【僕の可愛いネコ少女】
…す〜(−_−)
香里「あら、どうしたの?(^^;)」
ねこみみーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!
(>▽<#)
香里「きゃあっ!(;_;)」
しっぽーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!(#>▽<)
香里「な、なんなのよいきなりっ!(T_T;)」
にくきゅうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!(#>▽<#)
香里「…(T-T;)」
と、いうような内容だ。今回のお話はっ♪(^▽^)
香里「あ、相変わらず…趣味丸出しねぇ…(T_T;)」
あ、それと…。
香里「?」
八重歯ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!(;▽;)
香里「もうええっつーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーのっ!!!!(#T−T#)」
ばきっ!
ぎゃんっ!(x_x)
ち、ちなみにこの作品……『明るくお馬鹿な18禁』だったりします(x_x)
香里「な、なんですって!?(#T−T#)」
十八歳未満の方やそーいう表現(エッチな描写♪)が嫌いな方は読んじゃダメですよん(^^;)
すたたたっ!(←逃げる音♪)
香里「あっ、こらっ!ま、まちなさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!(TT#)」
にっげろ〜〜〜〜((((( ^−^)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
朝。今日は珍しく余裕を持って、名雪と一緒に登校中…。
だけど。
うにゃ〜あ♪
「ねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーねこーーっ!!!!」
路上に野良猫が一匹!ってことはもう説明不要だよな。はぁ〜…(溜息)
そんなこんなで今日も朝から暴走気味の名雪を取り押さえにかかる。
ガシッ!
ネコを掴むように、名雪の首根っこを押さえる。
「ほらあっ!ネコなんかに構ってないでさっさと学校行くぞっ!」
そうでもしなきゃいつも遅刻だからな。
「うー。祐一嫌いっ!放してよ〜!」
瞳に涙を浮かべながらジタバタ暴れる名雪。
「お前なぁ。ガキみたいにいつまでも駄々捏ねてんじゃないよ!」
「う〜〜〜〜〜〜〜。でもでもでもぉ〜〜〜〜〜〜〜。ねこさん〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
ズルズル…。
ぬうう。
も、ものすごい力だ…。
「うぐぐ……ほ、ほらっ!行くぞっ!」
名雪は猫が絡むとこうだからなぁ。ホントに、テコでも動かないんだから。
「う〜〜〜〜〜!ねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
ズルズルズルズル…。
「ぬうううっ!…こら!ちゃんと歩け〜っ!」
そんなふうに必死に名雪を引きずっていると…。
タタタタッ
「おはようっ。相沢君、名雪っ!」
「あ、香里か…」
香里が後ろから声をかけてきた。
「朝からどうしたの?」
「…見ての通りだよ」
「ふぅ〜ん。『ネコ』ね…?」
「ご名答。…まったく!」
さすがは親友だ。一目で名雪の様子が分かったようだ。
「ねこー…ねこー…ぐすっ…」
にゃぁ〜〜ん………にゃぁ〜………ん………
トテトテトテテ…
名雪の悲しみなど知らず、愛想の悪いにやけた野良猫は何処かへと消えていった。
「相沢君も大変ね…」
しみじみと同情してくれる香里。
「そんなら変わってくれ…」
「丁重にお断りするわ。ふふっ」
そりゃ懸命な判断だな…。
「ううっ。ぐすっ……ゆういちぃ…わたし…ネコさん飼いたいよぉ………」
さすがに名雪もネコを追うのを諦めたのか、涙目で訴えてくる。
「う〜む。そうは言っても、こればかりはなぁ…」
俺にはどうしようもない…。
「大人しく諦めなさい。名雪」
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
名雪の悲痛な叫びが朝の街に轟いた。
・
・
・
キーンコーンカーンコーン…
そんなことがあってから、何事も無く昼休みを向かえた…。
「さて。学食にでも行くか…」
混んでたら購買でパンでも買えばいいし。
「名雪も一緒に…って、あれ?」
教室に名雪の姿は無かった。
「…何だ。先に行っちまったのかな?」
仕方なく一人で行こうとしたら…。
ガラッ!
「相沢君っ!大変よっ!」
香里が血相変えて走ってきた。
「…どうしたんだ、そんなに慌てて?」
「名雪がっ!…とにかく一緒に来てっ!」
「お、おう…!」
・
・
・
うにゃ〜ん♪
「ねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「み、水瀬さ〜〜〜んっ!い、行っちゃダメだ〜〜〜〜っ!!アレルギーが〜〜〜〜っ!!!」
ズルズルズルッ!
香里に案内されて走っていくと、引きずられながらも必死に名雪を羽交い締めにして押さえる北川がいた。
どうやら校舎の中に野良猫が一匹迷って入り込んで来たようだ。それを名雪が偶然発見してしまって……(以下略)
「名雪っ!」
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!北川君、嫌いだよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!放して〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
哀れ。北川は事情を知らない勝手な野次馬達から、痛い視線を集めることになっていた。だって、涙を流して嫌がる女の子を羽交い締めにしているのだから。
この後北川は、某ときめきゲーム並に校内に悪い噂を流されることになる。合掌。
「ぐはっ!そ、そんなぁ〜!お、俺は間違っていな…………………うわぁっ!」
バッ!
ダダダダッ!
渾身の力で北川を振り払い、猫へ向かって突進する。
うにゃ?
「ねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!
バッ!
勢いよく猫に向かって飛び掛った!
うにゃぁぁっ!?
サッ!
当然の如くびっくりして逃げ出すネコ。
「な…名雪〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
俺は絶叫したが、時既に遅し…。
ベシィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!
「ふにゃぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!!!!」
名雪は思いっきり顔面から壁に激突していた…。
「う………うにゅぅ………ね、ねこぉ〜〜〜………………………」
ズルズル…ベシャッ…
目を回して床に崩れ落ちる名雪。
「あ〜あ。やっちまったか……」
痛々しくて見ていられず思わず手で眼を覆う…。
「す、すまん相沢…。水瀬さん、ものすごい力で……」
「ああ、気にするな。北川のせいじゃない。あーなった名雪は誰にも止められんから…」
「…すごい執念よね。猫が絡んだ時の名雪って」
ホントにもう…。
・
・
・
それからしばらくして…。
夕焼けが差し込む放課後の保健室。
「うにゅ…………ん…………?」
「起きたか名雪」
「あ、あれれ?祐一…?」
あの後名雪は目を回しちまって、俺が保健室まで負ぶってやったんだ。
「あれからずっと寝てたんだよ。お前は」
「そうなんだ…」
「ぶつけたとこ、大丈夫か?」
「うん…」
とりあえず、おでこの腫れは大体引いたようだった。
「…」
しばらくの沈黙。
俺の方から話を切りだしていく。
「なあ…名雪」
「…なに?」
首を傾げる名雪に俺は話し続ける。
「俺も…お前の猫アレルギーをどうにかしてやりたいけどさ。…悪いけど、こればかりはどうしようもないんだ」
俺は医者じゃないし、そもそも何でアレルギーなんかがあるのか…。そんなことですら、さっぱりわからない…。
「うん…」
わかってはいても、やっぱり悲しそうな名雪。
「だから…さ」
「…?」
ぽさっ。
俺は鞄から一つの大きな包みを取り出し、ベッドの上に置いた。
「誤魔化すみたいだけど。こんなんで許してやってくれないかな…」
「…祐一。この袋、開けてもいい?」
「ああ。いいよ」
そのために買ったのだし…。
カサ…
紙包みを開けると、その中からは…。
「わぁ……可愛いネコさん……」
名雪が保健室で寝ている間に香里に教えてもらって、大急ぎで商店街に行って買ってきた。白いネコのぬいぐるみ。
メイド服ってのがちょいとばかりマニアックでアレだが、急いでいたからこんなのしか見つからなかった…。
色々考えたんだけど…こんな手しか考えつかなかった。
「ごめんなー。無力でさ…」
フルフルッ!
