Back


Hajirae! GIRLS










「い、いや〜〜〜〜っ!」

 当たり前の如く。いつもの風景と云わんばかりに変態女教師さわちゃんの手によってセクハラされて恥ずかしがってる澪。それを見て律はふと思った。思ってしまった。地獄か天国か、思えばこれがはじまりだった。きっかけはさわちゃんのセクハラ紛いのコスプレ強要による澪の悲鳴。もしくはコスプレ紛いのセクハラかもしれないけれどそれはさておき、今回のお題はセーラー服なのだった。……スケスケ素材の。

 さて、律が抱いた疑問。それはどんな内容かと云うと?

「恥ずかしがり屋な人って、限界まで恥ずかしくなったら一体どうなっちゃうんだろ?」

 それはとっても素朴な疑問。被検体はすぐ身近にいるわけで、更に律はとっても好奇心旺盛娘。つまりは論より証拠、善は急げ。

「一丁やってみっか! ……ついでに澪の恥ずかしがり解消も兼ねて! うん。澪の為を思ってやるんだ。悪い事じゃないよなきっと」

 という結論に達するのは自明の理……でもない気がすると律は自分でも思った、けれど無理矢理自分自身を納得させた。ついでどころか悪化するのが関の山だろうけど残念ながらたぎる好奇心は押さえられない。狙いは合宿! そして、夜!





…………





 かくかくしかじか。律は澪に全てを説明していた。

「……で」

 その時は既に澪の両腕を拘束済。場所はとっても広くて清潔で貸し切り状態のバスルーム。そこはムギちゃんこと紬の別荘。もちろんただいまみんな絶賛裸のお付き合い中。根回し作戦オールOK状態でドッキリ番組のように澪に種明かし。

「こらー! 一体何をする気だ!」

「いやー。澪みたいな恥ずかしがり屋の娘がリミッター解除するくらい限界まで恥ずかしくなったらどうなるのかなと思ってね。いっちょ実験してみよかって。でも、もしかしたらそれで恥ずかしがりが直るかもしれないしー。ショック療法ってやつ?」

 律はあくまでも笑顔だった。

「は……離せーーーーっ! 何がショック療法だ! 絶対口実だろそれ! 犯されるーーーーっ!」

「実は私、前からこっちの方も興味があったりして。ちょっとだけ」

 すっとぼけたようにてへへと笑う律に対し澪はじたばたしながらもがく。だが、両腕を律に拘束されてどうにもならない。

「大丈夫。優しくするから。唯ー」

「はーい」

 お湯の中からざばっと唯が登場。

「と云うわけだ。徹底的に優しくしてあげなさい」

 にやりと笑って律は云う。

「りょーかい。徹底的に優しくしちゃうよ〜」

 唯は間延びした声であっさりと答えた。天然な唯は本当に優しくしてくれそうだが、澪には恐怖以外のなにものでもなかった。

「あ……」

 それはあたかもぱくっと美味しそうに大好きなデザートを食べるかのようだった。唯は澪のふっくらした胸にしゃぶりついた。桜色をした小ぶりな乳首を口に含み、舌先で転がす。柔らかなそこは舌に包まれながらぷるぷるとはじけるように震える。

「どきどきがとまんないよ澪ちゃん。リボンかけて包装したいよ〜」

「唯……や、やめ……あ、あ……」

 唯の愛撫は本当に優しかった。澪の体のどこが敏感なのか、あらゆる所を知り尽くしているかのようだった。

「澪ちゃんいいなあ。お肌すべすべだし、きれい」

 唯は心底うらやましそうに云いながら、澪の両胸を揉み回しす。勿論それだけではもの足りず、体中をなで回す。澪は髪も肌も全てが繊細できれいだった。

「ひ……ぅっ。く、くすぐったい……」

「敏感だなぁ、澪は」

 律は澪を背後から羽交い締めにしていたけれど、もう拘束を解いてやってもよさそうだと判断。手を離してやると案の定、澪はされるがままで抵抗できなくなっていたのだから。

「唯……だめ。こんな……。女の子同士でなんて」

「どして? 私は憂とよくやってるよ?」

 必死に声を絞り出す澪に対し、唯は本当に意味を分かっていないように答えた。それどころか、妹とよくこんなことをしているととんでもない事実を暴露。唯と憂。どっちが攻めなのだろうと律はちょっと考えた。想像すればするほど悶々とイメージが浮かんでくる。色々と濃厚そうなエピソードはありそうだけど、それはまた別のお話。

「ど、どうしてって……ひゃうっ!」

 理由を説明する暇も与えない。突然唯の舌が澪のおへそに侵入してきたから。澪は思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。みんな聞き逃すはずがない。

