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ハードな休日










 規則正しいタイミングでぎし、ぎし、とベッドが揺れる。その上では今、一糸まとわぬ姿の男女が交わっていた。シーツを掴み、連続した衝撃に耐えながら四つん這いという動物的かつ羞恥極まる格好の椋と、ゆっくりと一定の速度で腰を動かし椋の奥深くまで突いている朋也。

「あ、あ、あ」

 朋也の下腹部と椋の丸い形のお尻がぶつかり合い、ぱち、ぱち、と音を立てる。その度に椋は小さく儚げな喘ぎを上げる。短く切り揃えられた髪もボリュームのある胸も同時に小さく揺れている。

 ――その日、朋也は椋の自宅へと招かれていた。デートの途中、『今日は誰もいないんです』と椋は少し思い切ったように、だけど唐突にそう言って、朋也を家に案内したのだった。色々とあったものの付き合い始めてから数ヶ月が経過し、その後も紆余曲折ありながら何だかんだで二人の関係はこの様に昇華していった。

 二人の交わりは段々と早くなっていき、やがて絶頂を迎えることとなる。最初は遠慮がちだった朋也は今や本能の赴くままに椋の温もりをむさぼり続けている。

「あっ……あっ……」

 椋の堪え切れない喘ぎが漏れ、室内に響き渡っていく。好きな人と交わっている嬉しさと、ひたすら込み上げては溢れ出る恥ずかしさの入り交じったか細い声が。椋はもし今この瞬間、両親もしくは姉の杏が帰ってきたらどうなるんだろうと思い、朋也のものを更にきつく締め上げた。





……





「あんまり見つめないでください」

 恥ずかしがり屋な椋は全裸で添い寝をする時にいつもそう言う。……そして言いながら必ず両腕で胸を隠していた。

「何度しても見られても、恥ずかしいものなの?」

「そういうものなんです」

 照れた椋はぷいと横を向いてしまい、黙り込んでしまう。決して今までの行為が物足りないわけではないけれど、朋也はふと試してみたくなってきた。自分の彼女をどこまで恥ずかしくさせられるのか、と。

「例えばさ」

 朋也は単刀直入に問う。どんなことまで耐えられる? と。 朋也の質問に椋の顔は真っ赤に染まっていく。

「どんなことでも、大丈夫ですよ」

 健気な椋は微笑を見せながらそう答えた。その笑顔に朋也は何か込み上げてくるものを感じ、背筋を震わせる。サディスティックで意地悪な感情はしかし、これから始まるハードな展開を予感させるものだった。可愛くも儚げな彼女を徹底的に犯すように汚し感じさせてみたいと、ど変態野郎な朋也は思ってしまったのだから。





……





 ある日のこと。

「と、朋也くん」

 心細そうに、恥ずかしそうに呟く椋。今日のデート先は何故か休日の学校。当然の事ながら校門もしっかりと閉っていて、誰かがいる気配もやって来そうな兆候もまるでない。だからと言って絶対ではないわけで、何でもできる訳ではない。それなのに朋也は椋にとんでもないことを強要してきた。

「ここでするか」

「え?」

 呆気にとられ、椋は思わず問い返してしまう。真面目で常識的な彼女にとって、余りにも非常識な提案なのだから当然のこと。

「ここでしようかって言ったんだよ」

「そ……」

 固く閉じられた門を強引に乗り越え、学校内へと侵入した二人。勿論乗り越える際に、朋也は椋に散々『やめましょうよ〜』と困り果てた口調で言われたのだがなんのその、聞く耳などまるでもっていなかった。ともかく彼らが今いる場所は中庭。それはいつも朋也が椋や杏達と一緒に昼食をとっている所。楽しくて、緑に溢れた居心地のいい場所。彼らにとって日常そのもの。

「似合ってるぞ」

「はぅっ」

 朋也が誉めてくれる。椋は今、制服を着ていた。学生ならば当然のことで、何ら不思議に思われることではない。……が、普段の様子とは決定的に違う事が一つあった。椋がさっきからずっと落ち着きなくもじもじしながら恥ずかしがっている理由。それは他でもなく、制服が原因だった。いつも着ているものとはまるで違う、白い上着に紺色のスカート。それに加えて真紅のスカーフと、更に襟と袖には紺色と白のチェック柄という、余りにも典型的かつスタンダードすぎるデザインのセーラー服なのだから。朋也がどこでどのようにしてそのような古典的な制服を手に入れたのかなど、椋にはさっぱり分からないが、ともかく朋也の熱烈なリクエストによってそんなものを強引に着させられていたのだった。

 勿論椋は何度となく朋也に問い詰めた。どうして違う制服なのですか? どこで手に入れたのですか? 一体どこの学校の制服なのですか? 等などといっぱい。けれどその度に朋也ははぐらかすように言う。いつもの制服も勿論可愛いし似合うけれども、と前置きをして。気晴らしだ、だの。違う制服の椋を見てみたかっただの。朋也の本音は全く別の所……。

 他校の制服を半ば無理やり着させられ、違和感と不安感に椋はびくびくしてしまう。何だかとてつもなくいけないことをしていると強く思い、猛烈な恥ずかしさが込み上げてくる。朋也が椋に違う制服を着せたのはただ恥ずかしがらせるため。そんなことのためにそんなものをわざわざ用意したのだ。きっとこれから恥ずかしいことをされてしまう。どんなことかはわからないけれども、椋は鼓動の高まりが治まらなかった。

