PureMix2nd
-来ヶ谷唯湖編- ある日のお昼休み。既にお決まりの場所となった中庭の片隅にて、唯湖と理樹は楽しくも優雅なティータイム。明るい日差しが差し込む中、唯湖はとてもくつろぎリラックスしたのか、理樹に対し大胆にも挑戦状を突き付けていた。主に性的な意味での挑戦状を。 「理樹君。唐突だが、君は私をイかせることができるかね?」 「いかせるって、何のこと言ってんの? 来ヶ谷さん」 理樹の返答に対し唯湖は少し呆れたように、あえて明確には答えない。 「それをか弱い乙女な私に今この場で言わせるつもりかねボーイ。それは世間においてはセクハラと言うのだよ」 どっちがだ、と理樹は思った。そもそも、根本的な所がずれているじゃないか、とも。 「か弱い乙女はそういう事は言わないと思うんだけど……」 「ええいやかましい黙れこのファッキンガイ。君のその女の子も羨む女の子の中の女の子のようにか細くも白い柔肌な手で、実はハードかつ繊細なフィンガーテクで私をあへあへ言わせるほど快楽の渦に落とし込み、昇天するほどいかせられるかどうか聞いておるのだ。答えろ今すぐ、拒否は許さん」 拒否不可だなんて、どこぞのおっかない女司令官か何かかよと理樹は思ったけど口には出さなかった。 「そんなことわかんないよ」 「ふむ。わからないということはつまり、未知であると言うことだな。実際に試してみて、データや経験を取得すれば良いだけのことだ。それで全てが解決する。とてもシンプルかつわかりやすい解決方法だよ理樹君。失敗を恐れて行動しない事自体が最大の失敗だとよく言われる所以だよ。うん」 「……何をする気なのさ!?」 また聞くのかねと、わざとらしく呆れてため息をついてみせる唯湖。 「だからそれを内気でおしとやかでとても奥ゆかしい大和撫子な私に言わせるつもりなのかねとさっきから言っている」 さっきから何だろう。この掛け合い漫才みたいなものは。 「内気でおしとやかで奥ゆかしい大和撫子な人はそもそもそういうことは言わないよっ!」 「ふん。まあいい。してもらうのは決定としてもだ。普通にするだけではつまらん。ここは一つ、度胸試しといこうか」 いつの間にかすること自体が決定していた。唯湖の思考は理樹の承認などはなっから必要としていない。とても勝手で理不尽なものだった。だが、そんなところが唯湖らしいな、と無意識のうちに思ってしまっている自分に気付き、尻に敷かれているのかなと理樹は少し頭を抱えてしまった。 「な、何をさせるつもりなのさっ!?」 「くどいぞ君は。何度同じことを聞くと言いたいところだがまあいい、ウブで小心者で恥ずかしがり屋でプラトニックな恋愛を望む夢見る乙女な私だが、君の質問に対し律義に答えてあげよう。満員電車の中で、私の体中をまさぐらせ、シートのスプリングをぎしぎし鳴らせる程激しくあんあん言わせて足腰立たなくなるくらいにぐしょぐしょのびしょびしょのぬるぬるに濡れまくるくらいのゴールドフィンガーテクをたっぷりと見せつけさせようとしているつもりだ」 わかっちゃいたけど凄まじく過激な妄想だった。 「絶対だめ! 痴漢は犯罪だよっ! それにそれに、恥ずかしがり屋な夢見る乙女はそんなこと言ったりしないよっ!」 「ふむ。……犯罪、か。では、本人が良いと言えばどうなる? 同意の上ならばどうなる? それならば何も問題なかろう?」 「問題大有りだよっ! それは、あれだよ。えっと、こ、公然わいせつ罪ってやつだよっ!」 ああ、そう言えばそんなもんもあったなと言わんばかりに唯湖は軽く答えた。 「それも問題はない。見つからなければ公然わいせつ罪とは言わないのだよ。ギャンブルにおけるイカサマのようにな」 「何を考えてるのさっ!」 「ええいやかましいいい加減黙れこのむっつりスケベ野郎。明日の朝、早速行くぞ。遅れたり来なかったりしたら真人少年の筋肉を全て贅肉にすり替えてくれる」 真人、鏡を見た瞬間ショック死するんじゃないかそれは、と理樹は思った。『お、俺の筋肉があぁぁぁーーーーっ!』とか頭を抱えて絶叫しながら、ぱたりと……。 「ち、ちょっと! ほ、本気なの!?」 「私はいつも本気だよ、理樹君」 にこやかに答える唯湖。鈴とは事なり貫禄のある美猫のような感じが理樹にはした。 こうして翌朝、寮から二人は抜け出すことになるのだった。 行き過ぎた資本主義社会と極端な一極集中が生み出した弊害。 ――とっても爽やかな朝らしい一銭にもならない重労働。 身動きを取ることすらきつい、非人道的な移動環境。それが日本の大都市圏における超満員電車。 唯湖は理樹のため、ドアと座席に挟まれた隅っこのポジションをちゃっかりと確保していた。 (さ、はじめたまえ。遠慮することはない。思う存分やってくれ) (そ、んなこと言われても……。う、うぅ) 当然の如く戸惑いまくる理樹に、唯湖は冷たい瞳で見下したように言った。 (この意気地無し。短小な小心者。弱虫で泣き虫でお前の母ちゃんでべそ。決定力不足でバックパスばっかりしてるどっかの代表チーム。不言不実行、明日になったら頑張ろう。……とか言われてなじられたいのかな、もしかしてどMなのか君は) (そんなわけないでしょ。でも、だって、ここは……。こんな所で……。そんな事……) (私が望んでいるのだ。望みを叶えて欲しい。それとも、理樹君は私のことを愛してくれていないのか?) (そんなわけないでしょっ! 冗談でもそんなこと言わないでよっ!) (それを聞いて安心した。が、私も冗談で言っているわけではない) (……でも、見つかったりしたら) (大丈夫だ。その時はその、目撃してしまった空気読めない輩に私が言い放ってやる。いいんです、私、痴女ですから、痴漢とかされても平気なんです。とな。あるいは、AVの撮影ですから止めないでください。とでも言っておけば大丈夫だ) 唯湖は理樹の手を素早く掴んで引っ張った。 (え……。あっ!?) (ほら。この様に、私の制服の短いスカート内に手を入れてサーモンピンクの薄いひらひら肉をこれでもかと弄べ。レイプするくらいのつもりでな) (わあああぁぁっ!) (私をいかせるまでずっとこのままだ) (く、るがやさん……!) (早く終わらせるか、このままの状態でいるか。どっちがいいかを選びたまえ。