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PureMix2nd
朱鷺戸沙耶編
-朱鷺戸沙耶編-















「ちちちちちがうわよこれはちがうのっ! とにかく違うのよっ!」

 そのエピソードの始まりは兎にも角にもまずは否定から。

 ――明かりが灯っておらず薄暗い空き教室。ただでさえ埃まみれで、まず誰もいないと思われるであろう場所にて、慌てふためいた声が響く。何故だか机の上に腰掛けている沙耶は突然の侵入者に気付いてパニック状態に陥っていた。そしてそれが誰だか知り、更に慌てる。

「え?」

 彼……。直枝理樹は不思議そうにしているわけでもなく、沙耶に対し何をしてるの? と問うわけではなく、何が違うのさ? と呆れながら糾弾するわけでもなかった。ただきょとんとしながら微笑し、一番大切な彼女に対してどうしたの? と問うだけだった。それはとても柔らかな物腰で、沙耶としては『何よ、お……女の子のように可愛いじゃないのよ!』とか思ったが、そんな事は大した問題ではなかった。少なくとも今は。

「……く、訓練、よ。そう! 訓練をしていたのよあたしは!」

 嘘も時には必要と思い込みながら口から出任せ。それゆえに、具体的にどのような訓練をしていたのかは言わないし言えなかった。

「そうなんだ」

 彼女がそう言うからにはきっとそうなのだろうと、完全に納得したのだろう。理樹は優しく、あえて深く突っこみを入れてはこない。きっと彼女は何かしらの人に言えない複雑な事情を抱えているのだろうと、そういった思い込みで全ての問題を丸め込んでくれた。いつだってそうだ。

「っと。ちょっとごめん。……ああ、真人だ。練習やるって言ってるなあ」

 偶然も味方をしたのか、理樹のマナーモードにしてあった携帯にメールの着信。仲間が呼んでいるとの内容だったようで、沙耶にとって全く持って幸いだった。

「い、行ってきなさいよ」

「うん。そうするよ。ごめんね」

 沙耶の言葉に素直に頷く理樹。だけどちょっと申し訳なさそうな表情をしながら、空き教室を出て行った。沙耶は息を止めて耳を澄まし、理樹の足音が段々と小さくなっていく事を確認する。沙耶が慌てふためいていたのは当然の事。何を考えたのか、何が込み上げたのか、そんな事は今となってはどうでもいいことであるしはっきりとした原因もわかりはしないのだが、理樹の事を想い欲情した余り、机の角っこに股間を擦りつけてオナニーをしていたのだった。最初はゆっくりと、だけど段々と気持ちが良くなっていきペースも上がり、絶頂が間近くなった時に背後の方でガラリとドアが開く音を聞いた。振り返るとそこには理樹の姿。勿論そんな事をしていたなどと話せるわけがなく、訓練という名の言い訳で必死に誤魔化していたのだった。

「……一人えっちにうつつを抜かして、一般の人にあっさり後ろをとられるスパイなんて。どれだけ情けないのよ」

 考えるだけで情けなくなってしまい、ため息。改めてスカートをまくり上げ、ショーツの薄い布地を見つめる。吸収能力を遙かに超え、湿り気がショーツはおろか机にも付着しているのがわかり、更に自己嫌悪に陥っていく。

「そうよ。スパイなんだもの。どうしても敵に掴まってしまって、意地悪で性的な拷問を受けることだって十分に想定されるもの。だからこれは単なるオナニーじゃなくて快感に耐えるための予行演習! つまりは立派な訓練なのよ訓練! 滑稽!? 言い訳? ふん! おかしければ笑えばいいじゃないのよ笑えばっ! あーっはっはっはっ! はぁ……」

 いつものように自虐的になった後、テンションが下がってぶつぶつと呟く。しかし今回に限っては更に開き直ったのか、あるいはやけっぱちになったのか、思考パターンがポジティブになっていった。こうなればもう、することは一つだ。もはや迷うことなど何一つない。滑稽であろうとおかしいと思われようと存分にやってやろうじゃないのよ! ……沙耶は空き教室を出て、迷う事なく早足で歩んで行く。一人になれる隔離されたプライベート空間……目指すはどこかのトイレ。丁度良い具合に廊下の向こうに見つけた。

(ん……)

 そろそろと中に入ると誰もいない。良かったわと思いながら個室に近付き、バタン、とドアを閉じる。便座の蓋に腰掛けてほっと一息つく。

(これで思う存分オナニーできるわ。……って、何を考えているのよ!? ……いや、いいんだった。それが目的なんだから)

 その目的は正しいの? と、少し悩むように右手で顔を覆う。時折理性が働き心の中で叫ぶものの性欲の方が強まったようで、手は勝手に動いていき、ショーツの上から秘所をさする。一度始まったらもう夢中だった。

「ああんっ! ……あ」

 声が出てしまってから『しまった』と気付く。可能性は低いだろうけれど、もしも誰か人がいたとしたら……。一瞬動きを止めて、周囲の気配を伺う。

(……誰もいないみたいね。って、それを最初に確認しないでどうするのよ。まったく)