「後ろ向いて」

「あ……」

 朋也は椋の細い手首を掴んでベンチに付かせ、紺色のスカートを手早くまくり上げる。そうして露になったショーツをぐい、と一気に降ろすと既にしっとりと濡れてしまっている秘所が剥き出しになる。心の準備をする間もなくそんなところをむき出しにさせられ、椋は目をきつく閉じて弱々しく拒否の言葉を呟く。

「だめ、です。こんなの……」

 それでも椋は抵抗しない。この前朋也に『何でも大丈夫』と言ったのだから。嘘をつきたくなかったし、朋也の期待に答えたいと思ったのだから、ちょっとやそっとのことは我慢しようと決意する。そうしているうちに朋也のもの……熱い感触のぬめりを帯びた先端が押し当てられ、椋は息を飲む。ピタッと動きが止まり、次の瞬間一気に挿入されそうな気配を察っし、椋は朋也を思い止どまらせようとする。

「待って! と、朋也くん! だ、だめ……です。こんなとこで……。だ、誰かに見られちゃいます!」

「誰もいねえって。門閉ってただろ?」

「そ、そうだけど」

 それでも絶対に誰もいないとは断言できない。休日なのに何故か学校に来ている物好きがいないとも限らない。例えば自分たちのような。同じようなことを考えている者は……恐らくいないだろうけれども。

「それに、着たままならわかんねえよ」

「で、でも……」

 椋が怯えるのも当然のこと。ただでさえ目立つ格好なのだから。他の場所ならともかく、この場所にはあまりにも不自然な他校の制服。その上更に、こんなところで交わり一つになろうとしている。椋が躊躇していると、突如朋也が寂しそうに言う。それは椋にとっては拒否できない言葉。

「嫌なのか?」

「あ……」

 椋の秘所にあてがわれた先端が離れていく。もしかすると嫌われてしまったかもしれないと思い、やるせなさを感じながらも椋は小さな声で言った。そうではないのです、と。

「嫌じゃ……ない、です。ただ……恥ずかしすぎて。違う制服で、中庭で……だから」

「恥ずかしくさせるためにやってるんだけどな」

「は、い。だから……その……」

 朋也の本音がこぼれるように出る中、椋は正直に胸の内を語り始める。

「戻って来られなくなっちゃいそうで……」

 目を伏せる椋に対し、朋也はふ〜んとか言いながら椋の白い首筋にキスをする。そうして耳元で囁いた。

「……はい」

 一緒なら、戻って来れなくてもいいだろう? その言葉に椋は静かに頷いた。そして椋はふっと息を止める。朋也の両腕が椋の腰をがっしりと掴んでいる。挿入が間近い予感。もう拒否する口実も余裕も全く残されてはいなかった。

(あ、ああっ! 入っちゃいます……っ!)

「いくぞ」

「はぅっ!」

 ずん、と強い衝撃を感じる。朋也のものが一気に奥まで入ってきた証拠。

(ああ、あ、あ……。私、こんな……。外で……。学校、で。中庭……で。こんな……違う制服なんて着ながら……朋也くんと)

 屋外で、よりにもよって学校内でしてしまったという猛烈な恥じらいと、後悔にも似た罪悪感が一気に込み上げてくる。それに加えて絶対に拒否できないという、金縛りにでもかかったような不思議な気持ち。辺りには春の陽気。さんさんと明るくかつ、ぽかぽかと暖かいはずの陽光が肌を刺すように痛く感じられる。きちんと服を着ているのに、裸にされてしまったかのように思えてしまう。

「あ、あっ!」

 椋の思いなど構わずに朋也が強く突いてきた。二度、三度と強く揺さぶられ、必死に掴まっているベンチも揺れ、ぎしぎしと音をたてる。

「どうだ椋。こんな所でやるのは」

「は……ずかしいです。あっ!?」

 突如、体を起こされる。そうして朋也はまたとんでもないことを言うのだった。

「このまま、向こうに行こうぜ」

「え……」

 一つに繋がったまま歩けと朋也は言っていた。朋也が言う向こうの方とは、それは屋外とは言え木々と緑とに囲まれている中庭と比べ、何一つ遮るもののないグラウンドの方に他ならなかった。そんなことされたら……。椋は息を飲む。

「だ、だめ……。あ、あ! こんな……だ、誰かに……誰かに見られちゃいますっ! あぅっ!」

「誰かいたら走って逃げれば大丈夫だ」

「そ、んなの……あ、んっ! あひっ! あっ!」

 無理、と言いたかったけれど打ち付ける衝撃によって声がかき消されしまった。押し上げるように、突き出されるように椋は前のめりになってしまい、結果的に歩みを進めることになった。

「あっあっあっ! ああああっ! や、あっ! そ、そっちいっちゃだめです! あっあっ!」

 椋は半ば半狂乱になっていた。込み上げてくる喘ぎを堪えるために唇を固く結びつつ、どこか周りに自分達を見つめる視線が無いかを気にして目を見開いていた。それらの行為が何の意味も持たないことだと分っていつつもどうしようもなかった。強引に奥まで押し込まれては引き抜かれまた押し込まれる。そんなことを何度となく繰り返されながらも歩みを続けさせられ木々の間を抜け、視界が更に開けていく。雲一つ無い青空がとても高く見え、余りに無防備で恥ずかしすぎる格好に椋は何度も体を震わせる。意地悪な朋也は構うことなく椋の華奢な体を持ち上げては突き上げる。

