PureMix
-古河渚編- 古河家の居間には一家を構成する三人と、ついでとばかりに朋也がいた。一家の団欒を邪魔してはいけないな。俺は部外者なのでそろそろ帰ろう、と朋也が空気を読んで『帰る』と口に出したら肩を捕まれ止められた。若くて屈強な男性に、猛烈な力によりガッシリと。その男性曰く、てめぇうちの娘が寂しがるような事を軽々しく云うんじゃねぇ。てめぇのこたぁ気にくわねぇがもう少しここにいやがれこの野郎。と、いうことだった。 また、それ以外にも何やら云いたいことがあるようで耳を傾けて聞いてみると、その内容とは町内会の福引で一泊二日の温泉旅行が当たった。とかそんな感じ。男性……古河家当主古河秋生氏はとても誇らしげに云った。っしゃあ! やったぜ! と、ガッツポーズでもやりたい気分……と云うよりも実際にやっている。そして生意気盛りな少年のように自慢をしたくなるもので。 「羨ましいだろ」 しかし、冷めた現代っ子である朋也の反応はやっぱり冷ややかだった。 「別に」 「あぁっ!? てめぇ、羨ましいって云えよ心の底から羨むように! 涙目でよ!」 「思わねぇよ。どうでもいい」 あくまでつれない反応の朋也だったが、熱き男である秋生はムキになって羨ましいだろうと続ける。妻の早苗と娘の渚にとって、目の前で微笑ましいやり取りをしている二人は、まるで兄弟のように見えるのだった。あるいは、父と息子の関係とはこういうものなのだろうか等と想像するのだった。 「ちっ……。折角てめぇも連れて行ってやろうと思ったのに」 押してダメなら引いてみよう。秋生は魅力的な餌で釣ってみる。しかし、そんな餌には釣られない朋也。 「行かねぇし。別にどうでもいいよ」 秋生のこめかみがひくつく。ああ云えばこう云う貴様の態度が気に入らない、と云った気分。しかし、思わぬ突っ込みが横から入る。 「でも秋生さん。この旅行のチケットは、二名様って書いてありますよ?」 にこにこと笑顔。とっても楽しそうな美人妻早苗。ほんわかした可愛らしい声で事実をありのままに云うと。 「じゃ、お父さんと朋也君が一緒に行くんですね」 それにつられ、大真面目で納得の行く理由を判断するのは娘の渚。それならば全て無問題。 「ああ、なるほど。そういうことでしたか。お弁当、腕によりをかけて作りますね」 早苗もうんうんと頷くのだった。 「お留守番、しっかりやりますね」 任せてくださいと云い、やる気満々な渚。とってもいい娘。 「お土産、楽しみにしてますね」 相変わらず可愛らしい笑顔の早苗。天然ボケ炸裂の母娘によりいつの間にやら話がどんどん進んでいき、止められない。 「だ……誰がこいつなんぞと一緒に行くかああぁぁぁーーーーーーっ!」 秋生が吼える。 「かぁーーーーっ! 冗談じゃねええぇぇーーーーーーっ!」 朋也が叫ぶ。男達二人の絶叫が古河家の中にハモって響くのだった。 で、結局。
数日後。出発の日の朝。 「渚。いいのか?」 秋生は何度となく聞き返す。できれば一緒に連れていきたいところなのだけども。 「はい。いいです。夫婦水入らずしてきてください」 渚はとても聞き分けがよくて素直な娘だった。二名までということは誰かが残らなければならないわけで。とてもいい機会なので、この際父と母に楽しんできて欲しいと云った。 「ちゃんとお留守番しますから」 さすが俺の娘。よくできたいい娘だと秋生は思った。きっと俺の教育がよかったからに違いない、とも。 しかし、年頃の女の子一人での留守番は不安だろうし心細いだろう。というよりも秋生自身、渚のことが心配だった。心配でたまらなかった。 何しろ最近物騒なご時世だしな。