 少し濡れたショーツの布地を邪魔と判断し、足元までずらしてとりあえず右足の足首にひっかけたまま指の動きを再開する。多少の声を出しても問題が無さそうな状況だとわかったから、自分のテンションに火が付いた。淡い毛をかき分けて、柔らかな割れ目やクリトリスを指で強くさすり、なで回す。

「んあっ」

 同時につま先に力を入れて僅かに腰を浮かす。

「あっあっあっ。んうっ。ああ……気持ちいっ」

 指が何度も這い続ける。じんわりと、秘所の周りにとろりとした湿りが発生しては指先を濡らし始める。

「あん……。だめぇ」

 指を動かすと同時に目を閉じ、架空のシチュエーションを思い浮かべる。もしも今理樹が目の前にいたとして、好き放題に交わってくれたとしたら……? 沙耶は更に興奮しつつ、だめと拒否の言葉を漏らす。けれど言葉とは裏腹に、理樹と……したい、と思った。素直に言えないから、こんなふうに情けなく自分で自分を慰めているのだ。

「ん、んっ! んんぅっ!」

 指の動きが更に早まる。左手で割れ目をこじ開けながらさすり、右手の人差し指と中指を中に侵入させ、ぐちゅぐちゅと音をたてながらかきまぜる。何度も繰り返す。溢れ出た透明の蜜がとろりと糸を引きながら落ちていく。

「気持ちいい……。気持ちいいよぉ。あああんっ。たまらない……っ。いくっ。いっちゃう……いっちゃうよ。あぅっあぅっあうぅぅっ!」

 もう少しで絶頂を向かえる。指先がつりそうになるくらい早く動いていく。くちゅくちゅと音を立てて滴が飛び散り始める。切なさを堪えられない。

「理樹くんとえっちしたいよぉっ! んっんっ! んんぅっ!」

 指に纏わり付く水音が更に増していく。やがて一瞬辺りが白くなったように、視界が閉ざされた。空中に浮遊しているかのような、昇天していくような感覚。沙耶は全身で絶頂を向かえる。鯨が潮をふくように、あるいは噴水のように沙耶の秘所から大量の飛沫が上がる。弧を描いてびしゃ! ぶしゃ! と勢いよくドアに叩きつけられ、個室内はびしょびしょになっていた。

「はぁ……。気持ちよかったぁ……んっ!?」

 そんな時、ドアの外から物音と声が聞こえた。

「……でさぁ」

「……だよな」

 会話の内容はよく聞き取れないものの、沙耶の耳を疑う要素が多いにあった。

(だ、男子生徒!? 何でっ!? どうしてよっ!?)

 ――無我夢中だったせいかろくに確かめなかったようだ。どうやら沙耶はトイレはトイレでも、男子トイレに入っていたようだった。ドアと壁の僅かな隙間からこっそりと外の様子を伺うと、用をたしているのであろう男子生徒の背中が見える。更に続けて物音……ドアが開く音と声が聞こえる。他にも誰かが入ってきたようだ。

(だ、男子トイレの個室で思いっきりオナニーしてる女スパイってなんなのよ……。痴女じゃないんだから。こんな、出るに出られないで、だ……誰かに見つかったりしたらあたしは……。あ、あれ?)

 突然猛烈な緊張感に包まれ、全身を硬直させる。それに加えていつの間にか、かなりの尿意も込み上げていて動くに動けない。そんな時だった。

(ん?)

 ふと何気なく足元を見る。今の今まで気付かなかったけれど、便座を除いた床がいつの間にか薄くなっていっていた。……いや、違う! それはまるで空間を切り取られたように、黒い闇と化している。僅かな隙間から外を見るが、問題は確認できない。どうやらその異常は沙耶がいる個室内に限定して発生しているようだった。

(トラップ!? 何それ!? どれだけ限定されまくった発動条件なのよ一体!)

 しかもこんな時にこんな所で! 沙耶は思いっきり慌てるが、無理やり冷静になろうと努力し、思考を巡らせる。誰がどう考えたのか、シナリオ的にはどうやら特定のエリア……今回の場合は男子トイレの個室内にて沙耶がオナニーをすると仮定し、最終的に盛大なエクスタシーを迎え、その結果個室のドアに向けて思い切り大量の潮をぶちあてる、という条件で発動するようだった。確かにあまりにもあまりな超限定的発動条件のトラップだったが、恐らくは沙耶の性格及び行動様式を非常にきめ細かく綿密に、長期間解析した結果得られたデータに基づいているのだろう。ともかく足下の空間が丸ごと消え、このままでは底知れぬ漆黒の闇へと落ちる……! 底なし沼のような、あるいは宇宙と言うべきか異次元にでも通じていそうな空間はただただ黒くて恐怖だった。大きな危機を感じた沙耶はとっさの行動に出ていた。落ちる寸前にドアのノブに掴まりながらねじり、必死の思いで外に出た。バン、とドアが乱暴に開かれ、男子生徒達が何事かと振り返り、すぐに視線が沙耶に集中する。当然の事ながら沙耶の危機など知るわけもなく、極めて真っ当な日常に身を置いている男子生徒達の視線だ。何だ何だ? と、誰もが思う。そうしてすぐに沙耶の格好に気付くことになり、え……っ!? と絶句。見開いた目は正直に『信じられない』と言っている。もっとも沙耶本人としては『信じられないのはこっちよ!』と、言ったところなのだが。