それとも、私を愛していないとはっきり断言するか? こんな女、もうたくさんですとでも言い切って) (……) どうしてそんなことを言うんだろう。自分がそんなことを言う訳がない。彼女は全てわかっていてあえて言っている。試されているかのようなきつい挑発に遂に乗ってしまった。理樹の中で何かが切れたような、そんな音がした。キッと目を鋭く見開く。戦場にでも出ているかのように殺気立つ。 (やっとその気になったか。私は嬉しいぞ) (わかったよ。もう、こうなったらとことんやってやる。意気地無しだなんて言わせないからね。何されても怒らないでよ! 僕は今言ったからね!) (ああ、わかっている。それでいい。とことんやってくれ。……んっ。いきなり指を入れ……あっ!!) 唯湖は理樹の言葉を完全に忘れることになる。あるいは覚えていて、そんなの関係ないと開き直ることに。 (いきなりだって? ふん。そんなパンツなんか脱いじゃいなよ。隠したってしょうがないでしょ? 痴女なんだからさ、来ヶ谷さんは) (なっ) 突然の豹変に驚く唯湖。理樹は唯湖のショーツをぐいと膝下まで一気にずり降ろした。その手つきは乱暴で、優しさのかけらもない。 (挑発したのは来ヶ谷さんでしょ? 僕をその気にさせたのもさ。だから、後悔なんてしないよね?) (そ、うだ……んぅっ!) 理樹は右手の人差し指、中指、薬指の三本を唯湖の中へと一気に入れ、うごめかせる。 (あーあ。簡単に入っちゃった。それにしてもこんなところで痴漢して欲しいだなんて、来ヶ谷さんって本当に痴女だったんだね。呆れちゃうよ。ゆるゆるだったらがっかりだなー。後で僕のち○こ入をれてずこずこしてやるから、その時はしっかり締め付けてよね?) (うぅっ! そ、んな……。いきなり深……くぅっ) (あれ。おかしいな。触ってるはずなのになかなか濡れてこないね。もっと奥まで突っ込まないとだめなのかな? 簡単に濡れると思ってたんだけどなぁ。ま、淫乱な来ヶ谷さんのことだからちょっといじればすぐに濡れちゃうよね?) そう言いながら理樹は更に指を深く、奥底まで入れる。 (あっ! ひっ……!) 思わず理樹の右腕を掴み、引き剥がそうとしてしまう唯湖。しかし理樹の力は見かけとは裏腹に強く、離れなかった。 (はぁ? 何止めようとしてんの? 自分から誘ってきておいて何考えてんの? どスケベなくせしてさ。さっさと手、離しなよ。心の底から望んでいるのにわざとらしいんだよ。このど変態の淫乱女) (な、ん……あっ!) 普段からは想像できないほど乱暴で攻撃的な言葉。とんでもないことを言われ、唯湖は言い返そうとしたが。 (んんんんんっ!) 理樹は開いている左手で少し乱暴に唯湖の後頭部を掴み、歯と歯がぶつかりあいそうなくらいディープなキスをして黙らせる。更に、それだけじゃない。 (舌絡ませてよ) (ん、ひぃ……) (何感じちゃってんのさ) 理樹は強引に舌を絡ませるよう強要しつつぐい、とそれまで挿入していた指で秘所の内部を思い切り開く。強烈な刺激に、唯湖の見開いた目から涙がぽろりとこぼれ落ちる。 (泣いたって喚いたって許さないからね) ささやきレベルの小さな声だけど、耳元で理樹の容赦ない言葉は確実に唯湖の耳元へと飛んでいた。 (あ……っ) (胸を揉んで悶えてよ。無駄にでかい胸を指がめり込むくらい強くさ) 理樹は唯湖の大きな胸を見て、鼻で笑うように言い放つ。いつもと変わらぬ胸元。胸の谷間を見せつけているかのようにだらしなく開いている。自分の事を不良だとでも思っているのか、リボンなんか邪魔だと言わんばかりに見せつけているところを、今の理樹が見のがしてくれるはずがなかった。 (え……) 更に突然のこと。ブチッと音がし、制服の胸元を止めていたボタンが強引に引きちぎられる。 (り、理樹君そんなっ!) それだけでは終わらない。更にもう一撃が加えられ、二つの大きな胸を包み込んでいたブラが中央部分から引きちぎられ、カップの部分がぷらん、と垂れ下がる。ショックの余り唯湖は小さくもか細い悲鳴を上げてしまった。 「ひいっ!」 (……っ!) 思わず理樹は唯湖の秘所を弄ぶ右手を離し、口元を塞ぐ。目にも止まらぬ早業とはまさにこのことだろう。 (何叫んでんの? 誰かにばれたらどうするんだよ) (だ……って) 幸か不幸か、電車は丁度カーブに差し掛かったところだった。その影響で車両の脇に人が雪崩込み、押し潰された拍子に声を上げてしまったのだろう、と周りは受け取ったようだ。 勿論それはたまたまで、運が良かったというのもあるけれど気付かれなかった原因と言うべきか、要素はそれだけじゃない。音量の加減をせず、イヤホンから音漏れしている携帯音楽プレイヤーの不快な音。疲労からか寝不足からか、早朝故に涎をたらしそうになりながら、ひたすら眠りこける中年男性の口元から低く響いているいびき。そして、ごとんごとんと規則的に響く音。車輪とレールが擦れる耳障りな音。様々なノイズによってかろうじて隠されたに過ぎない。 (ああ、もういいや。さっさと入れちゃおう。こんなに濡れてるんだから簡単に入っちゃうよね) (あ。い、や……。う……) 理樹はぐしょぐしょに濡れた手の平で唯湖の顔中を撫で回すように触り、濡らしていく。ぬるぬるした感触の液体はとても生々しく淫靡なもので、唯湖は思わず目をきつく閉じてしまう。 (いやらしい汁だな。全部来ヶ谷さんのま○こから出てきたものだよ。ほら、ほら。しゃぶってみろよ) (や、あ……。うぐっ) そんなことを言い、唯湖をいじめつつ理樹はいつの間にかズボンのチャックを下ろし、大きくそそりたったものをスカートの中へと紛れ込ませていく。 (入れるよ。声出さないでよね) (ま……) 待って、と言う暇すら与えられなかった。一瞬、世界が止まったかのように思える時間の後で、ずぐ、とめり込ませるようにして秘所を下から上へと垂直に突き上げられた気がした。 「んひっ!」 息を止めようとして失敗。しゃっくりが出たかのように喉の下から言葉が出てしまった。慌てて手で塞ごうとしたけれど、余りにも遅すぎた。 (バカっ!) 理樹の目が怒りの色に染まる。それを見て唯湖はビクッと震え、脅えたような表情を見せる。とても小さな声だったけれど、今度はもしかすると誰かに気付かれたかもしれない。