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PureMix
伊吹風子編
-伊吹風子編-















 若さとは振り向かないことさ、とは誰が云った言葉だろうか?……それはさておき、若さとは振り向かない程に、純粋でひたむきな好奇心そのものではなかろうか。と、彼はしみじみ思った。
 それゆえに、たとえ色々とアレな行動であっても、若い彼としてはあえて試してみたくなるわけだ。
 で。その彼……岡崎朋也は今日も彼女に手を出すことになる。どこまで(?)どんなことまでできるのか、と。










そして彼は動き出す。










「……ヒトデを握りしめてからの『旅立ち時間』こと硬直時間。最長五分十五秒」
 夕暮れ時も過ぎようかという時間帯。誰もいない廊下にて、朋也は作戦前に何かを確認するかのように、呟いていた。それこそが、これまで計測した平均的なデータなのだった。彼の経験則に誤りはない。
「よし」
 そして自分の中での『一人ブリーフィング』を完了し、作戦遂行可能との判断を下す。
「おい」
「何ですか?」
 呼びかけた先に、ひょこっと現れたる小柄な人影。それは、伊吹風子の後ろ姿だった。長い髪をただ単に一つに束ねていて、身じろぎするたびに小動物の尻尾のようにふさふさ揺れる。
「おまえはヒトデが好きなんだよな? 本当だよな? 嘘じゃないよな?」
「何を今更、です! 風子のヒトデ好きを疑うなんて信じられません。岡崎さん、最悪……いえ、ぷち最悪です!」
 朋也はまだ何も貶めるような事など云っていないのに、風子はえらくご立腹なようだった。だが、それこそが朋也の狙いだったのだ。
「すまないな。物分かりが悪くてな。そこでだ。……どれだけ好きなのか、俺にもう一度改めて教えてくれないか?」
「仕方がないですね。わかりました。風子がこの素敵なヒトデをどれだけ好きか、教えてあげます。どれくらいかと云うと……」
 そして、木彫りの星……ではなく彼女いわく『ヒトデ』を抱くように握り締めて、ほわ〜っと恍惚とした表情になって、動きが止まった。彼女にとってそのヒトデはあまりにも可愛いらしく、うっとりとして幸せ度メーターが300%くらいに最大値を示しているのだった。
(よし。標的は『旅立った』ぞ! いざ、ミッションスタート!)
 そして朋也はその瞬間、デジタル腕時計のストップウォッチ機能をオンにする。すると、すぐさまカウントが始まり……。
(風子マスターの意地を見せてくれる!)





……事の始まりは、彼女との出会いにまでさかのぼる。





 木彫りのヒトデに対し、異常なまでの愛着を持つ風子は時折このようなトリップ状態になるのだった。そして、それをいいことに朋也は風子の鼻にストローを突っ込んだり、ヒトデと違うものを握らせたり、どこか別の場所に連れて行ったりといたずらをしまくったのだった。だが、どんなことをしても我に返らない風子を見ていて、朋也は段々意地になって……。





ある日のこと。





「……と云うくらい、ヒトデは素敵なんです!」
 いつものようにいつものごとく、朋也はいたずら中。突然我に返る風子だったが、目の前には誰もいない。
「わっ! 誰もいません! 人がお話してる最中にいなくなるなんて、岡崎さんぷち最悪です!」
 ……実際のところ何も話などしていなかったのだが、それはさておき。風子が朋也を探しに歩み出そうとした瞬間。
「わわっ!」
 何かに足がもつれて転んでしまった。それもそのはず。
「わ、わ、わーーーっ! 風子のぱんつが脱げちゃってますーーーっ!」
 足元にズリ降ろされていたのだった。犯人の名は云わずもがな……。
「全く。おまえはやっぱりぼーっとしてるな」
 まんまといたずらを成功させた朋也が物陰から現れる。いなくなったのではなく、隠れていただけなのだった。
「風子、ぼーっとなんてしていませんっ! しっかりしてますっ!」
「そうか? そう云う割にはそのザマじゃないか」
「う……。こ、これは、勝手に脱げたんです!」
 かなり苦しい言い訳だった。なので朋也はそこに助け舟になっていない泥舟を出してやる。すると風子は迷う事なく乗ったのだった。
「んだよ。ゴムでも緩んでたのか?」
「そうです! 全く、女の子のぱんつのゴムがよく緩むこともわからないなんて、岡崎さんは乙女心をまるでわかっていません!」
 段々無理が出てきたところで、朋也は以後の計画を思いつくことになった。