「あ……」

 沙耶はスパイであり本当の生徒ではない。当然の如く、ここにいる男子生徒達と誰一人深い関係を持っている訳ではない。互いに会話をしたことはおろか、どこのクラスのどなたさんかすらわかりはしないことだろう。しかし、見られたということは事実であり、結果として沙耶は男子トイレの中に潜んでこっそりオナニーをしまくってイキまくって潮をふきまくって個室内をびしょびしょにしていたド変態娘、というような目で見られたということになる。だがしかし、だからこそか。沙耶にとって今はそんなことにかまっていられる状況ではないのであった。

「あ、あ……ぐ、ぐぼああぁぁぁあぁぁぁああああああああっ!」

 沙耶は絶叫し混乱し自棄っぱちになり涙目になりたまらずに駆け出していた。……ずり降ろされたままのショーツが右足の足首に引っ掛けられて引きずられたり上履きに踏み付けられたりしているがかまっていられるか。三十六計逃げるにしかずとばかりに駆け出そうとするが、初っぱなから大きくつまずくことになる。なにせ、こういう時に限ってそういえばとばかりに込み上げてきていた尿意を押さえることなど勿論できずに制御不能となり、じょばーーーーっ! とか、ぷしゃーーーっ! といったようなど派手に溢れる音をたてながら、子供のように思いっきりおもらしをしてしまったのだから。それでも沙耶は持ち前の根性を発揮して頑張るも出口のドアへと激突してしまう。ばごっと音を立て、『ぐぎょっ!』と潰れるような悲鳴を上げ、涙目のままおでこをさすりつつもめげずに全力で廊下へと出てとにかく走った。廊下にはまばらながら、男子生徒と女子生徒が何人かいて、絶叫と勢いになにごとかと沙耶の方を向く。沙耶の股間から派手にびちゃびちゃとはじけ飛ぶ滴は尚もおさまらず、更に全力で走っているから短いスカートがひらひらと盛大にまくれ上がり、ノーパン状態のお尻やら薄いヘアに覆われた秘所がさらけ出される。また更に沙耶は全く気付いていないことだが、上着とブラウスの胸元は完全にはだけさせておりブラもたくし上げられたままで、走る度に大きな胸が上下にぷるんぷるんと揺れまくっている。まったくこれは一体何の罰ゲームなのか! 一体あたしが何をしたと言うのかっ! やり場のない怒りと羞恥が灼熱のマグマのようにぐつぐつと沸き上がってくるが、とにかくどうにか逃げなければいけない。この羞恥地獄から脱するにはそれしかない。沙耶自身気付いていなかったが、駆けるのに夢中で恥ずかしい所を隠すことなど全く考えられなかった。それがまた新たな羞恥責めとなり、沙耶を混乱させるのだった。

「くあああああああ! みみみみ、見るな見るな見るなああああああぁぁぁぁぁぁっ! こんなのいーーーやあああああああああっ! 恥ずかしいいいいいいっ!」

 集中する視線をはね除けるようにばたばたと駆け抜け、長い髪を振り乱しながら階段を一気に飛び降りる。そうしたらまた何人かに目撃されるという負のスパイラル。

「うがーーーーーーーーっ! うぉらぁっ! どけどけ通せええええええええっ! 通せったら通せええええええええっ! 通してよおおおおおおっ!」

 スパイとしてはとても目立ちまくっているのだが、こうなってはもはや恥もへったくれもない。猛牛の如く突破していき、時にぶつかり時に回避しまた時には転び這いずり回り何とか立ち上がり頑張って逃げていく。このようにとても見苦しくも人間的なドキュメンタリーを展開しつつどうにかこうにか校舎を出て、流石に誰もいないであろう片隅の森へと辿り着くまで逃避行は続いたのだった。

「はあはあ、はあはあ。ここまで来れば……。大丈夫、よね」

 息を切らして座り込む沙耶。しかし、またしても簡単に後ろを取られてしまう。

「沙耶さん?」

「っ!?」

 突然の声に驚愕。誰もいないと思っていた場所だったから。……しかし、それはとても聞き慣れた声だった。

「理樹くん……っ!? ど、ど、どうしてここに!? 野球の練習していたんじゃなかったの?」

「うん。してたけど、今日はちょっと早めに切り上げようってことになって……。沙耶さんはどうしたのさ?」

 沙耶は上も下も着崩した状態。もっと言うのであれば暴漢によって服を剥ぎ取られたような恰好の沙耶。流石の理樹も今の沙耶が普通ではないことに気づき、指摘する。それに対する返答を考えるも、先程と違って誤魔化すことなど全く不可能で、こうして沙耶の堪えきれない感情が一気に爆発するのだった。