「ううんっ!………ぐすっ………。ごめんね。私…。いつもいつも祐一に……迷惑ばかりかけちゃって……。こんなに心配してくれるのに…」
ぬいぐるみを抱きしめながら、ぽろぽろと涙をこぼしはじめる名雪。
「その……さ。俺も祈るよ。いつかお前が本物のネコを飼えるようになることを…」
俺はかなり照れくさくて、鼻の頭を引っ掻きながらそんな台詞を吐いた。
「ぐすっ。……ありがと祐一。……大好きだよ……」
すっ!
名雪から俺の唇を塞いできて、触れ合っていた…。
とりあえずこれで…少しは名雪の気も静まってくれればいいんだけどな…。現実はそう簡単じゃないけど。
俺は泣きじゃくる子供を慰めるかのように、しばらく名雪を抱き締めていた。
・
・
・
ガチャ…バタンッ…
夕日が沈む頃、俺達は帰宅した。
「ただいま〜」
「ただいま帰りました」
玄関に秋子さんが来てくれた。
「お帰りなさい。あら、今日は帰りも祐一さんと一緒だったの?」
「うんっ!」
「名雪、今日はご機嫌みたいね。何かいいことでもあったのかしら?」
さすが母親だ。一目見ただけで様子がわかるみたいだ。
「えへへ、祐一が可愛いネコさんのぬいぐるみをプレゼントしてくれたんだよ〜♪」
「そうだったの。ちゃんと祐一さんにお礼を言った?」
「うんっ!すっごく嬉しかったよ〜♪祐一、ありがと」
ニコニコと、ご機嫌な名雪。出費は痛かったけど、ま、いいか。こんなに喜んでくれてるし…。
「ふかふか〜♪ふさふさ〜♪可愛いよ〜〜♪ねこにゃん〜♪にゃんにゃん〜♪」
トントントン……
名雪は嬉しそうにぬいぐるみを抱えながら、部屋へと戻っていった。
「祐一さん」
それと同時に秋子さんが声をかけてきた。
「ありがとうございます」
「は?」
「あの子…。ずっと猫を飼いたがっているのにアレルギーで…」
「そうですか。…まぁ、今日は学校で色々あったので」
事の経過は言わずもがな、秋子さんは理解しているようだった。
きっと前にも同じようなことがあったのだろう。
「今度、私の方から何かお礼させていただきますね」
「あ、秋子さん。そんなに気を使わないでください…。俺が勝手にやったことですし…」
秋子さんは首を振って。
「いーえ。あなたは名雪の大切な人なんですから。冷たくするわけにはいきませんわ」
「……は、はぁ」
何もかもお見通し…。秋子さんにはかなわないなぁ…。
すぱっと言われて反論する余地が全く無い。
その頃、名雪の部屋では…。
ぼふっ!
嬉しさのあまり、柔らかいベッドに思い切り飛び込む。
短いスカートも全く気にせずに、健康的な素足をさらして。
「うにゃ〜〜ん。けろぴー。新しいお友達ができたよ〜〜♪ご紹介だよ〜〜♪」
きゅっ!
大きなカエルのぬいぐるみ、けろぴーの横に、祐一からもらった白ネコのぬいぐるみを添える。
「今日は仲良く一緒に寝ようね〜♪」
コロンッ
嬉しくて嬉しくて、制服のままベッドの上をコロコロと転がってる名雪。
「そうだ。名前付けてあげなくちゃ可哀想だよね…」
フサッ
ぬいぐるみに話しかけるかのように、考える。
「う〜〜ん……。祐一に聞いてみよっか……」
そして、居間にて。
「あー?ぬいぐるみの名前だぁ?」
夕飯を食べ終え、リビングでくつろいでいると、いきなり名雪がそんなことを聞いてきた。
「何かないかな?」
「そ〜だなぁ……」
俺は『うーん』と考え込む。ぬいぐるみの名前なんて今まで考えたことないからなぁ。
「おしっ!『ネコ沢ネコ一』とゆーのはどうだ?」
うむ!我ながら実に素晴らしいひらめきだな。
「うん。わかった」
「そうかそうか。それはよかった……って、おいっ!」
「どうしたの?」
意味がよくわかっていない名雪。
「ホントにその名前にすんのかっ!?」
『ネコ沢ネコ一』にっ!
「だめ?」
「いや、冗談で言ったんだけどな…」
「もう。真面目に考えてよ〜」
「じゃあ『ネコ瀬ネコ雪』とゆーのは…」
「…」
すたすた
「わあっ!無言で去っていくな〜!」
しまった!しらけた…。つまらなかった!
「だって祐一、真面目に考えてくれないんだもん」
「あー、わかったわかった。真面目に考えるからっ!」
えーとえーと、何か良いアイデアはないかっ!?
「う〜む……お前ンところに『けろぴー』ってのがいるんだから対抗して『ねこぴー』なんてのはどうだ?」
我ながら安易なネーミングだが、それが逆に名雪の感性には親しみやすいかも……。
「『ねこぴー』?それいいね〜」
「…ホントにいーのかよ?」
「うんっ!すっごく可愛いよ〜♪ねこぴー♪」
俺の心配をよそに、どうやら命名完了したらしい。
・
・
・
「うにゅ〜〜〜〜〜ん♪…………ねこぴー………………にゃ〜ん♪」
ころんっ
ぬいぐるみを抱きながら、気持ちよさそうに眠る名雪。
「ゆういちやさしい………。だいすきだおー………ふにゅ〜………」
ふさっ
夢の中でもはしゃいでいるのか、しきりに寝返りを打つ。
窓の外に見える空には雲一つなく、満月が街中を照らしている。
「ふにゅぅ〜〜〜。ねこ………ぉ………にゃぁ……ん。……く〜〜〜〜」
カーテンの間からは眩しいばかりの光が射し込んでいた。
ぱああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!
その光が一際強く輝いたときだった…。
「ねこぴ〜〜〜。にゃぁ〜〜〜ん……………うにゅ〜〜〜〜〜〜〜……………」
寝返りを打つ名雪の身体が光に照らされて……。
・
・
・
ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴっ!
じりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
朝。
いつもの如く、名雪の部屋に仕掛けられた(?)時限爆弾ならぬ…大量の目覚まし時計が一斉に轟音を立て爆発音を轟かせる。
バァンッ!
俺はSWATの精鋭部隊の如く、勇ましく部屋の中に駆け込む!
「名雪ーーーーーーーーっ!!!!あーーーーーーーーーーーーーさーーーーーーーーーーーーーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ガバッ!
俺は叫びながら手慣れた動作で名雪の布団を思いっきり剥ぎ取る!
「うらぁっ!おーーーーーーーーーーーーーきーーーーーーーーーーーーろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
ゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさっ!!!
強烈に名雪の体を揺する!
端から見れば強引すぎると思われるかもしれないが、こうでもしない限り名雪は絶対に起きないからな。
「うにゃ………ん…………。じしんだおー……………にゃ…………ん………」
「…?」
しかし、今日は決定的に何かが違っていた。
すくっ
目を擦りながらも立ち上がった名雪を見て、俺は重大な異変に気付いた。
「うにゃあ…………ゆういち……………おはよ〜……………にゃ♪」
どさっ
寝ぼけ眼でやっと起きたかと思ったら、そのまま力尽きて再びベッドに崩れ落ちる名雪…。
だが、問題なのはそんな事じゃない!
ぴょこんっ♪ぴょこんっ♪
「お、大きなネコミミ…?」
ふさふさっ♪ふさふさっ♪
「長くて白い…しっぽ…??」
ふにふに♪ふにふに♪
「弾力がありそうな、肉球…???」
「く〜……。にゃあ………………ん♪ごろごろ〜〜〜♪…………にゃ」
ころんっ
何事もなかったかのように気持ちよさそうに寝息を立て、寝返りを打つ名雪…。
「……ね、ね………………ねこぉ?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。それもその筈。ベッドの上には……大きなネコミミと、真っ白なしっぽと、柔らかそ〜な肉球のネコ、もとい………ネコ名雪がいた……。
「な!?な!?なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?!?!?!?」
ダンダンダンダンっ!