というわけで、朋也は





今回は情け容赦なく





心を鬼にして、限界にまで挑んでやることにしたのだ。





 風子は相変わらずうっとりとしたトリップ状態。今はもう、完全に朋也のペース。
(まずは、人が滅多に来ない空き教室の中に連れ込んで……)
 背後から両脇を掴み、ホールドアップしたまま軽い体をずりずりと引きずりながらドアを開け、中に入る。全て、事前に想定していたルートである。
(そして……!)
 手早くプリーツスカートのホックを外し、チャックを降ろす。この時のために、女生徒の制服のホックがどうなっているかをわざわざ下調べしておいたのだ。かなり変態的な行為ではあったけれど、それもこれも全ては風子のためと云い聞かせてやってきたのだ。……そして空気抵抗により、ふわ〜っと紺色の布地が舞い落ちる。朋也はそのままの流れでショーツに手をかける。ショーツは縞柄の、子供っぽいデザインだった。とても似合っていると朋也は思った。
(おりゃ!)
 ぐいっと一気に足元までずり降ろし、片足ずつ上げさせて完全に脱がした。華奢で白い体に違わず、秘部の毛も薄くて割れ目がくっきりと見える。お尻もふっくらとしていて可愛らしい。
(さて、ここからが問題だ)
 下半身だけ剥き出し状態という、ある意味裸より恥ずかしい格好にさせられても、風子は尚もトリップ状態のままだった。
(時間は……よし!)
 腕時計のストップウォッチを見てみると、時間はまだ二分を回った程度。まるで問題なし。風子が胸に抱いたままのヒトデを軽く奪い取って机の上に置き、上着のボタンを一つ二つと外していく。……今の風子は、本来何かを握っているはずなのに何も持っていないという、不自然な格好になっていた。
(まるで、どこぞの鳥肉屋のカーネル……もとい、ナイスミドルのおっさんみたいな格好だな)
 朋也は風子の背後に回り、そろそろと上着を脱がしていく。クリーム色の布地に縞柄が可愛らしい上着はやがて風子の肌から離れ、キチンと畳まれて机の中に隠される。それでも風子はうっとりとしたままだ。どうあっても気付かないままなのだろうか?
(よし。次は……)
 最後の難関。朋也はちょっと緊張しながら長袖のインナーに手をかける。お腹の辺りからゆっくりとまくり上げて、風子に万歳の格好をさせながら脱がしていく。
(案外あっさり上手くいったな)
 最後の最後に、小さなブラが残ったが時間の問題だった。そして、机の上に置いておいた木彫りのヒトデを再度握らせて……任務完了。
「これでも気付かないのかっ!」
 時間にして四分二十秒。朋也はまた更に三十秒ほど待たされる事になった。
「……と、云うくらい好きなんですっ!」
 やっとこさ、我に帰る。今までの硬直が嘘だったかのようにはっきりと云いきる。
「そうか。服を脱ぎたくなるくらい好きなのか」
「え?」
 そして、随分と遅れながらも自分の格好に気付く。廊下で話していたはずなのに見知らぬ教室にいて、しかもソックスと上履き以外に何も身にまとっていないことに。
「わ、わ、わーーーーーっ! 風子の服が脱げちゃってますーーーーっ! 裸になっちゃってますーーーーっ!」
 案の定、慌てふためき赤面する。
「すごかったぞ。『風子は服を全部脱いじゃうくらいヒトデが好きなんです!』とかいきなり云いだしてな、廊下で人目もはばからずにな。酔っぱらいでもしたのかと思ったぞ」
「う、嘘です! ヒトデは好きだけど、服を脱いだりしません! 岡崎さん嘘云ってますっ!」
 右手で胸を隠し、左手で股間を覆う。
「ほう。ではこれはなんだ? 廊下で拾ったのだが」
「あ……ぅ」
 朋也がポケットから取り出したのは、風子の縞々ショーツだった。廊下で拾ったというのはもちろん口から出任せ。
「返してください」
「では、そのヒトデと引き替えだ。ヒトデを諦めるか?」
「あげません! 風子はヒトデのためなら全裸でも構いません!」
 堂々と云いきったのだった。
「本当か? やせ我慢してないか? こんな教室内で素っ裸なんて恥ずかしいだろう? 寒いだろう?」
「う……。そんなこと、ありません!」
 明らかにやせ我慢しているのだが、見上げた根性だった。
「それにしても、そこまでヒトデが好きなのか? 一体全体どれくらい好きなんだ? もう一度教えてくれよ」
「仕方がないですね。いいですか、風子はヒトデがこれくらい……」
 好きなんです、と云う言葉がかき消えて、またも硬直開始。全裸にされようと何だろうと彼女には無関係のようだった。
(くっ! 俺は負けんぞ!)
 朋也は再度時計のストップウォッチ機能をオンにして、戦闘開始! うっとりとした表情のまま全裸でヒトデを握りしめて硬直した風子にひざまずくようにして、秘部に顔を埋めて……。
「……」
 指で割れ目を開き、舌で愛撫を開始した。
「ぁ……」
 風子は微かに身じろぎし、ひくっと震える。だが、それはあくまで無意識のものであって、気付かせる程のものではなかった。
(これでも気づかないのかっ!)
 花びらのような薄い皮をはぐように指を差し込んで寄せ、なまめかしいサーモンピンクの秘肉を舌でつつき、なぞる。
「んっ……。ふ……」
 風子はひくひくと断続的に震えるけれど、それもあくまで夢の中のようなものだった。
(この……っ!)
 何度も繰り返すけれど、決定的な打撃には繋がらず、朋也は少し苛立ち……。
(今度は指で、こうだ!)
 唾液でとろとろに濡れてほぐれた秘部に、指を挿入させ、中でうごめかせる。ゆっくりと、だんだん早く動かしていくと。
「あっ……。んふっ……んっ!」
(濡れてきたな)
 人差し指に加えて中指も突っ込まれて、出し入れされる度にくちゅ、にちゅ、とぬめりを帯びた水音が響く。もう、立ってるのもやっとの状態だった。
「あっ……あっあっ……あっ! っあ!」
(感じてるんだな)
 全裸の風子は、暗い教室の中で無意識のうちに絶頂を迎えさせられようとしていた。床はとめどなく流れ落ちる滴で湿っていき……。
「んっあっ! あっあっあっあっあっ! え……あ……っ!? 風子は……風子、は……あ、あひいいいっ!」
 我に返った時は既に遅し。頭の中が爆発でもしたかのように一瞬白一色になり、絶頂を向かえさせられていた。そして、お漏らしでもするかのようにいやらしい汁が秘部から勢いよくたれていきソックスを濡らしていた。
「あ、あ……あ、あ……な、にが……」
 いまだに何が起こったのか理解できておらず、脱力して床にぺたんと座り込んでしまう。流石に朋也もやり過ぎたかな、と思ってすべてを洗いざらい話すことにした。
「もう種明かししよう。おまえはな。ヒトデを愛する余り放心状態になってだ。服は脱がされるわ指や舌で好き放題されるわ、本当に無防備になってしまっていたんだ」
「……そう、なんですか」
「その証拠に。ほら、な」
 そばにあった机にしまい込んでいた、風子の下着やら制服やらを取り出してやった。
「……」
 こんな状態では流石の風子も反論することはできないようだが。
「風子は……子供じゃありませんから。裸にされてもへっちゃら、です」
 逆切れのよーな開き直りをするのだった。何が子供じゃないのかはさっぱり不明だが、大人であっても裸にされて平気であるとは限らないわけで。
「確かに。大人のような濡れっぷりだしな」
「そそそ、そーいう意味じゃありませんっ!」
 意味も分からず云ったのだったが。
「じゃあ、大人の成熟ぶりを見せてもらおう」
「え……?」
 そして、朋也は立ち上がった。