「あぅっ! はぅっ! は……ずかし、い……です。あ、あ、や……。はずか……しいぃぃ……。だ、めぇぇ」

 狙い通りの反応に、朋也は嬉しくなっていた。何度も恥ずかしいと呟く椋に対し、更なる意地悪な行為に出る。

「椋は恥ずかしがり屋だな」

「だ……って」

「そんなに恥ずかしいのなら、もっと恥ずかしい目に遭わせてやるよ」

「え?」

 ずにゅ、と一瞬朋也のものが一気に引き抜かれる。そしてあっと言う間にぱさっと、何かが落ちる音がした。とても軽い感触。僅かな空気抵抗を受けてふわりと宙に舞うもの。それが自分が身に付けていた紺色のスカートだとは、椋は一瞬わからなかった。

「はぅっ!! あ……あ……あ……っ! と、朋也くんっ! 脱がしちゃいやあっ!」

 朋也は手早く椋の足を上げさせ、地面に落ちたスカートを奪い去る。既に椋のショーツはずり降ろされて、右足の足首辺りに巻き付いていた。こうして椋はあっという間に下半身むき出しの状態にさせられてしまった。

「ああああっ! ああああああっ! あ、あ、あっ! そんな……っ! そん……なっ! はぅっ!!」

 それまではまだ服を着ていたのだから、体の恥ずかしい所や行為をしていること自体を覆い隠していられたのに、あっという間に一番恥ずかしい所をむき出しにさせられてしまった。椋は目を大きく見開いて、恥じらいの余りわなわなと震えていた。

「と、朋也くん! スカート、返して……!」

「返さない」

「そんなっ!」

 遮るもの一つない椋の秘所とお尻の割れ目が露わになり、薄い毛に覆われた中に割れ目が見える。そしてその中へと朋也の大きなものが飲み込まれていく。二人は繋がったまま中庭を越え、グラウンドの方へと向かう。辺りは静けさに包まれていたけれど、椋にとってはそれが逆に怖かった。

「セーラー服の半脱ぎって最高にえろいよな」

「あ、ああぁぁ! あ! あ! あぁぁぁ! み、見えちゃう! 見えちゃう! だ、誰かに……誰かに見られちゃう! こんなのだめええぇ!」

 ヒラヒラした上着とスカーフが椋の羞恥心を徹底的に揺さぶる。

「見られそうになって逆に感じてんじゃないのか? すごく締め付けてくるんだが」

「ちが……ちがいま、す……。あっ」

 ふと、椋は何かに気付く。

「あ、あの。朋也くん。スカートは……」

「ああ。捨てた」

 朋也に奪われるようにして脱がされたスカート。さっきまで手に持っていたのに、いつのまにか無くなっていた。一体いつ、どこに? そう思う椋をあざ笑うかのように、朋也はあっさりと云い放つ。

「はぅ!」

「冗談だよ。ちょっと隠しただけだって。……そろそろ、いくか」

「え、あ? ……あっあっあっあっああっ!」

 朋也の突き上げが急に早く激しくなっていく。

「あ、ああっ! だ、だめ……だめ、だめ、だめぇぇっ!」

 朋也は椋をグラウンドの方へと連れていく。サッカーのゴールが設置された辺りに差しかかると、椋はだめ、と拒否の言葉を繰り返した。

「あ! あ! あ! ああああっ! も、もう……だめえええ。恥ずかし……すぎて、私……あ、あ、あ!」

「そろそろ、いきそうだ」

 丁度グラウンドの中央辺りに差しかかる。羞恥のあまり全身を震わせ、同時に朋也の突き上げに喘ぎ、達した。

「椋はどうなんだ? いきそうじゃないのか?」

 もう誤魔化すことはできなかった。遂に白状させられてしまうのか、あるいは素直になれたのか。

「あ、あ……あっ! わ、たし……も。いっちゃい……ます」

 そっかと言いながら朋也は笑い、突き上げの速度を更に速める。

「あああああっ!」

 熱いものが椋のお尻に叩きつけられるように放たれた。






…………





「椋。隠すなよ」

「そ、んな……」

 二人して絶頂を迎えた後のこと。朋也に連れられていろんなところを強制的に散歩中。その間椋は羞恥の渦に叩き込まれ、ひたすら両手で股間とお尻を押さえ隠していたのだが、それを朋也に咎められる。

「手は背中って言っただろ。……それともいっそ全裸になってみるか?」

 もはや隠すことすら許してはくれない。脅しとも言える言葉に椋は震える。

「い、や……」

「半脱ぎと全裸。どっちが恥ずかしい?」

「……」

 そんなこと答えられるわけが無い。そして無意識の内に両手でまた隠してしまう。状況が状況なだけに無理もない事。

「あ、また隠した。仕方がないな」

「え……。あっ!?」

 朋也は椋の背中に回る。そしてどこから取り出したのか、革のバンドで椋の両手をがっちりと縛り上げてしまった。

「朋也くん! そんなっ! あっ、あっ!」

 もはや隠すことすらできなくされてしまった。椋はやるせなさに頭を振る。

「嫌がってる割には濡れてるんだが」

「あ……」

 朋也の手が椋の秘所に触れる。僅かながら、そこは濡れていた。

「このまま、さ。俺がいなくなったらどうする?」

「そんな、の……」

 どうしようもないに決まってる。家に帰ろうにも、誰かに連絡をとって助けてもらおうにも、何と言えばいいのだろう。何故とてつもなく恥ずかしい格好でいるのかを説明することは到底できない。信頼できる人達……両親であれ姉であれ、友達であれ先生であれ。それどころか、そんな趣味があると思われてしまうかもしれない。

