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記念日には花を添えて










 新吾の手が伸びて、みうの柔らかな後ろ髪を指先で弄ぶ。愛しそうに、慈しみながら。

「みう先輩は本当に、いけない人だよね」

「あ、あっ」

 みうはか細く切ない喘ぎを漏らしながら、体を少しずつ前後に揺さぶられている。ここは天羽家は、みうの部屋。部屋の主であるみう本人と同じように、ふんわりとした雰囲気が漂う部屋。みうは清潔なカーペットの上に両手と両膝をついて、猫のようん四つん這いのスタイルで、みうも新吾もそろって全裸。私服も下着も脱ぎ捨てて、普段と違って丁寧に折り畳むこともなく、ベッドの上に無造作に放り投げられている。

「こんな風にされるのが、いいんだね」

「う、ん。……そう。いいの。あっ。ひっ」

 その通りだから、頷こうとしたけれど失敗。みうの頭には、バイトでいつも身につけている黒い猫の耳。それに加えて、アナルプラグがねじ込まれていることによって、半ば強引にくくりつけられている尻尾が見える。身も心も猫になりきって、激しく交尾をして欲しいというのが、みうのリクエスト。みうが誕生日という記念の日に望んだのは、そんな野性的な行為。普段が優しすぎるから、たまには強引に、押し倒してしまうくらいの勢いでして欲しいなと、そう思ったから。そして、行為はもう既に開始されている。

「あ、ああっ。し、新吾くんの……が、わたしの中で、擦れてるよ……」

「ええ。俺もです。みう先輩のお○んこが、きゅうきゅう締め付けてくるのがわかりますよ。ぬめぬめしてて暖かくて、絞られてるみたいです」

 新吾は放送コードに引っ掛かりそうな単語をあえてみうの耳元で、はっきりと呟いてみせる。

「そん、な。恥ずかしい事……」

「恥ずかしい? 何を今更ですよ。既に、こんな恥ずかしい事をしているんですから」

「そ、そうだけど。ふあっ!?」

 ずん、と強い衝撃。杭を打ち込まれるように、一気に子宮の方にまで迫ってきそうな突き上げを受けて、みうは裏返った声を上げてしまう。それまでは、もぞもぞと焦らすようにゆっくりとしていた動きだったのに、突如として強引なものに変わったから堪らない。

「し、新吾くん! いきなりそんなっ!」

 痛くはない。むしろ、気持ちいいくらいだ。けれど、心の準備をする間も与えられなかったことに、ちょっと抗議。……しても無駄だとわかっているけれど。

「いきなり奥まで突いたら、感じちゃいますか?」

 思いっきり図星だった。

「そ、そうだけど。……って、そうじゃなくて。ううん、実際すごく感じ……ちゃってるけど、でも……そうじゃなくてね。新吾くん。あ……。お、お尻の触り方。ものすごくえっちだよ? くすぐったくて、変な感じ」

 みうのバストと同じようにふっくらとした丸いお尻は今、新吾の両手で掴まている。白く柔らかな肌には新吾の指がめり込んで形を変えている。やがて、揉み潰すようにしてこね回されてしまう。

「みう先輩のお尻って、マシュマロみたいに白くて柔らかくて可愛いから、つい、いじくりたくなっちゃうんです。それにしても、みう先輩って、すごくえっちですよね。……ちっちゃくて可愛いのに、おっぱいは特大なんですから」

「もう。わたし、これでも新吾くんの先輩なんだよ? ちっちゃいけど……」

 そんな可愛らしい抗議に対し、新吾は軽口で受け流す。

「おっぱいは小さくないですよね」

「おっぱいのことじゃなくてね……」

 背が小さいのは、みうにとっては結構なコンプレックスなのだった。

「……おっきなおっぱいを床にめり込ませて、ゴムボールみたいにぐんにゃりってつぶしちゃって、それで、お尻をはしたなく俺の方に高く突き上げておねだりなんて。普段の先輩からは考えられないですよ」