机を二つ、横にくっつけて





二十センチ程離して……





風子をその上に上がらせて





そして、しゃがませた





「よく見えるぞ。全部丸見えだ」
 結果的に、風子は大股開きする格好にさせられ、秘部とお尻の穴が完全に露になった。
「うぅ……。岡崎さん。こんな格好させるなんて、えっちです。変態です。極悪人です」
 羞恥心を押さえ切れない風子が朋也を非難する。が……。
「大人なんだろ? だったらこのくらいされても平気なはずだぞ」
「……」
 と、すっとぼけたことをぬかすのだった。
「それに。ここをこんなにぐっしょりさせてる娘がえっちで変態じゃないなんて云えるかよ」
「それは……その……」
「たれてきてるぞ」
 もはや何も反論できなくなっていた。
「あっ! それは……」
 朋也はヒトデの尖った部分を風子の先端に強く押し付けてみた。
「入って行くぞ」
「い、入れちゃだめですっ! あああっ!」
 ずにゅ、という感触と共に、あっさりと先端部分が風子の中に埋没した。とろみを帯びた体液が、磨き抜かれた木彫りのヒトデにたれて濡らす。
「離すぞ。力入れて」
「あ、あ……っ!」
 風子は云われた通りに下腹部に力を入れる。朋也は手を離すがヒトデは風子の中で締め付けられて、落ちなかった。
「さすが。ヒトデをつかんで離さないな。これが本当のヒトデ祭りだ!」
 ぐいぐいと押し込むと、更に雫がこぼれ落ちてくる。
「あ、あ……あ……ぅ……。なにが、ヒトデ祭り……ですか! こ、こんなことさせるなんて」
「じゃあ、やめるか?」
 これでおしまいにするか、と暗に云っているのだったが。
「……そこはかとなく」
 続けてほしい、と顔を真っ赤にして云うのだった。
「そうこなくちゃな」
 朋也はくすくす笑いながら、風子の唇にキスをした。





