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美人寮母さんの秘密










 世間知らずで好奇心旺盛な少女のように、スリルを求めていたのは事実だったかもしれない。後になってから美佐枝はそう思った。

 飢えた獣が獲物に襲いかかるかのように、犯すように激しくしてと、彼女はそんな風に求めた。どうせするのならハードプレイをしてみて欲しいと、興味本位に要求してみただけだった。そんなこと、朋也にはできないだろうと馬鹿にしたように思っていたけれど、できないという根拠など何もなかった。そうしたら、本気でいろいろと激しくされてしまい、とんでもないことになってしまった。全ては自分が悪いと思うのだけど、不思議と後悔はなかった。

 日々の欲求不満に体が疼いていた。……わけではなかったと思いたいけれど、もしかするとそうだったのかもしれない。確かに仕事はハードでストレスもたまっていたけれど、言い訳にはならないだろう。当初はただ、彼がどこまでできるのだろうと、そう思っていただけなのだから。自分の耳年増がいけなかったのかもしれない。自嘲気味に溜息が漏れてしまう。

 それはある日のこと。――誰もが眠りについているであろう、深夜二時頃。男子寮の外。切れかけているのに交換されず、時々点滅を繰り返している街灯の弱い光が僅かに照らしている所。

「う……」

 今の状況を顧みて、苦痛にも似た声が漏れてしまう。美佐枝は今、ブラウスを脱がされエプロン一枚だけにされ、更にブラをもはぎとられて上半身をむき出しにさせられていた。そうして露になった二つの大きな膨らみを、麻縄で絞り上げるかのようにぐるぐる巻きにされていた。あまりにも羞恥極まる格好に美佐枝は頬を赤らめながら、朋也から視線を逸らしていた。

「美佐枝さんって本当におっぱいでかいよね。張りもあるし触り心地も最高。よく鍛えられているよね」

「岡崎。ちょっと、こんな格好……」

 彼の非常識を咎めようとするけれど、身動き一つ取れない状態ではどうしようもなかった。

「で、こんな格好しながらちゃっかり乳首おっ起てちゃってさ」

「あうっ!」

 縛られた乳房は飛び出すかのようにくっきりと丸い形になり、鋭敏になった先端の乳首も限界まで勃起していた。朋也は背後から美佐枝の乳首をつまみ、引っ張ったり折り曲げたり転がしたりを繰り返してひたすら弄んでいる。これじゃまるでおもちゃじゃない、と美佐枝は思った。

「お、岡崎。もう、だめよ。こんなの。誰かに見られちゃう……」

「こんな時間に誰も来たりしないよ。それに美佐枝さん、そんなこと言っておきながら、誰かに見られた方が興奮するんでしょ?」

「そんなのあるわけないでしょ」

「誤魔化さなくていいよ。美佐枝さんはいつもラグビー部の連中とやりまくってるんでしょ? 隠してもだめだよ。手慣れてるしね」

「あいつらと何もするわけないでしょ。岡崎……。あんたはわざとそんなことを言って、あたしをいじめて恥ずかしがらせて喜んでいるんでしょう? そんなことをしても無駄だからね」

 朋也の挑発には乗らないつもりだったが、実は他人にはそういう風に見えているのかもと思うと、何故だかたまらなくなって体に震えが走る。

「あ、わかった? 言葉責めっていうか羞恥責めっていうやつなんだけどさ。美佐枝さんて、いじめられると結構気持ちよくなったりしてそうだから」

 この男は普段あたしにどんなイメージを抱いているんだと美佐枝は思った。が、悔しいけれど朋也の言うことも事実だ、とも思ったところでぎゅ、と胸全体を強く揉みしだかれた。胸を縄で縛り上げられる屈辱と、苦痛と共に体全体へと込み上げてくる熱い感触は確かなものなのだから、やはり事実なのだろう。胸を揉み回されるたびに鋭敏になった神経を刺激され、甘ったるい声が自然に漏れてしまうのはもうどうしようもなかった。

