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なぎー・ざ・すたんぴーど










 暖かく、明るい日の午後のこと。

(国崎さん。どのような夢を、見ているのでしょうか?)

 廃駅の前に置かれたベンチに腰掛けて、黒ずくめの男こと国崎往人は爆睡していた。

 そしてその横に寄り添うようにして、黒い制服を着たロングヘアの美少女遠野美凪が、往人の顔を見上げていた。

「……」

 往人は時折『ぐがー』とか云いながら、だらしなく口を開き、すこしだけ涎を垂らしている。

(とても、気持ち良さそうです)

 彼の様子を見ていると、とても幸せそうなので、彼女もつられて……。

(では、私も。幸せな気持ちに……)

 眠りに身をまかせよう、と思った。が……。ふと、あるものが目に入った。それは。

(苦しそう)

 往人の股間。はちきれんばかりに勃起したそれはとても大きくて、ズボンの布地を大いに圧迫しているのだった。

(そういえば。国崎さんは、どのようにして日々の性欲を解消しているのでしょうか?)

 そんな疑問が沸いてくるのだった。とても冷静に、変なことを考えるのは美凪の癖だった。

(成人本の一つも持っている様子がありませんし。……えっちなことも、そんなにしていませんし。一人でしている様子もありません)

 すると、一つの結論が導き出される。

(つまり。国崎さんの朝は……)

 往人が早めに起きて汚れたパンツを洗濯しているシーンが彼女の頭の中で映像化され、再現されているのだった。とても惨めなワンシーンである。

 例えるならば。

(大洪水で、待は水浸し)

 ということであり、つまり。

(お洗濯は、大変です)

 その惨状を理解し、うんうん、と目を伏せて頷く。

(大変は辛い。辛いは不幸せ。不幸せは悲しい……。つまり)

 彼の恋人として何ができるか。とか、そんなことを考える。










一連の思案をまとめ上げた結果、彼女は一つの決意をする。










「……。右よし。左よし」

 と、鉄道員の如く視差確認。そもそもが、寂れきった廃駅などに来る者などはいないのだが。これからする事がする事だけに、ちょっと警戒。

「それでは」

 未だ深い眠りについている往人に跪くようにしてしゃがみ込む。そして、ズボンのチャックをゆっくりと降ろす。

「……」

 ふるんと震えながら出てきたそれは、とても大きく、太く、長いものだった。

「キュウリ。ナス。……いいえ、ヘチマクラス。ぽっ」

 頬を赤らめ、左手で髪を押さえながら右手でそれを掴み、口を近づけ。

「いただきます」

 ぱくっとくわえ込んだ。

「ん。ん。ん」

 歯を当てないように大きく口を開けて、前後にゆっくりと動かす。健康的な桜色の唇を這わせるようにして密着させる。

(大きい、です)

 ちゅぷ、ちゅぷと音を立てて唾液を絡め、顔を前後に動かす。

(歯を当てたら、いけません)

 丁寧に優しく、歯が当たらないように気をつけながらずりゅ、ずりゅと陰毛を頬にこすらせながら、少しずつ速度を早めて行く。

(暖かい……)

 往人は相変わらず、寝惚けている。

「ん、ん、んん、ん……」

 美凪は舌を左右に動かして、下部を刺激する。そして、裏筋に沿うようにして縦に這わせる。

「あぐ……。ん、ん……」

 口の奥までくわえ込んでもまだ全部埋まりきらない。少しむせかえりそうになりながらも続ける。

(国崎さん。とても、大きいです)

 じゅぷ、じゅぽ、と唾液が泡立つくらいに愛撫を重ねていき。やがて……。

「ぐご……」

(……。更に堅くなってきました。つまり)

 ぴくぴくっと連続して震え、絶頂の合図を発する。

(全部、いただきましょう)

 美凪は全てを飲み干すべく、くわえ込んだまま目を閉じた。そして、往人が絶頂を迎えた。瞬間。遠くの方から元気のいい声。

「美凪〜〜〜! 遊ぼ〜〜〜!」

 勢いよく駆けてきたのはみちる。大好きな美凪に会いに来たわけで。

「はい」

 条件反射。にゅるん、とくわえていたものを離して律義に返事を返した。が……。

「あ」

「え?」

 どぴゅっどぴゅっどぴゅどぴゅどぴゅっと、凄まじい勢いで大量の精液が対空砲火の如くぶっ放され。

「わぷっ!? んごにゅっ!? ぶぺぴょっ!?」

 びしゃびしゃびしゃっと、みちるの顔面に全弾命中。みちるは思いっきりのけぞるのだった。

「わ、わ、わ……わーーーーーーーわああああああ! き、気持ち悪いーーーーー! 苦い〜〜〜〜〜! 臭い〜〜〜〜〜!」

 往人の、数カ月以上に及ぶ貯蔵量を思いっきりくらい、みちるの顔はどろどろのべっとべとの真っ白けっけになってしまった。云うまでもなく慌てふためくみちる。

 あまりにも濃厚で熱くて強烈な匂いに、みちるはみるみる涙目になっていき。

「なにすんだ国崎往人の変態ーーーーー! あんたなんてやっつけてやるーーーーー!」

 大量の精液がだらだらと顎を伝ってたれていき、服までも汚していくのも気にせずに、どがっと往人の股間を蹴っ飛ばした。

「ぐおっ! な、何だ!? ……って。お前一体何やってるかーーー!」

 今の状態。屋外にて局部を露出させた往人と、顔面射精くらって顔をべとべとにしたみちる。つまるところ。

「痴漢! 強姦魔! 強盗! 変質者! 死んじゃえ〜〜〜〜〜!」

 と、『強盗』以外は云われても仕方がない状況なのだが。

「いい加減にしろ!」

 往人は往人でいわれのない誹謗中傷と攻撃を受けて頭にきて、局部むき出し状態でガシッとみちるの体をロックする。迫真の演技というより本物そのもの。

「んごっ! 離せーーー! 離せーーー! 犯される〜〜〜!」

「やかましい! 本当に犯すぞこの!」

「美凪〜〜〜! 助けて〜〜〜!」

「はい」

 あっさりと返事。

「国崎さん。みちるを離さないでください」

「お、おい?」

「美凪〜!?」

 そして美凪は小柄なみちるに合わせるように屈み込み……。

「べとべとしたものは、舐めて綺麗にしましょう」

 みちるの顔にかけられたものを舌で舐めはじめた。助ける=綺麗にする、と判断したらしい。

「ん、ん……」

「んにゅううううっ! くくく、くすぐったいーーーっ!」

「一体。……何がどうなっているんだ」

 一人、事態を飲み込めていない往人を残し、美凪の暴走は続く。

「んく、んく」

 そんな、晴れた午後の一時だった。
















----------後書き----------

 AIRのえっちぃお話第二弾w

 なぎーワールド炸裂なお話にしてみました。



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