空き教室とは云え





誰がいつ来るとも知れぬ所で





二人は一つになった。





「あ、あ……」
 机の上で、抱きしめ合うようにして交わり合う。風子の秘部は舌や指で愛撫したりヒトデを突っ込んだりしたから、既にとろとろに濡れてほぐれていて、朋也の大きなものでもあっさりと受け入れた。
「お、かざきさん……」
「うん?」
 奥まで埋没して、小柄な体をブルッと震わせながら、風子はあることに気付いて突っこみを入れてきた。
「脱いでください」
「脱ごうにも、繋がってしまってるからな」
 かといって、ハイそうですかと引き離す気も朋也にはなかった。
「風子だけ裸で、岡崎さんは服を着てるなんて……不公平です。男女差別です。ハンディありすぎです」
「知らんな」
「岡崎さん、正真正銘の最悪です! ぷちをつける資格もありません!」
「だったら、俺を脱がせてみろよ。俺がおまえを脱がしたみたいに」
「……。わかりました。こうなったら実力行使です」
 とは云うものの、風子の体は朋也のものを奥までがっちりとくわえこんでしまっているわけで。
「んっ!」
 体に力を入れて必死に引き抜こうとするけれど、朋也は風子を抱きしめて離さない。抜けそうになったら朋也は力を込めて押し返す。
「あ、あ、あっ」
「そんな力じゃ抜けないぞ」
 小柄な少女と年頃の男では力の差は歴然としていて。段々と風子の抵抗も弱くなっていく。が……。
「どうした。もう終わりか?」
「あ、あ……っ。ああっ! も、もう……」
 引き抜ける寸前まで引き抜いて、風子が力を込めた所で一気に奥まで突き返す。その衝撃に、風子はのけぞって甘い声を上げてしまう。
「抵抗しないのなら、俺は好き放題やっちゃうぞ?」
「あっ! わ……っ!」
 朋也は風子を抱きながら机を降りて、立った。そして風子の左足の太ももを掴んで持ち上げる。身長差もあいまって、風子の右足はつま先立ち状態になってしまう。
「持ち上げないでください! 風子の体はおもちゃじゃないです。……あふっ!」
「そう云われると……」
 尚更おもちゃ扱いしたくなる。朋也は風子の太ももを掴むだけじゃなく、風子の左足の下に腕を回してぐいっと持ち上げながら、両手でお尻を掴んで引き寄せる。小柄で幼児体型な風子の体は軽かった。
「も、ちあげないでくださいっ!」
 つま先立ちでも間に合わなくなり、風子の体は少し宙に浮かされる。風子は必死に朋也の体にしがみつくが、その様がとても可愛らしい。
「あっあっあっあっ!」
 その間も、朋也のものが風子の中にずぶずぶと出入りする。
「気持ちよさそうだな」
「そんな……こと、知りません」
 あくまで意地を張る風子を見て、朋也はおかしくなって、キスをしまくった。
「んんっ! し、舌を……んぶっ! 絡ませな……い……で。あふっ! くださ……んっ! くふっ! 反撃……です!」
「おわ」
 風子は必死に抗いながら、朋也の首筋に息を吹きかけて脱力させようとしていた。
「やるな」
「ひゃああっ! あ、ああっ! あふぅっ!」
 反撃の反撃として、朋也は首筋に舌で愛撫攻めを食らわせ、立て続けに耳に息を吹きかけたりした。形勢は逆転することなく朋也のペースは変わらない。
 そして、風子の体を支えるためにお尻を掴んでいる手で、ぐにぐにといやらしくもみまわしてみる。
「あっ! ど、どこ触ってるんですかっ! 岡崎さん、超絶変態ですっ! どえっちです! 信じられません!」
「そうか」
 お尻の割れ目をなで回し、小さくすぼんだ穴をくりくりとつついて刺激する。風子は明らかに感じて、動揺する。その証拠に。
「とかなんとか云うけど、お尻の穴を触った途端、締め付けがよくなった。……感じてるんだな?」
「そんなっ……ことっ」
「恥ずかしがることはない。大人はみんなそうだぞ? 色んなところを触られて、いじられて、感じて色っぽい声を出すものなんだぞ」