「あ……んっ!」

「連中のぎんぎんにそそりたったち○こを次から次へと口でくわえてさ、じゅるじゅる音を立ててしゃぶってるんでしょ。それで、舌でもぺろぺろ舐めまくっていかせまくってるんでしょ? 超絶技巧テクであっと言う間にいかせて出させてさ。もちろん口の中に出されたものは全部ごっくんって飲んじゃってさ。あと、両手でも連中のものをしごきまくって、複数人同時にいかせたりして。それとかパイズリしまくったりして。とにかく、連中から吸い尽くすくらいにち○こをくわえて離さないんでしょ?」

「し、ない。あ……。そ、んなこと。んんっ!」

「嘘ついちゃだめだよ。美佐枝さんは絶対してる。四、五人くらいいっぺんに相手して、騎乗位でガンガン腰振ってさ。それで快感をむさぼってるんでしょ。連中のものを口でもま○こでもくわえ込んで離さない程のど淫乱な痴女してるんでしょ? 仰向けに寝て二穴挿入してもらってガンガン突き上げられながら口でおしゃぶりして、両手でもしごきまくったりとか、えろすぎなことしてるよ絶対」

「……」

「きっと噂になってるはずだよ。男子寮にいる若くて美人な寮母さんは実はああ見えてすげえ淫乱痴女で、やらせてくれとお願いしたら何でもしてくれるんだってさ」

 そんな噂は聞いたこともなければ、寮生達から求められた事は……ああ、それは結構あったか。かなりおふざけが入っていたので、毎回おしおきをして撃退していたけれど『美佐枝さん、やらせてくれ!』とかなんとかあんまりにもストレート過ぎるお願いだったなそういえば。それでも朋也の言葉攻めに対し、もはやなにも答えられない。朋也に言われたことを想像すればするほど体が火照り、鼓動が高まって興奮していくのだから。

「それにしても見せてやりたいよなー。連中が憧れてる美佐枝さんの乳を晒して、チャーシューみたいに縄でぐるぐる巻きにして縛り上げてるんだから。この膨らみは何と言うか、芸術的だよね。まあでも、連中の脳内では美佐枝さんもしょっちゅうこんな格好にされてるよ。絶対」

「や、あ……」

 朋也が言う連中……。すぐ側に、寮生達が眠っているであろう部屋がある。消灯時間はとっくに過ぎているので、明かりなどは付いていない。だけど、彼らのすぐ側でこんな格好をされていることに猛烈な恥ずかしさが込み上げてくる。もしも今のこんな無様な格好をあいつらに見られてしまったら、何と思われるだろうか? 軽蔑されるだろうか? それとも、チャンスとばかりに襲いかかってくるだろうか? もしも後者だったとしたらあたしは多分……。と、美佐枝はそう思い、愕然としていた。朋也に言われたような行為を、ため息を付きながらも『仕方ないわね』の一言で始めてしまうのではないか、と。どこまで人が良いのだろうと我ながら思うけれど、決してそれだけじゃないだろう。

「胸を隠せないのってどんな気持ち?」

「恥ずかしいわよっ! 決まってるでしょっ! 何度も言わせるなっ!」

「まあまあ、立派なおっぱいなんだから、自信持とうよ」

「なにが……くうぅっ!」

 朋也はそういいつつ美佐枝の胸を鷲掴みし、ぐりぐりと揉む。プリンのように柔らかい胸は形を変え、指がめり込んでいく。

「何ならこの格好で寮内歩いてみる?」

「な……っ!?」

 そんなことできるわけがない。朋也はあえて言っているのだ。

「冗談だよ。冗談」

「ちょ……。な、に……あっ! す、吸うなあっ! あ、あ! ああああっ!」

 冗談とわかりほっとする。そうして朋也は美佐枝の乳首に舌を這わせるのだった。しかし、朋也の一言が冗談では済まなかった事がすぐに明らかになる。





…………





「う、う、あっ! あっあっあふっ!」

 美佐枝は下着ごとジーンズを膝辺りまで降ろされ、突っ立った状態のまま背後から挿入されていた。いわゆる立ちバックと言われる体位で、遠くからだと二人が暗闇でくっついたまま蠢いているように見える。

「柔らかいなぁ、美佐枝さんの中は。それでいて締め付けてくるんだから最高」

「あふっ! そんなに激しく……あっ!」

「声出すと連中に気付かれちゃうよ?」

「っ!」

 ずぶ、ずぶ、ずむ、ずむ、と音を立てるような感触と共に、規則的にねじ込んでは引き抜き、何度も繰り返していく。繰り返す度にゆっくりだった動きはやがてずん、ずん、と叩き付けるように強く、早いものへと変わっていく。朋也は美佐枝の細い腰をしっかりと掴んで、目茶苦茶に突き上げまくった。その度に美佐枝の柔らかく丸いお尻も形を変えていく。

