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ぬくぬく










 冬も深まり、外は一面の雪景色。そんな寒い土曜日の夜のこと。祐一はただ何をするわけでもなく椅子に腰掛けて、とにかくひたすら震えていた。

(さ……寒い)

 そんな時はストーブでも暖房でもつければいいのだけれども。

(金かかるしなぁ。今、石油も高いし)

 とか思ってしまう。無論、家主の秋子さんはそんなこと気にせずに『寒かったらつけてくださいね』と、優しく云ってくれる。だが、彼はどこか遠慮してしまうのだった。

(なーんか悪い気がしてなぁ)

 というワケなので、この冬は徹底的に厚着をして乗り切るつもりなのだった。が……それはあたかも、寒さに耐える祐一を見ていたかのようにして、彼女はやってきたのだった……。

「祐一。起きてる?」

 こんこんと、控えめなノックの音と共に、名雪の声。

「ああ。起きてるぞ」

 そう応えると、名雪はドアを開いて部屋の中に入ってきた。時間も時間なので、祐一は冗談半分で突っ込んでみせる。

「夜這いか?」

「違うよ〜」

 名雪はいつも通りの猫柄パジャマに半纏という姿だった。

「じゃあ何だ?」

「お話したいな、って思って来たの」

 名雪はそう云って、にこ、と微笑む。

「誰と?」

 わざととぼけてみると。

「祐一と」

 当たり前のように応えるから、祐一は更にボケてみる。

「祐一って誰?」

 そしたら名雪はあまりにもまっすぐな答え。

「わたしの好きな人〜」

「面と向かって云われると恥ずかしいんだが」

「どうして?」

「……あ、いや」

 何が恥ずかしいかよくわかっていない名雪。首を傾げながら問い返してきた。

「好きな人に好きって云っちゃ、ダメなの?」

 名雪の純粋な所と云うべきか、天然ボケが炸裂というところ。一片の迷いも汚れもない瞳で見つめられると、祐一は何となく茶化すことができなくて謝る。悪いことでもしてしまったかのように感じたので。

「……ごめん。そんなことない。名雪は間違っちゃいない」

「そう? 変な祐一」

 おかしそうに、また笑顔。

「ま、まあそれはいいが。こんな寒い部屋にいると風邪引くぞ」

 照れ隠しも込めて話題を転換。その言に嘘はない。部屋の主があっさり断言するくらい、底冷えするのだった。そして名雪は少しだけ何かを考えてから……。

「そうだ。……わたしの部屋に来ない?」

 そう云うのだった。寒さに対し、何か秘策でもあるのだろうか?