 そう言いながら、新吾はみうの尻を尚も両手で撫で回す。手に吸い付くように瑞々しい。

「だって……。して欲しいんだもん。新吾くんに……。ん……。あ……。触り方、えっちだよ。痴漢されてるみたい……」

「そんな事言いながら、ますます濡れてきてますよ。割れ目も綺麗ですし、尻尾がずっぽりと入ってる穴も丸見えですよ」

「ひゃあんっ! あんまり見ないで〜!」

 恰好が恰好なだけに見られても仕方がないのだけれど、改めて言われると恥ずかしくて堪らない。

「交尾、したいんですよね?」

「……うん」

「どんな風にして欲しいんですか?」

 あえて具体的に説明させる新吾。みうを恥じらわせて興奮を高めさせる魂胆。みうはもう、されるがまま。新吾のペースに付き合って、全て受け入れて従うしかないのだった。

「ずにゅずにゅって……出したり入れたり、いっぱいしてもらって……」

「激しいのがいいんですか? それとも、ゆっくりがいいんですか?」

「ど、どっちも……。って、どうして止めちゃうの?」

「一休み、ですよ」

 今日の新吾はちょっと意地悪だった。会話をしながらひたすらゆっくりうごめいていたのに、突然の静止。

「む〜。新吾くん〜」

「続きをして欲しければ、しますよ。みう先輩のお願いは、聞かないわけにはいきませんから」

 それはつまり、恥ずかしいおねだりをして欲しいとの、遠回しなリクエスト。

「……新吾くん。わたしの……こんな。動物みたいに四つん這いで、おっぱいもお尻も、恥ずかしいところを全部丸出しにして、はしたないわたしの。……お、お尻の穴に、猫の尻尾なんて入れちゃってるわたしの……その……」

 みうの呼吸が粗くなっていく。恥じらいのあまり、体温が急上昇していってるみたいに感じる。言葉がうまく紡ぎ出せず、もどかしさに苛まれる。

「もう、いやらしいおつゆで……びしょびしょの、べとべとになっちゃってるお○んこに……新吾くんのおっきくて、太くて長くて……熱い……お、お……ちんちんを、奥まで突き立てて。それで……」

 もっと具体的に言わなければいけない。前もこんな時があって、経験済み。どんなことを望んでいるか、しっかりとイメージして、言葉に変換してみせる。

「わ、わたしのお○んこが裂けちゃいそうなくらい……激しく、ぱんぱんって、音がするくらいお尻に叩きつけて……欲しいの。ずこずこ、ばこばこって……交尾……して」

 さらに具体的に求めなければいけない。段々とみうはやけっぱちになっていき、恥じらいもかなぐり捨てて叫んだ。もう待ち切れない。我慢なんてできない。

「お願い新吾くん! 交尾、して! ずこばこって、して! わたしのお尻が壊れちゃいそうなくらい激しく、お○んちん突き立てて! お○んこがぐじゅぐじゅになるくらい出して! ……セックス、してぇっ! んああっ!」

 導火線に付いた火が到達したかのように、大きな突き上げが開始された。

「あっあっあっあっ! あっあひっ! あっあっ! んあっ! ああっああんっ! あっ! あっ!」

「よくわかりました。おねだりしちゃうだなんて、本当にえっちな先輩ですよね」

「だ、ってえぇ。んあぁっ! あひっ! はひっ! す、ごいぃぃ……っ! すごいよおぉっ! んはあっ! ひぅっ!」

 静止状態から急加速し、一気に最高回転モード。それも、一切途切れたりしない本気具合。

「はあぁっ! い、いっちゃうよぉっ! お○んこがぐりぐりってされて、気持ちいいのぉっ! もっとして! もっとずこずこってしてえっ!」

「お尻もお○んこにも突っ込まれて、気持ちいいんですね。つやつやのお尻がぷるぷるふるえて、プリンみたいですよ」

「うん! 気持ちいいよ! あ、あ、んあああっ! あふっ! はふっ! はしたないけど……お尻、わたしふってみるね……。頑張って、ふってみせ……る……から。あ、あ! んあああっ! あひっ! ああああっ! そんなっ!」

