【MSS 後編】
云うまでもなく
引き分けなどという結果に納得できるか!
と、いうのが姉妹共通の見解だったわけで。
その結果。勝負継続……プレイオフ(?)へと導かれることとなった。
「まじか?」 勝負をつけるためとはいえ、美坂姉妹によるあまりにあまりな提案に、祐一は絶句した。 「大まじよ」 香里ははっきりと頷き、それが覆ることのない決定事項であることを改めて確認する。同時に栞も横で頷き、白黒つけるためには手段を選ばないと云ったところか。 「ほ、本当に……するの? いいの? 本当に? 大丈夫なの?」 祐一と同じように困惑しまくる北川に、栞は少しじれったそうに断言した。 「いいんです!」 「二人ともつべこべ云ってないで早くしなさいよ!」 香里は苛つきながら祐一と北川の二人をせかす。 「わ、わかった」 祐一はいよいよ覚悟を決める。というよりも、栞と香里の眼光は拒否を許さないような鋭さがあった。もはや、やるしかないという状況へと追いやられていたのだ。 「あ、後でやっぱり嫌だったとか、云わないでくれよな!」 北川も、雑念を振り払うように目を閉じて、決意する。 「絶対云わない! 断言するわよ!」 「私もです!」 「じ、じゃあ」 北川が祐一の方をちらりと見ると。 「ああ」 祐一は準備OKのようだった。 決着をつける究極の手段。
それは、男二人が絶句するような、仰天するような提案だった。
ソファーの背もたれにしがみつくようにして、姉妹は男二人に向けて仲良く(?)お尻を突き出していた。ただ、先程と決定的に違ったことは……。 「香里……。行くぞ」 「う、んっ!」 北川ではなく、祐一が香里の中に。そして。 「し、栞ちゃん。入れるよ」 北川が栞の中に、挿入していくのだった。 「は、いっ!」 「ぐっ。香里の中、きつい……」 「はっ……あ、ああああ!」 つまりは彼氏総取っ替えということだった。その上で、どっちの方が気持ちよいかはっきりしろと、そんな提案。 「し、栞ちゃん……。痛く、ない?」 「大丈夫、です。……んっ」 祐一も北川も何とか決意したものの、やっぱり後ろめたさは消えない。なのでどこか本気になれず、姉妹にはそれが気に入らない。 「相沢君。手加減するんじゃないわよ」 「そうです。北川さんもですよ」 「あ、ああ」 「わ、わかってるよ」 そんな鋭い視線を浴びて、ようやく本気の覚悟を決めることになった。 「あ、あ……。全部、入ってくる……」 「もう少しだ」 香里の腰をがっしりと掴み、強引に奥までねじ込む。 「相沢君の……。大きい」 「北川よりもか?」 「……うん」 「がーん」 ショックを受ける北川。 「まあそう、がっかりするなよ」 「するわい」 そのような異常な事態にあっても、姉妹の意地の張り合いは続く。 「……で」 香里が体を震わせて熱い吐息を吐きながら問う。 「あたしと栞。んっ。……どっちの方が、あ……っ。……イイのよ?」 「そ、そんなこと云われても」 ずむ、ずむ、と小刻みに腰を前後に動かし、極限にまで大きくなったものを香里の中でうごめかせながら、祐一は返答に詰まる。 「あっあっあっ。北川さ……んっ。どう、なんですか?」 「え? え? それは、その」 北川が栞をぱちん、ぱちんと強めに突くと、白いお尻の柔らかな肌がたゆむ。 「はっきりしなさいよ!」 「ど……どっちも気持ちいい!」 「お、俺も!」 部屋の中には淫靡な水音が断続的に響いていく。 「な、何よそれ! あ……あっあっあっあっあっ! 激し……いぃぃっ!」 祐一は香里を突きながら、ゆさゆさと揺れる胸を掴んで揉みまわす。 「はぁっ! あっ! あふっ! あっあっあっあっ! き、北川さ……んっ!」 同じように北川も、栞の乳首をつまんでこねくりまわしていた。 「も、もう出る!」 「俺も!」 達しそうになり、全力で突きまくる。部屋の中には姉妹の切なげな喘ぎ声が響いていった。 そして。祐一と北川は……
またも同時に射精した。
「もう!」 「またですか!」 脱力し、ソファーにもたれ掛かる姉妹。よほど大量に出されたのか、お尻や背中には、ぶちまけられたものがこびりついている。 「そ、そんなこと云われても」 息も絶え絶えな男どもだったが、祐一はやけっぱちになって提案した。なかなか納得せず引き下がらない姉妹に反撃するつもりで。 「……。じ、じゃあ、さ。こういうのはどうだ?」 祐一は何を思ったのか、みんなに云った。かなりとんでもないことを。 「北川。栞の中に入れろよ。俺はその……後ろをもらう」 「ゆ、祐一さん……?」 栞の表情が凍る。それは香里も同じ。 「前で勝負が付かないなら……さ。いっそのこと。……実は、後ろは初めてだったりするんだな」 その内容に皆絶句する。さすがにそこまでは……というようなためらいで。だが、既にここまでやってきておいて、拒否権など認められるわけがなかった。 「白黒つけろと云っただろ?」 呆然とする姉妹に、祐一は強気になって云ってみた。すると……。 「わかった、わ」 「わかりました」 怖い物見たさ。あるいは好奇心。それらが理性を押しのけて、勝負は継続となった。 そして……。舞台はお風呂場へと移る。