慌てて名雪の部屋を飛び出て、三段抜かしで階段を駆け下りる。
「あ、秋子さんっ!大変ですっ!名雪がっ!」
「あら祐一さん。おはようございます」
リビングにはいつものように笑顔の秋子さん。
「そ、それどころじゃないんですっ!名雪がっ…!」
血相変えてそう言いかけたとき…。
トントントントン……
静かに階段を下りてくる音…。
「うにゃ……。お母さんおはよ………にゃ〜ん♪」
すりすり…
静かに降りてきたネコ名雪が、秋子さんにすり寄っていた。
「くすっ。おはよう名雪。今日はちゃんと起きられたのね」
「にゃ〜ん。祐一が起こしてくれたんだよ〜。にゃ♪」
すりすり…
「ふふっ。名雪は甘えん坊さんね…」
なでなで…
『よしよし、いーこいーこ』と言わんばかりに、すりすりと顔をこすりつけてくる名雪の頭を、優しそうに撫でる秋子さん。
「にゃんにゃん…ごろごろごろ〜〜。お母さん気持ちいいよ〜〜。………にゃあ〜ん♪」
すりすり…
…まさかとは思っていたが、やっぱり秋子さんはすごい(汗)
娘の異変にも全くと言っていいほど動じてない。
「あ、あのぉ……秋子……さん」
「はい。何ですか、祐一さん?」
「そ、そのぉ。……名雪の。……娘さんのお身体に白く、大きくてぴょこぴょこしたネコ耳と、ふさふさのなが〜いしっぽと、ぷにぷにしたにくきゅ〜が付いちゃっているんですけど〜…(汗)」
当たり前のことなんだけど…突っ込みを入れる。
「あら、そういえば、そうですね。くすっ」
「『そういえば、そうですね』って…。な、何とも思わないんですか?」
「可愛らしくていいですね。くすっ♪」
か、『可愛らしくていい』って……。も、もしかして……その一言でりょーしょー(了承)ですかぁっ!?(汗)
そんな風に俺が固まっていると…。
ぺろっ
「ど、どひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
どてっ!
いきなり首筋に暖かい感触がして、驚いて飛び上がった。
ネコ化した名雪が俺の首筋をぺろっとなめてきたのだ!あーびっくりした!(汗)
「ふにゃ?……ゆういち、どしたの……?」
首を傾げ、とぼけた表情の名雪。
ぴとっ♪
「ふにゃ。暖かくて気持ちいいにゃ………すーすー……」
「…(汗)」
尻餅を付いて呆然としている俺の膝に、うずくまってきて寝息を立ててるネコ名雪…。
ほ、本能自体が、ネコ化してるぅっ!?
「祐一さん、お時間は大丈夫なのですか?」
こんな時だってのに、相変わらず冷静沈着な秋子さん。
「…あっ!そ、そろそろ行かなきゃ…。すみません。今日は朝食はいいです…」
この騒動で忘れてた。
そろそろ行かないと遅刻する!
俺は鞄を持って一人、家を出ようとする。が…。
ガッシ!
ネコ化した名雪に腕を掴まれてしまった。
「うにゃぁぁ〜ん。まってよ〜。…私も行くよ〜。にゃ」
「お前は今日は家にいろ!」
「いやーーーーーーーー。祐一と一緒に学校にいく〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!にゃーーーーーっ!」
ぱたぱたぱたぱたっ!
しっぽをぱたぱた振りながらにゃーにゃー泣き叫ぶネコ名雪。
「ンなこといったってなぁっ!」
どっからどう見たって学校に行けるような状態じゃないだろっ!
絶対大変なことになるのは目に見えてる。が…。
「祐一さん。名雪を学校に連れていってあげてください」
「あ、秋子さん…そんなぁ……」
うぐぅ。言ってる側から…。
「きっと大丈夫ですから。くすっ」
はぁ…。……どーなっても俺は知らんぞ。
・
・
・
たったった…
…と、いうわけでネコ化した名雪と共に学校へと急ぐ。
「やれやれ。なんだかとんでもないことになってきたなぁ…」
溜息をつきながらも小走りに学校へと急いでいると…。
うにゃ〜ん♪
昨日と同じように、道端に野良猫が寝そべっていた。
「うにゃ?…ねこ?…にゃ〜お♪」
すっ
「お、おい名雪っ!」
『アレルギー』と言う言葉を言おうとして口を噤んだ。野良猫も警戒することなく、名雪に近づいてきて…。
うにゃぁ〜ん♪
「おはよう〜っ♪にゃ〜んにゃんっ♪」
うにゃ〜ん、にゃん♪
…こ、こいつ。ネコとコミュニケーション取れてる!?
し、しかも…ネコ化してアレルギーも克服してしまったのか全然平気みたいだし…!?(汗)
「あはは。にゃんにゃんにゃ〜ん♪」
うにゃーん♪
っと、それどころじゃなかった。時間がっ!
「名雪。あんまり時間無いから行くぞっ!」
「うん。……ごめんね。またお話ししようね〜。にゃんっ♪」
うにゃ〜〜ん…
いつもと違い、名残惜しそうに去っていく野良猫…。
「ばいばいだよ〜!にゃんにゃん〜♪」
「…」
う〜む。…これはこれでよかった…のかな?
・
・
・
ガラッ!
「ふぅー。間に合った…」
急いで走ってきたので間に合うどころか、少し早く着いてしまった。
少々手持ち無沙汰…。
何しろ今日は名雪のネコ問題が殆ど無かったからなぁ。
教室には俺達以外、だれもいなかった。
「私、走るの好きだよ。にゃんっ♪」
すりすり…
「お、おいっ!こんなとこでスリスリすんなっ!人に見られたらヤバイだろ…」
何だか名雪は以前にも増して人なつこくなったようだ。しきりに俺の体にすり寄ってくる。
ガラッ!
「おはよう。…あら、相沢君に……名雪?」
うはっ!香里だ。
「うにゃ?…………にゃあ〜〜〜〜〜〜んっ♪香里、おはようにゃ〜〜〜〜〜〜ん♪」
すりすりすりすりっ!
「きゃあっ!」
「ごろごろごろごろ〜〜………にゃんっ♪」
「な、名雪……?ど、どうしたのよ一体!?」
さすがの香里も名雪の変化には驚きを隠せないようだった。
また説明するのが面倒だが…しないわけにはいくまい…。
「あー、これはだな。…信じてくれるかどうか自信ないけど…………………かくかくしかじか……………………と、いうことなんだ…」
俺自身まだ何が起こったのかよくわかっていないのだが、それでも懸命に説明する…。
「………ふぅん。名雪ったら、ホントにネコみたいになっちゃったのね」
不思議そうに名雪のネコミミを手で触れる香里。
「ふにゃぁ〜〜。ごろごろ〜〜」
「信じてくれて助かる…」
普通は信じてくれないからな。
「名雪の様子を見れば嫌でも信じるわよ」
ごもっとも。名雪の様子を見たからか、香里は俺の説明を全て信じてくれたようだ。もう何でも有りという表情だ。さすがというか何というか…。
「まいったよ。ほんと」
「でも、相沢君はいいの?」
「何がさ?」
「名雪がこんな風になったのをクラスのみんなが知ったら、きっととんでもないことになるわよ。それに、相沢君はあまり知らないかもしれないけど。この娘、クラスどころか学年でも相当人気あるのよ」
そ、それは…(汗)
確かに名雪は黙って立ってりゃ美少女だしな。スタイルいいし、顔も……ま、まぁ可愛い方だと……思わなくも無いし…。普段は何しでかすかわかったものじゃないけど、それでも周りの評価は高いみたいだ。
「今までだってよく告白されてたみたいよ」
「…そうなのか?」
「ええ。だけど『付き合ってください!』って言われるたびに『勿論いいよ〜。どこに行くの〜?』って…」
「…」
やっぱり。
さすが天下の天然ボケ少女だ…。
「名雪がこんな風になっちゃっても学校に連れて来ちゃうなんて、相沢君も冒険好きね。ふふ」
「だ、だって……。……秋子さんが大丈夫だって言ってたから…(汗)」
「あの人、案外楽しんでるのかもね。ふふっ」
可笑しそうに微笑む香里。
きっと香里も楽しんでいるな。こりゃ(汗)
「ぐはっ」
あ、ありえるから恐ろしい…。あの人は俺と名雪の仲を知っているから……もしかしたら、楽しんでるのかも……。
微笑みながら『二人とも仲が良くて嬉しいわ。くすっ』とか言って…(汗)
その頃水瀬家では…。
「くしゅんっ。…あら、誰か私のことを噂したのかしら?」
・
・
・
「な、なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!」
…案の定だった。
香里の言った通り、ネコ化した名雪の姿を見てクラス中……いや、学校中の馬鹿野郎共が絶叫し暴徒と化しやがった。
教室には次々と野次馬共が集まりはじめた。女子はまだマシだけど『水瀬さん可愛い〜♪』とかなんとか勝手なことばかり言ってネコミミとかしっぽとか肉球に触れていた…。そんでもって厄介なのは野郎連中。
「あ、相沢っ!水瀬さんは貴様などには似合わんっ!俺によこせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
とか。
「み、水瀬さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!ふにふにの肉球きゅっきゅっきゅっきゅっ♪させてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
とか…。
「俺にも『すりすり』すり寄って『ごろごろ』と気持ちよさそうに喉をならしてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
とか……。
「上目遣いで首筋をぺろっとなめて『うにゃ〜ん♪』と鳴いてみてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
とか!
