深く、広く
「プロデューサー、さま」 おろおろと、情けなくうろたえているプロデューサーに、凛世は声をかけた。 彼女はこの場所を知らないため、全てを彼に頼るしかないのだ。 とはいえ。頼られた方も、ひたすら困惑していた。 ――そもそも。自分たちがいつからここにいたのか、ここがどこなのかすら、さっぱりわからないのだ。条件は同じだ。 とにかく、二人は気が付いたら、ここにいた。 そんな、わけのわからない状況。プロデューサーは、夢でも見ているのかと思って頬をつねるも、痛みは確かにあった。 「ここは、どのような場所なのですか?」 「え、えっと」 八畳くらいはありそうな広さの密室。そして、ドアが一つ。それとわざとらしくベッドが置かれていた。ゆったりとした広さの、ダブルベッドが。 ドアは外側から施錠されており、中から開けることは不可能なようだ。その程度のことは、既に確認済みだ。 そんな部屋の中に二人。狙い澄ましたかのように、凛世とプロデューサーがとじこめられていた。 「教えて、いただけないのでしょうか?」 「いやその」 プロデューサーは困った。 凛世は、いつも通りの和装姿。 礼儀正しくて、穏やかな性格で、着物姿がとても似合う。まさに、大和撫子という言葉がぴったりな女の子。 「プロデューサーさま。お願い致します。あちらに書いてある意味を、教えてください」 丁度ドアの上辺りに、札がかけられていた。……メッセージ付きの。 「のーはんどふぇらで奥までずっぽり咥えて、相手をイかせて、大量顔射させてもらうまで出られない部屋とは、一体、どのようなお部屋なのでしょう?」 「ぶほっ!」 凛世がそう言った瞬間、プロデューサーはむせ返っていた。 清純なこの子に、何て事を言わせてしまったのだろうと、自己嫌悪に陥る。 「凛世にそんな事を言わせてしまって、すまない。……もう、こうなったら説明するけど。その……。俺のこと。軽蔑しないと、約束してもらえないかな?」 「はい。勿論でございます。凛世が、プロデューサーさまのことを、軽蔑するなど、あり得ません」 「そ、そっか。ごめん。……俺、凛世に嫌われるのが怖くて」 それで、なかなか言い出せなかった。そんなプロデューサーに、凛世は言葉をかける。 「ご安心、ください」 凛世は微笑を見せる。 改めてプロデューサーは、説明を始めた。 ◇ ◇ ◇ ◇
「あむ」 「り、凛世」 「ん……。極力歯を立てないように、気をつけてまいります」 「う、うん」 ベッドに寝そべるプロデューサー。その上に乗るのは凛世。 四つん這い状態で、必然的に突き出されたお尻。着物の布地で覆われていても、丸みと割れ目のラインがはっきりとわかる。 ――プロデューサーから、一通り説明を聞いた後、凛世は言ったものだ。 『プロデューサーさま。凛世に、ふぇらちおをさせてください』 右手で口を覆い、頬をほのかに赤らめながらも、決意の眼差し。 プロデューサーが絶句していると……。 『お嫌で、ございますか?』 その瞬間、凛世の瞳が潤んだように見えた。 大切な人に拒否されることを恐れ、極度に脅えている様子。 『そんな。嫌なはずが、ない。……けど』 こんなバカげた部屋で、いったい何をしようとしているのだろう? プロデューサーにとって、凛世は担当のアイドルだというのに。 『俺で、いいのか?』 彼の問いかけに、凛世は……。 『はい。勿論で、ございます』 笑顔で、そう答えたのだった。 ――あらかじめ唾液でたっぷりと湿らせた口内に、じゅぷりと埋没していく。 「ん、おぐ、ん……。んぷ。プロデューサーさまの。大きくて、逞しいですね。素敵でございます」 凛世は、思わずえずきそうになるのを堪えて、一旦口から離した。 「あ。手は、使ってはいけないのでしたね。のーはんど、ということなので。これはいけません」 ついつい、手で掴んでしまいそうになる。 迂闊でしたと、凛世は少しだけ舌を出して笑った。 「それでは改めて。プロデューサーさま。凛世の口内を、心ゆくまでご堪能ください」 それから、凛世は先端の部分を覆うかのように、かぷりと咥え込んだ。 「ん」 普段の姿からは想像もできないほどに、口を大きく開けないといけない。それでも、きつきつなのだ。 (実に咥え甲斐が、ございます) まるで、ぶっといキュウリのようです。