俺の可愛い一人娘に万一の事があったら……。これはどうにかしなければ……。秋生は深く考えた。これまでも考えてきたけれどどうにもならなかった。 例えば包丁を持った凶悪な強盗が古河家に押し入ってきたとき、渚の身代わりになってとっさに前に出てブッ刺される野郎。例えば未曾有の大地震がたまたま来やがって家屋が倒壊しかけたとき、とっさに落ちてくる屋根とか倒れるタンスとかの支えになって渚の脱出時間を稼いでからぐしゃっと潰される野郎。例えば半端じゃない大火事になっちまったとき、とにかく渚の脱出経路を確保させ自身は業火に焼かれて名誉の焼死を遂げる野郎。つまりそう云った身代わりもとい、ボディガード的な野郎が必要だ。どこかに都合のいい野郎はいねぇか? いた。なんだ、いるじゃねぇかよ。もったいぶってねぇで早く云えってんだよこの野郎。それも今まさに俺の目の前に。この数日間悩んできたのは何だったんだと思うがまあいい。丁度いい。こいつを利用しない手はねぇというものだ。 「おい、ドメスティック岡崎」 「何だそのとってもバイオレンスなリングネームは」 朋也の的確な突っ込みを無視して秋生は続ける。 「てめぇ、うちの娘と二日間一緒にいろ」 「……いいのかよ?」 年頃の娘の親としてそれはそれでいいのだろうか。あるいは何だかんだで朋也のことを信頼してくれているのだろうか。だったらお言葉に甘えて渚とあんなことやこんなこと、つまりはむふふでぴんく色な事をたんまりやっちまうぞと、朋也は思った。 「かぁーーーっ! てめぇ今何を想像しやがった! まだはえぇっ! そんなん許せるかーーーっ! 馬鹿野郎ーーーっ! 清く正しい異性交遊しか認めるわけねぇだろうがああああっ!」 秋生はさすがに朋也をボディガードに使う問題点に気付き、それもダメと云うのだった。 「何なんだよ」 回りくどいんだよ、と朋也は舌打ちをする。とてもふてぶてしく感じの悪い態度。もっとも、そういう態度は秋生に対してだけだ。渚や早苗に対してはとても優しい朋也。 「てめぇ今時の若ぇのだろ! 場の空気っつーもんを読めよ! わかれよ! 渚のボディーガードをしろっつってんだバカヤローッ!」 「云われんでも頼まれたら普通にするわい」 最初からそれを云えよと朋也は思った。 …………
「じゃあ俺たちは行くからな」 と、秋生。 「お土産いっぱい買って来ますね」 早苗もどこか楽しそう。こんな機会は滅多に無いから、渚と朋也には悪いけれど思う存分楽しませてもらいますと云った。 「はい。行ってらっしゃい」 渚はにこにこしながら二人の出発を見守った。そうして彼らは出掛けていった。店は当然のごとく休業なわけで、シャッターが降りている。『真に勝手ながら二日ほどお休みさせていただきます』とか、そんな張り紙を張っておいた。 二人を見送り終え、玄関のドアを閉じたところで。 「渚」 「あ……」 朋也は突然渚を抱き締めて、キスをした。秋生にダメと云われていたのに、出掛けたと見たらすぐさまそれだった。 別にいいじゃないか。ただで渚のボディガードをやってやるんだ。それなりの報酬と云うべきか、いい思いはたっぷりとさせてもらうぜオッサン、と朋也は思った。……もっとも、秋生に頼まれないでも渚から話を聞けば自分からボディガード役を買って出るのは間違いなしだった。朋也も素直ではなく、秋生と似たもの同士なのかもしれない。そんなことを云われたら二人共揃って全力で否定し合うことだろうけれど。 「ん……」 突然のキスに驚く渚。朋也から離れようとして、こんなのだめですと渚は云おうとしたけれど、朋也の力は強かった。もっとも本気で振り解く気もなかったけれど、少し心の準備をさせて欲しいと思った。