「……。風子は、子供じゃないです」
 その一言で、すべてが片付くのだった。
(しかし)
 朋也はつくづく思った。風子の体は小柄で、軽くて……持ち上げてやりたい放題やってると、何だかとても背徳的な、いけないことをしているような気分になっていく。
(俺は、ロリコンな気はないと思うのだが)
 とか思いながらも、目の前で熱い吐息を吐きながら快感にのたうつ風子を見ていると、自然と突き上げを強くしてしまう。
「あっあっあっあっああああっ! そ、そんなに……激しくしないでくださ……いっ!」
 がくがくと揺さぶられながら、風子は抗議するけれど。
「そんなこと云われても。気持ちよくて」
 朋也の反応を見て、満更でも無さそうな感じ。
「……。風子の体、気持ちいいですか?」
「最高に」
 熱く、強い締め付けに朋也は心地よい快感に浸る。それに対し、風子はぷいと視線をそらして云った。
「当たり前です。風子は、岡崎さんのことが好きですから」
 自分から聞いておいて、とか朋也は思った。風子としては至極当然と、そういうことだった。
「俺もだ。……けど」
「けど、なんですか?」
「気持ちいいのは、好きだから……なのか?」
 あるいはテクニックとかそーいう問題なのか、などと思ったわけだが。
「当たり間ですっ! えっちは愛情ですっ!」
(……けだし名言)
 つまり、えっちは料理みたいなものなんかいな、と朋也は突っ込んでいた。
「恋人の愛を疑うなんて岡崎さんぷち最悪ですっ」
「いや、疑ってなんかはいないが。っていうか、ぷちを付ける資格もないんじゃなかったのか?」
「じゃあ、ぷちまっくす最悪です!」
 もはや何が何やら、と朋也は思った。
「そんなことより。疑ってないって、本当ですかっ?」
「本当だって。そっちこそ疑ってるじゃないか」
「疑ってなんかいません!」
 一つになりながら、漫才のようなやりとりを繰り返す。
「風子傷つきました。傷物にされてしまいました。もうお嫁に行けません。なのでオシオキです。復讐の鬼と化すのです」
(……何故に?)
 そして風子は。
「岡崎さん。机の上に横になってください」
「いいけど? どうして?」
「逆襲です。風子が上になって、岡崎さんをいかせまくってみせます。風子の魔性の女っぷりを見させてあげます!」
「ほお」
 何だかわからないが、悔しそうなのでペースを握りたいらしい。やる気満々のようなので、云われるがままにしてやることにした。くっついた机の上に上がって、仰向けに寝そべってやる。
「いきます! ……あ……あっ」
「ほら。思う存分動いてみろよ」
「云われなくても……。んっ! そう、します……あっ!」
 しかしながら、ペースを握るどころか、少し揺さぶられただけで風子は熱い吐息と共に喘いでしまう。思った以上に難しいというべきか、上手くいかなかったのだった。
「動……き、ます。あっ……ふっ!」
 朋也は余裕の表情で、風子の胸をぐりぐりと揉む。
「あっあっあっ! 揉ま……ない、で……」
「大丈夫。揉むほどないから」
 何が大丈夫なのかわからないが、酷いことをしれっという朋也だった。事実ではあるけれども。
「岡崎さん究極失礼ですっ! テラ最悪ですっ!」
 そんな貧しい胸の風子に対し、朋也は彼女の姉……伊吹公子の顔を思い浮かべる。
「公子さんの胸は大きそうで柔らかそうだな〜。ぐおっ!」
 その瞬間朋也は木彫りヒトデの表面でバンッとどつかれる。どこに隠し持っていたのかはわからないが、既に凶器と化していた。
「おねぇちゃんをそんなえっちな目で見ないでくださいっ! あ、あ、あっ!」
「悪い悪い。……ほ、ほら。感じてばかりいないで、もっと動いてくれよ」
「わかって、ま……すっ。感じて、なんか……ああっ! あっあっあっ! あぅっ!!」
 必死に動こうという努力はしているのだけど、迫り来る快感には敵わないようで。
「仕方ないな。時間切れだ」
「あ……あっ!?」