「う……。ただ、理樹くんとえっちしたいだけなのに恥ずかしくて言い出せなくて、空き教室の片隅でこっそりオナニーしていたらよりによって理樹くん本人に見つかっちゃって、なんとか言い訳してごまかしてトイレに逃げ込んだらそれが男子トイレだってことに気付かないで、夢中でオナニーしてて気持ちよくなってイっちゃって、ドアに向かっていっぱい潮ふいちゃったら何故かそこで意地悪なトラップが発動して、で、足元の床が消えて慌てて個室の外に出たら用を足していた男子生徒達に見られて、視線にまみれながら慌ててトイレを駆け出て、そのうえ思いっきりおしっこを廊下中に撒き散らしながら衆人観衆状態のままノーパンダッシュよ! ああそうよ! おっぱいもあそこもおしりもみんなみんな丸見えの丸出しでしかもお漏らししまくりながら堂々の露出プレイよ!? アホでしょう!? ド変態でしょう!? 思いっきり見苦しいでしょう!? 頭沸いてるくらいおかしいでしょ!? ああ、滑稽でしょう!? 笑えばいいじゃない笑えば! 笑いなさいよっ! あーっはっはっはっ! って、笑いなさいよ!!」

 まさに自虐ここに極まるといったところ。

「ま、まあまあ落ち着いて。とにかく服を着なおした方がいいと思うよ」

 とっても常識的な理樹の提案に対し、沙耶は……。

「……たいよ」

「え?」

「えっち……したいよぉ。理樹くんと。ただそれだけだったのに」

 切なさが込み上げてきてふるふると体が震える。そして涙目のまま上目使いでおねだりをするのだった。いろいろと恥ずかしすぎる大騒動を巻き起こしてしまったが、元を正せば沙耶自身が理樹に対してちゃんと意思表示をするべきだったのだ。沙耶は心底、最初からこーしていればよかったと思っていた。恥ずかしいとかそういうことは抜きにして、素直になっていればよかったのだ。





…………





「んっ。んんんっ。んぅっ」

 沙耶はとても遠回りをしていたような気がした。それこそ、あたしは一体何をやっていたんだろう、などと呆れるくらいに。やっと本当に求めていたものにたどり着いた安心感からか、沙耶は理樹に抱き着いてキスをいっぱいしてもらった。

「んんーっ。好き……。ん、んっ」

 してもしてもし足りない。互いの舌をこれでもかと絡ませ、吸いつくすようなディープなキスを繰り返す。唇どうしがこすれ合う度に沙耶はびくびくと震え、目が半開きの悩ましげな視線を理樹へと向ける。

「沙耶さんって、そんなに欲求不満だったんだ」

「ん……っ。そ、うよ。悪かったわね。諜報活動三昧で青春のかけらすらなかったんだから憧れて、我慢できなくて盛りのついた猫みたいに欲情して、それでも恥じらいなんかは無駄に残ってて理樹くんになかなか言えなくて、で、あとはご覧の有り様よ。そうよ。あたしは変態よ。もうお嫁にいけないわよ。悪かったわね……」

 思い返せば返すほど情けなさが込み上げてくる。しかし、理樹は優しかった。沙耶の全てを受け入れてくれる。

「おかしくもないし滑稽でもないし笑ったりなんてしないから。それに、沙耶さんは僕のお嫁さんだから」

 理樹に恥ずかしくも嬉しすぎる事をすんなりと言われて照れる沙耶。理樹は更に笑顔と共に優しいキスをくれる。それが沙耶の恥じらいメーターを頂点に持っていく。

「何でもしていいよ。全部沙耶さんの望むがままに」

「全部……? あ、あたしの望むがままに……?」

 ど、どうしよう。どくん、どくん、と鼓動が高まる。何でもしてくれる。嬉しい。けれど猛烈に恥ずかしい。ど、どんなことをしてもらおうかな。例えば……ちょっと上目使いで甘えたような眼差しを向けながら、優しく……して。とか言いたいがしかし、そんな恥ずかしいこと面と向かって言えるかーーーーーっ! うがーーーーーーーっ! と、沙耶の思考回路はオーバーフローを起こしていて、またしても素直になる機会を逃していた。

「じ、じゃあ、じゃあ、じゃあっ! そのっ! ……た……た、た、た……立ちバックでがっつんがっつん突いて! 本気で突いて突いて突きまくって!」

 本当は正常位で、上からゆっくり優しく抱き締めるように覆いかぶさってもらって、至近距離で見つめ合いながらささやくように甘ったるい雰囲気のお話をしたり、時折キスなんかしちゃったりしながら交わる、と言ったことを望んでいたのだったが、正反対のことを要求してしまった。

「激しいのがいいの?」

「そう! 徹底的にハードにしなさいよハードに! がっつんがっつんずっこんばっこんぶちやぶるみたいに犯すみたいにぶっこんで! ほら、はやく! あたしの中に理樹くんのずるむけどでかお○んぽぶっこんで交尾しまくって! 手加減なんて無用よ!」

 ああ、違う違う違う違う違う! 求めたいのはそういうのじゃないのに! 一体何をそんなに慌てる必要があるのか! それに、どうしてそんなはしたなさ過ぎることを堂々と口走ってるのよあたし! と、沙耶は心の中で叫ぶがもちろん理樹には伝わらない。

