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ゴールの後に










 時計の針は丁度朝六時をさしていた。

「ゆーいち」

 微睡みの中に、彼女の甘ったるい声が聞こえる。

「ゆ〜いち〜。朝だよ〜」

 彼はゆさゆさと揺さぶられているのに気付くけれど、未だ心地よさから抜け出すことはできず、無視を決め込む。

「ゆ〜いち〜」

 それでも、彼女はどこか楽しそうに微笑みながら、彼を揺らし続ける。その様は、とっても無邪気。

「……まだ、ねむぃ」

 やっと絞り出した言葉は、それが精一杯。

「いいお天気だよ〜?」

 外の空気は涼しくて気持ちがいい。雲一つない秋の空を指さして、彼女は云った。

「起きないと、勿体ないよ〜」

「……」

 そんなことより眠気に身を任せる事の方が重要だ、とばかりに彼は無視を決め込む。

「ゆ〜いち。ゆ〜いち。ゆ〜いち〜」

 彼女の揺さぶり攻撃は更にエスカレートしていき、仰向けに寝そべる彼の体に抱きついてしまった。

「起きて〜」

「……ん」

 顔の辺りにぷにょぷにょする感覚……。彼……もとい祐一は、気持ちのいい感触に思わず手を伸ばしてみる……と。

「わっ。祐一……えっち」

 もろに、彼女……名雪の胸に触れてしまったのだった。

「って。お前が自分からくっつけてきたんだろが」

「そんなつもりなかったもん」

 天然ボケな要素が大いに入っている彼女なので、ただ単に抱きついただけなのだろう。

「で、何だ。折角の休日だというのにわざわざ起こして」

 遂に祐一は折れて、仕方がないとばかりに体を起こし、首をこきっとならしてから腕を伸ばし、あくびをした。

「んー。折角だから……祐一と一緒にお外走りたいなーって思って」

 彼女の姿はジャージにTシャツという、とってもスポーティーなものだった。長い髪もリボンでまとめ、ポニーテールにしていて、まさに準備は万端状態。

「やだ。寝る」

 それを見て、あっさりとそう云いきって祐一は布団を被る。

「わっわっ。ひどいよ〜」





シチュエーションはいつもと正反対。





名雪は苦労しながらも、祐一を起こすことに成功するのだった。





その後、祐一に顔を洗わせたりジャージを着せたりと……時間はそれなりにかかってしまったけれど。





 名雪は祐一に合わせたのか、ペースはとてもゆっくりだった。と云うよりも、普段からゆっくりとのんびり走るのが好きなのだろうけれど。

「ふっふっ。ほっほっ」

「……」

 規則正しく呼吸を整え、楽しそうに軽快な走りを見せる名雪。それに対して、だりいかったりい何で俺がこんなこと、と云うような怠惰なオーラが全身からみなぎっている祐一。ともあれ、二人は家を出て、川縁を走り、通りを横切り、公園に辿り着くのだった。

「も〜少しだよ〜。頑張って〜」

「……」

 祐一はやれやれと思いながら、名雪のふさふさ揺れるポニーテールを見ていた。……そして続いて、名雪の顔を見ていると。

「走るのって、楽しいね」

 その言葉に同意はできないが、まあいいか、と、いつの間にか思えてくるのだった。そんな、安らげるような感じが名雪の笑顔にはあった。

「あと百めーとる〜。あそこまでだよ〜」

 細くてスラッとした名雪の体は、出るところは出ていてスタイルいいな……と、祐一はそんな風に見とれていたのだが。

(……)

 名雪が走る度に、ぷるぷると小刻みに胸が上下しているのが見えて……ジャージの上からでもラインがわかるお尻と太ももが柔らかそうで……腰のくびれがとてもセクシーに感じてしまったのだった。それに加えて長い髪もさらさらしていて綺麗で、リボンでまとめ上げていてはっきりと見えるうなじがとても色っぽく感じた。無邪気で純粋な名雪と違い、祐一の頭の中は煩悩に溢れ欲望に満ちていた……とは云え、それはイコール健康優良少年の証明でもあるのだけれども。

「ふっふっ。ほっほっ。ラストスパートだよ〜」

 ゴールが見えたからか、名雪は突然ダッシュ。そして、祐一を思い切りぶち抜いて公園の入り口に辿り着いて待っていた。

「わたし、もうご〜るしてもいいかな〜?」

「……いや。その台詞はそこはかとなく悲劇なものを連想させるからだめだ」

 何となく、どこかのドラマで見たかのような悲しいシーンのような気がしたのだった。

「ふ〜ん?」

 そんなわけで祐一も公園の入り口に辿り着いて、本日のジョギングは終了と相成った。





公園のベンチにて





 公園の中には誰もいなかった。早朝ということもあるけれど、町外れで人があまり来ないような、そんなところだからだろうか。名雪にとっては『穴場』なようで、たまに同じコースを走ったりするらしい。普段は一人で走るのだけども、天気がとても良かったので祐一と一緒に走りたくなったのだった。

「はい、タオル〜」

「ああ」

 程よく汗を流して、ストロー付きの水筒を受け取って飲む。

「ぷは」

「おいしいでしょ?」

 一気にごきゅごきゅと飲み込んでから名雪に渡す。中身は普通のお茶だったけれど、キンキンに冷えていて気持ちが良かった。

「ああ。ほれ」

「ありがと。ん、ん……んくんく。ん〜。祐一と間接キス〜」

「今更何云ってんだか」

 名雪も笑顔でストローをくわえて飲む。火照った頬に汗の粒が流れ落ちて、とても健康的だ。

「……」

 ところが祐一は……。

「祐一? どうしたの?」

「あ、いや」

 名雪の、ストローをくわえていた唇を見ているうちに、柔らかそうだなとか、可愛いなとか思いながら段々と邪な方向に思考が進んでいき……やがて……。

(やばい。口で……して欲しくなってきてしまった)