 みうが必死に新吾の動きに合わせようとしても、速さも力強さもとてもかなわない。あまりの快感にみうは少し白目を剥き、舌を出して涎を飛び散らせながら喘いだ。決意は十分だったけれど、実力の差はいかんともしがたかった。

「すごいですよね。俺が突く度に、おっぱいがぶるんぶるん揺れてますよ。お尻もたゆんたゆんしてます。お○んこなんてぐちょぐちょで、とろけちゃってるみたいですよ」

「あっああっ! ああんっ! だ、ってえ!」

「先輩、もういきそうですね?」

「うん! いっちゃうよぉっ! こんなに早、くうっ! うあっあっあっあっあっ! い、いっちゃういっちゃういっちゃううううっ! 出して! わたしのお○んこにいっぱい出してっ! んああああああっ! お○んこ気持ちいいいいいっ!」

 こうして、新吾によってみうはあまりにもあっさりと絶頂を迎えさせられてしまった。

「あ、あああっ! い……っちゃった。あ、あああ……。お○んこが……。お○んこがぁ……。中から、溢れてきちゃうよぉ……」

 みうの膣内奥深くに突っ込んだまま新吾は動きを止めている。みうに遅れること十数秒後に新吾も達していく。二度、三度と続く射精が終わってようやく一気に引き抜く。

「あひいっ!」

 どろりとした精液が出てくると共に、びしゃりと透明な滴も飛び出して、カーペットの上を濡らしてしまった。

「みう先輩。お部屋でそんなにいっぱい出しちゃって」

「で、出ちゃうの……! お潮が……止められないの……。あ、あ、あああ〜……! か、体が……変になっちゃったよぉ!」

「いきまくっちゃって、お部屋でお漏らししちゃうなんて、変態ですよ」

「はうっ! 言わないでえぇっ! あぅぅぅぅっ! 止まって! 止まってよおぉっ! ああああんっ!」

 困惑しまくっている本人をよそに、びちゃ、びちゃ、と、辺りかまわずぶちまけられてしまう光景はしばらくの間続いた。










…………










 一階のリビングにて。

「ああんっ! だ、めぇぇ! 見ちゃ、だめだよぉ! あっあっあんっ! はぁんっ!」

 第二ラウンドを続けている二人の脇にて、ちょこんと佇んでいる猫が二匹。ドモンとカリンという名の、天羽家の飼い猫が興味深そうに見守る中、二人は激しい交尾を続けた。みうは無論四つん這いで、猫の耳と尻尾をつけたまま。細い両腕を掴まれて引っ張られ、さらに深く密着していく。

「みう先輩は、まるでお姉ちゃん猫みたいですね」

「あああああっ! こんなっ! 見られながら、なん……てっ」

 誰もいないからといって、彼女の家で、大切な人を好き放題に犯し尽くしている。そんな背徳感が新吾の興奮を増幅させている。もっと、もっと、と、欲求が高まっていく。

「だめえええええっ! 恥ずかしいいいいいっ!」

 二匹の猫が互いに顔を合わせてにゃーんと鳴いている。みうと新吾の交わりを見て、なにやら会話でもしているかのようだ。

「この猫達に交尾の仕方、じっくりと教えてやりましょうよ」

 挑発的な言葉が、みうの性感帯と化してしまった全身を刺激する。

「そん、なっ! んああああああああっ! ま、またいっちゃうううっ! 気持ちいいよおおおっ!」

 絶頂はまたも唐突に訪れる。みうは猫達に見つめられながら、射精されていった。










…………










「新吾くぅん。ミルク……飲ませてぇ」

 今の今まで猫用のカップに注がれたミルクを、四つん這いのまま近づいて舌をぺろぺろと出していたみう。唐突に、もっと濃厚なミルクを飲みたいと言い出した。いつしか首に巻きつけられた鈴をちりん、と鳴らしながら、更なる淫行を求める。