……こいつらはっ!さすがに俺もキれたぞ!
「やかましい大馬鹿野郎共がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!名雪は俺の恋人だぞっ!」
べきっ!
「ぐはっ!」
思い余って飛び掛ってきた馬鹿野郎一人を薙ぎ払う。
「ふ………ふにゃぁぁぁ〜んっ!祐一、私コワイよ〜〜〜〜。にゃぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!!!!」
当の名雪はメチャクチャこわがってるじゃねぇかっ!どうにかせねば…。
がっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!
し、しかし…数が多すぎる!どんなに殴り倒しても次から次へと目の逝っちまった変態野郎共が机や椅子をなぎ倒しながらも飛び掛ってくる…。
「くっ……このままじゃ…」
名雪が危ない…。
そう思ったとき…。
バキバキバキバキバキイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!
「相沢君、名雪っ!ここは私達が押さえるから早く逃げてっ!」
「か、香里…!?」
香里やクラスの女子達が興奮した野郎共を押さえつけてくれていた。
「…あなたには栞のことでいろいろ助けられたからね。……これはほんのお礼よ。はぁぁっ!!!!」
…そういうことか。
香里…。さすがだ!格闘部に所属しているという噂があるだけあるな。日本語変だが(笑)
「相沢君。可愛いネコちゃんを守ってあげて〜!」
とはクラスの女子。これも、名雪の人柄というか人徳のおかげだろうな。きっと。
すまねぇ!
「恩に着るぜ香里、みんなっ………名雪、行くぞっ!」
「にゃあんっ!」
タタタタッ!
「名雪!こっちだ!」
「うにゃああ〜んっ!」
「まてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
「待てと言われて待つ馬鹿がいるかーーーーーーーーーーっ!!!三十六計逃げるに如かずじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!
背後から多数の追っ手が迫る中、俺達はひたすら走り続けた。愛の逃避行としてはいささか緊張感に欠けるが、今はそんな悠長なことを言っていられる場合ではな〜い!
殺気立った野郎連中を押しのけながら必死に逃げる。
「おらおら!どけどけどけどけーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!」
しかし!
「水瀬さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!!!!」
バッ!
「ちっ!しまった…」
予想外の方向から一人飛び出してきた…。名雪が危険だっ!
が…。
ガブッ!
「うーーーーーーー!ふにゃああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!!!」
バリバリバリッ!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
「な、名雪…!?」
名雪は飛びついてきた奴を爪で引っ掻き、噛み付いた。
「にゃん♪祐一、心配しないで。私は大丈夫だよ〜。にゃん♪」
牙を見せたネコは…強い…(汗)
「だ、だけど…」
「守ってくれてありがと。いこ…。にゃん♪」
「あ、ああ…」
すっ
名雪は俺の腕を握ってきて…。
たたたたっ!
獣の勘なのか、しっぽをぱたぱたと振りながら、安全そうな場所へと誘導してくれた。
・
・
・
「ふ〜。ここまで来ればとりあえず大丈夫だろ……」
ここは裏庭。
普段は滅多に人がこないような場所だ。念のために校舎の壁に寄りかかって廊下からも見えないようにする。しばらく待ってほとぼりを覚ますことにしよう。
「にゃぁ〜ん………」
しっぽをぱたぱたと振って伏せ目がちの名雪。
「どうした、名雪?」
「祐一……ごめんね。私のせいでこんな事になっちゃって……にゃう…」
ネコミミをパタッと伏せて申し訳なさそうに俯く。
「…」
「私……。ネコさん好きだけど……祐一のことはもっともっと大好きなんだよ。……それなのにこんな。……にゃ…ん……くすん…」
瞳に涙を浮かべ、シュンとなる。
「…そんなこと気にするな」
クシャクシャ
名雪の頭を撫でてやる。
「にゃ〜ん。祐一〜?」
「ネコミミ、すり寄られると結構気持ちいいしな。やわらかくて…。しっぽも名雪にぴったりで可愛いし…」
キュッキュッ
長めのしっぽを軽く握ってやる。
「にゃああ〜ん。ごろごろごろ〜〜〜♪」
「だからそんなに気にするな。…ま、多分どうにかなるさ」
何故だかわからないけど。わけもなく楽観的になれる。そうでも思わなきゃどうにもならないしな。
「にゃ〜ん。ありがと祐一…。私………祐一だけのネコさんになりたいよ………」
「はははは。よしよし」
なでなで…
「祐一。大好き……」
すっ
俺はネコみたいな少女と、キスをした。
とりあえずこの場はこれでおさまった。…結局、学校は早退する事になっちゃったけど。
・
・
・
後日。
水瀬家のリビングにて、秋子さんの話を聞く。
それによると。
「人間の遺伝子にはほんの小さな…何十、何百…何千億分の一といった割合で機密性の極めて高い特殊な情報を持っていることがあるのです」
ということだそうで。
「にゃ?」
「…そ、それで?」
「そのような人は、ある一種の強烈な刺激を受けた場合、それが表に出てしまうことがあるのです。もっとも、これも先程と同じようにものすごく小さな割合なのですが」
「にゃ〜ん♪」
すりすり
「じゃあ、名雪はそういう例に当てはまるのですか?」
ネコミミとかしっぽとか肉球とか…。
「はい。でも本当は、私はずっと前から気づいてはいたのですけどね」
表面化するというのは予想外だったということか。まぁ、害はないみたいだけど。
「くすっ。名雪たら、祐一さんに優しくされてよっぽど嬉しかったんでしょうね。大好きな人に優しくされて…」
「うぐっ………そ、それで……治るのですか?」
面と向かって言われて、照れ隠しの為もう少し突っ込んで肝心なことを聞いてみる。
「治るというより、一度表面化したら本人の意思で自由に隠せますよ」
「…そうなのですか」
「ええ。出したりしまったり」
「ごろごろにゃ〜ん♪」
すりすり
うーん。……世の中不思議なことがいっぱいあるけど。それならまあ…大丈夫……かな。
・
・
・
それから数日後。またまたいつもの朝。
ちゅんちゅんっ♪
「…」
部屋の中には朝日が射し込み、俺は眩しさと小鳥の囀りによって眠りから覚めた。
「ふわぁぁ……もう朝か……。あー…」
ぐぐっ!