ところが次の瞬間、バンッと激しい音がする。 「どわっ!」 「わっ! お、お父さん!」 「かぁーーーーーーっ! てめぇら早速何やってるかーーーーーっ!」 突然ドアが開いて、怒りの形相の秋生が入って来たのだ。 「お、お父さん。これは……」 おろおろする渚。 「な、渚の髪に……ゴミがついていたから、取ってやってただけだ」 かなり苦しい言い訳だった。 「ちっ。仕方ねぇ、見逃してやる。俺は忘れもん取りに来ただけだ!」 本当かどうか、定かではないが秋生は朋也をギロリと睨むと再び出て行った。嵐のような男だった。 何をするわけでもなく、夜が訪れる。
何事もないけれど、とっても楽しい時間が過ぎていく。
「じゃ、渚。お休み」 「え……」 渚の手料理はとてもおいしかった。早苗さんの料理もうまいが、渚のだって負けてはいない。朴念仁な朋也はあまり気付いていないようだったが、渚の愛情が120%以上こもっていたから尚更だった。なかなかにいい時間を過ごしたと朋也は思った。そうして用意よく沸かされた風呂にも入ったし、後はもうさっさととっとと寝るだけ。朋也は渚の部屋から出て、ぱたんと襖を閉じて隣の部屋で寝ることにした。 何だかわからないが、秋生がどっかで見ているような気がしたので渚といろいろするのを諦めたのだった。そんなことは実際ありえないだろうけれど、気が引けてしまったのだった。それに、そもそも自分の中でぐつぐつとたぎる欲望だけを優先して渚の気持ちを全く考えていなかったことにちょっと反省もした。あのオッサンも何だかんだで渚のことをとても大事に思っているのだなと理解しているし、早苗だってそうだ。人と人の紲を考えるとあまり暴走する気にはなれなかった。 が……。それがそもそもの間違いと云うべきか、複雑な乙女心を全くわかっていない馬鹿野郎と罵られても仕方がない行為だった。 「朋也くん……」 一人ポツンと取り残された渚は寂しそうに呟いた。 そうして夜も更けていく。渚は寝返りを打つこともなく眠りにつこうと必死だった。けれど、意識は冴えていてどうしようもなかった。それに何より、隣の部屋で眠っている朋也のことが気になってしまう。 (どうして。……何もしないんですか) いつの間にか、無意識のうちに右手がパジャマのズボンに入り込み、指先がショーツの下の恥ずかしい部分に触れていた。それだけじゃない。左手で乳首をつかんでこね回していた。 (だめ……なのに) 手が止まらなかった。催眠術でもかけられてるかのようにひとりでに動いてしまう。 「あふ……んっ! んん……」 必死に堪えていたのに声があふれ出てしまった。しまったと思うけれど後の祭り。けれど、やめられない。自分の手では満足できない。媚薬でも飲まされたかのように体が火照ってしまう。このままではおかしくなってしまう。何度となく止めようとしても無駄だった。朋也のことを意識してしまうのだ。そしてまた一つ気づいてしまう。僅かながらに秘所が濡れてしまったという事実に。 (もう、だめ) 渚ははぁはぁと粗い息をついて決断し、立ち上がる。自分はとてもいけない娘だと理解しながら、どうしようもなかったのだった。 大好きな人と一つ屋根の下、楽しいお泊まり会。子供のようにいっぱいお話をして、ずっと一緒にいて、じゃれ合うように体を重ねて……キスをして、と。そんな風に純粋な渚は想像していた。けれど実際には何も起こらなかった。もどかしさと、少しの苛立ち。そして……わたしはお父さんの言いつけを破ってしまって悪い子です、と心の中で謝りながら行動に出ることにする。 襖を開けると、カーテンごしの月明かりに照らされた薄暗い部屋。