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寄り道










 夕暮れ時の帰宅途中。渚が朋也と共に自宅近くの公園を通りがかった時のこと。

「朋也くん?」

「ちょっと寄り道していこうぜ」

 左手の親指で公園を指す朋也。最初から考えていたのかあるいは単なる思いつきなのかは不明だが、そう云った。朋也は渚の背後に回り、華奢な肩を掴むようにして公園内へと誘う。渚はただ促されるまま公園内へ歩みを進めて行く。

 公園だけでなく辺りの全てが刻一刻と鮮やかなオレンジ色に染まりつつあった。時刻は丁度十六時を回り、子供たちに帰宅を促すチャイムが辺りに響き渡る。それを聞いた訳ではなかろうが、公園内に人影は全くなかった。朋也と渚の二人だけを除いて。

 その公園はそれほど大きい訳ではないけれど芝生があり、端の方は木々に囲まれていてちょっとした森のようだった。それに加えて鉄棒や砂場や滑り台に加えて水飲み場があった。手入れが行き届いているのかベンチも新しく、しばらく腰掛けてお話でもしようとしてるのかな、と渚は思っていたが予測は大きく外れる。朋也が耳元であまりにも単刀直入にあることをさせろと囁いたからだ。

「え……」

 渚は当然の事だけど困惑し、絶句する。そしてすぐに想像し、顔を真っ赤にして俯く。

 少し、やらせろ。朋也はそう呟いたのだ。





……





「あ、あっ!」

 数分後。木々と茂みに埋もれ、姿を隠した二人は事を始めていた。渚は切羽詰まったような声を上げてしまう。

「こん、な……とこで」

 渚は木にしがみつき、朋也の執拗な愛撫に耐えている。抵抗などまるでできないまま紺色の短いプリーツスカートの中に手をはわされ、ショーツの上からお尻を触られていた。くすぐったさとむず痒さが絡み合う感覚に、渚は目を細める。

「こんなとこじゃなきゃどこでするんだよ。学校でするか?」

「それは……」

 そうなのだった。渚の家にはいつも両親がいる。朋也の家にも父親が。無論当然のことだし、悪いことなどではなかった。けれど、と渚は思う。朋也も自分も年頃なので、こういうことに興味を持つのはどうしようもないことだとも。いけない事をしているとは理解しつつ、言い訳だとは思わなかった。

「あ、あ。恥ずかしい……です。あっ」

 びく、と渚は背筋を震わせる。触れられる事はおろか下着を見られる事ですら猛烈に恥ずかしいのだから。けれど朋也はそんな渚の心境など完全に無視していた。渚の背後に回って屈み込み、ショーツを掴んで引っ張り上げると、白い布地が渚のお尻の割れ目に食い込んでいく。朋也は渚の下着を弄んだりお尻を愛撫する以外にも、薄い陰毛に覆われた秘所にも手を伸ばす。触らないでとは云えず、渚は時折ひくつきながらもされるがままに耐え続けている。

 屋外で何ということをしているのだろうと渚は思う。木々と茂みによって姿を隠れているとは云え、いつ誰に見つかるか分からないシチュエーションなのだから。なにもこんな所でしなくても、ラブホテルとかに行けばいいかもしれないとは思ったけれど、渚も朋也もお金などなかった。仮にあったとしても、恥ずかしくてなかなか門をくぐることなどできないかもしれない。

 気が付くと朋也が舌でも愛撫をしてきて、渚の秘所は僅かながら濡れて行った。

「あ……ぅ……っ。そんな、とこ……だめ……です」

 そうしてまたしばらく時がたつ。そろそろ頃合いだと見計らったのか、朋也は云う。

「いくぞ」

「……っ!」

 散々いじり回されていたショーツが突然ぐい、と膝辺りまでずり降ろされる。と、同時に屈み込んでいた朋也は立ち上がり、ごそごそと何かをしていた。気になる渚は木にしがみついたまま背後を振り返る。

「あ……」

 渚と同じように制服姿の朋也は手早くズボンのチャックを降ろし、限界にまでそそりたったものを取り出していたのだ。

 初めての経験ではないけれど、渚は毎回圧倒されてしまう。朋也の、こんなにも太くて大きくて長いものが自分の中に入ってくるのだ、と。恐怖にも似た脅えを感じる。そうして朋也は渚に身体を重ね合わせる。ぴた、と少し湿った先端同士が触れ合う。朋也が渚の秘所の入り口にあてがい、押し当てたのだ。渚もこうなった以上もはや覚悟を決めるしかなく、歯を食いしばりきつく目を閉じる。