手遅れかもしれないけれど、五秒、十秒と息を止めながら耐える。……結果的に誰も振り向かなかった。列車がまたもカーブに差し掛かり、ぎしぎしと車体がきしむ音が響く。そして更に急停車。混雑時故に、前の列車との距離感が縮まり、最徐行と停止を繰り返している。電車が渋滞しているようだ。 (本当にもう。黙ってろって言ったのに) 怒り心頭の理樹は少し落ち着いてから両手で何かを掴もうとして、僅かばかり屈み込んだ。 (……理樹君、何を?) (もういい。感じちゃって喘ぎ声を我慢できないってのなら、声すら出せなくしてやるよ) 膝下までずり降ろされていたショーツがたくし上げられる。そして……。 (あ、あ……。そんな……!) (これでもくわえてな!) ぶち、ぶち、と柔らかな布地が引きちぎられる感覚。ただの布切れと化したショーツは唯湖の両足から外され、丸められる。そして唯湖の目前に差し出され、口内へと押し込まれていく。 (んんぅ!) (たっぷり味わうんだよ。自分のまん汁の味をさ。それじゃ僕は来ヶ谷さんのま○こにぶちこむよ。今度こそえろい声なんか出さないように気をつけてよね。気持ちいいのはわかるけどさ) そして改めて、入り口付近に宛てがっていたものをずん、と一気に押し上げる。 (ん、んひいいっ!!) 唯湖は大きく目を見開き、わなわなと震える。痛みはないけれど猛烈な圧迫感に一瞬呼吸がつまり、むせ返りそうになってしまった。 (ああ気持ちいい。柔らかいなぁ。すっごく締め付けてくるよ、来ヶ谷さんの中) (んんんぅっ!) (ほらっ! 来ヶ谷さんも、少しは動いて……よっ! こんな風にっ!) 周りに不審に思われないように、極力不自然にならないように、理樹は車両の揺れに合わせて突き上げる。そんな変則的な動きに唯湖は堪えるタイミングを掴むことすらできず、ひたすら翻弄される。突き上げられ、引き抜かれ、更に突き上げ……られると思ったら突然止まり、ゆったりとした動きで奥まで少しずつ入ってくる、と思ったら今度は一気に深く突き上げる。そんな生殺し状態がしばらく続く。ずむ、ずむ、ずむ、とスカートの中で二人の秘部が擦れては交じり合う。 (ふひぃっ! んひっ! んんぅっ! んっ! ん……うっ!) (……) 突然、奥まで入っていた理樹のものが引っこ抜かれ、まくり上げられていたスカートも整えられ、剥き出しのお尻が隠される。唯湖は何が起こったのか一瞬理解できなかったが、理樹の言葉によってようやく我に帰る。 (こっちの方のドアが開くよ! パンツ、奥まで全部くわえ込んで!) (んんんんっ!?) (胸も隠して! 早く!) 行為の最中にも列車は進んでいるのだった。もう間もなく、乗り替えの特に激しいターミナル駅へと到着するようだった。行為に夢中になっていたせいか、車内放送すら記憶にのこっていなかった。唯湖はのそのそと黒い上着のボタンを閉じようとするけれど、つい先程強引に引きちぎられていた事をやっと思い出し、今更ながら慌てふためく。普段のクールさもどこへやら、どうしていいのかわからず、弱々しく視線をさまよわせる。 (そんなの手で隠せばいいだろ! 早くっ! 何をやってんだよ!) 業を煮やした理樹が介入してくる。ブラウスと上着で無理やり隠し、両腕を組むようにしてカモフラージュさせようとする。しかし、引きちぎられたブラの片割れのカップ部分がはみ出てしまっている。もたもたする唯湖に理樹は苛立ち、更に両手を伸ばす。 (もういいから貸せよっ! こんなもの、こうしちまえよっ!) (んっ!!) そうしてブラの布地を掴み、ぶち、と一気に引きちぎった。乱暴な行為に呆然とする唯湖の頬を突きながら、理樹は言い放つ。 (これでいい。ドアが開いたらまず僕が先に出るから、後ろにぴったりと張り付いてよ。絶対に胸から腕を離さないでね! ただでさえでかくて目立つんだから、誰かに見つかって変態扱いされたくないでしょ?) (……) 唯湖はもう何も言えず、力なくこくこくと頷くだけだった。 そうして電車がゆっくりと止まる。ドアの外には大勢の人。雑踏の中に『整列乗車にご協力をお願い致します』だの、『降りる方を先にお通しください』、だのと駅の案内放送が聞こえる。やがて無機質な電子音と共にドアが開く。さあ、これからだ。理樹は唯湖をドアに押しつけたまま足を伸ばす。そしてわざとよろめきそうになりながら、唯湖の前に出る。唯湖は口にくわえたままの下着をきつく噛みしめ、ボタンの取れた上着で胸を覆いながら腕でも押さえ、可能な限り平静さを装い理樹の背中にぴったりとくっついてドアの脇に避ける。万事上手くいった。誰にも見られてはいない。誰も不審に等思ってはいなさそうだ。ふと、頭が冷えたのか冷静になってしまう。下着もブラもしていない事に加え、股間にいたってはぐしょぐしょにされて、いやらしい滴がいくつも足下まで垂れている。しかも口内には自分の脱がされた下着を押し込まれたまま、よだれを垂らしている。何という恥ずかしい格好なのだろう。……今更ながら思い出し、唯湖は赤面する。 雪崩のように車内から大勢の人が降りてくる。降車客が一通りはけ、一瞬だけ車内にスペースが現れた。しかしすぐに乗車客により元通りのぎゅうぎゅう詰め状態になってしまう。乗客が車内に満載され、最後の最後で理樹が唯湖の前に出て、引っ張り上げるようにして元の隅に位置を確保していた。ドアが閉まり、すぐにまた電車が動き始める。 (ふぅ。しばらくこっち側は開かないから、大丈夫) (んぅ……) とても安心できる状況ではないけれど、ひとまずの危機は乗り切った。理樹は早速行為を再開する。……背後に回った理樹は唯湖の上着を左右に開き、胸をはだけさせてからドアの窓へと強く押しつける。大きな膨らみが二つ、ぐにゃりと潰れる。 (あ、そうだ) (ん?) (知ってる? もうすぐ通過駅だよ) 理樹の言葉が何を意味するのか唯湖は一瞬にして悟り、身を隠そうと試みるが無駄だった。理樹によってがっちりと押さえ込まれてしまったのだから。 (……。ん、んんんんっ!?) (だめだよ。絶対逃がさないから。それよりほら。また入れるよ。ほらっ!) (んひいっ!!) 電車はゆっくりと速度を上げていく。そして光が差し込み、視界が開けていく。既に理樹のものは唯湖のスカートの中へと侵入を再開し、ずぐ、ずむ、ずん、と小刻みに蠢いている。