もしくは、ヘチマでしょうか? と、凛世は思った。 口いっぱいに、愛おしい気持ちがあふれていく。 「ん。んぐ」 けれど、ただ単に先っぽを咥えるだけではダメなのだ。それではクリア条件を満たせない。 奥までずっぽりということなので、もっとド派手にやらなければならない。 (最低限。奥まで咥えなければ、条件を満たせません) 凛世はゆっくりと、顔に力を込めて、挿入の圧を強めていく。 「ん、ふぅぅ」 「り、凛世! 大丈夫なのか?」 苦しいのか、ポタポタと落ちる雫を見て、プロデューサーがうろたえる。凛世の涙だ。 (これしきのこと。平気、でございます。凛世を甘く見ては、いけませんよ?) ググググと、圧が更に強まる。にもかかわらず、凛世は右手で○の形を作って見せた。平気ですよという意思表明だ。 「うぐぐ……」 やがて埋没が終わる。無論、全てを咥え込むことなどできはしないが、それでも凛世は心が満たされていくのを感じていた。 (プロデューサーさまの、男性器……もとい、お身体の一部が、凛世の中に入ってきております) それだけで、舞い上がるくらいに嬉しい。けれど、咥え込んだだけで満足してはいけない。 「んっ!」 ずるりと、吐き出すように引き抜く。 「おふ……」 間を置かずに、一気に飲み込む。 凛世の口元から唾液が溢れ、その可憐な唇を濡らしていく。艶出しのような液体は、LEDの照明に照らされて、きらきらと光って見えた。 更に、もじゃもじゃの陰毛が、凛世の頬に触れている。じゅぶ、じゅぶと、規則正しく擦れ合う音が響く度に、抜けた縮れ毛が、凛世の頬に張り付いていった。 無垢で、清純な少女を汚している……。プロデューサーは、背徳感に背筋を震わせた。 (プロデューサーさま。凛世のお口の具合は、いかがでしょうか?) 角度的に、プロデューサーの表情を伺い知ることはできない。けれど、こみ上げる快感を堪えるような、荒い吐息は、この行為が決して悪いものではないのだろうとわかる。 (これで、よろしいのですね) 凛世は、嬉しくなった。 今やっていることが、正解なのだとわかったから。 (よかった) 浅黒くて限界まで屹立し、血管が浮き出たもの。 誰よりも大切な人の、体の一部。凛世は愛おしさで満たされていた。 (プロデューサーさまの、お○んちん。凛世が今、おしゃぶりをして、さしあげております) その、紛れもない事実を確認する度、凛世は興奮する。 (お口を使って、お下品にじゅぽじゅぽとしごくことで、プロデューサーさまに感じていただいております) 凛世は悟った。プロデューサーもまた、快楽に浸ってくれているのだと。 舌がつりそうなくらいに早く、左右に動かす。 愛する人の恥部を深く咥え込み、口膣を用いて快感を覚えてもらう。 (凛世の顔に、遠慮なく、射精してくださいませ) 本来ならば、子を成すための、白濁した液体を。 (たっぷりと、ぶっかけて。凛世を、あなた様の色に、染めてください) 奥ゆかしさも、清純さも、かなぐり捨てたい。 「ん!」 プロデューサーの、切羽詰まったうめき声と共に、にゅるりと、口内からそれが抜けた。 凛世はかたく目を閉じて、次の瞬間に備えた。 他人の精を顔に受けるのは、言うまでもなく初めての体験だ。 遂にそれが、訪れた。 「あ、ああぁ」 凛世の顔は、受け皿代わり。 最初にどぴゅりと一撃。超濃厚なものが、凛世の顔の真ん中に、乱暴にぶちまけられた。 「すごい、です」 第二波、第三波が無造作に降り注ぎ、凛世の瞼、頬、鼻の頭を汚していく。征服するかのように、広く。 (凛世は今日。初めて、殿方の熱い精を、この顔に、受け止めました) びちゃびちゃと、小便でもするかのように、射精は続いた。 何日も事務所に寝泊まりをして、禁欲をしていたような、大量っぷり。 「あ、あ……。ぷろでゅーさー、さま……。多すぎで、ございます。うぷ」 油絵のように、二重、三重、四重にも塗り重ねられていく。凛世は舌を出し、うっとりとしながら、受け止めるだけ。 顔を伝い、顎から垂れ、やがて凛世の着物へと、ぶちまけられていく。 着物を汚したことを謝罪するプロデューサーに、凛世は気にしないでと、微笑む。 「ふふ。のーはんどのおふぇらで、プロデューサーさまに、凛世のお顔にたっぷりと、出していただきました。