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Deep white










 それがまるで当然のことと云わんばかりに、ただひたすら、名雪と祐一は肌を重ね合わせ続ける。

 静かに舞い落ちる雪の中。外の世界から隔絶されたかのように、二人だけの時間が流れていた。

「ん。あ、あぁ、あ」

 その中で、微かに甘ったるい声を上げ続ける。そこは学校の体育倉庫の裏。人が滅多に来ないような場所を選んでは、いけないことをし続ける。名雪は建物にもたれ掛かりながら、白いショーツを膝辺りまで降ろされて恥ずかしいところを剥き出しにされ、祐一の指攻めを受けていた。秘部は既に洪水状態で、幾筋もの滴がぽたぽたとこぼれ落ちていた。

「や、あ、あ。わたし……もう」

 祐一の人差し指と中指が柔らかな秘部を出入りする度に、ずにゅずにゅ、くちゅくちゅと湿った音がする。もうそろそろ頃合いとでも云ったところで、名雪は達しかけていた。が……。

「あ、あ……ん」

「とっ。そろそろ授業だな」

 腕時計を見て、祐一は突然名雪の中から指を引き抜いた。ちゅぷっ、と泡立つような感触とともに糸を引き、祐一はそれをティッシュでぬぐい取る。

 二人にとってちょっとした至福の一時も、現実によって中断されてしまった。これから本日最後の授業が始まるのだった。

「っ!」

 丁度、チャイムが鳴る三分程前で。祐一は遅刻しないように云うわけだったが。

「続きはまた後でな。行くぞ!」

「……」

 名雪はぐしょぐしょになった秘部をティッシュで拭き、ずり降ろしていたショーツを再び履いた。残尿感のような、微妙に嫌な感触を覚えながら。





そして、教室に戻る。





(ひ、ひどいよ祐一。途中でやめちゃうなんて。そんな)

 改めて授業が始まるけれど、名雪はまるで集中できずにいた。それもそのはず。先ほどの余韻がまだまだ残りまくっていたのだから。その気になって、祐一に身を任せてされるがまま、淫靡に喘ぎをあげていたのだから。

(さ、最後までしてよぉ。う〜)

 ぽ〜っとしてしまい、黒板の文字を書き留めるのが精一杯。けれど、すぐにいやらしい妄想が頭の中を支配する。

(あ。……だめ)

 祐一との行為の続きを想像しただけで、股間に熱いものを感じてしまう。例えばそれは、先程の続き。指で散々中をかき混ぜられて濡れてしまい、最後に大きくそそりたったものを奥まで突っ込まれる。そんな想像をしただけで、また下半身にこみ上げてくるものがあった。

(あ、あ。わたし。えっちな娘だ……。こんな、教室の中で……)

 つくづくそう思った。学校で祐一としてしまって、最後までいかせてもらえなかった欲求不満でまた求めてしまっているのだから。もしできるのなら、今ここですぐにしてもらいたかった。

(祐一……わたし。また、濡れてきちゃったよ)

 すぐ側にいる彼は今、何を思っているのだろうか? まさか自分がこんなはしたないことを考えて、再びショーツの中をぬるぬるのぐしょぐしょに濡らしているとは思わないだろう。

(っ! だめなのに)

 ついつい、人目もはばからずに指でしてしまいそうになるが必死にこらえる。それだけは、と。必死に欲望を押さえ込む。





名雪にとって、拷問のような時間が過ぎて行く。





そして





「名雪。今日は部活ないんだろ?」

「……うん」

「じゃ。一緒に帰ろう」

 まるで何事もなかったかのように、祐一は名雪に笑いかける。窓の外を見ると、白い雪が一層激しく落ちて行く。そのまま何もかも埋め尽くしてしまいそうなくらいに。

「みんなもう帰っちまったぞ」

 既に辺りには誰もいない。それも当然のこと。あまりにも寒いので、みんなそそくさと、帰路についていた。もたもたしていて出遅れたのは二人だけ。

 そうしてどちらからというわけでもなく立ち上がり、教室を出て廊下を出て階段を降りて……そんな時。名雪はもう、こらえ切れなくなっていた。

「……しないでよ」

「え?」

 全てを意図的にやっているかのような祐一に、名雪は抗議の意味も込めて云った。

「意地悪、しないでよ」

「……?」

 何のことか、と祐一は云いたげだが。名雪にはそれすらも意地悪に見えてしまった。

「ほら。ゆ、祐一のせい……だよ」

 辺りに人の気配がないのを確認してから、名雪は見せつけることにした。恥じらいに体を微かに震わせて、両手で短いスカートの裾を掴んでたくし上げる。露になった白いショーツは、秘部を覆う部分が明らかに湿って透けてしまい、中の陰毛と割れ目がくっきりとわかるくらいにぐしょぐしょになっていた。名雪は既に、授業中に頭の中を支配していた妄想によって、達する寸前までいったのだった。

