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繰り返しの世界










 誰も気付かない。何とも思いもしない。それはあたかも、この世に存在していないかのよう。道端に落ちている小石のように、あまりにもさりげなくて印象に残らない存在。二人は今、この世界においてはそんな立場なのだった。

「誰もいない静かな浜辺でさ」

「ファック、しましたよね」

「盛りのついた野生動物みたいにね」

 もはや誤魔化すことも恥じらうこともなく、ただ淡々と、事実を証言するかのように口を開く美魚。文庫本を片手に、椅子に腰掛けながら思い出の時を振り返る。

「その時わたしが着ていた服がどんなものだったか、覚えていますか?」

「さあ? 何だったかな。……ああそうだ。確か、透明なレインコートを着ていたはずだよね。美魚のぺたんこな胸も、つるつるのお○んこも完全に丸見えだったよね。それで合ってる?」

「そうかも、しれませんね。……んっ」

 ずにゅ、とわずかによじれる感触。理樹のものが突然膨張したようで、むくりと起き上がったのだった。落ちついたかのように思えていた恥じらいも、動きが戻れば同じように込み上げてきて、美魚は改めて頬を赤らめる。

 ――椅子に腰掛ける理樹。美魚は椅子もとい、理樹の上に直接座っていた。そして、理樹の剥き出しになった、特大サイズの性器がずっぽりと膣内に入り込んでいる。美魚の子宮へとあっさり届くくらい、理樹のものは大きかった。

「あっ。ん。……誰も、気付きません。わたしがいたことなんて」

「そうかもしれないと、僕も思ったさ」

 最初は想像もしていなかったことだった。ふとしたきっかけから、もしかしてと思った。だから、思い切ったことをしてみた。理樹はあの、誰もいない静かな渚にて、突然美魚を抱きしめてから思う存分キスをして、その後に押し倒して四つん這いにさせて、交わりを求めた。儚げな印象の、日傘を差して佇む美魚の後ろから……立ちバックのスタイルで交わったものだ。白いロングスカートの布地を、彼女のお尻に当たる部分だけ丸ごと鋏で切り取って、下着をずり降ろして、密着した。いつしかそれは誰もいないところから、誰かしらいるところでの行動へと変わっていった。人が目の前にいるのにもかかわらず。小さな昆虫か何かが交尾をしていても、誰も気に留めはしない。それと同じ。結果として、二人の想像は正しかった。ここは、理樹のちょっとした望みが全て叶ってしまう世界。

「みんなが野球の練習している横を、駅弁ファックしながら練り歩いたよね。僕たち」

「そう、ですね」

「マネージャーの義務、だったよね?」

「はい。殿方の、溢れんばかりの性欲を処理するのは、マネージャーの務めです」

「僕だけの、ね」

「そうですね。直枝さん専属のマネージャーです。……いえ。性欲処理専門のマネージャー、ですね」

 ――二人以外、誰もいない図書館は静まりかえっている。理樹は尚も美魚と密着したまま両足を上げさせ、机の上に置かせる。上履きを脱がすこともないまま。

「はしたない格好だね」

「本当に、そうですよね」

 理樹が美魚の制服の、チェック柄の短いスカートをぴらりとたくしあげると、つるつるの割れ目に理樹のものがずっぽりとねじ込まれているのが丸見えになる。

「んっ!」

 理樹が無造作に結合部に触れて、クリトリスをこね回す。突然発生した強い刺激に美魚はびくんとふるえ、理樹のものを締め上げる。

「美魚ってさ。おとなしくて読書好きで、一見すると儚い清純な美少女だよね」

「中身は違うと、そう言いたいんですね?」

「中身は……。そうだなぁ。やっぱり変態かな」

「彼女を変態呼ばわりとはひどいです」

「でも、事実だし」

 そう。事実だと美魚自身も認めている。だが――。

「わたしをこんな風にしてしまった直枝さんも、充分変態です」

「違うね」

「んあっ!」

 ずにゅ、と美魚の中に更に深々と理樹のものが押し込まれる。口答えするなと言わんばかりの攻撃的な対応。

「ま○この奥までずこっと突かれて僕のズボンまでぬるぬるにして、だらしなくアヘ顔晒してるような娘に、同類だなんて言われたくないね」

「あ、あっ……」

 まるで否定できない。一言一句全てにおいて正しいのだから。普段の落ち着いた表情もどこへやら。美魚は呆けたような眼差しであんぐりと口を大きく開けてよだれをたらしている。美魚の体が軽く持ち上げられ、理樹のものが抜ける寸前まで達したところで、一気に体を落とされる。ずん、と杭を打ち込まれたような感覚に、美魚は甘ったるい声を漏らしてしまう。