唯湖は目を大きく見開いた。対向車線にも車両が徐行しながら至近距離を走っていく。余程動体視力が良くなければ気付かないくらいのスピードだけど、明らかに人の目に晒してしまった。大きすぎる胸の膨らみも、起ってしまった桜色の乳首も、くっきりとした丸い乳輪も、淫らな行為をしているという事実も全て。しかし、更なる衝撃はそれからだった。対向車線が空き、唯湖は一瞬息を飲んだ。向かい側のホームに大勢の人がいることを知ることになる。ゆっくりと過ぎていく通過電車の中の事など誰も気付いていない……はずだ。しかし、列の一番前に立って次の列車を待っている人波から気配と言うべきか、視線を感じた。理樹や唯湖と歳の頃も近いであろう制服姿の女子高生数人が何かを見つけ、驚いたような呆気に取られたような目でじっと見つめている。そしてついに唯湖と目と目が合ってしまう。突き刺さる視線が針のように痛い。間違いなく自分の事を見ている。指を差して何か言っている。ちょっと、あれ見てよとか、うっそ、何あれ〜、とか、あんなところでヤってるなんて信じられない、とか、いや〜とか、変態〜とか。そんな類いの蔑む言葉。あそこにいる殆どの人が恐らく一生のうち、二度と会うこともなく関わらないであろう人達だろう。だけど確実に他人の目に触れてしまった。今更胸を隠そうにも、ガラス窓に強く押しつけられているから手出しのしようがない。それどころか背後から理樹が手を回して唯湖の胸をむんずと掴み、ぐにぐにと揉み始めている。恥ずかしい……。涙が止めどなく溢れて止まらない。大きく開いた口からも涎がだらしなくこぼれていく。 (み、見られてるっ! こんなところだ、め……! だめ、なのに……あ、あぁぁぁ! り、きくん離し……て! あ、あ、あ! 私……犯されてる……!) 例えるならそれは、檻の中に監禁され見せ物にされている気分。しかも大好きな人とセックスをしている所を。目撃者の視線が更に多く、痛くなっていくのがわかる。蔑むように見ている女性。興奮し、股間を勃起させながら目で追い続ける男性。だめだと思うも、全ては手遅れだった。時間を巻き戻す事などできはしないと分かっているのに、望んでしまう。ぽろりとこぼれ落ちるようにして、くわえこんでいたショーツの残骸が外れる。 (見、ら、れ、た……。いっぱい、人に……見られた。あ、ああああっ!? り、理樹君何をっ!? も、もうだめだっ! これ以上は……ああああっ!) 電車はゆっくりとホームを越していく。だが……突然急停止する。理樹はそれを見て好機とばかりにむちゃくちゃな動きで唯湖の中を突き上げまくった。更にブラウスと上着の間を完全に開けて、唯湖の胸を思い切り強く揉みしだいた。面白がっているかのようにここぞとばかりに。そんな状態がわずか数秒間だけど続いた。がくがくと揺さぶられているのが人の目に晒される。 (んひいいいいっ! り、理樹君だめ……! あ、あ、ああああっ! あああああっ! 見られてる! 今人に見られているんだ……あ、ああああっ!) 滝のように大量の涙が頬を伝い、流れ落ちている。ここから出して、と何度もそう思った。違うんだ、と言い訳をしたくなった。見ないでくれ……とも。拷問のような時間が過ぎ、やっとのことで列車が動き始める。視線が遠ざかり、また街並が見えてくる。きゅう、と込み上げてくるのと同時に何か熱いものが注ぎ込まれているのを感じたが、それが何なのかわからなくなっていた。 (ふう。気持ち良かったー。中にいっぱい出しちゃったよ) (あ、あ……。みられ、た……) (あは。絶対見られちゃったよね。僕と来ヶ谷さんがずこばこやってるとこ。ああ、でも。向こう側だから来ヶ谷さんが乳丸出ししてるところだけかな。残念、でしょ?) 唯湖はもう、猛烈な羞恥に呼吸を整えるのがやっと。 (イったよね? 絶対イっちゃったよね? 見られた瞬間来ヶ谷さんの中、すっごく締め付けたんだから間違いないよね。見られて感じて、しかも中出しされていっちゃったんだよね。写真とか撮られて写メとかで流れてたりしてね) (……) 理樹の挑発に唯湖は何も答えず、呆然としたまま立ち尽くす。ただ、精液交じりの愛液が糸を引き、ぽたぽたと床にしたたっているだけ。 唯湖は最初の頃、理樹を挑発していた事なんて綺麗すっぱり忘れてしまっていたのだった。 …………
『来い』と姉御肌の彼女は命令口調で言った。『でも……』とか『授業があるんだけど』とか、とにかく無理である理由を答えると、『そんなもんどうでもいい』と言われた。『でも、真人が何て言うか』……と、困ったように答えると、『彼には今日一日おとなしく眠っていてもらうから大丈夫だ』とか怖いことをさらりと言われた。そういうわけで、体調不良を名目にしてその日は学校をサボることとなった。 どこに行くの、とは聞けなかった。何故ならば、既に何度かその疑問を彼女にぶつけてみたところ、ええいやかましい黙ってついて来いこのファッキン直枝鬼畜スキー理鬼。鬼と書いて理鬼。可愛い顔した色欲・性欲異常者だのと言われて怒られた。とっても威圧感溢れる怒りの表情が怖くてびびってしまったが故に。 「駅……。まさか、また」 「いや、それはない。そんなことしたらまた君に散々イかされた揚げ句、公衆の面前で露出プレイさせられ、痴態を晒される事になるからな」 トゲトゲした言い方。こりゃ相当根に持っているな、と理樹は思った。散々挑発しておいてそれはないだろうとも思うのだけれども、彼女が言うところの乙女心とはとても複雑で難しく、理屈では計り知れないものがあるのだった。 さて、この前と同じく早朝に出発することとなったわけだが、既に車両の中は超満員であり、身動き一つとることすら困難だった。だが、この前と違い唯湖は何も言わず無言のままだった。理樹も今回は何もせずにいた。手持ち無沙汰だった。丁度駅を通過していく。あの時、向かいのホームで電車を待っていた女子高生を始めとした大勢の人に恥ずかしい行為を目撃され、唯湖を絶望と羞恥の渦にたたき込んだ所。あのときの記憶はとても鮮明だった。唯湖の粗い吐息と、ドアの窓に押し付けられてつぶれた胸。大きめの乳首も胸の谷間も吸盤が張り付いたようになり、大勢の人に見られた。唯湖は見られたショックのあまり涙をこぼし、わなわなと震えていた。