…………





 案の定、あった。

「暖かい」

「そうでしょ〜」

 猫のようにぬくぬくと丸まってみたくなるような、そんな暖かいところ。

「いいなぁ。俺も部屋に欲しいな」

「だめだよ祐一」

「どうしてだめなんだ?」

「だって。祐一の部屋にもあったら、わたしの部屋に来てくれなくなっちゃうもん」

 冷え切った祐一を暖めてくれているもの。それは、名雪の部屋にある小さなこたつだった。名雪の向かいに祐一が入って、それだけで少し窮屈なのだった。

「そうか。じゃあ、毎日来るぞ?」

「うんっ!」

 名雪は完全に大歓迎モード。

「こたつの上にミカンもあるとは、日本人の心を忘れていないな。さすがだ」

「そうなの?」

 まさに日本の冬を満喫。

「ぬくぬく〜」

 名雪はわけもなく楽しそう。子供のような名雪を見ていて、祐一は……。

「名雪」

「なぁに?」

「そっち行ってもいいか?」

 何だかわからないけれど、名雪に近づいてみたくなった。

「え……。あっ。わっ!」

 聞いておきながら、了解などお構いなし。祐一は立ち上がって、名雪の座る側へ回り込み……。

「暖かいな」

「ゆ、祐一〜。恥ずかしいよ」

 華奢な名雪の体を軽く持ち上げて、その下に足を入れる。二人は完全に重なりながらこたつに入る。

「柔らかいな。名雪の体は」

 祐一の太ももに名雪のお尻が触れている。ふっくらとしていて柔らかくて、それだけで意味もなく気持ち良くなってしまう。

「えっち……だよ。……んんっ」

 祐一は名雪をぎゅ、と包み込むように抱き締めて、首筋にキスをした。

「くすぐったいよ。あ……」

 今度は背後から唇にキス。

「ん、ん……」

 突然の、何の前触れもないキス攻勢に、名雪は戸惑いを隠せない。困った表情の名雪に対し、祐一は開き直りのような一言。

「好きな人とキスをしちゃ、だめなのか?」

 先程の仕返しとばかりに『好きな人』という言葉を強調してみせる。けれど、名雪はそれに対しては全く動じていなかった。

「……ううん。そんなこと、ない。……けど」

 柔らかなキスの感触に頬を赤らめ、恥じらいに視線を逸らしながらつぶやく。

「わたし……祐一のこと……好き、だから。キス……してほしい、けど……やっぱり、恥ずかしいよ」

 名雪は途切れ途切れの断片的な、意味もない言葉しか紡ぎ出せない。

「名雪。おまえ、可愛いよ」

「あ……」

 祐一は名雪を抱き締めたままの状態で仰向けに寝そべる。そして、名雪の体を反転させて、面と向かってキスをした。

「名雪の体。火照ってるぞ」

「ん……。祐一のせい、だよ」

「どうして?」

「わたし。女の子……だよ?」

「それが?」

「女の子は……好きな人にキスされたら……恥ずかしくなっちゃうの」

「そりゃ。名雪だけだろ?」

「他の人のことは知らないけど。わたしは……そうなの」

 ぷい、と視線を逸らす。

「じゃあ、したくない? しない方がいいのか?」

「……」

 名雪はほんの僅かに表情を曇らせる。答えはノー。いっぱいしてほしい。だからというわけで、もう一度キス。……の、はずが一度、二度、と連続攻撃のようになってしまった。

「ん……あ。ん……ん。祐一。わかる? わたし。祐一とキス、してるときね……。頭の中が真っ白になっちゃって、何も考えられなくなっちゃって。でも……とにかく、好き、って……気持ちになっちゃってるの」

 名雪は宙にでも浮いてるかのように、ふわふわとした感覚に包まれてしまった。説明のしようがない気持ちに、視線を伏せる。

「今も?」

「う……ん」

 そしてまた、キス。

「ゆ、いち……ぃ」

 と、そんな時。既に気付いていることが一つあった。

「何だ?」

「……。その。えっと。大きく……なってきてるよ」

 祐一の上に重なっているわけで、名雪の体には丁度『その部分』が当たる。名雪はおろおろとしてしまい、困り果てる。

「そりゃ、名雪のせいだ」

 祐一は開き直ったように云った。

「あ、ん……」

「名雪の体。柔らかくて、暖かくて、可愛いから」

「触っちゃ、だめ……って。う〜」

 名雪の言葉も遅く、祐一は名雪のパジャマの上から胸を揉みしだいた。

「柔らかいな。ふにふにしてる」

「祐一ぃ……。女の子の胸は、こんな風に……触っちゃだめ……なんだよ?」

 名雪は抵抗もできず、小刻みに呼吸を続ける。その度に吐く息が白く見える。

「どうして?」

「ものすごく恥ずかしいところ……だから、だよ」

「ふーん」

 当たり前のことを云ってみるも馬の耳に念仏状態。祐一は我関せずとばかりにふさ、ふさ、と名雪の胸を揉み回す。

「かたくなってるぞ。感じてきたか?」

「やっ……! そんなこと、ないもん」

 説得力はまるでなかった。服の上からでも分かる突起。左右のそれを祐一は摘まんで引っ張った。名雪の起ってしまった乳首を。

「うぅ、う〜……うぅぅ……えっち。祐一のえっち……」

 徐々に込み上げてくるむず痒さ。名雪はそれを感じていた。

「触っちゃだめなのか?」

「ううん……。そうじゃなくて」

 名雪は少し困ったようにうつむいて。

「その……うん。祐一になら、どこ触られても……いい、けど。……優しくして、欲しいな……って」

「ごめん」

 少し調子に乗り過ぎたかな、と思い、祐一は反省した。が、祐一は必死に堪えている名雪の姿を見ていて……。

(名雪の体中を撫で回したい)

