【にたいいち】
ちゅぷ、ちゅぷ、と湿った音が彼、伊藤正樹の左右から響く。 (ああ……。気持ちいいな) 『両手に花』とは、こういう状態のことを云うのかな、と。彼はのんきに思った。 下半身に断続的に続く、暖かくて心地良い感覚は、彼女たちの甘い吐息とともにこみ上げて、更に高ぶっていく。 「ん、ん」 「んく……ん……」 直立不動状態の彼の前に、二人の女の子がひざまずくようにして、淫靡な行為を続ける。 「う……。ん。気持ちいいよ。真奈美ちゃん。菜織」 彼女たちは二人とも一糸纏わぬ姿。お互いに競うように、積極的に彼のものを愛撫し続けていた。 ぴちゃぴちゃと、二人の小さくてピンク色の舌が湿った音をたてながら、左右から刺激する。柔らかな舌で触れられるたびに、こそばゆさとともにこみ上げてくる射精感を必死にこらえる正樹。 「ん……ん。……とーぜん、でしょ。んぷ……ん、ん、ん」 片方の娘が、口を開く。 「私達が……。ん、ん……。これだけ……。んく……んぷ……ぅ、ん。誠心誠意、尽くしてあげてるんだから。あむ……ん……」 彼に対して『何云ってんだか』という表情を見せる少女、氷川菜織。気持ちいいのは当然のことでしょ、と云わんばかりに。 「あはは……。そう……だね。ん、ん……う、ん……ん」 そして、それに対して少し恥ずかしそうにしながら愛撫を続け、彼が気持ちよさそうなのを見て、とても嬉しそうに微笑む彼女。 「く、う……。俺。なんかもう、イキそう」 「ん……。正樹くん、気持ちいいんだね。嬉しい、よ……んく……んちゅ……ん、うん……」 丸い眼鏡とロングヘアが特徴的な少女、鳴瀬真奈美。
二人の幼なじみ。
ずっと、変わらなかった仲なのに。 変化が訪れたのは、少し前のこと。 そこは正樹の部屋。そして、二人はベッドの上。 ミャンマーから帰ってきた片方の幼なじみ、真奈美。再会のうれしさは言葉よりもキスで表した。 そうして、どちらからということもなく、自然に抱きしめあった。 「真奈美ちゃん。いくよ」 「う、うん」 幼なじみであり恋人同士でもある二人は、とにかく肌を重ね合うことを望んだ。 「中に、入って行くよ」 「う……あ、あ……」 正上位のまま正樹が上から覆い被さるようにして、ゆっくりと、真奈美の華奢な身体に挿入していく。 「う、うぅ……あぅ……ぅぅ……」 「痛いの?」 ず、ずと真奈美の中に入っていく途中で、心配した正樹が聞くと……。 「う、ううん。大丈夫……。痛く、ないけど。……きつくて。ちょっと、苦しい……かも」 「ゆっくり入れるから、ね」 真奈美の中は、きゅうきゅうと締め付けてくる。だから、ゆっくりと優しく続ける……。 「うぅ……ぅぅ……」 「もう、あと少しだから」 やがて、ずずっと奥まで全部入っていき……。しばらくじーっと動かない二人。 「全部、入ったね」 「うん」 近づいた瞳と瞳。二人とも自然に笑顔がこぼれる。 「真奈美ちゃん」 「うん」 優しくキスを交わす。 「好きだよ」 「あたしも……好き」 云い終えてから、ゆっくりと動かしはじめる。 「ん、ん……」 ず、ずっ、という微かに湿った音がリズムカルに響く。 「正樹く……ん……。あ、あ……あ……」 互いの体温を思いっきり感じあう。
そんなとき……。