全身を伸ばし、目を覚まそうとする。
今日は休日だから、早起きする必要はなかったんだけど…。布団を払いのけて起きあがろうとしたら、その中には…。
「くー。うにゃう……………ごろごろごろ〜…………くー……」
「…何で名雪が俺の布団の中にいるんだっ!?」
一つだけ違ったことは、何故か俺の体にネコ全開の名雪が引っ付いていて、気持ちよさそうに眠っていたということだ。
やけに布団の中が暖かいと思ったら…。
「おい名雪。起き…」
微睡みを堪え、そう言いかけたとき。
「ふにゃ〜ん…………ゆういちぃ……………」
すりすり………
「うぐっ!?」
寝ぼけた名雪が寝言を言いながらすり寄ってきて…。
ふにふに………
「や、やわら……か……い……!」
やわらかくて香りのいいネコミミが…俺の顔に触れる……!
「ふにゃ〜ん♪………にゃぁ〜ん♪…………ごろごろごろ〜………くー………」
すりすり……ふにふに……
「…」
すりすり……ふにふに……すりすり……ふにふに〜♪
「…うっ」
すりすり……ふにふに……すりすり……ふにふに……すりすり……ふにふに……すりすり……ふにふに〜♪♪
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーもうっ!!!!」
だっ!!だめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだぁぁぁぁっ!!!!
こ、このままじゃ絶対変な気を起こしちまうっ!!!!
頼むから静まれ〜!我が分身っ!!
「そんなこと絶対しちゃだめだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!人間として最低だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
俺は現在の状況を見て、頭を抱えて絶叫した。
「にゃ…………ん……………」
そそっ……… ぷにゅん♪
「…ぬぐおっ!?」
俺の気持ちなどつゆ知らず、名雪は寝返りを打ち硬直したままの俺の体にうつ伏せになって乗っかってきた……!
ふにゅん♪
「ふにゅぅ…………。くー」
「あ……あう………(汗)」
む…………むむむむ!むねが…………ああああ、あたってるう〜〜〜〜!(汗)
し、しかも名雪の胸って……大きくて……その………形も良くて………。
「や………やわらか…………い…………(汗)」
し、しししし、しかもっ!……パジャマ姿だけに下着(ブラジャー)なんて付けてないから………。
ぴとっ♪
「う、うぐ…………!こ、こ、ここここっ!このこのこのっ!……このパジャマの下からでもわかる二つのち、ちっちゃな感触は一体!?…………あううううっ!?」
「くー……くー……ふにゅぅ〜………」
名雪の呼吸と共に僅かに動いて……胸の先端までもが……感触として伝わってくる!
トクントクン……トクントクン……
「う、うう……(汗)」
俺は冷や汗を掻きながら、完全に硬直してしまっていた。
「ふにゅ。………………ゆういちぃ…………………にゃん…………」
ぺろっ♪
「おわわわわっ!!!!」
寝ぼけてるのか、ネコみたいに俺の首筋を………舐めてきたっ!?
「もっといっぱい………きす……しようおー………ふにゅ………」
ぺろぺろぺろぺろっ♪
「ど、どっひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
ガバッ!
「はーーーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーーはーーーーーーーーーっ!!な、なななな………何なんだよ一体!?(汗)」
俺はビックリして布団から飛び跳ねた。身体中、汗だくだ。
「うにゃ?……ゆういち?」
叫び声で目が覚めたのか、寝ぼけ眼で眼を擦ってる名雪。
「ふにゃ〜ん………。おはよう〜……うにゅ……」
「あ………ああ…………」
「ダメだよ祐一。朝はおはようだよ」
「お、おはよう……って、そんなんじゃなくって何でお前が俺の部屋にいるんだっ!?」
当然の如く疑問をぶつける。
「ふにゃ……?あれっ?そういえば………ここ、祐一の部屋だね」
ぱたぱた
ネコミミをぱたぱた動かしながら、のんきに辺りをキョロキョロ見渡す名雪。
「『そういえば』って、なぁ!」
「…きっと、夜中。寝ぼけて来ちゃったんだね。あは」
「寝ぼけるなよっ!」
限度ってものがあるだろうがっ!
「にゃ…。だって祐一……暖かいんだもん。一緒に寝てると……気持ちよくて……にゃ〜ん♪」
「あのなぁっ!」
……ち、ちとまてよ。つーことは、俺達は一晩中抱き合いながら寝てたってのか!?
「うにゅぅ。祐一……」
「…何だよ?」
「今日はお休みだから……もうちょっと寝るね」
ぼふっ
「あ、ああ。って、おいっ!ここで寝るなぁっ!!」
「ふにゅ………。くー」
目にも止まらぬ早業で、名雪は一瞬の中に眠りに落ちていた。俺の布団の中で……(汗)
「このぉっ!ひ・と・の・は・な・し・を聞けぇぇぇぇぇぇぇいっ!!!!自分の部屋に戻れぇぇぇぇぇいっ!!」
こいつはあっ!
「にゃうっ!?」
ぴんぴんっ!
思わず名雪の、長くて真っ白なしっぽを引っ張って布団から引き出そうとする。
「うにゃっ!?ふにゃぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!痛いよ〜〜〜〜〜〜〜〜!にゃぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!!!!」
「あ…。わ、わりいっ!ごめんっ!」
つい、弾みでやってしまった。慌てて我に返ってしっぽを放す。
「う〜〜。祐一……いじわるだよ………」
瞳に涙を浮かべて拗ねたような表情の名雪。
「ホントにごめん…。つい……やっちまったんだ」
なでなで
…あれから、秋子さんの言う通り名雪のネコミミとかは自分の意志で出したり引っ込めたり出来るようになっていた。
極めて御都合主義的だが、まあそれはともかく。それによって学校生活などは普段通りに戻ることができたのだが。
だけど、結構窮屈なようで寝ているときとか家にいるときはいつも出している。今もその例に違わなかったわけで。
バフッ!
「おわあっ!?」
「にゃんっ♪仕返しだよっ!えいっ♪」
急に足を引っ張られ、布団の中に引きずり込まれる。
ぎゅうっ!
「ふにゃうん………。ゆういち………あったかいおー…………ふにゃふにゃ…………」
「ぬおおっ!?」
名雪の仕返し…要するに、抱き枕が欲しかったようで。代わりに俺の身体を使っていた…。強く抱き締められて、先程以上に名雪の身体の感触が…!
すりすり…
「うっぐ!?……な、名雪っ!いい加減にっ!……」
窘めようとしたのだが、当の本人はもう寝ていた。
し、しかしこの体勢は………名雪の柔らかくてふっくらした身体が………俺に密着してるぅっ!?(汗)
「にゃあ〜〜ん……………ゆういちぃ…………ふにゅー…………」
静かな寝息が俺の首筋に当たるし……胸の膨らみからは………鼓動が確かに伝わってくるし……あうあう……(汗)
な…名雪の身体………いい香りがして……暖かくて……柔らかくて……綺麗で……。
「あ…………ああああ……………このままじゃ、も………もう…………」
名雪を抱いてしまう。だってだって………。
名雪……滅茶苦茶可愛いから……!
「…」
ぎゅっ!
俺は何も考えずに、気持ちよさそうに眠る名雪の両肩を掴んで起こし、強く抱き締める。
ふっ!
「…」
「にゃふ………う…………」
無我夢中で…貪るかのように柔らかい唇の感触を味わう…。
「…」
「………ふ…………く………………………ううんっ!…………んぐっ!?」
さすがに名雪も驚いて眼を覚ましたようだ。
「………………う…く…うく…………んんんんっ!…………」
「!」
ばっ!
「……ご、ごめん!」
呼吸できずに苦しそうな名雪。その悲鳴のような吐息を耳にして俺はようやく我に返った。
「けほっけほっ………」
「…あ」
ズキッ!
苦しそうにむせ返る名雪を見て……心が痛んだ……。
「俺は……なんてことを………」
何やってんだ俺は…!欲望に任せて……大切な少女を……思い切り貫こうとした……。
最低の気分だった……。
「ごめん…」
そんな一言で許してくれるはずはないと思った。だけど名雪は……。
「……ん。いい……よ。祐一なら……」
呼吸を落ち着かせながら、頬を赤らめ、すがるように俺を見つめる。
「へ?」
「やさしく……してくれるよね……?」
「い、いや……あの……えっと………」
名雪のやつ……勘違いしてる!