「名雪。お前……」

「最後まで、してよ。意地悪しないで」

「いや……」

 祐一としては、意地悪をしていたつもりはまるでなかった。が、結果的に名雪はそうは受け取らなかった。けれどなんとなく、本日最後の授業中に名雪は悶々としてしまい、こうなってしまったのだと祐一は悟っていた。

「ごめん、な」

「……」

 ともあれ、自分が悪いのは確かなので、ごめんなさいのキスをした。……これからもっと悪いことをするとわかっていながら。





……





「う、うぅ。こ、んな……こと。こんな、とこ……で」

 続きをして、と云ったものの。祐一は普通にはしてくれなかった。

 廊下内の寒い空気に、二人の熱い吐息が一段と白く見える。名雪は今、スカートの裾をたくしあげて口でくわえさせられ、ぐしょぐしょになったショーツを膝辺りまで降ろして、露になった秘部を指でいじらされていた。

「あ。向こうに人が!」

「っ!」

 びくっとして、思わず隠そうとする。が……。

「嘘だよ」

「や、やめてよぉ!」

 いつ誰が来るとも知れない廊下のど真ん中で公開オナニーさせられている。その緊張感に、名雪の神経は極限までに研ぎ澄まされてしまっていた。

「もう誰もいないって」

「で、でも」

「それとも、見られる方が感じるか?」

「そんなこと……ない」

「そう云いながら、さっきよりもたれてきてるぞ?」

「うぅ」

 祐一の云う通り、名雪の秘部からは滴がとめどなくこぼれ落ちてきている。

「風邪引くぞ。脱いじゃえよ」

 祐一は茶化すようにして矛盾することを云うが。

「……」

 名雪はもう従順になっていた。素直にショーツを足元まで降ろして、脱いだ。

「ついでに、ブラも脱ぐんだ」

「え……」

 そんな名雪を見ていて、祐一は更に悪乗りする。

「何なら手伝ってやろうか?」

「い、いい。自分で……できるよ」

 もぞもぞと胸元のボタンに手をかけて、器用にブラを外して、そして……。

「ん、ん……取った、よ?」

 下着を両方とも祐一に渡してから、制服のボタンを閉じようとするが。

「だめだ。開いたまま」

「え?」

「そのまま歩こう」

「そ、そんな」

 露出狂のように、制服の前を開けてさらけ出して歩けと、祐一は云っているのだった。

「こ、これじゃ……変態、だよぉ」

「変態だろ? 授業中にパンツをぐしょぐしょにしておいてさ」

「うぅ……」

 もはや反論もできない。云われるがままに、校内を徘徊し始めた。

「どうせだったら。これくらいしなくちゃな」

「あ、あ……。い、意地悪……」

 ぐしょぐしょになったショーツとブラを口でくわえさせてみた。

「も、もうっ!」





そして……。





「あ、あ、あっ!」

 体育館の裏にて。名雪は今、建物の壁に手を付かされ、立ったまま背後から挿入されていた。

「うちの制服は便利だな。スカート短いし、いつでもできるな」

「そ、んなこと……。あぁぁっ!」

 祐一は小刻みに腰を動かし、時折大きく突き上げる。

「ほら、名雪ももっと腰を動かして」

「あ、あぁ。だ、誰か来ちゃう! 誰か来ちゃうよぉっ!」

「静かにしていれば大丈夫だって。それに、着たままだから、遠くから見ただけじゃわかんないって」

「んっ! あっ! あっあっあっ!」

 突かれるたびに、スカートの下から覗くお尻が形を変え、ぱんぱんとぶつかる音が響く。

「そろそろ出す、ぞ」

「ああああっ!」

 何度か大きく突いた後で祐一は名雪の中から引き抜いて、射精した。……名雪のお尻にぶちまけるようにして。

「あふ……。もう、祐一の意地悪」

 何もこんな所で激しくしなくてもいいじゃない、とでも名雪は云いそうだった。

「もうだめだよ? 本当に誰かに見られちゃう」

「はいはい」

 さすがに引き下がろうとしたのだけども。祐一は、自分がぶちまけた白濁液が名雪のお尻の割れ目に垂れていくのを見て……。

「あっ! ち、ちょっと祐一ぃ!」

 何となく、名雪のお尻の割れ目に自分のものを挟んでみたくなったので実行してみた。

「すまた、じゃないよなぁ。これって何て云うんだ?」