敷かれた布団にはアホ面しながら眠りこける朋也。こんなシチュエーションでよく爆睡できるものだと誰もが思うことだろう。 「朋也くん……」 渚が朋也の体をゆさゆさと揺さぶる。すぐに朋也は気づいた。 「ん。渚?」 「あ……」 どうした、という目をしている朋也。渚は困った。いざ、行動に移したとして何て説明すればいいのか。けれど、迷いは消えた。本当のことを云えばいいのだ。 「よ……夜ばいに来ました!」 「は?」 渚、堂々の夜ばい宣言。唖然とする朋也と云ってから、猛烈な恥ずかしさに頬を赤らめる渚。 「わ、わたしも年頃の女の子だから……その、き……興味あります色々と! な、何もしないなんて、ひどいです! わ、わたしは魅力……ない娘です。自分でもわかってます。けど……でも……お、お願いです! お、お父さんとお母さんがしてるみたいに……してください!」 何を云っているのだか自分でもさっぱりわからなくなっていく。 「あの二人って。普段どんな風にやってんだよ」 「それは……。ま、真夜中に聞こえたんですけど……」 渚は頬を赤らめながら説明を始めた。 「ど、動物らしくバックで行くぜ……とか云ってました」 多分、早苗を四つん這いにさせて激しく突きまくったのだろう。容易に想像がつく。 「他には?」 「も、持ち上げてがっつんがっつんやってやるぜ……。とか云ってました。よく分からなかったですけど……」 それは多分、と朋也は思う。 「うわすげぇ。駅弁ファックというやつだな」 オッサンのくせしてアクロバティックでハードなことをしやがると思った。 「何ですかそれは?」 知らなくていい。と、朋也は云った。 「他には?」 「い、いい腰使いしてんじゃねーか早苗ぇ! 中に出しちまいそうだぜ! とか、云ってました」 多分、騎乗位で早苗が上下に激しく動いていたのだろう、と朋也は思った。口ぶりからするとリードしているのは完全に秋生の方なのだろう。早苗はきっとされるがままで喘ぎっぱなしの振り回されっぱなしなのではなかろうか。しかしそんなことはまあいいとして。つまりは、そう云うことをして欲しいと渚が望んでいるのだ。 「いいのか?」 「いいです! ……お願いします!」 渚は必死だった。こうなれば、することは一つのみ。望みを叶えてやらないと可愛そうだし、そもそもこういうシチュエーションになって何もしないのは男としてどうなのよと今更ながら感じたのだった。 畳の上に敷かれた布団。
その更に上。
全裸の二人。
「あ……」 仰向けに寝そべる朋也にまたがる渚。二人の脇には脱ぎ捨てられた寝間着と下着が放り投げられていた。 「奥まで入ってるぞ」 限界にまでそそり立ったものが、渚の小さな秘所を貫いていた。 「んっ!」 朋也は動かない。圧迫感を感じ、きつそうに目を閉じる渚はゆっくりと腰を上下に動かす。 「もっと激しく動かして」 「が……がんばります。んんっ!」 努力家の渚。けれど悲しいかな。端から見ると淫らに腰をくねらせているように感じられる。それこそが朋也の見たかった光景なのだけど。 「あっ。あっ……んっ」 外見はどこかあどけなく見える渚。けれどくびれた腰はとてもなまめかしく、体のラインが美しい。ただひたすら渚の中で朋也のものがうごめく。 「あふ、あぅ……」 「渚」 必死の渚に対し、ぴくりとも動かない朋也だった。けれど、ふるふると揺れる渚の胸を見てついつい手を伸ばしてしまう。渚は戸惑うけれど、朋也はそのまま続けるように促す。 「と、朋也くん。あ……」 意外と大きく見える渚の胸。ふに、と指がめり込む。胸を触られることはおろか、見られるだけですら恥ずかしいのに。