久しぶりに着ようとした冬物のセーターの胸の部分が伸びてしまっていたり、Tシャツが胸につっかえてしまったことなどを思い出した。

「……」

 もう少ししっかりと確認したくて、ことみはブラウスのボタンを外し、ブラをずらして胸元をはだけさせてみる。

「おっぱいふわふわ。ぷるぷるなの」

 しばらくの間まじまじと見つめてから、自分の胸を自分で掴み、触ってみる。とろけそうに柔らかな感触。指がめり込んでいくくらいにボリュームもたっぷりで、ことみの小さな手や指では隠しきれない大きさ。朋也が言う通り、同年代の娘達と比較してもかなり大きい方なのかもしれない。

(朋也くんに、触って欲しかったの)

 そう思ってみても朋也はいなくて、何だかだんだん寂しくなっていく。

(おっぱい……触って。こんな風に)

 ことみは自分の胸をおもちゃのように揉みしだく。朋也に揉まれていることを想像して。ふさ、ふさと、優しくこね回してもらってそして……。

(赤ちゃんみたいに……ちゅーちゅーして)

 ことみはいつの間にか硬くなり、ぴこんと尖るように飛び出ていた乳首を唇をすぼめて包み、吸い付いたり舌先でなめ回したりといじくる。

「んく、ん。ん、うん」

 自分で自分の胸を弄んでいる――。とてもいけないことをしている。ことみは誰かに叱られそうな気持ちになっていた。怖い……。でも、今は一人なのだから大丈夫と自分に言い聞かせて続ける。

「んっ」

 こそばゆくて思わず体がひくついてしまうけれど、やめられない。むしろもっと強くしてみようと思い、絞り上げるように手に力を込める。ぐにゃりと潰れてしまった膨らみが何故だかおかしくて愛しくて、更に力を込める。

(あれ?)

 ふと、不思議な感触。

(おっぱい……れろれろすると……何だか気持ちいいの)

 舌先で転がされる乳首は湿りを帯び、ぷるぷると震えている。右、左と交互に愛撫を繰り返す度に、面白いように震えていく。

(朋也くんに、こんな風にして……欲しいの)

 朋也にしてもらいたい。ことみの望みはとてもいけないものだった。

「んっ。あっ。はぁはぁ……。ことみちゃん……ひらがなみっつでことみちゃん、は……乳首を摘まんだりぺろぺろしたりすると、気持ちよくなっちゃうえっちな女の子……なの」

 はしたない。そんなこと、朋也には絶対に言えない。

「あ、ん。恥ずかしい……けど、おっぱい気持ちいいの。はむ……んむ……。敏感、みたいなの」

 ことみはいつしかリビングのソファーに腰掛けて、気が済むまで胸を弄び快感をむさぼり続けていた。大きな胸はひたすら歪み、形を変えていく。

「お股がぬるぬるになってきちゃったの……。ああ……。恥ずかしいの」

 ふと、気づく。胸をいじくり回していくうちにいつしか下半身に熱いものが込み上げてきていることを感じる。ショーツの布地に覆われた秘所を触ってみると、ぬるぬるした液体が溢れてきていることがわかる。悶え続け、びくびくと震える度にぬめりは増していく。このまま続けると果たしてどこまでぬめりが増していくのか? 段々と面白くなってきて無我夢中で愛撫を続ける。