なのに理樹は腰の動きを緩めるどころかますます速め、あろうことか背後から思いきり胸を揉みしだき、仕舞いには大量に射精した。おまけに、唯湖自身も見られながら強引に絶頂を迎えさせられた。目撃者が指を差し、自分の事を変態だと罵っている。見ないでと思っても、くぐもった声しか出せなかった。自分がはいていた下着を口内へと突っ込まれていたのだから。 (あのときの事を思い出しているな。この鬼畜レイパーが) ゾクッとする程低い声で呟かれる。理樹はびくっと震えて答えた。図星だったのだから仕方がない。 (怒ってるの?) (ふん。怒ってなどいない。ただ、屈辱だっただけだ。もっとも、これからそれを晴らしに行くんだがな) (僕、一体何をされるんだろう) 無論教えてくれはずがなかった。それからまたしばらく会話が途切れた。 ――時間にして、既に一時間半以上は経過しただろうか。電車は郊外へと向かい、幾分人の波も穏やかになった。通勤ラッシュとは逆方向だから尚更そうなのだろう。突如、黙っていた唯湖が口を開く。 「降りるぞ」 「う、うん」 降りたことのない駅だった。名前すら初めて見る駅。 「さて、理樹君。早速だが覚悟してもらおうか。そら!」 人の降り切ったホームは閑散としていた。丁度理樹と唯湖の二人以外誰もいない貸し切り状態になった所で、唯湖は突然理樹に何かをぶちまけた。びしゃ、びしゃ、と撫で斬りでもするかのように何度もそれは続いた。 「わあっ! な、何すんのさいきなりっ! ちょっと! わっわっわあああっ!」 理樹は一瞬何が起こったのか理解できなかった。いつの間にか唯湖が手に持っていた大きなペットボトル。1.5リットルサイズはあるであろうミネラルウォーターがたっぷりと入っているそれを思いきり。理樹はあっと言う間にバケツでぶっかけられたように、体中ずぶ濡れになってしまう。髪も制服も、下着まで全て。服と肌がくっつき、風邪を引いてしまいそうなくらいの不快感だった。 「ふ。水もしたたる美少年というところだな」 出来の悪い部下に高いウィスキーを頭からどじゃ〜と浴びせかける悪党の親玉の如く、最後の一滴まで理樹へとぶちまけた。 「じ、冗談じゃないよもう! ああもう、びしょびしょじゃない!」 こんな格好で外は歩けない。どうしてくれるのと理樹がにらみつけるのを待ってたかのように唯湖は言った。 「大丈夫だ。こんなこともあろうかと、着替えは持ってきている」 なぜだかは分からないけれど、用意が良かった。更に側にはトイレ。 「ここで待っていてやるからさっさと着替えて来い」 「もう……。何がしたいんだよ本当に……」 そして十数分は経過した頃のこと。
「……」 「やっと出てきたか。遅いぞ。何をぐずぐずしているのかね。可憐な乙女を待たせてはいかんぞ理樹君」 うんうんと頷きながら、女子を待たせてはいけないなと唯湖は言った。 「何が遅いぞ、だよ。何なんだよこれ!」 こういうことがしたかったのか。最初からこれを狙っていたんでしょと理樹は思った。理樹の格好……どこか自分の知らない学校の制服。ブラウスに短いスカートという、誰がどう見ても女子の制服であるとわかるそれを理樹は着させられていた。そして何故か唯湖も同じ制服を着ていた。これから一体何が始まると言うのだろうか。 「そうだ。見ての通り女子の制服だ。何を迷っていた」 「迷うよそりゃ!」 余裕綽々でにやにやと笑う唯湖。渡された服を見て呆然とし、逡巡し、しかしびしょびしょの自分に気づき迷う。その繰り返しだった。男子トイレの個室から出る時も怖かった。そうして何とか思い切ったのだが、唯湖は冷静だった。 「ちなみにパンツははいたか? ちゃんと用意しておいただろう?」 無論それは女性用のショーツのことだ。 「はいてないよ! はくわけないでしょ!」 「そうか。なるほど。君はノーパン派というわけなのだな」 「違う! そうじゃなくて!」 「はっはっは。ま、いい。……これからが本番だ。さあ、着いて来たまえ」 「ち、ちょっと待ってよ! い、嫌だよ僕! こんな……女の子の制服なんて来て外歩くなんて!」 「君は少し自分の事を理解した方がいい。女の子以上に女の子している女の子の敵だと言うことな。ま、つまりは誰も今の君を見て男だなんて疑う奴はいないと断言しよう」 「そ……っ」 それ以上反論しようとしたらまた怒られるのだった。 「ええいうるさい黙れこの可愛い女の子め。これでも着けて駄目押し点を加えろ」 「わあっ!」 可愛らしいリボンが着けられる。がっちりと着けられ、ほどけない。RPGに有りがちな呪われたアイテムのように。 「行くぞ。きりきり歩いて着いて来い」 「ちょっ!」 ぐい、と腕を引かれる。理樹はもうされるがままだった。 …………
駅を出て十数分。辿り着いた先は……。 (学校……) 唯湖の歩みは続く。勝手知ったる我が家とばかりにずかずかと何の迷いもなく歩いていく。周りの生徒の服装を見ると、理樹と唯湖が今着ている制服と完全に同じ。どうやらこの制服はこの学校指定のものなのだろうと理樹は理解した。丁度登校時間なのか、周りには大勢の男女。共学らしいが、一体どこの何と言う学校なのだろう……。 「この学校のこと、知ってるの? 誰か知り合いとか友達でもいるの?」 「さあ、知らないな。この学校には知り合いも友達も一人もおらんよ」 唯湖とは対照的におどおど歩く理樹。 「本当に何をするつもりなのさ一体!」 校門を通り抜け、学校の敷地内へと入っていく。自分が所属していない、本来居てはいけない場所に入っていく違和感と背徳感に理樹の鼓動は高まるばかりだった。しかも今自分は女装状態なのだから尚更落ち着かない。誰かに気付かれるんじゃないかとビクビクしながら髪を整えたり内股になったりしている。もっとも傍から見ればそれが逆にとてつもなく可愛らしくみえるのだけれども。 「たまには気分転換に転校してみるのもいいだろう? そう言うことだ」 「何だよそれ! わけわかんないよ!」 昇降口を上っていく。女生徒達が楽しそうに会話をしている。男子生徒達数人がふざけ合っている。生徒指導の先生が眼鏡を押さえながら素行不良な生徒をねちねちくどくど指導している。理樹の学校と寸分違わぬ光景。