「このまま校門とかに縛り付けておいたらどうなるだろうな?」

 朝……。学校の誰もが通る門にて、半裸で縛られている椋を見たとしたら、間違いなく大騒ぎになるだろう。事件性を帯びたものとなり、実際には絶対にできることではない故の背徳感。

「やっ。はぅぅ……」

 一瞬想像したのか、椋の足を一筋の滴が伝って落ちていった。

「椋ってMだよな。完全に」

「そ……」

 そうなのだろう。朋也の言う通りだと椋は思う。体育館へと繋がる渡り廊下を越えて校舎の裏側へと進んで行く途中、何度となくぽたぽたと滴り落ちていくものがそれを証明していた。

「中に入るか」

「……」

 廊下にはやはり誰もいない。当然の事だ。だが、それがもし当然ではないとしたら? 誰もいないことに安心すると同時に、どこか残念だと思っている自分を知り、椋は愕然としてしまう。自分は一体どうなってしまったのだろうか、と思ってしまう。

「また濡れてきたぞ」

「……はい」

 椋はもう認めるしかなかった。足を伝う滴は既に一つだけではなくなっていたのだから。

「どこに行くんですか?」

「そうだな」

 朋也は少し考えてから言った。





…………





「あぅ……」

 自分達がいつも授業を受け、友達と談笑したりタロットカードを使った占いをして遊んだり、時に退屈している教室。日常そのものと言うべき場所。椋は今、その最前列にある教卓の上に座らされ、大きく股を開かされていた。かたく目を閉じていると、突如光を感じる。朋也が写真を撮っている。ぱしゃ、とシャッターを切る電子音が僅かに響いている。

「いい格好だな」

「は、ぅ……」

 恥ずかしいところも何もかも丸見えだった。その上写真だなんて。これがもし誰か別の人だったら、卒倒していそうだ。

「おとなしくて真面目なクラス委員長が実は淫乱で、下半身露出しながら教卓の上で大股開きとはね。それもあそこをぐしょぐしょに濡らしながら」

「言わないでください」

 反論できずに椋は目を伏せるが朋也は構わない。

「いいや、言わせてもらう。椋は恥ずかしい恥ずかしい言いながら結局興奮してるんだよな。嫌よ嫌よも好きの内って言うし。俺の彼女は淫乱な変態だったんだな」

「……」

 違う、とは言えなかった。ただ朋也の容赦ない言葉責めに耐えるだけ。

「授業中もえろいこと想像して濡らしてるんだろ? パンツがぐっしょりになって、本気でオナニーしたくなってるのを堪えてるんだろ?」

「……」

 椋は答えない。朋也は更に意地悪になっていく。

「答えろよ。この写真晒されてもいいのか?」

「え……」

 本気なのか。あるいはただの意地悪で言っているのか。無論後者であることは確実なのだけど、一瞬疑ってしまった。自分が悲しくなり、朋也に申し訳なくて仕方がない。けれど、仮に朋也の脅迫が本物だったとしても、言いなりにされたいと思う事だろう。写真をネタにされてどんなことでも強要される奴隷になってしまう事だろう。それでも構わないと椋は思った。

「朋也くん……」

 両手の拘束が解かれる。椋は何故だろう、と疑問思ったけれど理由はすぐに明らかになった。

「あ……」

 手渡されたのは、男性用の髭剃りとシェービングフォーム。朋也は最初からこんなことをするつもりで持ってきていたのだろう。

「そ、剃るん……ですか?」

「嫌ならいいんだぞ。その代わり写真晒されるだけだけどな」

「あぅ……」

 一瞬想像してしまう。ある日の学校。いつもとなんら変わることのない一日。そのはずだった。だが、椋が学校に行くと様子が一変する。

(あ……)

 椋の痴態が堂々と晒されていた。教卓の上で大股開きをさせられている写真。全裸で誰かと交わり、乱れている写真。スカートを脱がされ半裸のまま犯されている写真。顔中を精液まみれにさせられながら尚も男のものをくわえ込まされている写真。全てがばら蒔かれ、人の目に触れることとなった。

(お姉ちゃん……)

 気が付くとすぐ側に杏がいた。誰かに怒鳴り散らしながらわなわなと震えている。怒りと戸惑いと悲しみと裏切りとが入り交じった複雑な感情で、反論できない悔しさに苛立っている。溺愛していた妹がとんでもない色魔だったなんて……もはや怒られるなどという次元ではなかった。

(あ、あ……っ! い、いやぁーーーっ!)

 椋が登校してきたのを知り、男子生徒たちが血走ったまなざしを向ける。杏の制止ももはや多勢に無勢。いつしか椋は連行されるようにして両腕を捕まれ、男子トイレの中へと連れて行かれる。声を出そうにも既に口内にはハンカチを何枚も押し込まれていて、うめき声すら僅かにしか聞こえない。

(朋也くん……!)