「ひぐっ!」

 そんな事が何度となく繰り返されていく。小柄な美魚の体は軽々と扱われ、ひとたまりもない。

「気持ちいいでしょ?」

「は……ひっ! あっ!」

「ほら。雌犬みたいにアヘアヘしてないでさ。机の上に上がってみてよ」

「あ……」

 一度密着を解き、長机の上で美魚を四つん這いにさせ、背後から再び密着していく理樹。二人は大きな机の上で交わり、ぎしぎしと机の脚と床が擦れる音が響いていく。美魚のか細い声と、二人の吐息も併せて聞こえる。図書館の長机は今、二人にとってのベッド。

「図書館でずこばこしまくるのって、気持ちいいでしょ?」

「……。は、い。ずこずこ、ばこばこ、してもらって、幸せ、です。んんっ。あっ」

「素直な美魚、好きだよ」

「あ、あっ!」

 美魚のチェック柄のスカートがまくれ上がり、小さな尻が露わになっている。その尻は今、理樹の下腹部が激しく当たり、ぷるぷると柔らかく揺れている。理樹の手が這い回り、ぐにぐにと爪の跡がつくくらい強く、パン生地のようにこね回す。

「本当に、美魚のま○こは気持ちいいんだから。ぬめぬめしてて、暖かくて。締まりもいいし最高だよ」

「恥ずかしい……です」

 結合部から溢れ出た蜜のような雫が糸を引き、机を濡らす。机だけでなく、置いてあった開きっぱなしの本も同時に濡らしてしまう。美魚は既に何度か達していてたけれど、理樹は休ませてはくれない。

「でもさ。これだけ色んなことをしてても誰にも気付かれないのって、何だか物足りないよね」

「え……」

 理樹の気紛れで、世界の設定が変更される。もちろんより過激なものへと変わる。そうして美魚の心は更に羞恥まみれにされていく。










授業中。教卓の上で大股開き。










 美魚は既にスカートとショーツを脱がされていて、毛一つ生えていないつるつるの恥部を露わにさせられていた。明るい教室の光によって、美魚の白い肌が眩しく見える。

「みんなよく見て。ここが女の子の大切なところだよ」

 クラス中の視線が一カ所に集中する。美魚は今、性教育の教材役。こんな扱いをされても、誰も何とも思わない。出来の良い教材だとでも思っているかもしれない。自分は今人形なんだと思えば恥ずかしくなくなると、無理やりそう思う事にしたけれど、やはり無理だった。

「割れ目を指で開いてあげて、びらびらしたところを撫でてあげたり、穴を指でずぽずぽしたり、ちっちゃいおっぱいとか乳首をくにくにこね回して可愛がってあげたりすると、こんな風にお股がとろとろに濡れちゃうんだよ。……まあ、この娘はものすごい淫乱娘だから特にま○こが濡れやすいんだけどね」

 理樹は楽しそうに言い、美魚は目を見開いて絶句する。皆の前で淫乱娘宣言とはあんまりだと美魚は思う。けれど、淫乱娘と言われた瞬間、自分の股間からとろとろとした露がこぼれ落ちてくるのがわかる。

「ほらね。そろそろ準備がいいかな? じゃあ、今度は入れてみるよ」

「あ……」

 美魚の体の下に潜り込むようにして、理樹が入り込んでくる。そして美魚の体が上に乗せられ、太くて長いものがずぶずぶとねじ込まれていく。理樹はクラスの誰にも見えるように、しっかりと美魚の両足を開かせる。恥じらいの余り閉じようとしても、太股をしっかりと掴まれているのでかなわない。それどころか、折角埋没した理樹のものが抜けないようにと、手で押さえたりしてしまう。