「知らないよ〜!」

 ずりゅずりゅとしていてそれでいてぬるぬるとした、妙な感触だった。

「う〜〜〜。気持ち悪いよ〜〜〜!」

「いっそこのままこっちで」

 後ろの方の穴が当たり、祐一はついでとばかりに云ってみせるが。

「そっちはだめ!」

 名雪はスカートを押さえるようにして離れてしまった。





しかし、それだけでは終わらなかった。





「ん、んんっ!」

 リビングにて、祐一は名雪の体を突然引き寄せてキスをする。……家に帰ると、テーブルの上に書置きがあった。それによると『仕事で帰りが遅くなります』とのことで。それを見た瞬間、祐一は狼のように豹変した。

「あ、ん……。祐一ぃ」

 下着を身に着けていない名雪は、あっという間に全裸にされてしまう。脱がされた制服を床に放り出されて、貪るようにキスをされて、そのまま勢いよく体を持ち上げられて、テーブルの上に寝かされる。いつもみんなで食事をしているテーブルに。

「だ、め……だよ。わたし、汗くさいよ」

「構わない」

 祐一は名雪の足を思い切り開き、股間に顔を埋めて舌と指で愛撫を始める。柔軟体操の成果か、とても柔らかくて全てが丸見えになってしまう。

「やっ! あ……! そんな、とこ」

 じゅる、と音を立てながらむしゃぶりつくかのように嘗め回し、指を何度も出入りさせる。

「ひあああっ! あっあっ! だ、だめぇっ!」

「こんなのも入るかな」

 祐一は名雪がよがりまくるのを見て、ふと隠し持っていたものを名雪の中に突っ込んでしまう。

「あ、あっ! そ、れは……! かき混ぜちゃだめ……」

 銀色の、先が丸くなっている金属……スプーンだった。一度入れたが最後、何度も何度もこねくりまわしていく。

「あひっ! あひぃぃっ! あっ! ああああっ! もう、だめ……! 出ちゃう……!」

 程なくして、名雪は体を震わせて達していく。ぴゅ、ぴゅ、と雫が放物線を描いて何度となく飛び出し、床を濡らす。





そして……。





「ん、ん! あっ」

 二人は立ったまま繋がっていた。

「気持ちいいな。名雪の中は」

 ぱんぱんと音を立てて、背後から突く。その度に、きつい締め付けが祐一のものを覆う。と、同時に祐一は名雪の胸を揉みしだく。ぎゅううと、形が変わるくらい強く揉み、乳首を引っ張るようにつまむ。

「ひあ、あ……あひっ! っく、う」

 名雪は必死に堪えるが、祐一の攻めは執拗を極めた。何度目かの絶頂を迎えようとしていた時。突然電話が鳴った。

「っあ。お母さんだよ、きっと」

 書置きだけじゃなくて、律儀に電話をしてきたようだ。

「そっか」

 それでも祐一は名雪の中から引き抜かない。そのまま話せ、とのことで。名雪は半ば諦めていた。

「うぅ……。も、もしもし?」

 むしろ祐一はこれ幸いとばかりに突きまくる。

「あ……っく! う、うん、うん……わかった」

 声が出ないように必死に堪える名雪を見て、祐一は名雪の首筋に舌を這わせたり、耳を舐めてみたりする。

「ひゃうっ! あ、な……何でも、ないよ」

 祐一は更に行為をエスカレートさせる。激しく突いていたものを突然引き抜いて。

「はうっ! だ、大丈夫」

 後ろの方へと入れてしまった。さすがに名雪もそれは予想せず、声をもらしてしまう。それでも祐一は容赦なく突き上げてくる。

「あっ! んっ! んぐっ! う、う、うっ! はぅっ!」

 もう耐えきれず、思わず受話器を手で押さえてどうにか持ちこたえる。

「あ、うん。……わかった。お仕事、頑張って……ね」

 そんな状態でも優しい名雪だった。やっとこさ受話器を置いて。

「ゆ、祐一ぃ〜〜〜!」

 抗議する名雪に対し、悪戯っ子のような笑顔を見せる祐一。そしてまた、腰をがっしりと掴み、動きを早めていく。

「ああああっ!」





二人の夜は、まだまだこれからなのだった。

























----------後書き----------

 恒例のなゆものでした。



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