 助けて、とは言えなかった。当の本人が恋人である椋を売り渡したのだから。身動き一つとれないまま制服が強引に引きはがされていく。男達はボタンを外すのもまどろっこしく、椋が着ている制服の上着を左右に引き裂いた。椋がもがいた拍子にめり、と音を立ててブラウスが破けてしまった。ブラも、ショーツもひったくられるように剥ぎ取られていく。体を何度もひっくりかえされ、椋は遂に犯された。お尻を高く上げさせられ、乱暴に突かれた上に口内奥深くまでしゃぶらされた。左右の手で男のものを握らされ、しごかされた。休むことなく行為は続いた。一度や二度の事ではない。何度も……。

 その日の椋は先生にも、友達にも、誰にも見つかることなく一部の男達によって犯され続けた……。

「あ、あ……。朋也く、ん。だめ……。そんな……。私は……朋也くんとだけ……あ、ぅ」

 どんなことを想像していたのか、すべて朋也には丸分かりなのかもしれない。

「ふうん。……で、今からどこを剃ろうとしてる?」

「は、い。私の、おま○この毛を……全部剃っちゃいます」

「随分大胆になったな。そんな恥ずかしい言葉を平気で口にするなんて」

「はい。……だって、私は……変態です、から」

 小刻みな吐息が熱い。椋は自分の妄想を言葉にし始める。

「えっちなことしてる写真をみんなに見られちゃって……。その後の事を考えて、みんなに襲われて……いっぱい酷いことされて。嫌なのに……それなのに何故か恥ずかしさが込み上げてきて……いっぱい濡れちゃうんです」

「すごいな椋は」

(あ、あ……)

 椋は更に妄想を膨らませる。……先程の妄想と似ているけれど違う展開。今度は空き教室に連れ込まれ、仰向けに寝そべる朋也の上から股がされ、挿入させられた。そうして言われるがままに腰を上下に動かされていた時のこと。

(春原。来いよ)

(え……!?)

 椋は背後に気配を感じる。そこにいたのは朋也の悪友、春原だった。

(入れさせてやるよ)

 そんな行為に罪悪感を感じるどころか喜ぶゲス野郎の春原。実際の春原はそんなことをしたりするような人間ではないのだろうが、とりあえず妄想の中ではそんなキャラクター設定にさせられていた。

(ほ、本当っすか!?)

(そ、そんな。朋也くん!)

(こ、これで僕も夢にまでみた童貞喪失を!)

(ただし。……後ろの方にな)

(はうっ!)

 突然朋也にお尻の穴をほじられ、椋は上ずった悲鳴を上げる。

(入れていいのなら前でも後ろでも大歓迎っす! じ、じゃあ岡崎、早速入れるよ!)

(ああ、ゆっくりな。椋が痛くないように)

(まかせて! ほら委員長、暴れないで)

 喜び勇んだ春原がそそりたったものの先端を押し当ててくる。椋は必死に拒否の言葉を繰り返す。

(ま、待って! だめ! だめぇっ! 春原君だめえええっ! やめてくださいっ!)

(待たないよ〜。う……。やっぱお尻はきついな。委員長、もっと力抜いて)

(あ、あ、あ!)

 ゆっくりとわずかにずぶずぶとめり込んでいく感触。二つの穴が男たちのものによって侵入させられていく。椋は苦痛の余り目を見開いて喘ぎ、絶叫した。

(ひああああああっ! だめええええええっ! あーーーっ!)

 けれど同時に気付いてもいた。苦痛から生まれるだけの絶叫ではないことに。揺さぶられ、意識がはじけていく。椋は無意識のうちに腰をくねらせていった。

 ――いつしか椋は、そんな妄想まで口に出して説明していた。そうしたら朋也は大いに呆れ果てながら言った。

「ないない。それはない。絶対ない。何で俺が春原なんぞに愛しの彼女を汚させなきゃならんのだ。あんな馬鹿野郎に。あり得ない」

 ぶすっとした表情の朋也。流石にいくら何でもそれはないと断言する。

「は、い。わかってます。わかっていて……」

 それでも想像してしまっていたのだったから仕方がない。朋也の表情がおかしくて椋はくすくす笑ってしまう。

「想像力豊か過ぎるな」

「はい……」

「しかしその想像はあまりにもひどい。いじめているつもりがいつの間にか遥かに凌駕されてしまった気分だ」

「はい」

「お仕置きが必要だな」

「は、い」

 しょり、しょり、と剃られていく毛はやがて全て無くなってしまい、割れ目もお尻の穴も全てが丸見えになる。

「あ……」

 何の気なしにつぷとお尻の穴を弄られ、椋はとっさに足を閉じようとして朋也の頭を挟んでしまった。二人そろっておかしくなり、笑ってしまう。

「後でこっちにも入れるか」

「はい!」

 何故だか心底うれしそうな笑顔を見せる椋だった。





…………





 二人の過激なデートは続く。次の舞台とも言うべき場所は男子トイレ。

「ほら、座れよ」

「は、い」

 相変わらず上履きと普段とは違う紺色のソックスと、セーラー服の上着だけという羞恥極まる姿の椋。男子トイレの小便器に腰掛けるように言われ、抵抗することも嫌がることもないまま従う。

「あぅ……」

 細長い容器の中に、椋の細い体はすっぽりと収まってしまう。センサーが働いたのか自動的に流水が起こり、椋の髪も背中も、お尻まで完全に濡らしていく。冷たい感触に椋は体中を震わせるけれど、その場から離れることは許されなかった。