「正樹ぃ〜。いる〜?」 突然トントンと、ドアをノックする音がした。 「な」 「菜織、ちゃん?」 二人ともそろってびっくりした顔。 「いるの〜? 入るわよー」 「ああ、ちょっとま……っ!」 制止するも時遅し。ドアはがちゃっと開いた。 「……」 「……」 「……」 情事を目撃されて、とても気まずい空気が流れる。 「あ、あのな。これは」 「な、菜織ちゃん。あのね……」 呆然と見つめる菜織はやがて、消え入りそうな一言を呟いた。 「いい、な……」 「え?」 「真奈美。羨ましい……わよ」 菜織の一言は、本心だった。 「菜織ちゃん……」
真奈美には、菜織の気持ちは痛いほどよくわかるから
だから…… 「正樹くん。菜織ちゃんも……一緒に」 「……。真奈美ちゃんが、いいなら」 彼は、二人の気持ちを受け入れた。
それは本心からすれば、偽りかもしれないと、わかっていながら。
「真奈美ちゃん。菜織。舌、もっとれろれろしてみて」 「う、うん……」 「わかったわ」 二人で正樹のものを舌で愛撫。何度も何度も愛撫するうちに、とろとろに濡れて、糸を引いていく。 「……口、開けて。中に入れるよ」 大きく空いた真奈美の口内に、ちゅぷ、と太いものが挿入されて……ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷ、と立て続けに挿入運動を繰り返していく。 「ん、んむ……ん、ん……んく、んく……ん、ん、んんん……ん」 真奈美は軽く目を閉じながら、何度も舌を絡ませて愛撫する。 「……真奈美ちゃんの口、気持ちいいよ」 (ああ……。あたし、恥ずかしいことしてる。……けど……嬉しい) ねっとりとして、柔らかくて暖かくて、優しい感触。大切な人を傷つけないように丁寧で……真奈美の口内はそんな感触。 「今度は、菜織の口に入れるぞ」 「うん。いいわよ」 ちゅるんという湿った音を立てて真奈美の中から引き抜いて、今度は菜織の口内に挿入した。多少押し込むように、ずにゅっと一気に奥まで。 「ん、ん、ん……んっんっんっ!」 真奈美に負けじとばかりに、愛撫をする菜織。舌で下部を何度も何度もなで回すようにして。 「菜織の口も、気持ちいいぞ」 (もっともっと、私を感じなさいよ……ね) 真奈美の愛撫よりアグレッシブで、少し力強い。菜織の口内はそんな感触だった。 そして、しばらくして菜織の口内から引き抜いて。今度は……。正樹は真奈美と菜織の頭を左右の手で軽く掴んで……。 「交互に入れるよ。真奈美ちゃん。歯、あてないようにね」 「う、ん。……んっんっんっ」 ちゅぷちゅぷちゅぷ、と真奈美の口内に入れて。二度、三度、四度と動いて。 「真奈美ちゃんの口。可愛いよ」 そして、にゅるん、と引き抜いて、今度は菜織の口内に入れて、くちゅくちゅくちゅ、と動かす。 「気持ちいいよ。菜織」 引き抜いて、真奈美の口内に入れて。 「ん、んん、ん……」 またも引き抜いて、菜織の口内に。 「あぷ……んむ、ん、ん……」 そうして、真奈美、菜織、真奈美、菜織と、二人の娘の口内を弄ぶように、交互に楽しんだ。 「く……。もう」 何度も何度も二人の口から引き抜いては挿入して……かき混ぜるようにぐじゅぐじゅと音を立てるたびに、二人の唇はとろとろに汚れていった。 「ん……ん……」 「んぷ、ん……」 「っく。う……。出す、よ」 そして彼は遂に絶頂を向かえ、二人の口から引き抜いて……。 「あ……」 「きゃっ……」 勢い余って、二人の顔に出してしまった。 「ん……。正樹くん……。こんなに……」 「真奈美。顔についてる」 ぴちゃぴちゃと、互いの顔についた精液をなめ合っていく。 「な、菜織ちゃん……」 「可愛いわね。真奈美って」