「ほらほら、入っていくよ。これがセックスだよ。みんなもしてみたいでしょ?」

「あっあっ! だ、め」

「みんな、写真撮ってあげて。動画でもいいよ。遠慮無く頼むよ。……あ、そうだ。ヌード写真集作って、図書館に置こうか。いいな、それ」

「そんなっ! ああっ!」

 理樹が勝手な事を言い、皆が携帯を構えている。その瞬間、どくん、と心臓が高鳴った気がした。美魚の膣内が収縮して、理樹のものを締め上げ、気が付いたら腰を上下に動かしていた。

「この娘はさ、ご覧の通りみんなに見られて感じちゃうエロい子なんだ。進路はもう決まりだね」

「あっあっあっあっ!」

 もう、理樹の声も聞こえていないかのよう。絶頂が迫ってきている。早く達したい。気持ちよさが溢れてくる。小さな胸の膨らみすらぷるぷると激しく揺れるくらいに早く、体を揺さぶる。

「あ……。い、く。いっちゃい、ます……。あ、あ、あ! だ、め……っ! いっ……!」

 ずぷずぷずぷ、と交わる音が聞こえる。ぎしぎしと教卓の足が床と擦れる。そうして美魚は遂に、絶頂を迎えた。

「い、いくっ! いっちゃう! いっちゃい、ます! あ、あ、ああ、あ、ああああーーーーーーーーーっ!」

 それを見届けるかのようにして、理樹も射精を始めた。びゅくびゅくと膣内から溢れ、お腹自体ががふくれ上がりそうなくらいの量を出され、一気に逆流していった。びゅるる、びゅく、びちゃ、と教卓の前の机をべとべとに濡らしていく。精液の逆流が終わってすぐに、ぷしゃあああ、と細かい雫が飛び散っていく。美魚は絶頂を迎えると共に潮を吹いてしまったのだった。もちろん、それだけでは終わらない。

「やっぱりさ。人の目があると、全然違うでしょ?」

「……。はい。くぅぅっ!」

 ――休む間もなく、教卓の上で四つん這いにさせられ、尻を突き出させられている美魚。理樹はご丁寧にも剥き出しの尻穴に大きなルーペを当てて、皆に見えるように拡大させている。そしてあろうことか、尻穴のしわの数まではっきりと数え上げてしまった。

「あ、ああぁ。そんな……とこ。恥ずかしい、です……!」

「もっとみんなに見てもらおうね。美魚の恥ずかしい所を」

「あ、あ。はうぅっ!」

 ぺろりと、理樹の舌が美魚の尻穴を舐めた。ぬめっとした感触が美魚の背筋を震わせた。愛液の分泌が促進されていく。尻の穴が左右に広げられていく。理樹の人差し指の第一関節が入り込み、ぐにぐにとうごめいていく。突如、ずじゅ、と埋まり込む感触。

「あ、指が全部入っちゃった」

「あああああっ!」

 美魚は目を見開いて驚き、喘いだ。










そうして次なるイベント。――恥ずかしすぎる展示会が始まった。










 ざわつく廊下。教室側の壁には上履きとソックスとリボン以外全裸の美魚がロープで拘束されていた。そしてその横に、美魚の詳細なプロフィールがA4サイズのコピー用紙にプリントされて貼られている。身長体重、スリーサイズから乳輪の大きさ、乳首が勃起した時の最大サイズから性感帯、先程数えられてしまった尻穴のしわの数までありとあらゆることが。そして、一際目を引くものがある。理樹が持ってきたもの。美魚が所有している全ての下着を一枚ずつ壁にクリップ止めしていた。更にそれだけでなく、美魚の嗜好……本や制服、体操着に至るまで全てが衆目に晒されていた。

「ああ……」

「こっちも準備OKだよ」

 机の上に備え付けられたディスプレイからは、理樹と美魚が激しく交わっている映像がエンドレスで流されていく。他にも、理樹のものを一心不乱にしゃぶっている姿、顔中を精液でべったりと汚されていく姿、自ら秘部をいじくり、淫語を呟きながら自慰にふけている姿なども。

「綺麗な体」

「んひっ!」

 理樹は美魚の平坦な胸をぐににぐにと揉み、乳首を捻りあげる。誰もが興味津々だけど、二人に触れようとはしない。大切な、ショーケースに入れられた展示品のように、触れる事を許されていない。目の前の二人は別世界の存在。決して深く関わる事の出来ない、アイドルのような存在。