「うぅ」

 渚はちょっとだけ怖いと思ったけれど、口には出さなかった。

「入れるぞ」

 朋也の有無を云わせぬ一言に渚は緊張し、改めて両腕に力を込めて木にしがみつく。朋也も渚の腰をがっしりと掴み、腰を進める。すぐさま衝撃が訪れる。

「あ、あ。……はうぅっ!」

 ずん、と杭を打ち込まれるような強烈な感覚と共に、渚の身体が揺さぶられた。遮るものも押さえるものも何もなく、渚の奥まで一気に侵入が続いていく。朋也にとっては暖かくも柔らかく締め付けが心地よい感触。渚にとってはめりめりと身体を引き裂かれて行くように強烈な圧迫感。

「きついな」

「あ、あ……ああっ! あっあっあっあっあっ!」

 あっさりと奥まで入り込む。朋也は止まることなく、事前に予告することもなく腰を前後に振り、挿入と引き抜きを何度も繰り返した。渚の姿は端から見るととても淫靡なものに変貌していた。完全にまくれ上がって意味を成さないスカートに、剥き出しにさせられた丸いお尻。朋也と交わるたびに柔らかな肉がたゆみ、くちゅくちゅと湿った音が響く。そんな格好だと云うのに、突かれる度に甘ったるい喘ぎが出てしまうがもはやどうしようもない。

「えろい格好だな渚」

「そ、そうさせたのは……あぅっ……と、もやくん、です! あひっ! い、じわる……です!」

 少し抗議の意味も込めて云うけれど、挿入の衝撃は激しく言葉が詰まる。

「渚。声出すな」

「そんな。無理、です」

「じゃ、誰かに見られてもいいんだな」

「え? あ……!」

 木々と茂みの僅かな隙間から見てみる。公園の向こうにある道。ごく普通の日常がそこにはあった。犬を連れて散歩をしている人。買い物帰りの人。二人と同じ学校の制服を着て帰宅する人。誰にも気づかれてはいないし見られてもいない。今のところは、だけど。もし誰かが近くに来たとしたらその限りではない。あんなところで制服姿の二人がいかがわしい事をしている。そんなことを近所の人や学校に知られたらどうなることか。

「う、ううぅっ」

 渚は必死に歯を食いしばり、込み上げてくる声を押し殺した。そんな渚をあざ笑うかのように朋也は挿入の速度を速めつつ、渚の上着の前を開いてインナーをたくし上げ、ブラの中に手を這わし左右の胸を直に揉みしだいた。

「やっあっ!」

 胸を揉まれますます恥ずかしくなっていき、渚は頭を振った。

「渚。お前も腰を振れよ」

「……」

 できるわけがない。朋也はひたすら意地悪だ。もはや朋也が達するまでひたすら我慢し続けるしかない。渚はそう思った。

「ひゃうっ!」

 突如首筋に湿った感触。朋也が舌を這わせたのだ。

「感じやすいな。渚は」

「も、もぉ……だめ、です」

 その愛撫を引き金に、渚は全身から力が抜けてしまってきた。動く度に陰毛同士が絡む程二人のものが激しくこすれ合う結合部は熟した果実のようにぐしょぐしょになっていた。湿りがとめどなく溢れて、幾筋もの滴がずり降ろされたショーツ及びソックスを濡らしていた。時折溢れ出たものがぽた、ぽた、と糸を引いて落ちて行く。渚は自分がとても感じていることに気付いていた。

「あ、あ、あ、あ……。出して、ください……。もう……もう、だめです」

 朋也はいいだろうと云い、ラストスパートに入っていく。猛烈な勢いで渚は揺さぶられ、振り回され、突き上げられた。ぱんぱん、と体を重なり合わせる音が激しく響く。渚は我慢できず、今の気持ちを言葉にする。

「あああぁ。あ、あ、あ、あ! 気持ちいいです……! あっあっ!」

 外で恥ずかしい事をされているという事実に渚はただひたすら恥じらい続ける。されるがままになり、木にしがみつきながら剥き出しになったお尻を突き出している。野性的で、動物のような格好と行為をされて恥じらわされているのに喘いでいる。何というはしたない娘だろう。渚はただぽろぽろと涙をこぼす。哀しみではない、快感に溺れた涙。