そして、次は……
「二人でレズなとこ見せてよ」 「……え」 「すけべね。あんたも」 自分たちもだけどね、と苦笑する菜織。 「じゃあさ。先に相手をいかせた方から入れるよ」 それを聞いて、お互いやる気になる二人。 シックスナインのまま、互いの秘部に舌を這わせはじめる。 「あっ……。菜織ちゃん、そこは……あ、ぁ……」 「ん、ん……ん……。負けない、わよ。真奈美」 真奈美が下で、菜織が上。交互に重なった二人だけど、性格的に強気な菜織の方が一方的に攻め立てている。 「ほら。真奈美ちゃんも頑張って」 「そ、んな……こと……云われても。あ、あ……ふぁ……あぁ、ぁ」 ちゅぷ、ちゅぷ、と舌を真奈美の中に出し入れする菜織。 「あっあっあっ……ぁっ!」 白くて華奢な身体同士が絡み合って、とてもやらしい。 「真奈美。正樹とのエッチはもらっちゃうわよ?」 「……」 そう云われて、真奈美も決意して、反撃を開始する。菜織の秘部に舌をつけて……。 「あっ……っく!」 「ん、ん……」 互いに互いの秘部を愛撫し合う二人。そこに……。 「きゃっ!」 「あっ!」 正樹が二人の秘部を同時に指で愛撫し始めた。 「二人とも。もうびしょびしょだな」 指を引き抜いて、二人に見せつける正樹。 「な……。ま、さき……。そんな」 「あ、あ……。正樹く……ん。だめ、だよ……。指入れちゃだめぇっ」 ぐちゅぐちゅと、中へと指を挿入して、かき混ぜはじめる。 「あっあっあっ……だ、めぇぇ……!」 「あぅっ! はひぃっ……! い……っちゃう……よぉ」 奥まで挿入して、中をぐちゅぐちゅとかき混ぜて、引き抜いて……。その間も、二人の必死の愛撫合戦は続いて……やがて。 「あっ!」 「はぅっ!」
二人が達したのは、ほぼ同時だった。
ベッドの上には、どこか物憂げな瞳の幼なじみが二人。 「正樹」 「正樹くん」 真奈美は仰向けに、菜織は俯せに重なり合って……互いに正樹を求める。 「入れるよ」 ずぐっ……と、ねじ込むようにして、正樹は菜織の方に入れた。 「あっ! あっあっあっ! ふ、深……ぃっ! いきなり、そんな!」 丸いお尻をなで回し、腰を引き寄せて二度、三度、ぱんぱんと音を立てるほど大きく突いた。 「……」 後回しにされて、少し残念そうな真奈美。 「真奈美ちゃん。菜織を気持ちよくさせてあげて」 「う、うん」 「ん、く……ん、まな……みぃ」 菜織と濃厚なキスをして、胸をこすり合わせる真奈美。そして……。 「あ……ぐっ!」 菜織の中から引き抜いて、真奈美の中に一気に挿入した。 「真奈美ちゃん。激しく動くよ」 「ひ……あっあっあっあっ! あひっ! あぅっ!」 互い違い。真奈美に入れて、菜織に入れて……。交互に繰り返す。 「あっあっあっあっ! ま、正樹く……んっ!」 幼なじみの女の子二人を一度に相手する。背徳的な感覚が、正樹の背筋を続々と震わせた。 「もっと締め付けろよ。菜織」 ずっ、と後ろの穴を指で突いて刺激すると。 「あーっ! ち、ちょっと、そんなとこっ! 触っちゃ! あっあっあっあっ!」 「くっ! 締まる、な」 締め付けが一段と強くなって、のけぞる。 「真奈美ちゃんも」 真奈美の方も、菜織と同じように刺激してやる。お尻の穴を。 「あ……あぁぁ! 正樹くん……そんなとこ、……恥ずかしいよぉ」 何度となく互い違いに入れては抜いて、入れては抜いてと繰り返す。 「ど、どっちが気持ちいいのよ? 私と真奈美の、中っ」 「どっちも」 強いて云うなら。 