「あ……っ。くうっ。も、もう……。あっ……あっ! あふっ!」

 美佐枝は突き上げられると同時に、縛り上げられた胸を握りつぶされるくらいに強く揉みしだかれる。二カ所を同時に攻められて、美佐枝は込み上げてくる声が漏れるのを必死に堪えようとするが無駄だった。

「やっぱり、胸だけでも感じまくっていたんだね。入れる前からぐしょぐしょだったし、揉みまくったら大洪水になっちゃうんだね。感度いいなあ」

「あっあっあっ! そんなに強くされたら……あひいっ!」

「ほらほら、感じてないでもっとえろく腰振ってよ。この淫乱寮母さん」

「か、感じてなんか……。あ、あ、ああああっ!」

 自分は淫乱……なのだろうか。そうなのかもしれない。そう言われても仕方ないのかもしれない。何しろ今、こんな状況で攻められながら快感を貪っているのだから、と美佐枝は思った。

「はうんっ! あっん! も、もう……許して! 立ってられな……い! あっあっあ……あっ!」

 体が激しくガクガクと揺さぶられる。朋也の大きくたくましいものがお尻の割れ目の中へ、奥の奥までねじ込まれていくのがはっきりとわかる。同時に自分も、朋也に言われるがままに腰を振っていることに気付き、愕然とする。美佐枝はそうして絶頂を迎えさせられた。

「美佐枝さん、今いったでしょ? すっごく締め付けが強くなったから。それじゃ、俺もそろそろ出そうかな……」

「あああぁっ!」

 絶頂を迎えたことを見透かされ、恥ずかしさのあまり目を細める。朋也は未だに突き上げを繰り返しているけれど、すぐに熱いものが込み上げてくることだろう。美佐枝は射精され、お尻も秘所もべとべとに汚され、ただ呆然とするだけだった。





…………





「あ、あ……あぁぁぁ。お、かざきぃ。んぐぅ」

 羞恥と恐怖と背徳感に震えながらも、少しずつ歩みを進める。

「声出したら誰かに気付かれるよ?」

「う、う」

 男子寮の中。明かりのついていない廊下を自室まで歩かされる。

 立ちバックで突かれまくって絶頂を迎えさせられ、射精された後のこと。殆ど全裸のまま、散々男子寮周辺を引き回された揚げ句、口でも愛撫をさせられ顔にも大量に射精され、ようやく終わって解放された。と、そう思ったが甘かった。男子寮の玄関にて、最後にズボンをはぎとられ、エプロン一枚だけという格好にさせられた。そうして縛られたままの乳首にはプラスチック製の洗濯バサミを付けられ、とどめに口にははぎとられたブラとショーツをくわえさせられていた。

「淫乱な寮母さんだ、って知られてもいいの?」

「く、うっ! ん、ん、む……んん、う……」

 朋也は言いつつピン、と洗濯バサミを指で突いて刺激すると、美佐枝の乳首が震える。今この瞬間、寮生の誰かがドアを開けたら……。そう思うと怖かった。けれど、歩みを早めれば廊下の板がギシギシと鳴ることだろう。

「ん、ふ……」

 洗濯バサミで強く挟まれた乳首が痛い程の刺激になっていて、背筋に震えが走る。顔に射精されたままの精液がむせ返るように熱く、涙と共にこぼれ落ちていく。けれど決して苦痛ではない。それどころかこんな所で今、はだけさせられたお尻の割れ目に突っ込んで欲しくなり、美佐枝はきつく目を閉じながら歩みを進めていく。エプロンの薄い布地一枚に隠された秘所から、滴が幾筋も落ちているのが分かる。

(もう少し……。あと少し……)

 自室のドアまでもう少し。

 普段いつも相手をしている連中に対し、言いたくなった。あたしはこんなことをされて感じている淫乱女だから好きになったりしちゃだめ。もっと普通の、他の女の子を好きになりなさい。あたしみたいな性欲に溺れ堕落した女に憧れちゃだめよ、と。そんなことを思った瞬間だった。