「本当に、公衆便所って感じだよな」

「はい。私は朋也くんの……公衆便所、です」

 とんでもない言葉がごく普通に込み上げてくる。吐息が熱い。どんどん自分が自分ではなくなっていく気がして、背徳感に鼓動も早まって行く。

「ほら。しゃぶれよ」

「ん……」

 突き出されたものを言われるままにくわえ込み、しゃぶる。しっとりと湿った唇が肉棒を包み込み、前後になで回す。

(私。朋也くんの……おしゃぶり、してる。こんなとこに座りながら)

 腰掛けている場所が場所なだけにとても恥ずかしくもはしたない行動をしていると今更ながら自覚してしまう。そしてそれが尚も気持ち良くてやめられず、病み付きになってしまう。

「ん、ん、んぐぅ」

 ぐいぐいと奥まで容赦なく押し込んでくる朋也。椋は小さな口を目一杯開けてくわえ込む。とろけるように唾液が分泌され、じゅぷ、じゅぷ、と粘り気のある水音が口内で響く。

「本当にAVみたいだな」

 朋也は感心したように言う。

「椋ならデビューできるんじゃないか? 可愛いし。上手だし、スタイルもいいしそれになにより可愛いし、どMだし。卒業後の進路はもう決まりだな」

 傍から見れば酷い言動。素直ではないし遠回しだけれども、それは多分上手だと誉めてくれているのだろう。椋は嬉しくなってしまう。いやらしいと言われても、今は嬉しい。でも、一つだけ言いたいことがある。そう思い、くわえていたものを離してしまう。

「朋也くんに、だけです……」

「誰が離していいっていった?」

「は、いぃ」

 朋也の刺すような視線に、椋は逆らえなかった。じゅぷ、じゅぷ、と喉の方まで犯し汚す音が響いていく。椋は呼吸がうまくできずに苦しそうにしながらも一生懸命だった。だらだらと唾液がこぼれ、あごを伝わり椋が唯一身につけているセーラー服の上着をどろどろに汚していく。もう、服などどうでもよかった。汚されたセーラー服。それは自分を恥ずかしがらせるための、朋也を興奮させるための衣装であり、それを着ている今の椋はペットか奴隷か人形のような存在なのだと自覚していった。

「出る!」

「けほっけほっ」

 突如、朋也が達した。一度、二度、三度と濃厚な精液が椋の顔中を汚していく。引き抜かれた衝撃で軽くむせてしまう椋。しかし、驚きはその後からだった。

 射精を終わらせた朋也はそのままの態勢を維持し、そして……。

「あ、あ、あああああっ! けほっけほっ! と、もやく……んんんっ!」

 しゃあああ、と勢いよく椋の顔を目がけて放尿が始まった。

「んぐうううううっ!」

 あまりにも信じられない、とんでもない行為だったが、椋は口も目も堅く閉じたままひたすら耐え続けていた。上着もスカーフもブラまでもが濡らされ、布地が透けて肌が見えてしまう。丸く、大きめの胸も小さな乳輪も乳首も全て。

(あ、あ、熱い……です! あああああああっ!)

 息すらできない、もしくはしたくない時間が続いていく。びしゃびしゃと乱暴な滴が椋の顔にぶち当たり続ける。それでもやがては勢いが衰え、止まる。椋ははふぅとため息を一つつき、犯される快感に酔いしれていった。

「んぐ……」

 すぐさま再び朋也のものが椋の口内へと侵入し、汚し尽くす。ぐぽ、じゅぽ、じゅぷ、とぬかるみを歩むかのような感触。朋也のものをくわえ込みながら、椋は時折こくんと軽く喉を鳴らし、飲んでいる。

「んんんぅっ!」

 喉の方にまで侵入されて、体が熱に犯されたように火照っていく。

(ああ……。熱い。苦くて……しょっぱいです……。私、朋也くんの……精液とおしっこ……飲んでる。あ、あ……。すごい、です)

 椋が無我夢中になりながら口で愛撫を続けていると、朋也は言った。洗ってやるよ、と。椋が何のことか分からないで首を傾げていると……。

「あ……。きゃっ!」

 ばしゃ、と水音。バケツいっぱいの水が椋の体に叩きつけられた。そして今度はホースを持ち出してきた。

「あ、あ、あ! うぶっ!」

 ホースの先端を潰し、椋の体を隅々まで濡らしていく。顔も、胸も、お腹も、股間も全て。椋はただきつく目を閉じて耐えるだけだった。椋の体は辺りの床と同じようにずぶ濡れになっていた。