「ようし」

 理樹も沙耶の要求に答えようと決意の表情を見せる。眉をきりっと寄せながら、理樹は沙耶の背後に回り込み、左右の手で腰をしっかりと掴み、短いスカートの中へと屹立した逸物を配置した。ぴとっ、と遮るもの一つない入り口に宛てがう。沙耶の秘所を覆っていたショーツは先程、必死こいて逃げ回ってる最中に足から離れてどこかに落っこちていると思われる。多分廊下か階段辺りに。恥ずかしい……が、今はもっと恥ずかしい。

「あ、あっ。やっぱりちょっと待……あひっ」

「いくよ! それっ!」

 杭が打ち込まれたように、ずぎゅっと音がした気がする。こうして二人は制服を着たまま屋外にて交わり合うこととなった。

「はあぅっ! 激……しっ! うああっ!」

「いくよおおおっ! そらっ! そらっ! そらあっ!」

「り、理樹くんの……大きすぎ! 太くて、長くて……あたしの中でびくびくしてる」

 そんな大きなものがばんばんと打ち付けるように早く強い動きに加えて大きなストローク。沙耶は大きく目を見開き、わなわなと震えながら口もあんぐりと開けている。

「あ、あ、あああーーーーっ!」

 理樹の下腹部とぶつかり沙耶の柔らかなお尻がたゆむ。ぱんぱんといやらしい音がする。――いつしか理樹は沙耶の両腕を掴んで引っ張っていた。余りの強い衝撃に沙耶はがくがくと揺さぶられ、体を弓のようにしならせる。意地を張りまくった結果、望んでいた行為とは掛け離れてしまったが、沙耶はノリノリになっていた。つまりは思いっきり感じまくっていたのだった。これぞ結果オーライと言ったところだろうか。

「あっ! あふっ! ああふっ! あっあっ! き、気持ちいいよお理樹くんっ! オナニーなんかと全然違う! も、もっとして! もっと突いて! もっといっぱい激しく深くぅ! い、いいのぉ。突いて突いて突きまくってえぇっ! し、昇天しちゃいそうよおおおおっ!」

 周りに誰がいようと知ったことか。気持ちいいは正義であり真実であり、邪魔をするやつは馬に蹴られて死んじまえといったところだろうか。

「僕も気持ちいいよ。沙耶さんの中、あったかくてぬめぬめしててきゅうきゅう締め付けてきて……。あっと言う間にいっちゃいそう」

「あっあっあっ。は、げしくて……ぱんぱん音……。い、やらし……くては、恥ずかし……いっ! くうぅぅっ!」

 理樹は沙耶の体をひたすら下から上に突き上げ続ける。沙耶は爪先立ちをしながら揺さぶられ続ける。

「あっ! も、もうだめ! あたし、感じすぎ……。あっという間に……い、いっちゃう……あ、あっ」

「ぼ、僕もいきそう」

 理樹も達しそうだと聞き、沙耶は叫んだ。

「中に! 中に出して! いっぱい」

「え。でも、それは……」

「早く! 早くぅっ! も、もう立ってられない! あ、あ、あ、あ、あ! ひああああああっ!」

 強い刺激に足がガクガクと震え、沙耶はよろめきながら近くの木にしがみついた。理樹も離れないようにしながら尚も突く。

「い、いくよ。沙耶さん」

「あ、あっだめっ! で、出ちゃう……ああああっ!」

 沙耶は一足先に絶頂を迎えた。頭をのけぞらせ、全身をびくびくと痙攣させる。一段と強い締まりが理樹のものを包み込み、ロックでもかけられたようにとっさに引き抜く事ができなかったばかりか、沙耶の体の奥深くに全てが埋まり込んだところで射精してしまった。こうして二人の密着は最高潮に達していた。びし、と何かに引っぱたかれたような、締め付けられたような感覚と共に二度、三度、四度と続けて射精。

「あ、あ……。出てる。いっぱい出てるぅ……」

「はあ、はあ……」

 沙耶も理樹も中で大量の精液が溢れ、ごぽっ、と音をたてたような気がしていたが、恐らく気のせいでは無かっただろうと思っていた。快感を味わいうっとりとした表情の沙耶と、大きく息をついている理樹。二人は揃って脱力し、鮮やかな緑が覆う地面に倒れ込み、横たわっていく……。





――はずだった。





「あ、あれ?」

「り、理樹くん。もう抜いてよ」

「それが……。な、何だこれ?」

 二人の体は尚も繋がったままだった。それもそのはず。例えるならば廻しの如く分厚くて頑丈で大きなベルト……あるいは医療用のコルセットのようなものが二人の腰にがっちりと巻かれていた。