 そんな欲求がこみ上げてきて……結果的に、全然反省していないことになってしまった。





「ひゃ……あ、ああああ! 祐一、そこだめぇっ!」

 名雪をベッドに押し倒してパジャマを脱がし、股間に顔を埋めて舌と指で愛撫。





「あ、あああああっ! 恥ずかしいよぉっ!」

 今度は、首筋に舌をはわせて悶えさせる。電流でも流されたかのようにブルッと震える名雪を見ていると、祐一は更に愛撫をしたくなってしまう。




「あ、ぅ……だ、だめ……だよぉ。そんな……」

 胸を寄せ上げて、乳首に吸い付いた。ちゅーちゅーと、わざと音を立てて交互に……。



「ひぁぁっ! そこ、は……っ! あっ! あぁぁーっ!」

 名雪のあそこに指を入れつつ、お尻の穴をつついていじめる。







 祐一は更に更に調子に乗りまくって、名雪の全身に舌をはわせた。限界を迎えた名雪は思い切り達して、荒い息をつきながら、股間をぐしょぐしょに濡らしてしまった。

 やがて必然的に、二人は一つになった。キスをしながら抱きしめ合い、祐一のものが名雪の中へと入って行く。名雪はきつく目を閉じて圧迫感に耐える。

「あ……んっ」

「全部、入った……ぞ」

「んっ。しばらくこのままで……いて」

 お互い、温もりを感じ合いながら鼓動を高める。

「好き……」

 無意識のうちにそんな言葉が漏れてしまう。

「俺も」

 祐一も、無意識のうちに頷いていた。

「明日さ。どこか行かないか?」

「ん……。行かない」

「どうして?」

 名雪は嬉しそうに云った。

「祐一と一緒に、のんびりしたいな……って思って」

「それもいいかもな」

 名雪らしい答えだな、と祐一は思った。名雪と一緒にいると明日はきっと、眠たくなるような、穏やかな一日になるのだろう。

「ん……。一緒に、いたいよ」

「安上がりなやつだな」

「そうかなぁ」

 何気ない会話の合間に視線が合う。その度に名雪は眩しすぎる笑顔。祐一は照れ臭くて、キスでごまかす。

「祐一ぃ」

 名雪は嬉しくて、甘ったるい声で嬉しそうに祐一の名を呼んだ。明日はきっと……陽光の差し込むリビングで、秋子さんの目を盗んでは名雪にキスをして恥ずかしがらせたり困らせたりして、端から見たらバカップルと呼ばれそうなくらいいちゃついて、そして一日が終わっていくのだろう。祐一は想像するだけで楽しいのだった。

「あ、ん……」

 少し身じろぎするだけで結合部がこすれ合い、名雪はくすぐったそうに目を閉じた。

「名雪の中はきついなぁ」

「そう、なの?」

「陸上やってるからか?」

「知らないよぉ」

「足もすべすべだし」

 スラッとした名雪の足を撫でてやると……。

「う〜」

「どうした?」

「わたし……。足、筋肉質だから……」

 どうやら気にしているようで。祐一はぷっと吹き出してしまう。

「あ、笑った。ひどいよ〜」

「ごめんごめん。でも、な。俺は好きだぞ」

「ん……」

 祐一は笑いながらごめんなさいのキスをして誤魔化す。

「う〜」

 それは名雪にも丸わかりで、頬をぷ〜っと膨らませて不満そうにする。祐一はますますおかしくなって、次の一手に入るのだった。

「まあまあ。それじゃ、そろそろ……な」

「あっ!」

 名雪の中はきゅうきゅうと締め付けてきて、心地よく暖かい。祐一は名雪のお尻を掴んで、自分のものが抜ける寸前まで持ち上げたところで……。

「はうっ!」

 一気に名雪の体を落とした。

「祐一ぃ〜。あ……あふっ!」

 二度、三度、四度と繰り返す。そして、五度目に至っては……。

「はふっ! あんっ!」

 名雪が自分から始めた。

「腰動かしちゃって、やらしいな」

「だってだって……。気持ちいいんだもん!」






そして……。





「あっ! あっ! 祐一っ! 祐一ぃっ!」

 名雪はがくがくと揺さぶられながら、祐一の体に必死にしがみつく。

「もう、出る……っ」

「好き……だよ。ああああっ!」





二人は達して……。





「ん、んん、ん……」

 名雪は口で全てを受け止めたまま、愛撫を始めた。目を閉じて、口を思い切り開けて一生懸命頑張る。

「あむ、ん、ん……ん〜……。祐一の、おっきぃ……」

 部屋は寒いはずなのに、二人の周りだけ、汗ばむくらい熱いのだった。



















----------後書き----------

 この所なゆ分が不足気味なので補充なのであります。

 そいでもって、ハード路線が続いたのでいちゃいちゃあまあまもんてなことで。



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