「あ、その声可愛い。また入れたくなってきちゃった」

「ふぐぅ!」

 言ってる側から、理樹は美魚の拘束を軽く解いて体を持ち上げて、所謂駅弁スタイルで交わり始めた。周りの目などまるで意識していないかのように、遠慮のない動き。ちょっとしたいと思ったらすぐに実行。

「みんなに見てもらおうね」

「あああっ!」

 回りの女生徒達が顔を真っ赤にしながら口元を手で押さえ、男子生徒達は興奮に目を見開き、股間を膨らませている。設定がまた、変更されたのだろう。今の二人は路肩に落ちている小石ではなく、公式に認められてはいるけれど、目を背けたくなるような恥ずかしい存在なのだろう。さしづめ、理樹と美魚による貴重な交尾シーンといったところ。街中で見かけた可愛らしい動物が、突然そんな事を始めたような状況。

「そうだ。いいこと思いついちゃった」

「え……?」










理樹のちょっとした思いつきで、全校集会が始まる。










「あ……」

 なにも無いステージの上には制服姿の美魚が直立していた。体育館の中は暗幕で完全に暗くされ、美魚が立っているところにだけスポットライトが当てられている。理樹の、ある意味粋な計らいで、学校中の誰もがこの場に詰めかけた。授業など速効中止にして。

「は、初めまして。に、西園美魚……です」

 これから始まるのは、学校公認のストリップショー。もちろん主役は美魚本人。制服姿に包まれて、日傘を差した儚げな美少女。

「わたしのストリップショー。……じっくり見て、ください」

 ゆっくりと震え、ぎこちなく微笑を見せながら服を脱ぎ始めた。

「ぁ……」

 どれから脱いでいいかわからないながらも、ジャケット、ブラウスの順に手をかけていく。

「く……」

 ブラウスのボタンを一つ一つ、細い指先で外していく。大勢の視線に晒されて震えながら。

「あ」

 焦らすようなゆっくりとした手付きもやがてはボタンを全て外してしまうのだった。袖を止めているボタンも外し、もはや逃げられない。ゆっくりとブラウスの前を開いていくと……。

「だめ……です」

 露わになるのは、小さな胸を頼り無く覆っている白いブラ。理樹はいつか言ったものだ。その大きさならブラなんかしなくてもいいんじゃない? と。無論それに美魚は納得出来るはずもなく、頬を軽く膨らませて抗議したのだった。……抗議の罰として、小刻みに振動を繰り返すローターをテープ止めされ、何度もよがり狂ったのはいい思い出。

「あ、あ、あ」

 そうして腕を下げると、ブラウスがするするとすり抜けるように落ちていった。

「う、くっ」

 美魚は堪らずに、ブラで包まれた胸元を両腕で隠してしまう。場内はざわつき、そして再開を求める声が聞こえてくる。

「わかって、ます」

 美魚は気力を振り絞り、ブラでは無くスカートのホックに手をかけて、外した。ブラウスと同じように、スカートはあっという間に床へと落ちる。

「う……う……」

 羞恥の余り左手の平でショーツに覆われた股間を、右腕で同じくブラに包まれた胸を隠す美魚。つい先程と同じようなシチュエーションだけど、理樹の待ったが入る。

「美魚」

「え?」

 絶対者である理樹の手招きによって、一旦ステージ裏へと退場となった。照明は消され、辺りは真っ暗になっていた。

「そんなに脱ぎたくないのなら、いいのをあげる。これを着な」

「……」

 美魚はもう、何も考えず、渡されたものの中身も見ずに着替え、そしてステージの中央へと戻っていった。

 そして改めてスポットライトを浴びる。と……。

「あ、あっ!」

 乳首のところだけぽっかりと穴があいたブラ。同じように、尻と前の割れ目が見えるように穴が開いたショーツ。ただ裸になるよりも恥ずかしい目に美魚は遭わされていた。

「それなら、脱がなくてもいいでしょ?」

 ちょっと離れた所から声をかける理樹。無論理樹は美魚に休む暇を与えない。

「次は、さ。こんなのとかどうかな?」

「な、何を?」

「ポールダンスってやつ。やってみせてよ」

 ステージ上にいつの間にか、細長いポールが出現。

「……」

「やり方は、わかるよね?」

 もう、やらないわけにはいかない。美魚は羞恥に耐えながら腰をくねらせ、ポールにしがみついていった。ご丁寧にも、場内には妖艶なBGMが流されていて、雰囲気を作り上げていた。