「っ! やられたっ!」

 沙耶が目を見開き舌打ちをする。まさかこんなところに仕掛けられているとは。そして、いつの間にこんなものがどのような形で巻かれたのか。

「え。何?」

「トラップよ。丁度あたしがここに来るであろうことを想定して、理樹くんと立ちバックでえっちしまくることを前提に仕掛けられた……」

「ええええっ!? 何それっ!?」

 余りにも限定された条件下でのトラップ発動だと理樹は思った。つい先程、沙耶がトイレで味わったものと全く同じ感覚だった。

「ど、どうするの?」

「どうするもこうするも、こんなふざけたトラップなんて取るしかないでしょ! 無理やりに! ええい、取れろ……取れろっ! くううぅぅっ!」

 しかし、二人を拘束しているベルトは固くてとても引きちぎれそうにはなかった。そのうえがっちりと固定されていて、身じろぎすらできそうにない。

「ち、ちょっと。あ……。そんなに、動かないで。うぅ……。こ、擦れる」

「そ、そう言われても。あぅっ!」

 理樹のものは尚も勢いを失っておらず、殆ど縮んではいないようだった。つまり、どうにかしない限り永遠にコネクト状態は続くと言うことだった。

「ふふ。ふふふ。無様よね。間抜けよね。理樹くんと野外でハードな青姦セックスをするのに夢中で、気持ち良すぎて感じまくりで喘ぎまくりで、こんな見え見えの拘束トラップに全然気付かなかったなんて。何よそれ。どういうスパイよそれ。ああ、おかしいでしょ。滑稽でしょう! おかげでお○んこの奥深くに理樹くんのお○んちんぶち込まれたままサンドイッチにされちゃったわよ! 笑えばいいじゃないのよ笑えばっ! あーっはっはっは! て、笑いなさいよ!」

「さ、沙耶さん。やけっぱちにならないで。う、動かないで」

「そ、それはこっちの台詞よ! あぁっ! や、やぁっ!」

 もがけばもがくほどギリギリと締め付ける拘束。現時点で解くのは不可能のようだった。……こうして二人が取った解決策とは、とにかく動き続けること。

「……す、スカートで隠れているから、大丈夫よ。多分。少し見られたくらいなら繋がってる事なんてわからないわ。……大丈夫。多分」

「本当に、多分だよね」

 ――理樹が言うには、僕の部屋に大きくて強力な鉄切りバサミがあるから、それを使えば流石にどうにかなるかも。と言うことだった。何でそんなものもっているのよ、と沙耶が聞くと、かつて真人が筋トレ用に使ったコルセットが外せなくなったり、あるいはトレーニング器具のテンションを高めた結果壊れて真人自身を拘束してしまい、理樹が慌てて工具屋に買いに行った事があるのだとかなんとか。まさに、歴史は繰り返すといったところだ。アホな歴史は特に何度も……。

「誰にも気付かれずに要所へ潜入するのはスパイの基本よ。だから大丈夫。……多分」

 通常時であればお手の物。が、今はとてもではないが通常とは異なっていた。

「こんな風に誰かと繋がったまま潜入した経験はあるの?」

「あるわけないでしょあるわけ! 処女だったのよあたし!? 理樹くんに処女膜ぶちやぶられるまで! 他の男となんてやるわけないでしょう!」

「いや、その、ごめん。……でも、大きな声で叫ぶことじゃないと思う」

 木々に囲まれた中をぎゃあぎゃあ言い合いながら歩む。状況が状況だけに携帯で誰かに助けを求める訳にもいかないのだから仕方がなかった。とても間抜けで卑猥な二人四脚は尚も続く。

「右よし、左よし。誰もいない。……あたしの合図で一気に校舎裏まで突っ走るわよ」

 校舎の影からそーっと除く。進路は完全にクリアな状態。

「う、うん」

「ゴー!」

 勢いよく飛び出すがしかし、息が合っていなかった。

「あひっ! も、うっ! なにしてんのよ! あっあっあんっ!」

 ずにゅ、とねじ込まれるような感触。射精したまま引き抜かれていない状態で沙耶の中がかきまぜられた。沙耶は足に力が入らず、倒れかかる。元から身長差があるため、沙耶は今もつま先立ちをしているのだから。

「沙耶さん!」

 理樹は咄嗟に沙耶を抱える。……服の上からでもわかるくらい柔らかな感触。むにゅううう、とめり込むような。

「んあっ! り、理樹くんありがとう。……って、どこ触ってんのよ!」

「し、仕方ないじゃない! 一番掴みやすかったんだから!」

 大きさ及び位置共に、とても良い具合に膨らんでいてわかりやすかった。

「……もうっ! ほら、行くわよ! 起こして……動い……て。あっあんっ! ああんっ! ……うぅ。な、なにがあんっよ。げげごぼぅおぇ……」

「わ、わかったからゆっくり動いて!」

「わかってるわよそんなことっ! んんぅっ! り、理樹くんのが食い込むぅっ!」

「しょうがないじゃないそんなのっ!」

 どちらもわかっていつつどうにもなっていない。それでも二人はそろそろと中腰のまま、辺りを伺うように進む。

「んっ。ったく。……何なのよ、この強制羞恥プレイは」

 沙耶はぶつくさ言いつつも堪え、理樹は溜息をつきながらものそのそと進む。校舎の裏を出て行くが幸いなことに、今のところ誰にも目撃されたりはしなかったし、人影も見えなかった。視界が開け、向こうの方に男子寮が見える。普段ならばすぐそこだと思える距離なのに、今はとてつもなく遠く見える。