「あ、あ……」

「立てよ」

 ひとしきり椋を水攻めにして楽しんだ後。朋也は椋の脇に手をかけて立ち上がらせる。そして、体を便器に押し付ける。

「出せよ。男用のトイレでして見せろよ」

「い、やぁ……」

 しかし、既に椋は抵抗するだけの力も意志もなかった。

「あ、あ、あぅ……あぅ。こんな……」

 立ったまま、男性用のトイレにて用を足しはじめた。戸惑い、ためらいながらも結局は朋也のいいなり。あまりにも恥ずかしい時間はしかし、中々に進んではいかない。

「や、あ、あ……。は、ずかし……いぃぃ」

 最初はちょろちょろと少しずつ、やがてじょろ、っと勢いの良い音を立て、垂直に落ちて行く。しかしそれだけでは終わらない。突如背後から違和感。ずぶ、とめり込む感触。

「え……あっ!? はぐっ!」

 椋のお尻に朋也のものが押し当てられ、入っていく。

「ああああっ! と、朋也くん! そこはだめぇっ!」

「力抜いて」

 椋は全身を震わせながら耐えるも、朋也のものは確実に中へと入っていく。

「ああああああっ! あああああああっ! あひいぃっ!」

 椋が絶叫し、震える度に流れ落ちる滴が乱れて飛ぶ。朋也はゆっくりと腰を前後に動かし始める。椋の華奢な体が押し込まれるように揺れる。

「あ、あ、あ!」

「溜め込んでいたんだな」

 椋の放尿は十数秒間続いた。滝のようにこぼれ出た滴が椋の足を伝いつつびしゃ、と音を立てて落ちていき、上履きと床を濡らす。朋也のものは尚も出入りを繰り返す。突きを繰り返す度に椋は目を見開き、涙をぽろぽろとこぼしながら上ずった声をあげる。

「っと。出る」

「あひっ!」

 朋也はあっさりと達していた。熱いものがお尻の中へと注ぎ込まれていく。その瞬間、締め付けが最高潮に達し、朋也は目を閉じる。

「あ、あ……。も、もう……だめです。こんなの、恥ずかしすぎて……私、もう……」

 極限の羞恥に椋は下半身の力が抜けてしまい、自ら作り出した水たまりの上にぺたんと座り込んでしまう。

「折角洗ってやったのに、椋は悪い子だな」

「……はい」

 お仕置きが必要だな、と朋也は言った。椋は脅えと共にどこか期待している眼差しで朋也を見上げる。背筋には寒気のようにぞくりと来るもの。

 ――そしてすぐに男子トイレの中にて絶句する椋。

「……あ」

 相変わらずセーラー服の上着だけを着させられている椋。しかし、今はまた違う。ブラを外され胸の部分まで布地をまくり上げられるという、極めて変態的な格好にさせられていた。それだけではない。更に朋也は麻縄で椋の胸を絞り上げるようにきつく縛り付けた。ただでさえボリュームのある胸は縛り付けられたことにより更に盛り上がり、大きく見える。それにつられたのか、先端の乳首は大きく勃起していた。

「ん、あっ」

 両胸をむんずと乱暴に捕まれ、椋は切ない声を出してしまう。

 しかし、本当に刺激的なことはそれだけではなかった。椋の格好は四つん這い。そして股間には細長いものが突っ込まれていた。

「自分で汚したところは自分で掃除しないとな」

「う、う……」

 突っ込まれているものはモップの柄。それで漏らしてしまいできあがった水たまりを掃除しろと朋也は言っているのだった。

 椋は必死にその周囲を行ったり来たりする。抜けないように下腹部に力を入れ、何度となく。

「あ、あ……。いじめられて……私。感じちゃって、ます」

  快楽の涙をこぼしながら男子トイレの床を這いずり回る椋。そんな姿を写真に撮られ、その度に熱いものが更に込み上げる。

「は……ずかし……いぃぃ……」





その日の仕上げは最高。





「う、ふ……ぅ」

 再び外。校門近くの桜並木。

 殆ど裸の状態で外に連れ出された椋は、更に過激な格好にさせられていた。はいていたショーツを丸めて口の中に押し込められ、そして同じように着けていたブラをくわえさせられていた。

 そのうえ首には鎖のついた首輪。そんな状態で外を引き回され、椋はただ喘ぐだけだった。

「ふ、うっ。ふひぃぃっ!」

 突如、朋也はフック状のものを椋の鼻に付け、引っ張る。椋は悲鳴を上げながら涙をこぼす。けれど、嫌ではない。絶対にそうだ。椋は全身を震わせながら、込み上げてくる快感を貪る。

(ああああっ! 気持ち……いいです! もっと、もっと……いじめてください!)

「入れるぞ」

「う、ふっ! ううううっ!」

 ずん、と強い衝撃。また、入ってきた。

(あ、あああ……。すごい。私……。)

 締め付けが強くなり、朋也はきつく目を閉じている。

(こんなの、はじめ……て。あ、あ。いじめられて……感じてる。私……。学校で、こんな格好で……恥ずかしいのに……誰かに見られたりしたら……。なのに……)

 いつしか椋は腰をくねらせていた。それに合わせて朋也の突きも早くなっていく。

「んぐ! んふ! ん、ん、ん!」

 下着をくわえさせられた口元からは涎がこぼれ落ちていく。終わって欲しくない時間がどれ程続いたのかはわからないけれど、やがて二人は同時に絶頂を向かえる。それがとても名残惜しくあり、椋は更に朋也を求めてしまう。

(あ、あ、あ……恥ずかしくて……気持ちいい、です)

 引き抜かれ、射精。椋の顔目がけて大量の精液がかけられていく。

「あふぅ」

 椋は恍惚とした表情のまま、笑顔でそれを受け止めた。





仕上げはまだまだ続く。





「ふ、うぅぅ……!」

 とっくにブラを剥ぎ取られ、外気に晒されて完全に起ってしまった乳首。朋也は細い糸で椋の乳首と乳首を結んでは繋ぎとめ、糸の中央辺りを椋に口でくわえさせる。ぴん、と張り詰められた糸により乳首が引っ張られる。それこそ引きちぎられそうなくらいに。