「美魚の貧相な体、みんなにしっかりと見てもらおうね」

「ひどいです」

 否定はできないけれど、その紹介はあんまりだと美魚は思う。小さな胸の中央を彩る乳首と乳輪が色づいて見える。

「あ、ふ……」

 足を上げると、大事なところが丸見えになってしまう。その瞬間を逃さずにフラッシュが炊かれる。皆が撮影をしている証拠。人知れず、自慰行為に耽っている者もいるかもしれない。

「だ、め……っ! あっ!」

 動きに緩急をつけないとと思い、体をよじらせると、尻の穴まで見せることになってしまう。そのことに気付き、美魚はぺたりと座り込んでしまう。

「あ、あ……。も、もうだめ……です……。恥ずかしすぎて……立てない……」

 この宴の主催者である理樹は笑顔で言ったものだ。

「じゃあ、そろそろしよっか。ほら、僕の方にケツを差し出して」

「あ……」










そして、ステージの上にて、二人の交わりが始まる。










「みんなに見られながら堂々とファックするのって、気持ちいいでしょ?」

「あ、あ、あ、あぁぁぁぁっ!」

 四つん這いのまま犯されている美魚。もう、応える余裕などない。細い体をよじらせ、サーモンピンクのなまめかしい秘所へと極太の肉棒をねじ込まれながらあえぎ続ける。大勢いるのに誰もが無言の体育館。静まりかえった空間に、二人が交わるぱんぱんという音と、堪えきれずに出てしまう美魚の喘ぎが確かに響く。

「気持ち良すぎて何も言えないか」

「だ、め。あ……。い、く……」

「え? もういっちゃうの? 僕はまだまだ大丈夫なんだけどな」

 美魚を挑発するかのように、小刻みな動きから一変して、大きな突きを連続で繰り返す理樹。

「あぅっ! はぅっ! あぅっ! はぅっ!」

 涼しい顔をしている理樹に対して、一刻の猶予も無さそうな美魚。数百人もの視線が集中しているのだから当然。その中には見知った顔も、話した事のある人も、教職員も大勢いる。

「もう何だかさ。みんなの前でするだけじゃ、興奮しない?」

「そんな、こと。あっ! あああああっ!」

 美魚はあっさりと絶頂を迎えさせられてしまった。その射精は長く、溜まりに溜まった尿意を一気に放出したかのように勢いも量も半端なものではなかった。

「あ、あ、あ、あぁぁ……。あ、溢れ、る……。ああ、あぁぁ」

「まだまだだよ?」

 理樹は美魚の中に入れたまま、笑顔でそう言った。これだけのことをしておいて、次は何をするのだろうと、美魚は朦朧とする意識の中で思った。理樹はよいしょと言いながら、意識を失った美魚の体をひっくり返して抱きしめながら持ち上げた。そうして駅弁スタイルのまま、ステージを降りて観客席の合間を歩み、体育館を出て行くのだった。










理樹は、美魚の望みを叶えてあげる事にした。










『あっあっあっあっあっ!』

 ディスプレイには乱れる美魚の姿。無論相手は理樹。それが美魚の望みの一つだと、理樹は勝手に決めてしまった。反論しようとしても、できはしない。むしろ、理樹の言う事が本当なのだと思えるようになってしまう。自主制作のDVDを学校内で無料配布中。そして、その配布場所にて、プロモーション活動をしているのだった。

『い、いいっ! いくっ! いっちゃいます! んあっ!』

 何度も達した所が繰り返し映像の中で流されていく。理樹の趣向か、ご丁寧にも生徒会公認などと説明書きがなされていた。

「あ、ありがとうございます」

 一枚一枚、ケースに入れられたディスクメディアを手渡しをしつつ握手。美魚は今、女優なのだ。そして今はイベント中。行列が出来るくらいの盛況ぶりだった。

『んん、んんんっ! んんぅっ!』

 じゅるじゅると唾をこぼしながら一生懸命に理樹のものをしゃぶり続ける美魚。タイトルは、西園美魚デビュー。ぶっかけとかアナル中出しとか、そんな過激なキャッチフレーズが並んでいる。