仮にこの学校に入学したとしても、今と形は違えど似たような青春風景が展開されていることだろう。 「ほう。どうやらこっちが体育館で、あっちが教室のようだな。さて、どこに行こうかな」 先頭を歩むのは唯湖。好奇心の赴くままに進む。まずは昇降口を登りきり、下駄箱を超えて校舎の中へと入っていく。ご丁寧に、指定の上履きも持参。サイズもぴったりのものを。 「理樹ちゃん。どうしたのよ?」 突如、柔らかい口調で言われる。唯湖のおふざけはしかし、周りからはどう見えて聞こえた事だろう? 仲良しな友達に見えただろうか? あるいは……。周りは気に留める風でもなく、別の世界が展開されていた。 (何言ってんだよ! その口調全然似合ってない!) 「授業に遅れちゃうわよ」 ええとこのお嬢にでもなったかのような口調。おほほとか言いそうなくらいノリノリだった。長くつややかな黒髪。大きなバスト。誰がどう見ても美人であると疑いようのない唯湖はしかし、堂々としていた。とても目立つのに……。 予鈴のチャイムが鳴り始め、周りの生徒達がいきなり急ぎ始める。遅刻してしまうから当然の事だ。 「私たちも急ぎましょ」 「どこに……!」 理樹はただ手を引かれる。学年別にずらりと教室が広がっている廊下。皆、教室内へと入っていく。人の数はどんどん少なくなり、やがて理樹と唯湖の二人だけになっていく。ドアがピシャンと閉じられる。すぐにホームルームが開かれるのだろう。 (さて、どうするね。理樹君?) (そんなのっ! えっと……だ、誰もいないところに隠れないと!) 各クラスの教師が近付いてくる。見つかったらばれる……。偽生徒を装って不法侵入している事と、望みや願望があるかどうかはさておき、女装している事が。掴まったらどうなるだろう。大問題になる。間違いない。 (ふむ。どこに隠れるね? おお、そんなところにトイレがあるな。奇遇だね) わざとらしく言う唯湖を無視し、思わず理樹は男子トイレに入ろうとした。が……。 「ほう。女の子の格好をしている癖に男子トイレに入ろうとするとは、変質者なのだね君は」 「あ……。そ、そうだった! で、でも……ああもうっ! もう、だめっ!」 脅威……各クラスの教師が近付いてくる。こっちにはまだ気付いていないが時間の問題だ。理樹はもう迷うことなく、女子トイレの中へと躍り込んでいた。誰もいない、静まりかえった空間。……個室の中にてようやく息を落ち着かせる。 「はぁっはぁっ……。も、もう。心臓に悪すぎだよ」 「そうかね」 がち、と金属が擦れる鈍い音。理樹はハッとなり、息を飲む。理樹の華奢な両手は背中でまとめて縛られていた。手錠のような皮バンド。……その材質は怪我防止のためとても柔らかく、一見すると簡単に引きちぎれそうでいるけれど実際にはとてつもなく硬い。こうして理樹はあっさりと体の自由を奪われた。 「な、何するんだよっ!」 「決まっているだろう? 君を辱めようとしているのさ。徹底的にな。この前の仕返しと言うやつさ」 ばたん、と個室のドアが開かれ、理樹は追い出される。更に引きずられるようにして廊下まで連れ出される。そこは安全地帯などではない。 「だ、だ、だめっ!」 「何がだめなものか。ほら、キリキリ歩け」 「わあああっ!」 唯湖は理樹がはいているスカートを思い切りたくし上げる。唯湖が用意した下着の着用を拒否し、何一つ遮るものの無いそこには女の子ではない証拠のものが露わになっていた。唯湖は惜しげもなくそそり立ったものを掴み、しごきながら理樹の背中を押す。 「あっあっあっあっあっ!!!!」 唯湖の行動に迷いは一切なかった。ぐりぐりと凄まじい速さで一気に理樹のものをしごく。理樹は動揺し、わなわなと体中を震わせる。廊下には今、誰もいない。だが次の瞬間それがどうなっているかなど、誰にも想像できはしない。それなのに、こんなことを。 「ほらいけ。いってしまえ。遠慮することはない。いっぱい出していいんだぞ?」 「そんなあああああっ! あ、あ、あ! もう、だめ……。で、る……うっ!」 唯湖の手は柔らかくて温かくて包み込むように気持ちよかった。理樹は我慢も虚しく絶頂を迎えた。射精の勢いはすさまじく、放物線を描いて数メートルは飛んだ。ぴしゃ、と廊下を汚していく。精液特有の匂いも廊下内に充満していくことだろう。窓を開けるわけには行かないし、どうすればいいんだろう。 「う、うぅ。も、もういいでしょ。早くここから離れようよ、ってええっ!?」 唯湖は屈み込み、理樹の股間に顔をうずめ、射精したばかりで未だ勢いを失っていないものをくわえ込んだ。 「ふふ。ん、ん、ん」 「わあああああっ! だ、だめっ! だめえっ! ひ、人が……人が出て来るよおっ!」 教室の中から声が聞こえる。今日の予定を手短に説明してから、その他の告知事項。唯湖は全く構わず愛撫を続ける。ちゅく、ちゅく、じゅぷ、じゅぷ、と何度となく口内で舌を蠢かせる。 『起立――。礼』 「あ、あっ!」 すぐ側の教室でホームルームが終わる。静寂から一転して話し声が溢れる。ドアが開かれる気配! ホームルームは手短に終わりそうだ。もうだめだ。理樹がそう思った瞬間。 「ふ……」 唯湖が理樹のものから口を離してスカートを戻し、立ち上がった。それと同時にドアが開かれ、中から人が出て来た。理樹は泣きそうな表情のまま震えている。見つかってしまったと、思ったがしかし、誰も何も反応しない。怪訝そうな目で二人を見てはいるけれど、すぐに関心は他のことへと移っていた。 「ふふ。大丈夫だったみたいだね。スリル満点だろう?」 唯湖はぺろりと舌で唇を湿らせる。その様はとても妖艶だった。彼女はギリギリのチキンレースに勝利を収めたのだった。 「あ、う……」 それでも理樹は後ろ手に縛られ、拘束されているのは変わらない。唯湖は理樹の背中を押して行く……。 …………