渚は目を閉じて耐える。 「もっと早く、激しく動いて」 「う、あ……。は、い」 渚は一心不乱に腰を上下させた。ただ、朋也に感じて欲しいから。 「あっあっあっ! はぅっあっ……!」 とても淫靡な光景だった。男の人の上にまたがって腰をくねらせてた上にだらし無く口を開け、快感を貪っているようにしか見えないのだから。小柄な体が弾むように上下して行く度にず、ず、と湿りを帯びた音が響く。 「も、もう……だめ……です」 「何がだめなんだ?」 小刻みに粗くなる呼吸。渚は体中に電流が走るかのようにひくひくと震える。このままでは絶頂を向かえてしまう。それも、自分一人で。本当は朋也に感じて欲しいのに。それが嫌だから、渚は必死に堪える。けれどもう、手遅れだった。 「も、もう……もう……あ、あ、あああっ! あひいいいっ! あああああっ! あっあっ……あっ!」 ゆっくりと込み上げて来ていた快感が、突然最大値に引き上げられた。朋也がいきなり下から突き上げたのだ。そしてさらに、渚の起ってしまった乳首を摘まんで引っ張った。きっと最初からそのつもり。狙っていたのだろう。 「イったのか」 「は、はぅ……は、ぃ……」 渚は脱力し、朋也の上に倒れ込む。丁度目と目が合うくらいに近づいて、キスをした。濃厚なキスを。 それを見て朋也は油断大敵と云わんばかりに間髪入れずに渚の中へと突き上げる。渚の柔らかなお尻を掴むと指がめり込む。 「あああっ! と、もやく……あふっ!」 絶頂を迎えさせられてただでさえ鋭敏になっている神経を朋也は全力で突っ突いてきた。何度もされる度に渚の視界は真っ白になっていき、眠ったように失神してしまった。 …………
「……ん」 「気が付いたか?」 夜が明けきっていないのか、辺りは相変わらず暗い。明かりも付けていないようだから尚更。どれ程の間気を失っていたのだろうか。 「あ、れ……」 眠っていたかのようにぼーっとした感じ。あるいはまだ、夢でも見ているかのようだった。手足が動かない。よく見ると、違った。 「あ……」 違和感が晴れていく。そこは居間のテーブル。父秋生、母早苗と共にいつも楽しく食事をしているテーブル。その上に渚は仰向けに寝そべらされていた。手足が動かないのも当然だった。両手両足共に、ロープで固定されているのだから。何が起きているのだろうと思ったけれど、すぐ明らかになった。大股開きと云うとてつもなくはしたない格好なのに隠すこともできない。きっとこれから散々朋也に弄ばれるのだろう。それを思うとぞくぞくしてしまう。 「気持ち良かったんだな」 「わ、わたし。気を失っちゃったんですか」 「ああ。ちょっと、びっくりした」 かーっと顔が熱くなる。淫らに腰を振り、男の人に跨がって散々乱れた揚げ句に絶頂を向かえさせられて失神してしまったのだから。 その間に朋也は渚の体を運んだのだろう。 「ごめんなさい……」 心配かけてしまったこと。そして、自分だけ快感を貪ってしまったこと。渚はしゅんとしてしまう。だが……。 「謝らなくていい。渚にもっと気持ちよくなって欲しい。だから、これからいっぱい感じてくれ」 突如、胸の先端にびりりと電流が流れるような感覚。 「ひあっ! な……何ですかこれ!?」 「ローターだ」 「ひっ! あっ!」 尖ってしまった乳首の根元に二つも付いていた。左右計四つ。テープでしっかりと固定された球体状の異物。ヴヴヴヴと鈍い音をたてて急激に震え始め、渚の体を刺激する。 「あっ! あっ! あーーーーっ! と、朋也くん! だ、だめぇぇっ!」 「それだけじゃないぞ」 まだ何かがあるのだ。それは渚の下半身。淡い毛に包まれた割れ目の上端。