どうやら、俺の予想は全く外れていたみたいだ。こんな時も名雪は名雪だったから。…いつもどこかズレているというか天然というかなんというか。
バツが悪くなって名雪の視線を改めて追ってみると……。
「お、男の人って………朝は………その…………大きくなるって聞いてたけど…………」
「………?」
何のことをいってるんだ?
「ほ、ほんとうだったんだ………」
「…?」
じ〜〜〜〜〜〜っ!!
「ぐはあっ!?」
名雪の視線の先……そこには……既にギンギン状態の…臨戦態勢の……ぴ〜〜(自主規制 ^^;)がっ!?
し、し、しかもおっ!?
さっきの反動のせいか寝間着のズボンが半分以上も脱げかけていてトランクスの上からも……ぴ〜〜(だから自主規制だって! ;−;)の形がくっきりと解る……!
「あ、ああああ……あの……その……えっと………こ、これはだな名雪っ!け、けけけけ…決して!お、おおおお…お前に変なことをしてこーなったわけじゃなくてだなっ!そのっ!男はみんな朝はこーなるんだ!生理現象なんだっ!……………って、あーーーーーーーーもうっ!!!!さっきから俺は一体何をいってるんだぁぁぁっ!!!!」
見苦しいくらいに慌てまくって言い訳をはじめる俺。
「…」
じー
「み、みるなぁぁぁぁぁっ!(涙)」
それでも名雪の目は俺のぴ〜〜(うぐぅ。自主規制なの…… x_x)に釘付けになっていて。
「祐一の……それ。苦しくて痛そう……。なんだかすごく……可哀想だよ………」
本当に、可哀想と思っているみたいだ…。
「は、はい……?」
そ、そんなことはないんだけど………そうみえるのかな?……って、ンな事考えてる場合じゃなーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!
いい加減視線から隠せよ俺っ!
ばっ!
ようやく(何度も)失いかけてた我を取り戻し、名雪に背を向ける。
「はーはー………すーすー………。な、名雪。これはだな……」
大きく深呼吸して、冷静さを取り戻そうとする。
だけど。
「………………いい………………………よ……………………」
真っ赤になって俯いている名雪には、俺の言葉など何も聞こえていなかった。
「だって私………。これでも祐一の…………彼女さん………だもん……………」
「な、名雪……?」
「いつまでも…………我慢しなくても…………いいんだよ…………」
小さな声で……絞るように俺に伝えようとする名雪……。
「私の体……好きにして……いいんだよ……」
「なゆ……き……」
そんな彼女が儚くて……俺はもう……自分を押さえきれなかった。
くっ
「…」
「…」
感極まった俺は、名雪を抱き締め、キスをした。
先程と違い、優しく唇を重ねる。
「…」
「ん……」
しばらくの沈黙。唇を重ねたまま、名雪の胸をパジャマの上からまさぐる……。
フサッ……フサッ……
俺の手の中で、大きくて柔らかな胸が形を変えていく……。服の上からでも感じるみたいだ。
「……ん………く………」
健気に……必死に堪えながらも、小さな声を洩らす名雪。
口元に手を当て声が出ないようにしている。そんな姿が可愛くて、つい…意地悪をしてしまう。
きゅっ!
「きゃぁんっ!」
胸の先端を握り、少し強めにひねった。
「ありゃりゃ。名雪はエッチだなぁ。立っちゃってるぞ〜」
名雪の耳元で、冗談混じりにからかう。
「う………にゃ。ひどい………よぅ……」
嫌々と首を振りながら、涙目で抗議する名雪。だけど俺は手を休めずに……。
キュッキュッ……ギュッ!
「や……や………やああん………ひっく……」
う…。弱々しく悲鳴を上げる名雪を見て、さすがに罪悪感を感じてきた。
「ご……ごめん。やりすぎた…」
「えっく……ひぐっ……。ゆういち………いじわるだよぉ…………にゃぁぁ………ん」
や、やばい…。
「…本当にごめん。嫌だったか?」
サワ…
髪を優しく撫でてやる。
そしたら名雪はしゃくりあげながら首を振って。
「うう…ん。嫌じゃ……ないんだよ。だけど……思われたくないの…ひっく…」
「?」
「祐一に………。その………『えっちな女の子』だって……思われたくないから…。………嫌われたく……ないんだもん……ぐすっ……」
…そういうことか。
「あはは、大丈夫だよ。そんなこと心配すんな」
フニュッ!
チュッ!
「…んうっ!?」
ボタンを外し、パジャマの前を開け…両手で名雪の胸を直に手のひらに収め、同時に、首筋にキスをする。
名雪は抵抗する素振りも見せず、ただ上から自分の手を重ねているだけだった。
「エッチでいいから、もっともっと俺を感じて欲しい…」
フニュッフニュッフニュッ!!
少し強めに胸を愛撫する。
「あ………くっ………ううんっ!」
チュッチュッチュッ!!
首筋にも連続で口づけをする。
「…やあっ!あっ……あっあっ…あううっ!」
面白いように反応する名雪。
しばらくそのまま名雪の体を弄んでいた。
そして、今度は。
ちゅっ!
「ひあっ!?」
俺は名雪の胸の先端。綺麗な桜色の乳首を口に含み、吸い付いた。
「やっやっ……やぁぁ…………ん」
今までに感じたことの無い感覚に戸惑い、切なそうに体をよじる。
だけどそれだけじゃ飽きるから時には、前歯で軽く挟んで折り曲げてみたり。
こりっ!
「はううっ!きゃああんっ!」
ちゅるるるっ!
赤ん坊のように、強く吸い付いてみたり。
「ひっ!?ひゃぁぁっ!?にゃう〜〜〜っ!」
時には、舌で乳房をなめ回したり…。
俺はそのまま長々と、遊び飽きない子供のように名雪の胸を味わいつづけていた。
「名雪のおっぱい…。ミルクの味がするよ」
甘くて、いい匂いがする…。
「ひゃぅっ!にゃふうっ…あ……ああ……あ……あ……」
だけど、名雪は既に恍惚とした表情で、俺の言葉など耳に入っていないようだった。
そして、放してやると…。
「…はう……う………。……にゃぁ……あん……」
どさっ
がっくりと頭からベッドに倒れこみ、荒く息をついている。
「はーはー………。ふーふー……うう………ん…………」
「名雪。気持ちよかったか?」
「祐一の……えっち……」
「そうかぁ?名雪だってえっちじゃないか」
その答えに不満そうな目をして、いきなり俺を布団の中に引きずり込んだ。
「…………うー。仕返しだよ〜っ!うにゃーんっ!」
バッ!
「うわっ!」
そして即座に(既に半分以上脱ぎかけてるけど)俺のズボンを下着ごとずり降ろして…。
「な、何をっ!?」
「………今度は私が……。祐一を………その、感じさせて……あげる……」
「よ、よせ……!」
抗う間もなく、俺の股間は名雪に覆い被されて…。
どさっ!
「…わっ」
服の下から現れた俺の逸物を、不思議な表情をしながら見つめる。
「…名雪。は、離れろよ……汚いから……」
ふるふる
「ううん。汚くなんてないよ……。だって…祐一の体だもん……」
そっ
「……我慢しなくて……いいんだよ……」
少し躊躇したが、それでも軽く、愛しそうに握り…その、小さな口を近づけ…。触れた。
ちゅぷ…
「うぐっ!」
先端を口に含み、軽く舌を動かす。
ぎこちない動きに…ほんの少し触れただけでも…背筋が痺れる……。
「…痛っ!…な、名雪……歯が当たってる……」
「もご?あ、ご、ごめんね……」
鋭い感触がして、顔をしかめる。
八重歯が当たって、痛かった。
今度は口をもっと大きくあけて…。
「ん……む………」
ちゅぷ、ちゅぷ…ちゃぷ、ちゃぷ…
「あうっ!や、やめ……」
俺の制止を聞かず、断続的に舌の動きを繰り返し続ける名雪…。
徐々に口も動かしはじめて…。
暖かい、名雪の口の中…。しっとりと湿っていて、柔らかくて…。
「んく……んく……」
ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷ……ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ……
「あぐっ!………だ、だめ………だ…………はうっ!!」
全身から射精感が込み上げてくる。このままでは名雪の小さな口にぶちまけてしまうから、必死に堪えようとする。
「んくっんくっんくっ……」
そんな俺を横目に、口の動きを一段と早める名雪。決して俺の体を放さずに…。
慣れないことを、一心不乱に…俺を満足させるために…。
ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷ……ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷ……ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷ……
「う………あ……………あううっ!!!!」
ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ……ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ……ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ……
「だ、だめ…だ…。も、もう……くっ!」
「…んうっ!?」
びゅくびゅくびゅくっ!