再び、女子トイレの個室の中。とりあえずはここが安全地帯と言う訳だ。 「どうだい理樹君。さっきも言ったが、なかなかスリリングで楽しいだろう?」 「楽しくないよっ! もう、怖いよ……。早くここから出たいよ」 「はっはっは。私は楽しくてたまらないぞ?」 「来ヶ谷さんも見られちゃうよ? 恥ずかしい所を」 「構わないさ」 にやりと満面の笑み。 「君に電車の中でやられて大勢の人に見られた時から、見られるのが平気になってしまったのさ。むしろ、快感なくらいにな。私をこんなふうにしたのは他でもない。理樹君、君のせいなんだよ」 「でも……」 「それにだ。ここは私達の全く知らない別世界だ。遠く離れた街の知らない学校でちょっとやそっとエッチな行為を見られた所で、捕まったりでもしなければわかるものか」 「そ、う……だけど。うぅ。どこでこんな制服手に入れたの? どうやって調べたのさ……」 「今更そんなことを聞くかね」 どうでもいいとばかりに言いながら、唯湖はスカートの中に手を入れ、はいていたショーツを足元までずり降ろし、脱ぐ。紫色のショーツはとてもなまめかしく見える。 「脱ぎたてほかほかの私のぱんつだが。頭に被るのと普通にはくのとどっちがいい?」 「そんなの……どっちも嫌だよ」 「どっちか選びたまえ。じゃなきゃ全裸にしてグラウンドのど真ん中に放置するぞ」 今の唯湖ならばやりかねない。理樹は泣く泣く言った。 「はくほうが……まだマシだよ」 片足を軽く上げさせられ、ずり上げられて行く。さて、次は何をしようかな。唯湖の目が怪しく光ったような、理樹にはそんな気がした。 …………
犠牲者となるその娘には本当に悪いけれど、と唯湖はあらかじめ前置きのように謝罪しながらも、悪質な悪戯を始めるのだった。 「あぁん! はぁん! 気持ちいい! いっちゃうぅ!」 快楽をむさぼる声。ずりゅ、ずりゅ、と這うような音。陰毛と愛液が交ざりあい、指先で擦り合される音。 ――唯湖の唯湖による唯湖の為の新たな悪巧み。授業中のこと。我慢できなくなってしまったのか、トイレへと駆け込む女生徒が一人いた。おとなしそうな、内気そうな娘が。唯湖はそれを見てからトイレの中へと入り、隣の個室で妖艶な吐息とともに淫らにあえぎ始めたのだった。もちろん、わざと聞かせるようにして。 「あっあっあんっ! ああんっ! はぁんっ! あんっあんっ! 乳首、いい、気持ちいい」 ちなみに隣の個室のドアは、拘束を一時的に解かれた理樹ががっちりと押さえ込んでいる。事が終わるまでその娘を外に出すんじゃないぞとは、鬼軍曹のようにおっかない唯湖女史の命令。 ちゅば、ちゅば、と自らの胸を揉みしだきながら乳首をなめ回して吸い付いた。演技三割、本気七割。いや、既に演技は残り二割程度と言ったところか、と唯湖は納得していた。このシチュエーションは余りにも興奮度が高すぎるから指も舌も動きが早く、ダイナミックになっていく。 「あ、熱い! おまんこきもちいいよぉっ! あふんっ! はふっ! あ、あ、あ、指が……入っちゃううぅ……! あっあっあっ! いっちゃう! いっちゃう! いっちゃううう!」 狂ったようによがり、絶頂を向かえる。隣の娘は今どんな顔をしているのだろうかと思うと更に指の蠢きが早まっていく。信じられない行為にただ、赤面するだけ。 「出ちゃう! いっぱい出ちゃうううううっ! ああああんっ!!!」 吹き出された飛沫が個室の壁へびしゃっとかかる。はあはあと粗い息をつきながら壁の向こうにいる娘を羞恥攻め。 ――そんな状況が更に続く。唯湖は個室を出て、隣の個室のドアをしっかりと押さえながら、理樹に挿入を要求していった。ぱんぱん、と体同士をぶつかり合わせ、唯湖は喘いだ。 「はっあっあっあっああんっあんっあんっはぁんっ! 理樹君いい! 気持ちいいっ! もっと奥まで突いてええええっ! ああああっ! だめっ! またいっちゃうううううっ! おま○この中にいっぱい出してええええええっ! はあああんっ!」 やっとの事で唯湖の悪巧みは終わりを告げる。今はもう、羞恥の演技を楽しみながら感じまくり、いきまくってるという状況。 唯湖は軽くこんこん、とドアをノックして、中の人に呼びかける。 「ふふ。どこの誰かは分からないが、私のオナニーとセックス実況中継を聞いてもらってありがとう。楽しんでくれたかな? 感じて濡れてしまったりしていたらうれしいんだけどな。ああもう出ても構わないよ。とんでもないことに付き合わせて悪かったね。聞いて欲しかっただけで、それ以上何もする気はないから安心して欲しい」 何が安心できるもんかよと理樹は思ったが、身から出た錆なのかもと思い反論はできなかった。 ――唯湖の合図とともに理樹がドアから離れると、中の少女は目を合わせないように慌てて飛び出すようにして逃げて行った。状況が状況だけに、用を足すどころじゃなかったようだ。理樹は罪悪感にかられながらもどうしようもなかった。 「はっはっは。漏らさんようにな」 「来ヶ谷さん。鬼畜……」 「君には言われたくないぞ」 その通りでしょうね、と理樹は溜息をつきながら目を伏せた。 さて、酒の締めはラーメンかお茶漬けが定番と言うものだが、と唯湖は言った。
来ヶ谷さん、未成年でしょと理樹が突っ込みを入れたものだった。
「あ、ああぁぁぁ……っ! はぐぅっ! ああああああっ!」 理樹は押し潰されたような声を出してしまった。 スカートの中……。唯湖のショーツを未だはかされたまま、お尻の中深くまで細長い異物……アナルバイブを突っ込まれたのだった。 「ふふ。入れられるのがどういう感じかわかるかね。女の子の気持ちが」 更にそれだけではない。理樹の胸元を開き、テープを用いて二つの乳首に電動のピンクローターを張り付けた。散々唯湖になめられ、しゃぶりつくされてとろとろに濡れた乳首に。 「う、ぐ……。い、う……うぅぅぐぅぅっ!」 乳首に細かい振動がひたすら伝わる。お尻の中でも震えるバイブ。両手は先程からずっと後ろで縛られているから、取ることなどできはしない。 「あ……!」 唯湖の口が理樹のものをかぷりと飲み込み、じゅぷじゅぷと音を立ててしゃぶり始める。左手で毛に覆われた柔らかな玉をなで回し、転がすように震わせる。 「あ、あ、あーーーっ!」 「ふふ。ふふふ。ははは。いいぞ理樹君。女の子みたいな声出して最高に可愛いよ」 満面の笑みで理樹の反応を楽しむ唯湖。もしも自分が男性で、彼が少女だったらきっと襲いかかって思う存分突きまくって犯していることだろう。 「う、うぅぅぅ! で、出ちゃうよ……! また、出ちゃうよぉっ! 来ヶ谷さんだめえええええっ!」 「おっぱいでしごかれて出してしまえ。思う存分な」 唯湖はいつしか豊満な胸で理樹のものを挟み込み、しごいていた。 