「問題はここからよ」

「そ、そう。だね」

 目的地に辿り着く為にはこの場所が最大の難関だった。小細工はできない。回り道をすることもできない。もはやどうするもこうするもなく、ただどうにかして歩みを続けて男子寮内に入らなければならない。無論、誰に見つかることもなく、だ。二人にとって本日最大のミッションかもしれない。

「いくわよ。ごく自然にして。歩調を合わせて」

 そうすれば絶対大丈夫と言いたかったが、決してその限りではないので言わないようにした。

「うん」

 辺りに人影はない。気配も感じない。少しずつゆっくりと進んで行く。

「もし今誰かが近付いて来たら、容赦なくこの麻酔銃を撃ち込むわ」

「もう何でもありだよね……」

 どんなに動きを小さくしようとも抵抗は消せず、歩む度に中でこすれ合う。

「んく。うぅ。……理樹くんの、全然小さくなんないわね。どうしてよ」

「どうしてって。……沙耶さんの中が気持ちいいから、かな」

 理樹にそんなことを言われてもこんな状況では嬉しいのか悲しいのかよくわからなかった。……綺麗に整備された植え込みの脇をそろそろと歩んでいく。寮の建物が近く、ベランダが見える。もし今、誰かが見ていたら……。そんな悪い想像を振り払って進む。もう少しで寮の入り口だ。もう少し……。だが……。

「あっ!」

 僅かな段差があり、沙耶は軽くつまずいた。転ぶには至らぬ程度のことだけど、その瞬間、ずん、と奥深くまで振動が響いた。沙耶にとってそれは、起爆装置を入れられたような快感となって全身を覆っていた。

「っん! んくうぅぅっ! あああああっ! いやああああっ!」

「わっわっ! な、何!?」

 沙耶が思い詰めたような声を上げるとともに、びくびくと全身を大きく震わせた。突然、締まりが一気にきつくなり、理樹も異変に気付く。

「沙耶さん!」

 理樹の呼びかけに沙耶は答えない。はあはあと小刻みに粗い呼吸を繰り返し、俯く。……突如、がくりと沙耶の両足が折れ、倒れ込む。当然の事ながら、繋がされている理樹も同時に覆い被さる。

「もう……だめ」

「沙耶さん?」

「もう、動けない。……あたし、今ので……イっちゃったの」

「ええっ!?」

 信じられない。そんなに強い突きじゃなかったのに。……くっつきながら歩んできて蓄積した快感が溜まりに溜まっていたのかもしれない。

「イったのも、一度じゃない。実はこれで三度目。さっきまでは我慢できた。でも……もう、いい。……もう、我慢できない。誰かに見られてもいい。お願い理樹くん。ここで、して。思いっきりぐりぐり動いて、あたしをイかせて……」

 気丈な沙耶の精神を快感が蝕んでいく。普段の冷静さなど今は微塵も感じさせない程に堕ちていく。

「早く……早くぅ。乳首起っちゃったおっぱいもいっぱい揉んで、あたしをいかせまくって……。う、うあぁ。だめ……。いっちゃう。お、お○んこ熱くて気持ちいいのぉっ!!」

 沙耶は大きな声で叫んでいた。理樹は戸惑うも、すぐに覚悟を決める。

「だ、だめだよ沙耶さん! もう少しなんだから我慢して! 行くよ!」

「あんっ!」

 理樹は両腕で沙耶の足を持ち上げ、そのまま体全体を宙に浮かせながら一気に走り始めた。結合部がぐちゅぐちゅと音を立てている。拘束されている割には案外自由に動けるようだが、つまるところくっついているところはがっちりと強固で、それ以外は割と自由が効くというもどかしい状態なのだった。例えるならば、知恵の輪でもしているかのように離れそうでいて離れないといったところ。

「はぁんっ! あぁんっ! あっああああっ! お○んこ気持ちいいぃぃっ! お○んこ熱いいいぃっ! いくっいくっいっくうううぅぅっ! ひぐうぅぅぅぅっ!」

 ずじゅ、ずじゅ、と強烈な刺激。先程つまずいたときの刺激などとは比べ物にならないほど深く強い快感が沙耶を襲う。大きく口を開け、舌を出しだらだらと涎をこぼしながら喘いだ。無論、口だけではなく沙耶の太もももびしょびしょに濡れている。

「今は何回イってもいいから! 声だけは堪えてっ!」

「んぐぐ」

 理樹の言葉に両手で口元をふさぎ、うんうんと同意する沙耶。

(気持ちいいっ! 気持ちいいよぉっ! ま、またイっちゃう! あ、あっ……ああああっ! 潮……ふいちゃう!)