「あは。『ひゃうっ』だって。澪ちゃんかわいー」

 唯は調子に乗って澪のおなかをくすぐる。

「や、やめ……あ、あ……あひっ!」

「おーっと。ずるいぞ唯。私も参加させろ〜。独り占めは許さ〜ん」

 唯に対抗するため背後から澪の胸を揉み始めた律。

「あ……。やめ……っく!」

 澪が込み上げてくる快感に頭を振ると、長く艶やかな黒髪が揺れる。

「じゃ、私はこっち」

「あっ! だめ……! そ、んなとこっ! あふっ!」

 唯は澪の股間……。薄い陰毛に覆われた秘所へと舌を這わせた。ぴちゃぴちゃと湿った音がする。まさに希望欲望本能すべて丸出し。色んな事をしたくなる。

「むっ。やるな唯。私も負けるか!」

 律は澪の胸を小刻みに揉みながら、首筋に舌を這わせる。そして、耳元にも。

「だ、だめ……あっあっ……も、もう……あふっ!」

 二人によって前と後ろから執拗な責めを受けて力が抜けてしまい、澪はガクガクと足を震わせる。もう立っていられない……。何かが込み上げ、意識が飛びそうになるけれど更に追い打ちがかかるのだった。

「ほらほら、もっと感じろ感じろ! こんにゃろこんにゃろ!」

 律は調子に乗って澪の胸を揉みまくる。おもちゃを扱う子供のような仕草と表情だ。

「ん、ん。澪ちゃんのここ、大洪水だよ〜。気持ちいいんだね? お風呂のお湯じゃないよね」

 妙に嬉しそうな唯。自分の愛撫が効果抜群なことと澪が気持ちよさそうなのが嬉しいのだろう。

「ほら澪、素直になれ。恥ずかしくていーからさっ」

「う、あ、ああ……はあはぁ……。き、もちい……い……す、ごい……」

 無邪気な笑顔の唯は澪の秘所を舌で愛撫しながら、同時に何げなく澪のお尻を揉み、割れ目に手を這わせる。そして……お尻の穴を指でさすり、ずぷ、とつついて侵入。何気ない行為だけど、禁断のスイッチを入れてしまった。その瞬間、澪は達した。何かが決壊したように。

「はあ、はあ、あ、はああああああっ! 恥ずかしいいいいっ! いやあああああああっ! 出ちゃうううっ! あ、あ、あーーーっ!」

 澪の意識が一瞬飛んだ。視界が真っ白になるくらいに気持ちいい。びしゃ、と澪の秘所から大量の潮が勢いよく吹き飛び、唯の顔を濡らしていった。

 すぐ側で一部始終をビデオ(完全防水の超高画質高性能デジタルビデオカメラ。とても高価)に収めていた紬。はあはあと荒い息。見ているだけで感じてしまい、うっとりとした表情。事実、紬の秘所からは愛液がとめどなく流れ落ちているのだった。三人の濃厚な交わりを見て我慢できなくなり、指でいじっていたのだろう。

「素敵な思い出になりましたね」

 紬はもう、一生忘れないことだろう。これ程までに麗しい情景を見たのは初めてだから。あまりにも素敵すぎますわ、と未だに夢見心地。

「ムギー。良く撮れてるか?」

「はいっ。とても……。宝物にします」

「後で見せてー」

「もちろんです」

「……」

 もはや『ネガを渡しなさい』とか云ってるレベルではない。けれど、気持ちいいからどうでもいい。澪は脱力して崩れ落ち、広いお風呂にぷかぷかと浮かびながらのぼせ上がって行くのだった。





……それから数ヶ月後のこと。





 その日、県内外を問わず軽音部やら吹奏楽部やらブラスバンド部が集った。コンクールと云うべきかコンテストと云うべきか、まあとっても文化的なイベントが開催されるのだった。そして、軽音部もたまには部活動の成果を示さなければいけない。このままではまた廃部の危機だ、ということで極めて適当な気分で参加してみた。当初は……。

 今回の開催は澪達の学校の体育館。ホームグラウンドとはまさにこのこと。ステージに立つ四人は様になっていた。席は既に超満員状態。学園ライブの舞台としては最高。しかし、どこをどう間違ったのか軽音部は何度となくあった予選をあっさり通過して……結局最後の最後、大トリを努めることになってしまった。喜ぶべきことなのだろうけれど、賞とか名誉とかは四人ともほとんど興味がなかったのであんまり実感が湧かなかった。ただ一つ云えるのは、誰もがみんな楽しみたかっただけ。それも全力で。

 みんなこの日のために徹底的に練習を重ねた。体調も万全だしテンションも高いし楽器の調整も完璧。レースで云えばシグナルオールグリーンと云うところ。全て問題なし。

 律がドラムスティックを掲げ、カツカツとリズムを取る。次の瞬間、爆発したかのように演奏スタート。出だしは完璧。自然と言葉が出る。唯も澪も息が合ってる。これまでにない奇跡と云えば聞こえがいいけれど、本番に強い軽音部らしかった。練習時はプレッシャーがないのか、からっきしだけど。

 澪はそのまま流れるように演奏し、歌う。心地よい緊張感に顔は紅潮している。

 けれどそれだけじゃなかった。

(あ、あ、あ……)