これにて、ミッション完了で、ございますね?」 凛世はどこかやりきったような、満足感を覚えていた。 「はぁぁ……。プロデューサーさまの、大量の濃厚お精子。この凛世めのお顔でしっかりと、お受け止め致しました……」 今の自分は、普段からは想像もつかないような、下品で、はしたない顔をしていることだろう。凛世はそれでもいいと思った。 向こうの方で、ロックが解除され、ドアが開く音がした。 けれど。このまま、閉じたままでもいいですねと、凛世は思った。 もうしばらく、この余韻に浸っていたいから。 ◇ ◇ ◇ ◇
「プロデューサーさま」 「う……うぅん」 「プロデューサーさま。起きてください」 「凛世?」 気が付くと、そこは事務所のソファー。時刻は夜の七時。 「お疲れのようですね。……だいぶ、うなされておりましたが?」 周りを見る限り、事務所の中は凛世とプロデューサーの二人だけの模様。 「あ、ああ。ちょっと。夢を見て」 「どのような夢、なのですか?」 現実であったかのように、はっきりと覚えている。 とても、そのままの内容を伝えるわけにはいかない。 「えっと。その……」 「プロデューサーさま」 プロデューサーが、答えに詰まっていると……。 「大変扇情的な、夢でございましたか?」 「え?」 あからさまに照れている凛世の視線は、プロデューサーの下腹部に向けられていた。誤魔化すことができないくらいに、もっこりと、膨らんでいた。 「あ、あ……。これは、その……」 「どのような夢をご覧になられていたのか、教えて頂きたく思います。凛世。大変に、興味を抱いてしまいました」 期待のこもりまくった眼差し。もはや、答えないわけにはいかなくなってしまった。 「教えていただけませんと、夜も眠れないかもしれません」 あ、それはいけない! 不眠は美容の大敵。アイドルにとって致命的。 もうこうなったら、正直に言うしかない。嘘をつけないような眼差しを向けられて、プロデューサーは観念した。 ――それから……。 「正夢にしたいと、そう思いませんか?」 夢の内容を全てを聞き終えた凛世は、ゆったりとした足取りで、事務所の入り口に向かった。そして、ドアの鍵がかたく閉じられていることを確認してから更に、全ての灯りを消していた。 「本日は、もう、どなたもお見えになられないみたいですし」 予定表が貼られている掲示板も確認したが、今日はもう、これから誰かがやってくるということも無さそう。本日の、283プロの業務は終了しました。ということ。 「り、凛世?」 「……夢の続きも、したいと思いませんか?」 実は、プロデューサーが見た夢には続きがあった。 凛世の顔に大量射精した結果、ドアは開いた。だが、その先には更に『凛世が満足するまでエッチしないと出られない部屋』があったのだった。 そこで行われたことはもう、とても情熱的だった。 「プロデューサーさま」 いつの間にか、和装をはだけさせた凛世が、近付いてくる。恥じらいの余り、もじもじしながら。 「凛世を、可愛がってくださいませ」 もしかするとこれも、夢なのかもしれない。 どちらにしても、抗うことなど、できはしない。 「たっぷりと、愛して、くださいませ」 凛世は目を閉じて顔を上げ、プロデューサーと唇を重ね合わせた。 まずは、口で。 夢で見た内容と同じように。深いところまで咥え込んで……。そしてやがて、理不尽なまでの量を、ぶちまけられていくのだ。 「ん……。勿論。おフェラだけでは、終わりませんよ?」 ノーハンドということで。凛世は口で咥えながら、手で、股間の方を弄り回し、ほぐし続けた。 次の準備も同時並行。凛世が履いている白いショーツの中は、しっとりと濡れていく。 凛世の華奢な体に、プロデューサーの逞しくも大きなものが、埋没していく。 今は口だけど。すぐに、膣の方も、挿入されてしまうことだろう。 「ん、ん」 じゅる、ぴちゃ、と。湿りを帯び、泡立ちそうな音が響く。 暗闇の中に、緑と白の誘導灯。その光だけが照らす事務所の中で、二人の秘め事は続いていくのだった。 ----------後書き----------
シャニマスSS一作目です。 凛世は個人的に、プロデューサーラブ勢筆頭かなと思っています。 |