 ずん、ずん、ずん、と強烈な突き上げに沙耶はまたも絶頂を迎える。あまりの快感に沙耶は白目を剥きながら喘ぎを堪える。――やっと、男子寮の中へと入っていく。もう少しだ……。そう思ったところで、沙耶の秘所からぽたぽたとこぼれ出るもの。僅かに失禁したのか、あるいは潮を吹いたのかはわからないけれど、廊下にぽたぽたと滴が零れ落ちていく。もちろん、理樹が射精した精液もたっぷりと絡まっている。

「も、もう少し! もう少しの辛抱だから頑張って!」

「い……く……」

 自分の部屋までもう少しだ。幸いなことに誰にも見つかってはいないし会うこともなかった。奇跡のようだと後になって思い返すくらいに。

 半ばこじ開けるドアを開け、中へと入る。ここは唯一の安全地帯。幸いなことに真人は不在のようだった。……理樹は沙耶の体を抱えながらしばらく横たわり、呼吸を整えてから工具箱を取り出していった。





…………





 椅子に腰掛けている理樹の股間には沙耶の顔。沙耶は今、理樹のものを口で愛撫し続けていた。

「んぷ。んぐ、ん、ん……」

 二人の拘束をやっと断ち切った直後のこと。沙耶は悩ましげな眼差しで理樹を見つめながら言ったものだ。

『理樹くんのお○んちん、だぁい好き。今度は口でおしゃぶりしてあげるわね』

 普段ならば絶対言うはずのない言葉。沙耶は何度も達したせいか妙にハイテンションで、壊れたような笑みが理樹の背筋をぞくりと震わせる。

「ん、ん、んんぅ」

 じゅぼ、じゅぼ、と粘りを含んだ水音が室内に響いていく。

「さ、沙耶さん。もうやめようよ」

「んぷっ。……嫌よ。もう何回イったかわからないんだから、もっといかせてよ。お口で出したら今度はパイズリしてあげるから」

 攻撃的な舌使いに理樹はまたも射精を向かえさせられることとなる。ちなみに今、ベッドの上には真人が横たわり、豪快にいびきをかいていた。つい先程帰ってきたところ、沙耶は『そこぉっ!』と言いながら間髪入れずに麻酔銃を撃ち込んだのだった。それはまさに一瞬の早打ちで、誰にも邪魔はさせないわと沙耶の欲情した目は語っていた。……さすがにそのままにしておくのは可哀想ということなので、理樹によってベッドへと運ばれて、今に至るのだが、しばらく目覚めることはないだろう。

「ん、ん、んぐ、ん、んぅ」

「あ、あ、もう。また出ちゃうよ。あ、ああぁっ!」

 理樹は悲鳴のような声を上げながら、沙耶の口内に射精していた。あれだけいっぱいしたのに、未だに量も勢いも衰えてはいない。沙耶は目を閉じながら全てを受け止め、ごくりと音をたてながら飲み干していった。

「理樹くん……」

 沙耶はくわえていたものを口から離し、舌でぺろりと唇回りについた精液をなめた。そうして何を考えたのか床に手を着いて四つん這いになった。スカートの中には遮るもの一つないお尻。

「まだ、出せるでしょ? ……今度はこっちに入れて」

「え……。でも、そこは」

 沙耶は両手を床から離しお尻の割れ目を見せつけるように開く。沙耶の二つの穴が露になり、理樹は改めてごくりと唾を飲み込んだ。一方は中に何度も出されてとろとろに濡れているが、沙耶が求めているのはもう一方の穴。悩ましげにひくついているところ。

「早くぅ。理樹くんのぶっといの思いっきりぶち込んで欲しいの」

「わかったよ。入れるよっ」

 もはや沙耶のおねだりを拒否できなかった。理樹は覚悟を決め、沙耶のお尻へとねじ込んでいく。太く大きなものがずぶずぶとめり込むたびに、沙耶は喘ぐ。

「あ、あ、ああぁあああっ! 入ってくるぅっ! り、理樹くんすごい! もっと! もっとぉ!」

 この分じゃ今日は秘宝探しはお休みかな、と理樹は思った。沙耶の方は……籠絡されたなんてスパイとしては情けないけれど、理樹くんが相手ならいいわ。むしろ望むところじゃないのよ、とか思うのだった。

 日々こんなことをいっぱいしたり、何だかんだでドタバタしたりしている。これは雰囲気的に――理樹は自分の頭の中で上手く説明できなくてちょっと消化不良を起こしているかもしれないけれども。

(何というべきなのかなぁ)

 えろ過ぎるけれど素直に楽しい、と思った。だから決して悪いエピソードではないような気がするとか思いながら、尚も沙耶のお尻を思う存分突きまくったのだった。
















----------後書き----------

 久々のPureMix2ndは朱鷺戸沙耶編。

 色々と不憫な娘だなーと思うので、本編では更に不憫だけどえろい目に遭わせてあげました。そしてかなりあほの子入ってるのでシチュエーションも思いっきりあほなものに。もしこれが仮に沙耶ではなくゆりっぺだったとしたら、頭に百発くらい銃弾ぶっこまれていそうな、そんなお馬鹿なシチュエーションでしたがいかがでしたでしょうか。

 それはさておき、もうそろそろReWriteが出ますが、そちらも恐らくはPureMix3rdということでシリーズ続行と……なるのかな?




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