「んっあっあっ。これ、気持ちいい……の。んんっ」

 このままではショーツはおろかスカートまで濡らして汚してしまう。ことみはショーツもスカートも脱いで、下半身丸出しになることにした。

「あんっ。は、恥ずかしい恰好……だけど気持ちいいの。おっぱい気持ちいいの。……どんどん濡れていっちゃうの。は、ぁ」

 二つの膨らみを、痛みを感じるくらい強く揉みしだき、乳首を引っ張り、折り曲げ、指の中でこね回す。快感が増幅され、尚も込み上げてくる。もう止まらない。

「あ、あ、あ、あ……。いっちゃう……いっちゃう、の。おっぱいで、いっちゃう……。あ、あ……あ……んっ! んっ! あっ!」

 ソファーの上で体を思いっきりのけ反らし、ことみは絶頂を迎えた。快感が雫となってぽたぽたとこぼれ落ちていく。

「はぁはぁ……。朋也くぅん……」

 ことみは粗い息をつきながら、朋也を求めた。熟れた果実のようにぐしょぐしょに濡れた秘所を指で大きく開き、その中に太くて熱いものをねじ込んで欲しいと、おねだり。

 誰もいない。朋也はもちろんいない。だからこんなことができたのであって、本来何も始まりはしない。そのはずだった。

「ことみ?」

「あ……」

 何故かいないはずの人がいた。見られてはいけないところを見られてしまった。

「……。朋也くんに、おっぱいが大きいって言われて……揉んだり触ったり、自分でなめなめしたりしていたの。そうしたら」

 弁明の余地などどこにもなくて、ありのままを白状する。

「だんだん気持ち良くなっちゃって……おっぱいだけで、いっちゃったの」

 何となく状況はわかったけれど、どんな顔をしていいかわからず呆然とする朋也。

「ことみ……。不用心だぞ。鍵かけ忘れだ」

「そう、なの?」

 帰り道、朋也は忘れ物をしたことに気付いて戻ってきたとのことだった。そうして玄関の鍵が開いていることを知り、迂闊者のことみに注意するためこっそりと足音を消しながら入ってきた。そうしたらリビングには自慰行為にふけり、淫らに体をよじらせながら喘ぎ続けていることみの痴態。

「朋也くん。えっち、したい……」

「いいけど……。俺じゃなかったらどうしていたんだ? 犯されたかもしれないぞ?」

「そんなの嫌なの。朋也くんじゃなきゃ、嫌なの……」

「だったら戸締まりはきちんとしような」

「ごめんなさいなの……」

 やれやれ、仕方がないなと朋也は苦笑しながらことみの頭をぽんぽんと撫でてやった。





…………





「んんんっ!」

 舌と舌を絡ませ合うくらいに情熱的なディープキス。そして同時にことみはソファーに押し倒されて、朋也が上から覆いかぶさっていた。もちろん、ことみの中には朋也の大きくて長いものが奥深くまでねじこまれて、ずん、ずん、と出入りを繰り返している。擦れ合うたびにじゅぷじゅぷと、潤滑油のようにこぼれ落ちていく滴。

「ん、んあっ! あ、あああっ! 朋也くんすごい。すごいの。深いの」

「胸だけでいくなんて、ことみはえっちだな。下の方も最初からぐちょぐちょだったし」

 朋也に言われるがまま、ことみの両手は今も胸をいじくり回している。ぐにゃりと引きちぎれそうなくらい強く引っ張り、先端をつぶすようにこね回す。相変わらず気持ちいい。けれど今はそれだけじゃなかった。

「そう、なの。おっぱい気持ちよかったの。でも……あ、あっ! ……あそこも、気持ちいいの。朋也くんのがいっぱい、なの」

 揺らされて、ぎしぎしとソファーが軋む。ことみの長い髪が散らばる。

「後でさ。パイズリしてくれよな。口でもくわえて」

「わかったの……。一生懸命するの。あ、あっ!」

 ことみは前に一度だけしたことがあって、朋也はとても気持ちいいと言ってくれたのを思い出していた。口を目一杯開けて喉の方までくわえ込んでおしゃぶりして、胸で挟んでしごいて、いっぱい出してもらったものをごくごくと飲み干して……。想像しながら恥ずかしさの余りことみはきつく目をとじる。

「もっと、なの。もっとして……欲しいの。もっといっぱい奥まで入れて……かきまぜ、て。あっ……」

 ことみは段々と意識が飛びそうになっていくのを自覚し、快感に身を任せ続けていった。


























----------後書き----------

 唐突にことみ話を書きたくなりましたので一つ。



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