「今度。もっと恥ずかしい格好させてやるからな」

「う、う!」

 歩みを進める度に糸が震え、乳首ごと胸が揺れる。けれど、苦痛が逆に快感になってしまう。淡い桜色の乳首は心なしか、ほのかに赤く染まっている。

「ともやく……」

 糸をくわえたままなので上手く喋れない。

「どうしてほしい?」

 願望をそのまま口にしてみる。

「私の乳首を……しゃぶって、ほしいで……す」

 毛を剃られ、全てが剥き出しにさせられた椋の秘所からは、いやらしい露がとめどなく流れ落ちていき、靴下と靴を濡らしていく。

 朋也の顔が椋の胸へと近づいていく。それは新たな喘ぎの発端となった。

 ――既に校門が近い所まで来ていた。相変わらず交わりながらも歩みを進める。朋也は椋の体を持ち上げ、門の上へと座らせる。

「あ、ひぃ。も、もぉ……出ない、です。あ、ぅ……」

 そんなところで尚も強要されるけれど、ちょろちょろと弱々しい雫が僅かにこぼれるだけ。お仕置きとばかりに椋は門の外へと連れ出される。

「あ、あぁぁぁ! だ、め。外……。そ、と……あ、あ、あ!」

 学校の外での行為は更に刺激的。朋也と椋は交わり続けながら坂を少しずつ下りていく。ただ弱々しく震えるだけだった。





こうして、二人のあまりにも過激すぎるデートは終わりを告げる。





ある日の放課後。





「帰るか」

「はい」

 夕暮れ時の事。一緒に帰宅しようと朋也が椋に声をかけたところ、腕を引かれ人の姿も見えない物陰に誘われる。

「椋……?」

 椋は極めてさりげなく、朋也の股間に手を押し当てた。ズボンの上から触れ、何度となく撫でてみる。

「朋也くん。いいですよね?」

「え?」

 素早く跪き、ズボンのチャックを降ろす。早業だった。

「お、おい椋。何を……」

「おしゃぶりです。ずっとしたくて、我慢していたんです。朋也くんのおち○ちんをおしゃぶりしたくて……」

 授業中ずっと。さぞかし長い時間だったのだろう。

「誰かに見られるぞ」

「ここなら大丈夫ですよ」

 そう言いきれる根拠などどこにもないのに椋は平然としていた。細く白い手で朋也のものを握り、弄ぶ。そして迷う事なくしゃぶりついた。朋也はただ呆気にとられるばかり。

「ん、んん、ん、ん、ん……」

 その愛撫はとても的確で丁寧で、とろけるように気持ちよかった。椋は朋也のものから口を離し、上目遣いでクスッと笑って言った。

「いっぱい感じてくださいね」

 ぺろりと舌で唇を舐める様がとても淫靡に見える。椋は、自分でも素質が充分なのだろうと自覚していたけれど、言わずにはいられない。

「私がこんなにえっちになっちゃったのは、朋也くんのせいなんですからね」

 そしてまた、呆然とする朋也のものを愛撫し始めるのだった。

「実は今日、パンツはいてきていないんです。家からずっと。だからいっぱい濡れちゃって、休み時間にトイレでオナニーもしちゃいました。声を出さないようにするのが大変でしたけど、見つかったらと思うと……気持ちよくなっちゃって」

 手で朋也のものをしごき、舌で先端をなめ回しながら椋は言う。

「また入れてくださいね。私のおま○こをずこずこばこばこいっぱい突いてください」

 酔いでも入ったかのように淫靡な台詞を繰り返す。――その願望はすぐに満たされることになる。





…………





 体操着姿の椋。実はそれは椋のものではなく、杏のスペアをこっそり借りていたものだった。

「お姉ちゃん……。お姉ちゃん、ごめんなさい。私……」

 例えばそれは誰もが帰り、いなくなった教室。杏の机の上でオナニーをしながら罪悪感に打ちひしがれる。いやらしい愛液がしたたり落ちていくのが逆に嬉しくて、指の動きが更に速まっていく。

「ん、ああ! あ、ん……!」

 既に何度か交わり、机の上に出された精液を舌で舐め、拭きとらされる。そして極め付け。

「あ、あ、あああああ! やっ! だ、めええええ! 気持ちいいいい……止まらないいい! ごめんなさい! お姉ちゃん……ごめん、なさ……い。あ、あ、ああああっ!」

 拒否の言葉を言いつつも止まらない。机の上に立たされ、放尿。びしゃびしゃと大量に流れ落ちて行く液体が靴下も上履きも机はおろか椅子も床までも濡らしていく。この事実を、行為を、杏が目の当たりにしたら何と言うことだろう。

「あ、あ、あ! ああああんっ! い、いっちゃいます!」

 直後に机にしがみつきながら背後から激しく突かれる。椋も負けないように淫らに腰をくねらせる。ぎしぎしと揺れながらもそのまま達するまで行為は続く。

 誰も知らない、いつ果てることもなく二人きりのぎりぎりな一時は続いていく。




















----------後書き----------

 きっかけは、そう。某つぶやきサービスでお知り合いになりました某氏の椋アイコンを見ているうちに何故だか込み上げ高ぶるものを感じ、更にちょっとこのところ忙しくて更新もままならずそんな状況で日々の鬱憤晴らしも重なりこのようなドSかつボリュームを帯びたお話となってしまいました。

 徹底的にハードなものだったので、なので次のお話は甘ったるいものでも書こうかなとも思います。



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