 澪の黒く長いドレス。そのスカートの下。決して観衆からは見えない場所。その更に内側、つまり下着の中。――澪の秘所。完全に埋没している人工物。リモコンバイブ。激しく動いても大丈夫なように紐で結ばれて固定されているそれは、ほんの僅かだけど揺れていた。完全にカモフラージュされているので最悪、いつぞやの学園祭のようにもろパン状態なっても大丈夫。

 決して絶頂を迎えられない程に弱い振動。動作に何の影響も及ぼさない程度の微弱さ。微かな震えがもどかしい。振動レベルを『強』……いいや、思いっきり『最高』にしてもらいたい。それもみんなが見ている目の前で。それが本音。もっと云うならば、下着を身につけずにいたかった。さすがにそれは危険すぎるのでNGになったけれど。

 最高のライブにしようよと張り切る唯。よっしゃ、一丁気合入れっかとやる気満々の律。精一杯楽しみましょうと微笑む紬。

 そして相変わらず恥じらい癖が抜けない澪。三人の思いには完全に同感だ。青春なんて書くと照れ臭いけれど、まさに最高の時。だけど、澪は……。

「もう我慢できないの……」

 物足りない。もどかしい。めちゃくちゃにして欲しいのに、みんなは意地悪に云った。ダメ。お預け。ご褒美にしましょう。と。もうこうなったら恥じらいを打ち消すには恥じらいだと律はいい、他の二人もうんうんと頷いた故にこのようなことになっているのだった。

「意地悪なあなただけど……」

 澪が律の方を向く。律がいたずらっぽい笑顔でウィンクすると、ドラムが一層ハードにリズムカルになっていく。

「早く、抱き締めて……」

 演劇部のように、振り付けもちょっぴり練習した。澪が唯の方を向く。唯も律と同じように可愛らしくウィンクする。その瞬間、跳びはねるようにギターをかき鳴らす。本当に上手くなったものだ。

「優しく見守って……」

 澪が紬の方を向く。紬が穏やかで優しい母性的な笑顔を澪に向けると同時に、キーボードの鍵盤の端から端まで勢いよく弾いてみせた。紬の細い指とおっとりした外見とは裏腹に、あまりにもダイナミックな演奏だった。

「あなたが好きです……」

 背中がむず痒いとか乙女チックすぎるとか散々云われたオリジナル曲。今はもう完璧すぎて誰も文句など云わない。最高に似合っているのだから。澪自身のような歌だった。

「大好き……」

 普段絶対に口にできないような、みんなに云いたい……伝えたいメッセージ。

 そして遂に歌い終えた。演奏も終わる。最初から最後まで完璧だった。一瞬の静寂の後、大きな拍手。

「ありがとう!」

 元気なアイドル歌手のように澪は云った。そうして拍手が止まないまま、幕が降りていった。未だに覚めやらぬ興奮。

 全ては終わった……。

 唯、律、紬は互いに目配せする。

(ちょっと早いけど)

(少しだけ、つまみぐいさせたげよっか)

(ご褒美、ですね)

(ていっ)

 幕が降りた直後。律は隠し持っていたリモコンのスイッチをポケットから取り出し……振動レベルを『最大』にした。ヴヴと低く鈍い音。それもほんの一瞬だけ。

「あ……ふっ!」

 電流が走ったかのようだった。澪の体が倒れそうなくらいがくっと揺れる。けれどすぐに収まり、なんとか持ちこたえた。澪を除く三人は再び目配せする。


(いっちゃった?)

(みたいだね)

(うふふ)

 以心伝心。全てが丸分かりだった。みんなとっても意地悪さんだった。

(あ、あ、あ……。はず……かしいのが……きもち……いい……)

 澪は一瞬の間に絶頂を迎えさせられていたのだ。スカートの中の状況が見て取れる。もう、下着がスケスケになるくらいにぐしょぐしょなのだろう。みんなにばれたらどうなってしまうことか。想像すればするほど、澪の秘所は熱く濡れていく。





ライブは終わった。





後片付けは翌日改めて行われるから慌てる事はなかった。





全ては表彰式だの何だのが行われた後のこと。





(もう……だめ。はや、くぅ……)

 泣きそうなくらい潤んだ目を向ける澪。たれた雫が足を伝っていく。誰かに見られる前に早く出て行かないと決壊してしまいそうだ。

(焦らない焦らない。だいじょーぶだから)

 ニッと笑う律。

(いっぱいしようね。気持ちいいこと)

 くすくす笑う唯。

(ふふふ。楽しみです)

 みんなを見守るように微笑む紬。





熱い吐息を堪えながら





みんな大好きと、澪は心の底から思った。





ライブのように熱い時は、すぐそこに。

























----------後書き----------

 サプライズ、かもしれない。何の前触れもなくいきなり『けいおん!』SSなのでした。

 むしゃくしゃしてやった。反省はあまりしてない。

 さわちゃん先生とあずにゃんはいずこにという突っ込みは無しの方向で。



 ご意見ご感想シチュエーションのリクエスト、誤字脱字報告はWeb拍手にてお願い致します。






Back