「真奈美ちゃんの中は、柔らかくて……包み込まれる感じで気持ちいい」 「あんっ! あっ! あぅっ!」 真奈美の中をぱんぱんぱんと素早く三回立て続けに突いて、抜いて……。 「菜織の中は、きつくて、きゅうきゅうしてきて気持ちいい」 「うっ! あぐっ! あぅっ!」 菜織の中をずんっずんっと、二回深く突いて、抜いて……。 「ま、さきぃっ! もっと、して! もっと強……くぅっ!」 「まさき……くんっ! あ……たしにも、して……!」 何度も何度も、ずんずん、ぱちゅぱちゅ、ぱんぱんと……二人を好き放題弄ぶ。そのたびに真奈美と菜織は抱きしめ合って、気持ちいいという感覚を共有する。 二人の女の子を自分の好きなように汚している。どこか背徳感を感じるけれど、逆にそれがゾクゾクとして、気持ちよくて。 そして……。 「出るよ……っく!」 「あぅっ!」 「あ……んっ!」 真奈美と菜織。二人のお尻に思い切りぶちまけるように射精。 「気持ちよかったよ。二人とも」 「……」 「……」 荒い息をついて、ぐったりと横たわる二人。 その股間からは、白い精液がとろとろとこぼれ落ちていった。
そんなとき。
ドアの外で、カタ……と、物音がした。 「誰かいるの?」 「え……あ……」 問いかけられて、つい声が出てしまった。ドアの向こうにいるのは乃絵美。正樹の妹。 「乃絵美。おいで」 「お……兄ちゃん」 優しく云われて、引き寄せられるようにして近づいて……。 「ん……んっ!」 実の兄にキスされて……。 「今まで、ずっと聞いてたんだろ?」 「う……」 偶然、部屋に来たら……三人の激しい行為。少しだけ見ていたけれど、どうしても離れることができなくて。 「盗み聞きするなんて、悪い娘だな。乃絵美は」 「だ……って」 「真奈美ちゃん。菜織。……乃絵美を気持ちよくさせてあげようよ」 「そう、ね」 「うん」 「え……」
そして。
「あ。ああっ……。お、にいちゃ……ああっ!」 三対一。 「な、菜織ちゃんだめぇっ!! そこはぁっ!!」 ぺろぺろとのえみの乳首を吸って愛撫する菜織。 「ま、なみちゃん……あっあっあっ!」 乃絵美の秘部を指先で優しく愛撫する真奈美。 「だ、めぇぇ! あ、あっ……あああっ! あっ!」 その愛撫は延々と続いた。乃絵美の華奢な身体が弓のようにしなって、やがて、気絶してしまうまで……。
二対一から、三対一
戦局が変わったような、そんな一時だった。
/*---------------------------------(後書き)----------------------------------*/
いきなり何の前触れもなくWithYouなお話です。しかも3P。これで純愛と云えるのかどうか。 今となってはもう古い作品だけど、菜織と真奈美というヒロインは結構好きだったり。乃絵美はまぁ、云うまでもないことだけど。 意外と思われるかもしれないけど、私はうぃずゆでは真奈美派です。人気ないけど、眼鏡だけど。バッシュ巫女さんもいいけど、でもやっぱり真奈美派なのです。少数派です。 F&C系の作品だけにとってつけたようなエロシーンで、実際の所コンシューマ移植前提といって良いようなもんだし、シナリオもぶっちゃけ薄味だし、とか暴言を吐いてみるけど、キャラクターはすごい好き。 なので、やっぱりたぎる欲求ってのはあるわけで、そういうわけだからこういうえろ専用なお話を書いてみました。 いかがでしたでしょか! |