堪えきれず、遂に出してしまった…。
ビシャッというくらい…。思い切り強く……名雪の口の中に。引き抜こうとしても…防がれてダメだった。
「はあはあ……。な、なゆ……き……」
「んんんんっ!?……けほけほけほっ!んっぐ……こふっこふっ!!」
喉の奥まで突っ込まれ、むせ返る名雪。でも……。
こく……ん
静かに…飲み干していた…。
「けほっ!…祐一……。男の人って、暖かいんだね……」
俺は今。一人の女の子を…汚した…。
どさっ
「ふぅぅぅ…………」
俺は大きな脱力感を感じ、ベッドに倒れ込む。
「…えへへ。祐一、気持ちよかった〜?」
「この…!」
してやったりと言った表情の名雪。
笑いながら、しっぽをふさふさ動かしている。
「さっきのお返し。これでおあいこ……だよ」
「はあ……。ま、いい…か…」
何故か解らないけれど、そう思える。
だけど、それでももの足りず…俺は名雪を求めた。
古来より男が持っている征服欲…。もっと都合の良い言葉で言えば愛…。それを求めるために。
俺は、交わりを求めた。
「名雪…。後ろ向いて…」
「や、やだ……よ。きゃっ!」
どさっ
嫌がる名雪を無視して、無理矢理の体を裏返し、引き寄せる。
「……っ…。乱暴に……しないでよぅ………ぐすっ」
少し脅えた声を出す名雪。俺は無言のまま名雪の腰を高く突き上げさせた。
「こ、こんな格好……恥ずかしいよぉ………やめて、やめて〜!」
暴れ出す名雪。
じたばた!
俺はそれすらも無視して。
「名雪……。いいか?」
「…」
こくん
呆れたのか、諦めたのか…それでも最後はゆっくりと小さく…頷いてくれる名雪。
両手でシーツを強く握り、目は堅く閉じている。
はだけたパジャマが何故かなまめかしく見えるから、全部脱がしたりせずに。
俺は、名雪の下着を半分くらい降ろして…。
ズグッ!
「きゃあっ!」
腰を掴んで…一気に名雪を貫いた。そうした方が、痛みは短いと思ったから。
「なゆ…き?」
「だ……大丈夫……だから………」。
大丈夫なわけはない。現に、シーツには血がついている……。
…初めてじゃないけれど…それでも名雪の痛みは変わらないようだった。
ズッズッ…!
「……うっ……うっ…………はぁっはぁっ…………うっ………」
だけど、必死に耐え続けてくれる。
少しずつ……リズミカルに動きを早めていく。
「名雪」
「祐一」
ズグッズグッ!
「うぐっ。…………ふ…………う………ぅ…………ん…………」
流れる大粒の涙は、嬉しさの意味だと勝手に解釈して。
俺は快楽を貪り続ける。名雪の中はただ…熱くて…きつくて…。
「くっ!…もっと…強くしめてくれよ…」
ピンピンッ!
名雪のしっぽを強めに引っ張ると……更にしめつけがきつくなった。
「にゃぅうぅっ!ゆ、祐一っ!」
ズッズッズッズッ!!
理性もなく、名雪の痛みなんて感じずに…無我夢中で貫き続ける。パンパンと、お互いの身体がぶつかりあう音が部屋に響いていた。
大きく揺れている二つの膨らみ…。
ネコみたいな少女……幻想的な……でも、現実にそこにいる…。
「ぃ…………たぁ……………はうっ!…………」
俺達は、お互いの名前を呼び合いながら。
「なゆきぃっ!」
「ゆういちっ!」
ズギュッズギュッズギュッ!!
「………おれ…………もう…………」
「………いい……よ……。わたし……も………!」
もう………限界………だった…。
一瞬、視界が真っ白になって……。
ズッ!
一番大きくて…強い、最後の一突き…。
「くっ!」
「あっ!」
俺はその瞬間……熱い想いを…ぶちまけていた…。
・
・
・
それから、数日後…。
「にゃーんにゃぁぁ〜〜〜ん。祐一、ご飯だよ〜♪」
ぴたっ♪
「おわぁっ!?な、名雪っ!何だその格好はっ!」
晩ご飯を作っていて、キッチンから出てきた名雪が着ていたのは…。
「ふにゅ?めいどさんのお洋服だよ〜♪どう?」
ネコミミ、しっぽ、にくきゅう全開の名雪が着ていたのは……西洋風のメイド服だった……(汗)
「お、おおっ!す、すっげぇ!……ネコミミメイド少女は漢(おとこ)の浪漫って感じだ!…って、ごほっごほっ!……そ、それはともかくっ!ンなもんどっから引っぱり出してきたんだっ!」
「うにゃ?お母さんが作ってくれたんだよ〜」
「あ、秋子さんが……」
あの人はもうっ!
俺と名雪の仲が良いことを見て、完全に楽しんでるんだから〜!
「うにゅぅ。…似合わないのかなぁ?」
そんなこと無い!似合いすぎだ似合いすぎっ!!!!
「そ、そんなこと絶対ないぞ!…だけど、何でメイド服なんだ?」
「えっと……祐一のお部屋に、そういう本がいっぱい置いてあったから……。好きなのかなぁって……。それに、私にくれたぬいぐるみも……メイドさんのお洋服着ていたし……」
ぐはっ!
そ、それはもしかして!この前ゲー○ーズで大量に仕入れたデジ○ャラット本っすか!?
「私、この格好好きになっちゃった。お料理するときはいつも着てみるね〜。えへっ」
ぴょこぴょこ♪
しっぽを振りながら、眩しい笑顔を見せる名雪。
か、可愛いっ!
「な、名雪ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
ばっ!
「にゃ、にゃあああっ!?」
俺は高ぶる激情を押さえきれず、名雪を押し倒していた。
「だ、だ……だめだよ〜。こ、こんなところじゃ……祐一〜!」
「そ………そだった……」
これじゃまるで、野獣じゃねぇかっ!
名雪の言葉に我に返って、冷静さを取り戻す。
そして。
バタン
が、その時。タイミング悪く(良く?)ドアを開けて入ってきたのは。
「…あら?」
「あ…あう……あ、あきこ……さ………ん」
「お……おかあ……さん……」
未だ床の上で抱き合ったままの俺達を見て、くすくす微笑む秋子さん。
「祐一さん」
「は、は……はいいっ!?」
この状態はさすがにまずいと思った。窘められるかと思ったのだが…秋子さんの答えは……。
「シーツ。汚れていたから新しいものに取り替えておきましたよ」
うげっ!?そ、そっちのほうかいーーーーーーーー!(汗)
「あ、あは……あははは………そ、そうっスか〜…………はぁ〜(溜息)」
何だかなぁ…情けないやら恥ずかしいやら…。
「はうう〜!ゆ、祐一のえっち〜〜〜〜!どうして隠してくれなかったのー!」
「そんなことする余裕あるかよ…」
二人して真っ赤になる。
そんな俺達に、秋子さんは追い打ちをかけるかのように…。
「二人とも、避妊はちゃんとしましょうね。くすっ」
「う、うう………お、おかあ………さぁん…………にゃぅ………」
「どわぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!(汗)」
は、はずかし〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
「本当に、二人とも仲良しで嬉しいわ。くすっ」
初な俺達を見て、心底嬉しそうに微笑む秋子さん。
恥ずかしいけれど、俺も嬉しい。
真っ赤になって俯いている、ネコみたいな少女は……俺だけのものだから。
(おしま……いじゃないよ。まだ(笑))
名雪ネコ化事件の数日後。学校にて。
放課後の教室。
「……」
コソコソ
「北川君。なぁに、その袋の包みは?」
ぎくっ!