結局、ペースは朋也が完全に握ったまま。





ラストスパートに入る。





「あ……。あ、あ……。こ、こんな格好。恥ずかしい……です」
 風子が今、どんな格好をさせられているかというと? 腕立て伏せをするように両手を床に付かされ、両足を朋也に持ち上げられながら激しくせめられていた。小さな体故に、好き放題いじくられてしまっていた。
「これは四十八手の一手で、押し車という体位でな。組み体操みたいだろ?」
 何だかマニアックに説明しようとするも。
「あっ! あっ! あふっ! 知りませ……んっ! ふ、風子……も、もう……っ! は、あ……はあっ……あっ! あっあっあっ!」
 風子はもういっぱいいっぱいのようだった。
「そっか。じゃあ、一気にいくぞ」
 手加減なしに何度も何度も激しく突きまくると、小さな胸の膨らみがぷるぷると揺れていき、風子はひたすら喘いだ。
「風子……もう、いっちゃい……ますっ! おかしく……なっちゃい、ますっ!」
 ぱちゅぱちゅと湿った音を立て、結合部からじゅぷ、と溢れた汁がぽたぽたと落ち続けていく。
「出すぞ」
「あ、ああっ! ああああっ!」
 二人とも頭の中が真っ白になっていた。そして、一際強い突きの後で、朋也は風子の中から一気に引き抜いて。
「あ、あ……熱いのがいっぱい、出て……ます……」
 へにゃ〜っと床に崩れる風子の背中に、思い切りぶちまけていた。