「一生懸命撮りました。見てくださいね」

 大人しくて目立たない、ともすれば忘れ去られてしまいそうなくらい地味な少女は今や、全校の注目を浴びていた。形はどうあれ、スターのような扱いだった。つい先程まで、体育館で散々交わっていたけれど。

「え? はい……。どうぞ」

 美魚は理樹に促されて立ち上がり、制服のスカートの中に手を入れ、そしてショーツを脱いだ。そして、幸運な当選者にプレゼントをするのだった。脱ぎたての染みつきを。

『ぷはぁっ!』

 画面の中で、美魚のフェラによって理樹が達し、美魚の顔中に精液をぶちまけた。目の前にいる清楚な少女とは対照的に、流し目で色気のある表情だった。と、その時。突如としてチャイムが鳴り響く。そして……。

『皆さんにお知らせします。ただ今、西園美魚さんの女優デビューを記念して、無料のDVD配布会を開催しています。開催場所は一階、入り口付近です……』

 二木佳奈多の落ちついた声が全校に響く。それもまた、理樹の手回しによるもの。あろうことか、学校内だけじゃなくて、外部の人達も配布対象のようだった。

『皆さん、ふるってご参加ください。そして、西園美魚さんと直枝理樹君の濃厚ファックを見て、思う存分シコったりオナったりしてくださいね』

 ――普通であれば絶対に言わないであろう言葉。全ては理樹の影響力によって言わされている。違和感などは微塵もない。

「美魚。僕、またしたくなってきちゃった」

「あ……」

 理樹は我慢できないのか、強姦魔のように美魚の制服を乱暴に剥ぎ取っていく。人の目の前で堂々と。リボンも、ブラウスも、スカートすらも。ぶちっ。ばりっ。等とわざと音をたてながら。そうして、むんずと胸を掴んで揉み回し、手当たり次第に美魚の体にキスをする。

「あ、うっ。はうぅっ! あぅぅっ!」

 やがて立ちバックの体位で交わる二人。美魚はそのまま引き続き応対させられる。

「ほらほら。後がつかえているんだから、お○んこにぶち込まれて感じていないでさっさとお渡しして」

「そん、なっ! あっ!」

 行列はどんどん長くなっていく。その間ずっと、この交わりは続いていくことだろう。美魚はただ、机に手を付きギシギシと揺らしながら、振り回されていくのだった。

「ああ、気持ちいい。最高だよ」

「あっあっあっあっあっあっあっあっ! だ、だ、だめええええっ! んあああああああっ! あーーーーーーっ!」

 気持ち良すぎて応対どころじゃない。だらしなくよだれを垂らしながら、美魚は白目を剥いていった。これから美魚は何度も絶頂を迎えていくだろうけれど、理樹はきっと絶頂を迎えても何食わぬ顔で一物を引き抜く事無く、交わりを続けるだろう。ぐちゅ、ぶちゅ、ばちゅ、と溢れ出た体液が卑猥な音を響かせていく。










…………










 もう何でもできる。二人して、そう思った。

「あっあっあっ!」

 学校を出て、街中で。……人の多い商店街で交わる。

「あっあっやっ! あっ!」

 美魚は全裸にさせられて、立ちバック。交差点で、信号待ちをする人達に紛れながらセックス。誰も咎める人はいない。注目する人もまた、いない。ごく普通の、当たり前の日常。法律も倫理も、全て問題が無い世界。

「だ、めっ! あっ!」

 理樹はスクランブル交差点のど真ん中で射精。美魚は失禁。――橋の上で。子供達の声が響いているグラウンドの中で。挙げ句の果てに、違う学校の授業にまで乱入して交わる。交番の真ん前で。混み合う路線バスの中で。家族連れで賑わう自然公園の芝生の上で。いくらでも交わった。