「いくぞ」 息を飲む四人。 「す、すげぇ……。入っていくものなんだな……」 北川は圧倒されていた。 「はううぅぅっ! あ、あああああっ! あああーっ! あっ……ぐううっ!」 栞は既に、仰向けに寝そべる北川の上にまたがって挿入させられていた。そして、さらに祐一のものが後ろの方に入られていく。華奢な体を引き裂くように、二つのものが無理矢理入っていく。 「す……ごい。入っていく……けど。栞、本当に大丈夫……なの?」 その風景に、さすがの香里も呆然としていた。 「だ、いじょうぶ……だ、けど。きつ……い……です……。あ、ああぁぁ!」 あくまでゆっくりと入っていくのだけれど、あまりの圧迫感に涙をこぼしながら耐える。やがて、祐一のものがすべて埋まり込む……。 「栞。もっと力抜いて」 「は、い……。はふっ! う、動いちゃ……ああっ!」 北川が僅かに身じろぎしただけなのに、栞は全身を震わせる。 「くうっ! し、栞ちゃんの中……絞まるううっ!」 二つの穴を同時に塞がれて、栞は絶叫を上げつつ悶絶した。小さな胸の乳首が勃起し、祐一につままれてこねくり回される。ただでさえ敏感になった体にはきつすぎる刺激。更に祐一は、栞の耳たぶを舐めていじめる。栞が悶絶するたびに、北川も猛烈な締まりを感じる。 「ひゃうっ! あ、あ、あ……っ!」 「次は香里だからな」 この後、香里も同じことをするのだ。栞の様子を見ていると緊張してきて、鳥肌が立っていくのがわかる。 「わ、わかってる、わよ」 「あ、あう、ひあああああっ! うああっ……あひいいいっ! お、おねえちゃ……あああっ!」 やがて祐一のものも全て埋まり込み……北川も祐一もゆっくりとうごめき始める。栞は荒い息を吐きながら短く切りそろえられた髪を振り乱す。 「栞のお尻……。気持ちいいぞ」 「栞ちゃんの中も最高!」 二つの穴を目一杯こじ開けて、大きなモノが出入りする。ずりゅ、ずりゅと激しく強くこすりつけながら……。 「ひあっ! あっあっあっあっあっああっ! あひいっ! も、も、お……だ、め……あああっ! あああっ! あーーーっ!」 激しく揺さぶられるたびに栞の意識は飽和していき……いつしかはじけ飛んでしまった。完全に脱力してしまい、北川の体に重なる。射精され、栞のお尻からは白いものがとろりとこぼれ落ちていった。 そして、体を洗って今度は……。
失神するまでの刺激を受けて、栞の体はマットの上に寝かされていた。熱い湯気をかきわけるようにして、今度は香里の番が始まる。 「み、美坂」 「いいわよ。……約束だしね」 そんな栞を横目に、香里は仰向けに寝そべる祐一の体にまたがって、入れていく。 「んっ!」 「まさかこういう事になるとはなぁ」 「ううぅぅぅ」 「香里。力抜け」 「わかってる……わよ。あ、あぁぁ」 そして……。 「全部入ったぞ」 相変わらずの圧迫感に耐えながら、奥まで入り込む。そして……香里は後ろを向いて、北川を誘う。淫らに、やらしく……。 「は、ぁ……。北川君。入れて」 「あ、ああ! 入れちゃうぞ! ……美坂。えろすぎだ」 北川は香里の薄いピンク色のそこにゆっくりと、傷つけないように気を付けながら挿入していく。 「うあ! あ、あ、あ……う、ううう!」 覚悟を決めていた香里だが、それでもあまりの圧迫感にきつく目を綴じる。 「み、美坂のお尻……。可愛い」 丸いお尻を撫で回す。 「ち、ちょっと。そんなとこあんまり撫でないでよ。くすぐったいじゃない」 じとーっとした目で呆れる。 「ごめん。つい。栞ちゃんと比べて肉付きがいいっていうか」 「何よ! それって、あたしが太めってこと!?」 「そ、そうじゃなくってだな」 「むっちりしてる、ってことだな。北川よ」 「そう! それそれ!」 「な、何よそれ。……って、うああっ! ち、ちょっと。入ってく……ああああっ!」 「ん。……これ以上、入らない……か?」 ただでさえきつい締め付けに脂汗をかきながら、祐一も北川も香里も、必死にたえている。 「まだいけるはずだぞ」 「そ、そうなのか?」 不安そうな北川に、更に一押しを要求する祐一。 「あ、あ、あ!」 「少し強引に行けよ」 「ああ!」 「んあああっ! ああっ! ああっ! あああああっ! 熱いぃぃぃっ!」 半狂乱になって喘ぎを上げる香里をみて、祐一は抱き締めるように顔を引き寄せて……。 