クリトリスにもローターが一つテープで貼り付けられていた。すぐさま震え始める。 「ひ、ひぃっ! ひああああっ! あぅっあぅぅっ! だ、めえぇぇっ!」 「渚。思う存分感じて、可愛い声を聞かせてくれ」 「あひいいいいっ!」 渚は全身に力を込め、きつく目を閉じ歯を食いしばって耐え続けた。しかし、そんな渚をあざ笑うかのように朋也は新たな手を用意していた。 「そ、れ……は?」 「電気あんまだ。よくアダルトビデオ何かで使われてるのをみて、渚も気持ちよくなってくれるかなって思ってな」 「あ、あ……」 ぴた、と秘所に押し当てられる。プラスチック製の合成樹脂の表面が冷たく感じる。数秒後……。 「あ、あ、あっ……あひいいいいいいいっ!」 渚の絶叫が響き渡った。猛烈な刺激が股間を襲う。 「ついでにここにもな」 「きゃふっ!」 渚は驚愕の表情を浮かべる。ずぷ、とめり込む感触。震えるローターがまた一つ、渚のお尻の穴にもうずめられた。 「あ、あ、あ、あ、あああああっ! ひゃううううううっ! も、もっもおだめええええっ! ああああああっ!」 始まったばかりなのに限界だった。すぐさま何かが込み上げてくる。自分の意志とは全く関係のないもの。目の前が真っ白になり、何かが爆発してしまうような気がした。 「あっ……あっ……あっあっあっ! だめ……おとうさ……ん! ああっ……おかあ……さ……んっ!」 「おー。出る出る」 「ひやぁぁぁぁっ! み、見ないでえぇぇぇぇっ! 恥ずかしいいいいいいっ!」 いつも家族で揃って、楽しげな一時を過ごしている場所。そんなところで渚は絶頂を向かえた。視界が何度も真っ白くなり、意識が飛ぶ。 こらえることも、我慢することも、隠すことすらできなかった。 渚は潮を吹いた。大量に、勢いよく。噴水のように弧を描いて飛沫が飛ぶ。ぶぴゅ、ぶぴゅ、と何度も。小さな体のどこに溜め込んでいたのだろうと思えるくらい大量に、噴き出た潮はリビングの床を濡らし、テーブルを水浸しにした。 渚には自分の体から噴射されるそれが何だかわからなかったけれど、お父さん、お母さん、ごめんなさい。こんなところでおしっこを……とんでもないことをしてしまいました。渚は猛烈な罪悪感に苛まれるけれど、なぜだかやめて欲しくはなかった。 「渚。もう一回だ。いくって云ってくれよ」 「あ、はっ……あっ! い、いくっ……いっちゃいます……ま、また……お、おしっこ……出ちゃいます! いっちゃううううっ!」 何だかわからないけれど、またも体の中から勢いよく飛び出て行く。出すたびに快感。男の人が射精するときはこんな気分なのだろうかなどと渚は思った。と……今度はずにゅ、と何かが入ってくる。朋也の指だった。そして、床と同じようにぐしょぐしょに濡れた秘所をかきまぜ始めた。けれど、渚にとっては不満だった。だから求めた。 「ゆ、指じゃ嫌です……。と、朋也くんが……欲しいです……」 「俺の何がどこに欲しいって?」 にや、と朋也が微笑む。意地悪な笑みだ。絶対に恥ずかしい事を云わせて言葉責めするつもりなのだろう。でも、云わなければしてくれ無さそうだから、渚は観念した。 「と、朋也くんの……おち○ちんが……欲しいですっ! わ……たしの、お……ま○こに入れてくださいっ!」 とんでもないことを口走っている。渚は涙目で頭を振った。 「そっか。じゃあ、いくぞ」 朋也は頷き、指を離して限界にまでそそり立ったものを渚の秘所にあてがい、挿入していく。 「ああああああっ!」 熱く、大きなものが入ってくる。渚は全身で感じ体をひくつかせる。 気持ちいい……と、心の底から思った。大好きな人の温もりに包まれながら、熱い吐息を吐いていく。 それから少しして。