「もうしばらくこの世界にいようか」

「んっ! あっあっ!」

 二人の過激な寄り道は続く。

「服代がかからなくていいし、気持ちいいし」

「あっあっあっあっあっ!」

 美魚は思う。最近は、服を着ている事の方が少ないかもしれない。学校内でただ一人裸。羞恥を煽るためか、リボンとソックスだけ着用を許される。無論、授業なんかまともに受けてはいない。教室の前で、後ろで、廊下で。ひたすら体をまさぐられたり交わったりした。休み時間の男子トイレで、小便器に腰掛けさせられ、一物を咥えさせられた。そうして、男子生徒達が用を足す側で、理樹の精液や小便を飲まされた。美魚はうっとりした表情で、気持ちいい、と心底思った。理樹は他の男子生徒とは違う特別な存在なのだ、と。

「そうだ。思いついたことがあるんだ」

 理樹は突然、美魚の中から一物を引き抜いて立ち上がる。そして、美魚の細い腕を引っ張りながら何処かへと歩んで行く。

「今度はどんな悪巧みを思いついたのですか?」

「うん。それはね」

 ――数十分後のこと。学校の、グラウンドの真ん中での出来事。向こうに見える校舎では、当然のように授業が行われている。

「直枝さんは、ドSなのですね」

 呆れたのか興奮したのか、あるいは恥じらいを堪えているのか、美魚は理樹に対してそう呟いた。

「そんなことはないよ」

 ソックスとリボンだけは例外だった。理樹がどこからか用意した一斗缶。その中からは、めらめらと炎が上がる。燃やされているものは、美魚の服。私服も、制服も、下着も全て。一枚ずつ、失われていく。

「もう、服なんていらないからね」

 そう言って理樹は、白いスカートを丸めて一斗缶へと放り込む。

「だからって、燃やしますか? それも、持ち主の目の前で」

「鬼かな?」

「鬼畜な所業です」

「まあいいじゃない」

 そう言って理樹は、両手に力を込めて美魚のブラジャーを引きちぎっては火の中に放り込んでいく。その様は、とても楽しそう。

「美魚のブラは布地が少ないから、すぐ燃えるね」

「羞恥攻めですか」

「そんなつもりはないよ?」

 挑発するように、馬鹿にするように言う理樹。

「あ、水着だ」

「色気はないですよ」

「そうかな?」

 紺色のスクール水着。無論、容赦無く火の中へ。

「もう殆ど、燃やす物もなくなってきちゃったな」

 体操着の上着とスパッツと、黒い制服の上着を丸めて投げ込んだら、残すのはチェックのスカートくらい。

「満足、ですか?」

「とりあえずね」

 スカートが燃やされていく。こうして着られる服が、一枚もなくなってしまった。これからどうすればいいのだろうと、途方に暮れるところ。けれどもう、どうしようもない。裸での日常生活は今に始まった事でもないのだから。そうしてやがて火が消えると、理樹が求めてきた。美魚は口での散々愛撫を繰り返し、理樹の射精を顔で受け止めるのだった。理樹は顔中精液まみれの美魚に日傘を持たせ、写真を撮ったり立ちバックスタイルで犯したりしていった。









それから更に何日が過ぎた事だろう。










「あ、ふっ。ぁっ」

 朗読の全校放送中。

「その時直枝、さんは……。わたしの、ぐしょマンの中に……熱いザーメンをたっぷりと。あふっ。どぷどぴゅと注入してくれました」

 放送室の中で、膣内に一物を突き込まれながら、自ら書いた卑猥なお話を読み続ける。

「いけないことだと、んっ。わかっているけれど、直枝さんの極太ち○ぽがごりごりとわたしの中……ぐちょぐちょま○こを擦りあげる度に。んっあっ」

 授業中の静かな校内に、作業用BGMとばかりに響いていく声。

「気が付いたらわたしは、あふっ。淫らにも、だらだらと愛液を漏らしながら、腰をもぞもぞとうごめかせていました。これが本当のわたしです。大人しくて目立たない少女という、わたしの事をよく知らない人が持つ印象は、上辺に過ぎないのです。あっぁ。う、ん。んひっ!?」