…………










「……」
「どうした?」
 風子に服を着せて、乱れた髪を整えさせてから空き教室を出る。すると風子は何故かうつむいて、朋也に手を差し出した。
「こういう時。恋人同士は、手を繋ぐものです」
「そうだな」
 朋也は軽く笑いながら、手を差し伸べてやる。ぎゅ、と掴んだ風子は顔を真っ赤にしながらそっぽ向いた。
「ちゃんと歩けるか?」
「風子は大人です! えっちの後くらい、普通に歩けます」
 とは云って見たものの、実際には力が抜けてしまってふにゃふにゃと不安定になってしまう。
「ほら。少し休んだ方がいいんじゃないか?」
「そんな……こと、ありま……あぅ」
 しまいには、廊下の床にぺたんと座り込んでしまった。
「ほら」
 朋也が手を差し伸べた時。
「あれ、岡崎?」
 春原がたまたまそばを通りかかった。そして、手を繋いでいる二人をまじまじと見つめて。
「もしかして、さっきまでお楽しみだった?」
 にやにやといやらしい笑みを見せる春原に、朋也は。
「いや、そんなことは……」
 ごまかそうとしたところで、風子は目にもとまらぬ素早さでヒトデをぶんなげていた。春原に向けて。
「ぐはっ!」
 春原は脳天に強烈な一撃をずびしとくらい、昏倒するのだった。
「恋人同士ですること全部を茶化すような春原さんには、ヒトデブレードですっ!」
 風子はぷんぷんしながら云うのだったが、当の春原は……。
「……」
 既に目を回して失神してるのだった。唖然としていた朋也は、やがて穏やかな表情になって風子を抱き寄せて。
「風子」
「何ですか?」
 小柄な風子の頬にキスをして、云った。
「また、しような」
「……っ。しょうがないですね。えっちですけべな岡崎さんのために、風子は一肌脱ぎます」
 とか云ってから、恥ずかしいことに気付いてぷいっと視線を逸らす。
「そうだ。変態な彼氏のために一肌脱いでくれ」
 どう見ても、余裕があるのは朋也の方だった。
「岡崎さん開き直ってます! 節操がありませんっ! 信じられません!」
「あ? 恋人のことを疑うのか?」
「……疑わざるを得ません。大人な風子の魅力的な『からだ』が目当てなのですきっと! 風子、このまま岡崎さんの好きにされてしまいます! もうおしまいです!」
 押してだめなら引いてみる、とばかりに朋也は軽い口調で云った。
「あっそ。じゃ、もうしてやんね」
「……っ! し、仕方ありません。そうまで云うのなら、風子も少しは考えます。大人なので我慢もできます」
 何だかんだいいながら、朋也の行為を望んでしまったり楽しんでしまったりするわけで。
「そーかそーか。じゃ、問題ないな。それじゃもう一回ってことで早速一発」
「何が問題ないんですかーーーーっ! 何が早速何ですかーーーーっ! 一発って何ですかーーーーっ!」
 ぎゃーぎゃー叫びながらも、圧倒的な力でずるずると引きずられて行く風子だったとさ。





後に残されたるは





ペンペン草ならぬ





「……ぐぅ」





未だ気絶状態で横たわる春原のみだった




















----------後書き----------

 このシリーズ。必ずどこかで春原が痛い目に遭うのはお約束。

 てなわけで久しぶりのPureMixは例の如く書き上げるのに時間がかかってしまいました。今回は風子編でした。どこまでも不器用に、付かず離れずを繰り返しそうなイメージがありますね。

 さて、次回は誰になるのやら。

 このシリーズも佳境に入ってきたので、そろそろお次のシリーズでも考えてみようかと思ったりしてます。やっぱり、リトルバスターズ……かな?



 ご意見ご感想シチュエーションのリクエスト、誤字脱字報告はWeb拍手にてお願い致します。





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