「えへへ」 「嬉しいのか?」 「はい」 散々淫らに乱れさせられよがらされて、ようやく解放された渚。それなのに、訳もなく嬉しくてたまらない。もっとして欲しくなる。 「ちなみにな。ローターも電気あんまも俺のじゃないからな」 あんなもんわざわざ持って来たりしないと朋也は断言。 「え。じゃあ」 思い浮かぶのは一人。 「あのオッサンのだ」 「お、お父さんの……」 今も尚現役ということだろう。これらを使って早苗さんを散々あへあへさせていやがるんだな、あのオッサンめと朋也は思った。渚は渚で、何だかわからないけれどとてつもなく恥ずかしかった。 「で、どうだった?」 「すごく気持ちよかったです。……びしょびしょになっちゃいました」 体だけじゃなくて、テーブルも部屋も。 「じゃ、今度は……な」 「はい」 道具じゃなくて、体どうしでと云うことで。二人はキスをした。 「渚。四つん這いになって」 「……はい」 朋也のリクエストはとても恥ずかしい格好だったけれど、素直に従う。両手と両膝を床に付いて、お尻を高く突き上げる。きっと、割れ目の中は丸見えなのだろう。何度されても顔が熱くなる。 「入れるぞ」 「はい! 入れてください!」 そうしてずぷりと朋也のものが入ってくる。既に十分湿った渚の秘所はあっさりと受け入れる。朋也はすぐさま前後に動き始める。渚はまた、熱い感触が込み上げてきて声に出してしまう。 「あ、あ、あっ!」 「いい締まりだな。渚の中は」 「あ、あ、あっ。お、奥に……あ、当たって……ます。あっんっ!」 渚の体は激しく揺さぶられる。形の良い小ぶりな胸もゆさゆさと揺れる。 「わ、わたし……えっちな娘、です。と、朋也くん……。嫌いに、ならないでください……あっ! あっ! あぅっ!」 「なるわけないだろ。えっちな渚も大好きだ」 それを聞いて渚はぽろぽろと涙をこぼす。激しい交わりによるものなのか、あるいは朋也の言葉による嬉し泣きなのか。あるいは両方なのか、あえて朋也は突っ込んでみた。 「泣くほど気持ちいいのか」 「は……いっ! 気持ちいい、です! もっと、もっと……もっとぉ。もっと激しく突いて、くださいぃっ!」 渚も朋也に合わせて腰を前後に振る。ぱんぱんと、体がぶつかり合う音が小刻みに響く。 「ああっ! あっんっ! んひっ! いっ……ちゃいます!」 「俺も……出る」 ……そうしてやがて二人は達した。とめどなく射精される精液を渚は口と顔で受け止めて、そのまま愛撫を始めた。 「んんぅ……ん、ん、ん」 小さな口を目一杯開けて朋也のものを奥までくわえ込んでは引き抜き、舌を前後左右に激しく動かして愛撫。 「ん、ん、んぅっ」 渚は全てにおいて朋也に従順だった。ぐちゅぐちゅと音を立てるたびにこく、と喉がなる。射精された精液を少しずつ頑張って飲んでいく音。 朋也が渚の頭を掴み、前後に腰を動かし始めた。渚は少しむせかえり、おもちゃのように振り回されながらも朋也に合わせて愛撫を続けた。 「んんっ! ん、ん、んーーーっ!」 どぷ、と音を立て濃い精液が渚の可愛い顔を汚していった。とてつもなく背徳的な行為だった。 …………