理樹の中で、世界が一瞬真っ白く消え、思い切り射精していた。いつしか体を持ち上げられ、誰もいない教室から窓の外めがけて射精させられていた。正確には、体育の授業中で、女生徒の着替えが机の上に乗っかっている教室。当然のことながら、外には体操着姿の生徒が体育の授業を受けている。届くことはないだろうけれど、理樹が射精したのはそんなところを目がけてのことだった。 「はっはっは。なかなかいい格好だったよ理樹君」 得意気な唯湖とぐったりと肩を落とす理樹。と、その時だった。 「あ、あなたたち。何をしているの!?」 突然、驚愕に満ちた声。教室の後方にある出入り口にて、この学校の教師であろう若い女性が咎めるような瞳で乱れた服装の二人を見つめる。 「これはどうも。公衆の面前で不純同性……いや、異性交友。つまりはずこばこと激しくセックス、かい摘まんで言えば野生動物よろしく交尾をしているだけなのだが、何か問題がありますかね、先生?」 ぺろりと手についた精液を舌でなめ回し、いけないことをしているとアピールする唯湖。 「あ、あ……あるに決まっているでしょう!」 「そうですか。それでは私達はあなたに捕まったことによる後の面倒ごとを避けるために逃げなければいけませんね。では、理樹君いくぞ!」 問題大有りだと突っ込みを入れる為に言っているかのような挑発的な態度。唯湖は理樹の腕を取り、脱兎のごとく脱出。アナルバイブを突っ込まれたままの理樹はよろめきながらも懸命に走る。 「く、来ヶ谷さんのばかぁっ! もう知らない! どうしてこんなことになっちゃったんだよぉっ!」 「はっはっはっは。愛の逃避行とは、なかなか楽しいじゃないかね理樹君。こんな非日常は早々は味わえまいぞ」 大きな胸をはだけさせ、上下にぶるんぶるんと豪快に揺らしながら、更にショーツも脱ぎ去ったまま秘所が露になるのも気にせず全力で廊下を駆け抜ける唯湖。ドアが開いていようが、教室内の視線が集まろうがお構いなしだ。二人を目撃した教師も必死に追いかけてくる。 「あ、あ、ああもう! 上手く走れないよっ! こ、こんなの入れられたままなんて! あ、足がよろめく!」 「ふふ。大丈夫だ。これから一つ、おねーさんの超大技を見せてやろう。しっかりと歯を食いしばっているんだぞ!」 唯湖は助走をつけ、理樹をお姫様だっこしながらタイミングを見計らって大ジャンプを敢行。空き教室の大きく開け放たれた窓……四階くらいの高さから外へと向かって飛び出した。ごう、と空気を切り裂いていく感覚。追いかけてきていた女教師の悲鳴が響き渡り、何事が起きたのか誰もがわからずパニックが巻き起こる。 「わ、わ、わあーーーーーーーーーっ!」 「ふははははっ! 怖いだろう理樹君っ!」 ジャンパー……。準備はいいかい、とか問う間もなかった。愛しい人と最高に楽しい瞬間。生きている充実感に溢れた時間。翼でも生えて飛んで行けそうな解放感。高く跳べ、高く空へ、ひたすらに。 対症的に理樹は恐怖に耐え切れず、空中に浮遊した状態のまま盛大に失禁。凄まじい勢いで柔らかな雫の粒が飛ぶ。 「あーーーーっ! もうっ! こ、怖すぎるよぉっ! く、来ヶ谷さんのバカぁっ! も、も、もういいでしょ! 許してよぉっ! 最初に煽ったのは来ヶ谷さんじゃないかぁっ! ここまでするのっ!? ひどいよぉっ!」 「はっはっはっは。まあ、その通りだな。喧嘩両成敗ということだな。今回はこれで許してあげようか。……しかし、四階くらいとなると結構な高さなのだな」 後先考えずに豪快に飛び込んでからそんなことに気付き、ニヤリと微笑んだまま頬に汗が一筋。これはちょっとばかり怖かったかもしれないな、などと思いながら、まあ、今は理樹君も隣で豪快に漏らしていることだし、それになにより私は女の子だからお漏らしくらいきっと許されるだろうと誰にともなく言い訳をする。怖さもちょっぴりあるけれど、理樹に付き合いたいという積極的な気持ちも半分くらいあったが故に実行。空気抵抗により完全にまくれ上がり何の機能も果たしていないスカートの下から、理樹と同じように失禁してしまい、飛沫を飛ばす。 「わあああああああっ!」 「はっはっはっはっ! いい出しっぷりじゃないか理樹君!」 「来ヶ谷さんのばかああああっ!」 多くの人達が目撃する中、二人の性器からびしゃあああと噴出され、生み出した滴がゼリービーンズの如く空中に浮かび、太陽光を浴びてキラキラと輝いている。 「舌を噛むんじゃないぞ理樹君。着地するっ!」 僅か数秒後。ズンッと、地面をめり込ませるようにして着地。体育の授業を受けている人達の間を猛烈な勢いで走る。胸が見えていようが、股間の逸物が震えていようが構わずに。 「理樹君!」 そのまま猛ダッシュで駆け抜け、閉じている校門をジャンプで飛び越え、孤独で困難な潜入任務より脱出に成功。後に残されたのは何が起こったのか全くわからず呆然とする哀れな人々のみだった。 「後で、しっくすないんをしようじゃないか! お互いの味を知りたいだろう?」 「来ヶ谷さんのど変態! 淫乱〜〜〜!」 「はっはっは! 変態、淫乱、結構なことだ」 散々利用したりお騒がせしたりしてすまなかった。でも、理樹君と一緒に最高に恥ずかしくて楽しくもえっちな一時だった、と礼も込めて、怪盗紳士がまんまと目的のものを盗んだ後に置き手紙を残すかのように、大きなサイズのブラを校門にひっかけ、退散するのだった。 ハードプレイ、上等じゃないか。唯湖は再び込み上げてくる興奮を、側で目を回している少年にまたぶつけようと誓うのだった。 ----------後書き----------
このカップリングの場合どちらかが一方的にやられるだけでは物足りないので、喧嘩両成敗てな感じに勝ち点を分け合わせてみせました。 で、ハードにできたのはよいのですが、いかんせん長すぎましたorz 何事も程々がベストといいますか、ボリュームはあればいいというものでもないわけで。 よって、色々と途中に入れたかったけれど入れられなかったエピソードとか、番外編という形でまとめて出すかもです。 ちなみに痴漢ネタを考えたのは私ではありませんので悪しからず。くれぐれも2次元や妄想のみで楽しみ、3次元では絶対にそう言う悪い事はしないようになさってくださいませ。
ご感想を頂けると嬉しいです。
|