 小さな口を目一杯広げさせて、奥までくわえ込ませて激しく前後させ、名雪の可愛らしい顔に思いっきりぶちまけるように射精して汚しまくりたい……とかそんなことを考えてしまったのだった。あくまでも、無意識のうちに。

「もしかして、調子悪かった?」

 様子がおかしい祐一を見て、名雪は段々と心配そうな表情になっていく。

「いや、そういうわけではなくて」

 しかし、体は正直なもので。そして案の定、問題の箇所を名雪に見られてしまい……邪な思考がバレてしまうのだった。

「ゆ、祐一……」

「あ」

 祐一の、ズボンの股間がもっこりと限界にまで盛り上がっていたのは言い逃れできるわけがなかった。

「これはその……。えっと……」

「……」

 名雪は顔を真っ赤にして手で顔を覆い。……祐一は思わず。

「口で……して、くれない……か?」

 と、云ってしまった。そして、名雪は名雪で呆気に取られていて……。

「え……。う……うん」

 と、ついつい頷いてしまったのだった。




そして、数分後。





「ん……ん……」

 公園の茂みの中で、木を背にもたれかかるようにして祐一は立っていた。そして、名雪は目を閉じ、膝をつきながら祐一のものを口でくわえ込むように愛撫をしていた。

「んく、んく」

 限界にまでそそり立った祐一のものは、とても太くて長くて大きくて……名雪は少し苦しそうにしながらも口を目一杯開いて、歯を当てないようにしていた。

「舌も使って」

 祐一は両手で名雪の頭を掴んで、ゆっくりと前後に揺さぶり始めた。

「そう。上手いぞ」

 名雪は祐一に云われるがままに、一生懸命舌を前後左右に動かし続ける。

「ん、ん、んん……んく、ん、んぐ……」

 ちゅぷ、ちゅぷ、と粘りけのある音が名雪の口元で響き、溢れ出た唾液がこぼれ落ちて糸を引いていく。

「う……。いいぞ。その調子」

 祐一は少しずつ、名雪の頭を揺さぶるスピードを速めていく。その度に、名雪の可愛くて健康的な顔に陰毛が当たり……汚している、という背徳感に満ちていく。

「んっ! んぐ、んっ! ん、ん、ん……!」

 やがて、こぼれ落ちた唾液が陰毛と絡み合い、ずりゅずりゅ、と淫靡な音を立てていき。そして……。

「出る……っ!」

「んぶっ! あ、あ……んっ!」

 祐一は射精の直前に名雪の口から引き抜いて、二度、三度と立て続けにぶちまけた。わずか数秒の間に、名雪の顔はべとべとに汚されていった。それ程までに大量に、濃いものだった。

「う、うう〜。ん……けほっ……。ゆ、ゆう……いちぃ。こほっ」

 名雪は片目を閉じながら、少しむせかけていた。そして、べっとりとした精液を指で拭いながら……。

「祐一の、えっち」

「名雪だってその気になっていただろ?」

「だ……って」

 名雪にとって祐一は、誰よりも大好きな人。だから、徹底的に本気になって尽くしてあげたいと思うのだった。

「名雪。その、な」

「ん……?」

 いぶかしげな名雪の目前に、射精したばかりのものを突き出して。

「もう一回、してくれないか?」

「……え? も、もう!?」

「お前を見ていて、また……こうなっちまったんだ」

「……!」

 既に限界にまでそそり起っていて、第二ラウンド突入。顔に思いっきり射精され、困り果てたような名雪を見ていて、またまた起ってしまったようだ。





そしてまたまた数分後……





「んぷ……んく……んぐ……」

 名雪の顔は先程より更に汚されていた。何しろ、今は第『二』ではなくてすっ飛ばして既に『三』ラウンドに突入中なわけで。祐一の勢いはいまだ衰える兆しがみえないのだった。

「う……。やばい。名雪の口、とろけそう……。気持ちいい」

 名雪はあごががくがくしそうなくらい長い時間、必死に愛撫を続けていた。祐一の絶倫ぶりに少し呆れながら、でも……自分の口で感じてくれるから嬉しくて、精一杯してあげようという気持ちになっていくのだった。

「ん、ん、んんん〜」

 精液と唾液が口内で交ざり合い、じゅぽ、じゅぽ、と濃厚で淫靡な音が響いていく。





やがて……





「出……るっ」

「んっ!」

 二度、三度、四度……立て続けに射精した。そして、名雪はその全てを顔で受け止めて……。

「んぶ……。いっぱい、出たね」

 頬も、額も、顎も、唇も……あらゆるところを汚され、どろどろのぐちょぐちょにされながら、名雪は 笑みを見せる。

「名雪。俺……もう」

 今度は名雪の中に入れたい、と云おうとして。

「だ〜め」

 お預けをくらうのだった。

「続きは家に帰ってから、ね」

 ティッシュで顔を拭いながら、くすくす笑って云った。『もう、仕方ないなぁ』と、そんな風に……。





そして、またまた数分後……。





「あっあっあっ! 祐一っ! ゆういちぃっ! は、げし……あっ! も……っと!」

 今度はベッドの上にて、二人は激しく交わっていた。

「もっと……もっと、深く……してぇ」

 二人とも全裸で……名雪は四つん這いにされながら、バックから突かれつつ腰を動かす。

「どうだ? 名雪」

「んああああっ! い、いい……よぉ。気持ち……いい。あっんっんっ!」





二人の甘い吐息は





いつ果てる事もなく、続いていったそうな。










----------後書き----------

 すっかり朝方も涼しくなってきたので、そのようなお話を一丁。



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