「あ、あ、あっ! あ、う、く……くひぃぃぃっ!」 口を開け、わなわなと震える渚。とてつもない快感に、白目を剥きそうになる。それもそのはず。 「でかい……」 朋也は呆れたように云った。渚の秘所にねじ込まれたものをみて。 「極太、いぼいぼ付き電動バイブ……。あのオッサン、こんなもんまで……」 多分これで早苗をあへあへ云わせているのだろう。どこまでも現役でけしからんオッサンだと朋也は思った。中でバイブのいぼが擦れるたびに渚は切なげな叫びを上げる。 母娘二代に渡り使用してしまったな。朋也はやれやれとため息を付く。これではまるであのオッサンが朋也の為に用意してくれていたかのようだとも思うが、真偽の程はわからない。ともかくそれは渚の中……奥深くまで埋没し、振動モードは既にフルパワー。ウィンウィンとと怪しげな音を立てながら激しくうごめいた。 けれど、それだけではなかった。四つん這いの渚は今……。 「あ、あ、あ、熱いいいいっ! 熱いですっ! ま、また……いっちゃい、ます……ああああっ!」 お尻の穴に、朋也のものを受け入れていた。 数分前のこと。そう云えば、と朋也は云った。こっちはまだ入れたことがなかったな、と。 とんでもないところを指でつつかれ、渚はびくっと脅えたように震えたけれど、興味と朋也への愛情の方が遥かに勝り……頷きながら云ったのだった。 『わたしの……お、お尻の穴に……入れてください』 と。四つん這いのまま、お尻を高く突き上げて割れ目を開き、お尻の穴を朋也に見せつけながら。 けれど朋也は意地悪だから云った。 『じゃあその前に、こっちの穴にも入れようか』 『う……。お、おま○こにも……入れてください』 『渚はいい娘だな』 『あああああっ!』 ずぷずぷと入って行くバイブ。奥まで入り込んでから、今度はお尻の方に朋也のものがずぶずぶとねじ込まれていく。 『あひいいいいいいっ! と、朋也くん! そ、そんなとこ……まで。ああああああっ!』 『力、抜いて』 あまりの抵抗に途中で入り込まなくなってしまう。朋也の言葉に渚は歯を食いしばって、下半身の力を抜きにかかる。 『は、いいい……』 そんなことがあったのだ。 「渚の中で蠢いてるな」 お尻の中からバイブの動きがわかる。朋也も負けないように何度も突き立てる。あまりにもハードな行為に二人の吐息も熱い。 「あっあっあっ! も、もう……だめ、です!」 「出すぞ……」 「あ……ひぃぃぃぃぃっ! 熱いいいいいい! いっちゃいます……っ!」 朋也は射精した。渚のお尻の中に、大量に。渚もこらえ切れずに、バイブをねじこまれたまま失禁し、失神してしまう。 思う存分肌を重ね合わせ、疲れ果てて添い寝。
「朋也くん。えへへ……」 子猫のように丸まり、朋也に抱きつく渚。嬉しそうに微笑を浮かべる。 「渚は甘えん坊だな」 朋也も渚を抱きしめながら、おでこにキスをした。勿論それだけじゃない。渚の方からもキス。今度は唇に。 「朋也くん……」 ただ名前を呼ぶだけで幸せになれた。 月明かりだけが部屋の中に差し込み続ける。
二人の熱い夜はこうして更けていった。
----------後書き----------
今更ながら渚のお話を書くのは初めてだったり。何度となく書いては途中で頓挫してを繰り返し、随分と時間が経過してしまいました。楽しみにしていてくれた方、すみません。 そいでもってKanon、ONE、Airと続く『二人は一緒』シリーズから引き継がれてきたCLANNADえっち話『PureMix』シリーズはこれにておしまいです。椋の勝平編と伊吹公子編については書こうとしてはいたのだけれども、どうにも……なかなかいい感じに書けていけなさそうなので、良い案が浮かんだらということで。 さて、恒例のえろ話シリーズもこれからは別シリーズとして、リトルバスターズに引き継がれていく。……のかな? ともかくこれからも懲りずに何かしらやってみようかなと思いますので、よろしければ見てやってくださいな。
コメントを頂けると嬉しいです。
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