 突如、新たにずぶずぶとねじ込まれていく感触。

「はぅっ! あっ!? そん、なっ! な、何をするんですか……っ!」

 理樹が、美魚の尻穴に人差し指をねじ込んでいった。少し驚いたけれど、それは美魚が望んだ行為だった。

「失礼、しました。わたしはお尻の穴も大好き、です。……ま○こにたっぷりと出してもらったら、今度はお尻の穴を存分に汚してもらいたいと思いました。わたしは普段、ボーイズラブ……つまりは男同士が交わり合う本などを読むのが趣味なのですが、自分がアナルセックスに目覚めるとは思いませんでした。初めてお尻にぶち込まれた時は、いっぱいほぐしてもらったのにも関わらずちょっと抵抗があって、痛かったですけれど。すぐに天にも昇るような快感に目覚めたのです」

 ぎしぎしと、両腕をついている机が揺れる。

「あっ。っくぅ。……気持ちいいです。堪りません。天国に、行ってしまいそうでした。あっふっ! わたしのま○この締まり具合はどうですかと聞いたら、直枝さんは……あっんっ。きつきつで、気持ちいいよと、そう言ってくれました。淫乱な雌犬のわたしには、最高の褒め言葉です」

 段々と動きが早まっていく。二人の興奮も高まっていき、もはや台本の内容では物足りず、美魚はアドリブでの発言を繰り返す。

「あっあっあっあっあっ! い、いきそうです。もう、我慢も限界です。……中に、いっぱい出してもらったので、今度はわたしの顔にぶちまけてくださいとお願いしました。このわたしの、澄ました、一見真面目そうな顔に、濃厚なザーメンを思う存分ぶちまけてもらいたいです。ん、あっあっあっ! ん、んんんんんっ!」

 突如、音声が乱れる。理樹が絶頂を迎えて射精する寸前に美魚の膣内から一物を引き抜いて、望み通り顔中に精液をぶちまけてから、口内奥深くまで突き立てたのだった。

「あ、むぅ。あぐ、あぅ、おぐ、お、ぅ……ん、ん……。んぐ、んんぅ」

 溢れる程の精液は顔にぶちまけるだけでなく、美魚の口内にまで洪水を巻き起こしていった。

「んぷ……。ううう、ん。んぁぅ、んんぅ」

 美魚は口元をマイクに近づけて、そして精液を飲み干した。ごくり、ごくり、と喉が鳴る音が何度か確実に聞こえた。

「聞こえましたか? わたしは今、全部、直枝さんのザーメンを飲みました。ん、ぐ。苦くて、ねっとりとして、濃厚な味でした。喉が焼けそうなくらい熱くて、たまりません。けほっ。んんっ。ちょっと、むせましたけど、おいしかったです。おかわりが欲しいです」

 そして少し間をおいて、ぐちゅ、ぶちゅ、ぴちゃ、ずる、ずず、ずにゅ、といった湿った音が全校に響いていく。

「僕のお○んちんが、美魚のお口にぶち込まれていくよ」

「ん、んん。うん、ん、んん、んぐ。んんんぅ。おいし……。直枝さんのちんぽ汁、好き……です。もっと飲ませてください……。んぐ、んぐ」

 水音は大きくなっていく。それは美魚の口から溢れ出て、淫らに滴り落ちていく。次はどうしようかなと、理樹がまた何やら悪巧みを考えている。美魚はただ、ひたすら快楽に溺れて体をふるわせていく。そんな事の繰り返し。この世界はしばらく続いていく。ただ、二人の欲望を満たす為に。

「あっあっ。気持ちいい、気持ちいいいぃぃ。おち○ぽ好きいぃぃ。あああっ! い、い、いくっいくっ! ひぐっ! あああっ! お○んこ気持ちいいいいぃっ! いくうううううううっ!」

 ばちんばちんばちん、と音が響く。普段の大人しさからはかけ離れた大きな声。調教されてしまった美魚はただ、快感に酔いしれていった。














----------後書き----------

 美魚の特濃ハードものでした。

 アンソロジー本や同人誌などで時折人様の描かれるお話を読んだりするのですが、もっともっと突き抜けた背徳的でハードエロスなお話を見てみたいなぁと思う事が時折あったりします。

 と、そんな思いを込めて、行き着くところまで行ってみようと思いながら書いてみました。

 でも、これだけハードな事をしていても、する相手は理樹くん一択なのです。そこは譲れませんね。純愛ものなのです。


ご感想を頂けると嬉しいです。





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