「ん……んぅっ!?」 深いキスをした。何気なくしたことだったが、それは重要な問題を含んでいた。 「あ、相沢君」 「何だ?」 「……。あたし、ファーストキス」 「なにぃっ!? まじかっ!」 「な、何ですとぉっ!?」 衝撃の事実にビクッと震える。三人、くっつきながら。 「お前ら! する順序が逆だろがっ!」 祐一があまりにももっともな突っ込みを入れるが、時は既に遅すぎた。 「そんなこと今更云われても遅いわよ!」 「くおおおおっ! 美坂あぁぁぁぁぁっ!」 男泣き状態の北川。香里の胸を両手で少し強めに揉みまくりながら動きを開始する。 「あっ! ああっ! ち、ちょっと北川く……んっ! あっ! あああっ! あひぃっ! いきなり……は、げしすぎ……んあああっ!」 「こら北川! いきなり動き始めるな! 絞まるだろうが!」 負けじと祐一も動き始める。二つの穴をめちゃくちゃに攻められて、香里は悶絶した。ウェーブがかった長い髪を振り乱し、男二人に体をサンドイッチさせられて……。 「んああっ! はぅっ! あ……あーーーっ! やっ……あっ! い、しきがとんじゃ……う!」 それは、香里が栞と同じように失神するまで続いた……。 「ひああああああっ! ああっ! あああっ! あひっ……ぃ……」 …………
ソファーにて眠るのは裸の姉妹。男二人は彼女たちをお風呂から連れ出して、体を拭いてやったのだった。 「やれやれ」 「大変だったな」 成り行きとはいえ、いきなりとんでもないことになってしまった。 「お前。初体験でいきなり乱交だなんてあり得ないぞ」 「そ、そうだな」 当人同士はおろか、他人にそのような行為を見られるのですら恥ずかしいのに、勢いに任せてしてしまった。北川は思わず恥ずかしくなってしまう。 「それにしても」 祐一はしみじみと云った。 「可愛いよな。こいつら」 「ああ!」 北川は力一杯同意する。 栞と香里。二人にとってかけがえのない存在。
そして、更に時は過ぎ……。 「北川君」 「祐一さん」 テーブルの上には色とりどりの料理。そして、北川と祐一の前にはエプロンを着た姉妹。 「あたしが作った料理の方が、美味しいでしょう?」 「そんなことありません。私が作った方が美味しいですよね?」 相も変わらず張りあう姉妹。 「えーと」 「まあその、なんだ」 そんな時、二人とも優柔不断なのはお約束なわけで。 「と、とりあえず」 「食ってみよう!」 そして一口食べてみる。 「美味いよ。美坂の作った料理は」 「うん。栞の作った料理も美味いぞ」 と、かなりわざとらしく褒めてみる。……実際の所、味も最高だったけど、互いに彼女のご機嫌を取らないといけないわけで。しかし悲しいかな。彼らは既に墓穴を掘っていた! 「北川君。それ、栞が作ったやつ」 「祐一さん。それ、お姉ちゃんが作った料理です」 「あ」 「あっはっは」 誤魔化し笑いで許してくれるわけもなく。 姉と妹。
二人の視線がまたもぶつかり合い、火花が散ったように見えた。
「北川君」 「祐一さん」 ものすごい迫力というべきか、オーラと云うべきか。そのようなものが彼女たちの全身から湯気のように立ちこめている。 「どっちの方がおいしいか」 「決着が付くまで、付き合ってもらうからね!」 「はい……」 「わかり、ました」 祐一、北川共に。
腹が限界にふくれるほど
姉妹の料理勝負に付き合わされるのだった。
「北川君!」 「祐一さん!」 二人の台詞は一つ。 「どっちですか!」 ハモってしまうのはいつものこと。 「う、美味いけど……。も、もう……食えない」 「ど、どっちも……最高」 嬉し幸せな、姉妹の勝負は続く。
ずっと、いつまでも。
----------後書き----------
てなわけで、MSS三部作完結であります。タイトルのMSSが何の略かはご想像にお任せいたします。 それはさておき、通常ならこのくらいのお話は一話にまとめてみるのですが、これくらいに小分けした方がいいのかな、と思ってそうしてみました。UPも一気にじゃなくて少しずつの方がわくわく感が出て楽しいかな、とも思ったり。 たまに連載もので途中で止まってしまっているサイトとかあったりしますが。連載ものは絶対に完結させる、というポリシーでやっています。完結させる自信があんまり無いから、無難に短編中心という感じになってはおりますが。 単体で好きなキャラクターとは別に、姉妹とかパートナーとか組み合わせると好きなキャラとして、美坂姉妹は個人的にNO.1を争っていたりします。なので、このような展開を考えてみました。 前編、中編、後編とお付き合いいただきましてどうもありがとうございました! ご意見ご感想シチュエーションのリクエスト、誤字脱字報告はWeb拍手にてお願い致します。 |