「んひっ!?」

 突如、廊下の明かりが灯され、心臓が一瞬跳ね上がったような気がした。美佐枝は目を大きく見開いて驚愕し、後ろを振り向いて見る。そこには朋也の姿。そんないたずらをしたのは他ならぬ朋也だった。よかったと思う反面、早くドアを開けてと促す。美佐枝は後ろ手に縛られているのでドアノブに手をかけることができないのだった。

(な、な、何考えてんのよ馬鹿ぁっ! み、見られちゃう! ばれちゃう! 早く! 早く中に入れて! 早くっ! 早くしてえっ! こんな格好見られたらあたし……っ!)

 ものすごい勢いで鼓動が高まり、はあはあと吐息も粗くなる。秘所から溢れていく滴の量が飛躍的に増えていた。突然のことに慌てふためき動揺しまくる美佐枝に対し、朋也はゆっくりと歩みを進めて、ようやくのことでドアを開け、対照的に美佐枝は部屋の中へと駆け込んだ。

「あ、あ……はあ、はあ」

「どう? なかなか楽しかったでしょ」

「ば、かあっ! う、あ、ああぁ。こんな。こんな……こんなの……こんなのっ! こんなこと、だめよ!」

 美佐枝は脱力し、へなへなと座り込んでしまう。それに合わせたのか、くわえさせられていたブラとショーツがはらりと落ちる。これまでしてきた事を思い出すだけで羞恥心と罪悪感が増幅されていく。同時に、エプロンも含めて濡れてしまっている股間に気付く。体の火照りはおさまるどころか更に激しくなっていく。

「お、かざき。もう、だめ。入れて。ここでして。早く」

 美佐枝は突然大股開きをして、朋也に要求し始めた。両手が開いていれば、秘所を大きく開いて見せつけていた事だろう。

「あれ、急におねだり? どうしたの?」

「う、う……。意地悪しないでよ! 早くあたしの中に入れて! じゃないとあたし、おかしくなっちゃう!」

 普段の勝ち気な表情からは想像もできないような泣き顔で哀願。

「わかったよ。それじゃ、いくよ」

 冷たい床に寝そべる美佐枝に覆い被さるようにして、朋也が挿入を開始した。

「あ、あ、……あふっ!」

 媚薬でも飲まされたかのように、ベッドに向かう時間すら惜しいくらいに体が猛烈に疼いていた。この疼きをしずめるには朋也との激しいセックスしか無いだろうと美佐枝は思うのだった。

「あ、あ、あ! いい! 気持ちいい……。あ、あ、揉んで。強く揉んでえぇ!」

 突かれながら胸を揉まれ、喘ぎ続けた。

「あ、あぁぅ! 気持ちいい……気持ちいいぃ……突いて、突き上げてえぇ! もっとおぉぉ! はうっ! あうっ! ああうっ! い、いいっ! 気持ちいいっ! 熱くて気持ちいいっ!」

 あたしは年増で欲求不満な淫乱寮母。ただ本能の赴くまま快感をむさぼりだらし無く口を開けて舌を出し、よだれを垂らしながら喘ぎ声をあげている。あんた達、こんな最低女を好きになっちゃだめよ。憧れたりしちゃだめ。と、いつも相手をしている連中に何度も心の中で言いながらまた絶頂を向かえるのだった。

 それでも――それでもいいとみんなが言うのなら。もし、そう言ってくれて……それと同時に岡崎があたしのことなんてどうでもいい、とか言ったりしたらあたしはきっと……男たち数人を相手に乱行を繰り返してしまうかもしれない。そんな風にはなりたくないけれど、考えている自分がいる。想像の中の自分は紛れも無く今の自分と同じ人物だった。

「あ、あ。気持ちいい。ん……。そこ。あ、だめ。また……い、く……あ、あ、あ! い……くっ! ……あっ! んっ!」

 夜は更に更けていく。二人が激しく交わり合う音が、静かな空間に響き渡るだけだった。


























----------後書き----------

 いきなり寮母さんのお話を書きたくなったので一つ。

 ラグビー部員とのハッスルプレイとかも有りでしょうか?



ご意見ご感想を頂けると嬉しいです。





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