「み、美坂!?」
見つかった!と、言わんばかりの北川。いや、まぁ実際そうなんだけど(笑)
「そ、そのっ!き、今日は…いい天気…じゃないっ!今日は……お、お前にプレゼントが……」
「いらないわ」
きっぱりと断る香里。
キャッチセールス撃退方よろしく、有無を言わせない。
「うぐっ!そ、そんなこと言わずに受け取ってくれ〜!」
あっさり断られながらも必死に、無理矢理袋を突き出す北川。
ばっ!
「じゃあ、あけるわよ」
「こ、ここであけちゃダメ!って、ああっ!」
がさっ
香里は北川の制止など無視して、素早く袋の中身をとりだした。
「あ……あう…………(汗)」
「ふぅ〜ん。こういうこと……」
中身を取り出して、ニッコリと微笑む香里。
対照的に、しまったといった表情の北川。
「あ、あは………あははは…………はは………。み、美坂に………ぴったりかなぁ…………なんて……(汗)」
「そおね。名雪ほどじゃないけど、私もネコさんはだ〜い好きよ。ふふふふふふっ!」
「そ……そーだろ?…はは………(汗)」
「着ている服も可愛いわね〜。すっごく私の好みかもね。ふふふふ…!」
「そ、そ〜だろ〜……あは。美坂って……み、巫女さんの服とか結構似合いそうだと思って……。はは………はははは(汗)」
「ふふふふっ!そうね……」
「その……えっと………相沢と水瀬さん、雰囲気いいしさ〜。今………」
「ふぅぅ〜〜〜〜ん。それじゃ北川君も相沢君と名雪の二人にあやかろうと?」
「そ、そおなんだ。だだだだ、だってだってだって………美坂もネコミミ似合うんじゃないかな〜って………はは……はははは……(汗)」
香里はだんだんワナワナと震えてきた。
「あは………はははは………。そ、そんなわけで…ぬいぐるみ……受け取って………(汗)」
「き・た・が・わ・く・ん………!」
ごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごっ!!!!(J○J○風擬音)
静かにうつむき、込み上げるかのように北川の名を呼ぶ。背中からは紅蓮の業火が燃え盛って見える!
びくっ!?
「は、はいいいっ!?(滝汗)」
香里は、祐一が名雪にプレゼントした物と同じタイプの…でも、別バージョンの『巫女服を着たクロネコのせくすぃなぬいぐるみ』を抱き締めながら…。
「そんな手に………のるとでも思ってんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!(激怒)」
ベシィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!!
「どええええええええええええええええええええええええええええええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
哀れ、北川の野望はあっさりと終えていた。
・
・
・
「う、うう……う〜〜〜〜ん!」
またまた朝の部屋。
祐一の布団の中には……。
「にゃんにゃんにゃぁ〜〜〜ん♪祐一、おはよう〜♪朝だよ〜にゃぁぁ〜ん♪」
祐一にぴったりとくっついて寝ている名雪の姿が。
すっかり朝起きが得意になってしまったようだ。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーもうっ!!!!いい加減自分の部屋で寝てくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
「にゃぁぁぁ〜〜〜ん♪嫌だよ〜〜〜♪」
「『嫌』じゃなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!」
「だって……」
頬を赤らめながら…。
「祐一……大好きだもんっ♪」
ふにゅ〜〜〜んっ♪
「た、頼むから、もうやめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!!!!」
連日連夜寝不足になるほど愛し合って、疲労困憊状態。
幸せだけどちょっと複雑(?)な、祐一君でしたとさ♪
「祐一〜〜〜〜♪♪♪ふにゃぁぁぁ〜〜〜〜〜んっ♪♪♪だいすきにゃ〜〜〜〜〜〜〜ん♪♪♪」
(おしまい♪)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(後書き)
あ、あうう……よーやく終わった………今回は書き上げるのにえれぇ苦労したぞ…マッタク…(x−x)
香里「いつもながら…滅茶苦茶長いわね。得に今回は容量新記録じゃない?(T−T;)」
ダメだ。どうにも今回も上手くまとめられなかった。短く簡潔にまとめるのが理想なんだけどねぇ(^^;)
遂にHTMLで60KBこえちまったよ…(x_x)
香里「画像ファイルじゃないんだから……。ま、それだけ進歩してないって事ね(−_−)」
ぐはっ!痛いとこつくな〜……(;−;)
香里「ところで、エッチなシーンは何で入れたの?(・−・)」
ああ。あれはいろいろと拘りがあったのさ。
恋愛モノにああいうシーンはつきものでしょ?プラトニック過ぎると生ぬるく感じる人間なものでね(^^)
肉体の結びつきは必ずしも必要なものじゃぁないけど、関係を強調するという面では有効なのさ♪
濃ければ濃いほど尚更ね。
香里「…それってただ単に、スケベ根性丸出しとも言うわよね(T−T)」
ほ、ほっといてくれぃ!いいじゃないか〜〜えっちでも〜〜!(x_x)
フン。いーもんねー。そーいうこと言うのなら次は『ネコミミ巫女さん香里SS』を書いちゃうもんねーだ!(T▽T)
香里「そういうのはやめなさいっ!(T−T#)」
北川「……ねこみみみこさんかおり。い、いいっすね!是非頼むぜっ!(;▽;)」
香里「北川君もっ!(T−T#)」
あー。北川クン。一言いっとくがね……(−_−)
北川「な、なんだよ?(T−T;)」
香里はお前にゃ死んでもやらん!(#T_T#)
北川「そ、そ、そんなぁ………(;□;)」
がくっ!
ONEの住井と違って、何故かわからんけど北川には『激!いぢ(じ)めてちゃん』オーラが漂ってるのさ♪(−▽−)
だから僕の書くSSではあ〜げないっと♪(^^;)
香里「……北川君、あまりにも………哀れね(TT;)」
ばっ!
北川「わ、わかってくれるか美坂っ!ううっ!やっぱりお前は美しいっ!俺の思ったとおりの女性だっ!!!!(;▽;)」
香里「ち、ちょっと…北川君。何を!?(TT;)」
北川「そんなわけで、これ……受け取って……(;▽;)」
香里「き、きゃあっ!無理矢理渡さないでよっ!(>_<)」
ぱあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!
ネコ香里「…」
おおっ!?(;▽;)
『巫女服を着たクロネコのせくすぃなぬいぐるみ』を香里が受け取った瞬間身体に変化が現れたっ!?黒いネコミミ、しっぽ、にくきゅうーーーーーーーーっ!!!!(>▽<)
北川「わかりやすい説明ご苦労っ!い、いいっす!?『ネコミミ巫女服香里っ!!!!』俺、今まで生きてきてよかったっすっ!!!!最高っす!!!!(;▽;)」
ネコ香里「…二人とも(怒)」
全くだ!おおし!今度は栞も頼んで(強制♪)連れてきて姉妹一緒にネコ化させようなっ!(>▽<)
北川「そ、そりゃ最高だなっ!ミナルディ改よっ!!!(>▽<)」
ネコ香里「…いい加減に(激怒!)」
そ、そうだっ!真琴も連れてこようっ!狐娘に…それに舞もだっ!うさ耳娘〜!(^▽^)
北川「獣娘ばんざーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!(^▽^)」
ずばっ!
ずばっ!
ずばああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!
ネコ香里「往生せいやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!(#T−T#)」
どええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!(x_x)
北川「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!(x_x)」
ネコ香里「悪霊退散っ!フンっ!(T−T#)」
ううう……み、みなるでぃかいの次回作を……おたの………しみに………がくっ!(x_x)