「お尻の穴が丸見えだぞ、渚」

「あ……。そんなとこ見……ないで。あひっ! もう、だめ!」

 拒否の言葉を告げる以前に触れられてしまう。もはや全てを朋也に支配されてしまった気がした。

「出るぞ」

「あっあっあっ! いっぱい……いっぱい出してください! ああっ! いっちゃい……ます! あ……あっ!」

 そうしていつしか朋也は達し、射精した。渚もほぼ同時に達していた。

 渚は脱力してずるずると沈み込むように座り込んでしまった。はあはあと小刻みに荒い息を吐く渚。だけど朋也はまだまだ解放してはくれなかった。

「咥えろ」

「あ……。んんんんんっ! んぅぅっ!」

 渚は目前に差し出されたものを見て、驚きの余り目を見開いた。朋也は今し方、渚の中から引き抜いたばかりのものを今度は口内に押し込んで来たのだ。

「んっんっんぅ〜〜〜! んんんんんんっ!」

 むせ返りそうになりながらも、今度は渚が身体を動かす番だった。小さな口を目一杯開け、可能な限り顔を前後に動かし続けた。

 しゃがみこみ、大きく開いた渚の股間。未だとろとろと精液と愛液がこぼれ落ちていくけれど、今はもうどうでもよかった。

 そうして二回目の射精により、渚の顔がべとべとに汚されるまで二人の交わりは続いていった。





…………





「おう、コスモ岡崎! てめぇ野郎なんだから三杯は軽く食うよなっ!?」

「俺は岡崎朋也だ。それ以上でもそれ以下でもない」

 古河家にて。

 あれから。公園で事を済ませた後、朋也は渚を自宅まで送って行った。そうしたら渚の帰りを待ち構えていたかのように夕食の準備ができており、古河秋生と早苗夫婦により歓迎を受けた。朋也も渚も制服姿のまま食事に参加することになった、というよりも強制的にさせられた。

 こうなった以上もはや帰る訳には行かなかった。

「さあ、遠慮なく食べてくださいね」

 渚の笑顔とそっくりな早苗。とても優しく親切な若妻に癒されながら古河家プラス一名の晩餐がはじまったわけだが。

「……」

 渚は一人、もじもじとしていた。

(ああ……)

「ギャラクシー岡崎よ。てめぇ、土産もたんまり持って行けよな。拒否るんじゃねぇぞ! 拒否は許されん! 拒否ったらわかってんだろうな!? あぁおい!」

「どこの軍隊なんだここは」

 秋生は得体の知れないパンをいくつも袋に詰めてくれた。何やら虹色のパンもあるが、それらは云うまでもなく早苗特製のパンだが、その味覚や外観などについての具体的な感想は本人には云わないようにするつもりだった。云うといろいろ問題がこじれるから。

「それと、先程から俺の名前は朋也だと云っとる」

 朋也と秋生の微笑ましい会話が続いている。いつもの光景に早苗も渚も笑顔でその様子を見守っていた。だが……。

(お風呂……行きたいです)

 渚の笑顔は少しだけ引きつっていた。公園にて散々突かれて出された跡は完全には消せなかったのだ。たまたま持っていたポケットティッシュが残り少なくて、尚かつハンカチを使う気も起きなかったから。じゅく、と込み上げてくるかのようにして中に射精されたものが今もこぼれ出て渚のショーツを汚していた。

 けれど、朋也を恨むことはできない。何しろいっぱい出してと云ったのは外ならぬ渚だったのだから。

(ああ……あ、あ……。で、出てきちゃってます……)

 秘所の中から更にこぼれてくるのが分かる。それを自覚すると同時にまた、じゅん、と湿り気を帯びて行く。精液とは違う感触。渚は思う。自分は何というえっちな娘なのだろうと。公園でのえっちを望んでいたのは朋也よりも自分の方だと思った。

 とろりとあふれ出た湿りはショーツの吸収能力を越え、股を閉じてもせき止め切れず僅かにだけどスカートを濡らしていった。それと同時に体も火照っていく。これをおさめるにはもう、お風呂で自慰にふけるしかないだろうと渚は思った。満足などしきれないとわかっていつつ。

「てめぇこれから毎日渚を送って来るんだぞ。不審者が来やがったら真っ先に渚の盾になりやがれ!」

「云われんでもそうさせてもらっている」

「かぁーーーーっ! 許可してねぇっ! てめぇ渚に何いかがわしいことしようとしてやがるかこの不審者がっ!」

 散々矛盾したことを云いつつヒートアップする秋生。

「秋生さん。グランドクロス岡崎さんを不審者呼ばわりしてはいけません。わざわざ渚を送って来てくださっているんですから」

 早苗が咎めるように諌める。

「フォローありがとうございますと云いたいところですけれど、俺は岡崎朋也です」

 いい加減覚えてください、と朋也は思った。

 そう。朋也は毎日送ってくれる。そしてそれだけじゃない。今日はもう仕方がないけれど、明日もまた……。

(えっちなこと……したいです)

 公園でも学校でも構わない。渚はきっと朋也に求めることだろう。いっぱいしてください、と。そして制服をはだけさせられ下着をずり降ろされ、淫靡な格好にさせられて揺さぶられ、自分は喘ぐのだろう。そう思うとまた、熱いものが込み上げてくる。

 とりあえずぐしょぐしょに濡れた下着とスカートを、誰にも見つからないようにこっそりと洗わないとと渚は思うのだった。









----------後書き----------

 突発的に渚話。買ってきて読んだしゃあ氏版CLANNADコミックスの渚がとてつもなく可愛かったので衝動的に書き上げてしまいました。

 何故か案外書いてない渚話。PureMix渚編を含めて二作目。何であんまり書いて来なかったのだろう?

 渚は二回目、三回目以降は主導権を握ったり積極的になっていきそうな気がします。そうしてテクニシャンな奥さんに。



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