「あむ、はむ……」

 大きな胸と小さな口を駆使して愛撫を続ける。顔に出してもらったり、口内に注ぎ込んでもらったり、あえて床にぶちまけてもらって、それを舌でぺろぺろとなめてみたり。媚薬でも盛られたかのように全身が火照って、唇がなまめかしい色になっていく。

「れろ、れろ。んふ……」

 ぴちゃ、ぷちゃ、と音を立て、糸を引きながら粘膜が擦れ合う。柔らかな胸は思い切り揉みしだかれて、絞られるように形を変えていく。胸の谷間にはパイズリが行われた生々しい精液の跡。

「んく、んく……。んぐ……。んく……」

 ごくり、ごくり、と二度ほどかすかに喉が鳴る。未だ量が衰えない射精。みうは口内奥深くで受け止めて、全てを飲み干していった。

「んん……。新吾くんのミルク、おいし……」

 精液まみれの顔を拭くこともなく、ぺろ、と舌を出して笑顔。










…………










 二人は尚も、繋がったまま家のあちこちで交わった。

「あっあっあっあっ! お父さん、ごめんなさい! ごめんなさいぃ〜! こんな、えっちな娘で……ごめんなさ……いぃぃっ!」

 ――例えば、あえて父の部屋で交わりながら懺悔したり。

「あ、あああっ! お、お母さんには負けないんだから! お母さんのお○んこより、わたしのお○んこの方が新吾くんのお○んちんをしっかり締め付けられるんだから〜! んああああっ!」

 ――母の部屋で、揺さぶられながら謎の対抗心を燃やしてみたり。

「あ、あ、あ、あ、あ! み、みんなが見てる! ああああっ! 恥ずかしいよおぉっ!」

 ――再びみうの部屋。びしょびしょのカーペットはそのまま。……紗凪がいて、桜乃がいて、愛理がいて……。アンジェや結月、隼太や万智、学園長もいる。ぱんにゃの姿もある。ベッドの上に飾られている、いくつもの写真立てには親しい友人達の写真。多くの視線にさらされながらみうは絶頂を向かえ、膣内射精されていく。

 ――お次は、さてどこか?

「あああああっ! こ、これじゃわたし……こ、公衆便所……みたいだよぉ!」

 極めつけはトイレの中。便座に腰掛けさせられながら犯されているみう。心なしか、ぱんぱんと交わる音が大きく聞こえてしまう。

「最高のトイレですよ。みう先輩は」

「そんなの嬉しくないぃ〜! んあああああああっ! そ、そんな! 熱いのが! あひいっ!」

 みうの膣内に、新吾は射精……ではなく、放尿を開始した。溜まりに溜まった水量は多く、すぐに逆流してしまう。けれど、どんなに大洪水を起こしてしまっても大丈夫。大股を開いたみうの真下に、ほとんど全部が吸い込まれていくのだから。

 ――リビングのテーブルには、新吾がみうに贈った色とりどりの花束が花瓶に入れられて、飾られている。

「ん……。はむ……。あむ……。ん、んっ」

 抱きしめ合いながらキスをし合う。もみくちゃにされている胸をみうは自ら掴んで寄せ上げて、笑顔で新吾を誘う。

「新吾くん。わたしのおっぱい、一緒になめなめしよっ」

「はい。乳首、完全に起ってますね」

「うんっ。だって、気持ちいいんだもん。ちゅーちゅー、れろれろって、ちゅぱちゅぱって、赤ちゃんみたいに吸ってもらえて……。あ、んっ! あっ! おっぱいいじくられるだけで、いっちゃうよ……。あっ……んっ」

 贈られた花束のように色づいていくみう。過激な記念日のプレゼントは、まだ終わりを見せないのだった。




















----------後書き----------

 ハッピーバースデーてことで、即興書き。即興の割りにはそこそこハードに仕上がりました。紗凪きちもですが、みう先輩もねこのイメージがぴったりですよね。

 普段こういったイベントSSは余り書かないものですが、何故だかビッグウェーブ(と言う程でもない)に乗ってみたくなったのでありました。いかがでしたでしょうか。


ご感想を頂けると嬉しいです。





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