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妹はヒットマン















 日曜日の昼下がり。瓜生家のリビングにて。何とも言えない微妙な空気が流れている。その理由は悪戯好きな彼女の格好にあった。

「さ、桜乃?」

 何て(破廉恥な)服を着てるの! と、新吾が絶句しつつそう問い詰めようとしていると。

「童貞を殺すセーター。着てみた」

 いつものゆっくりとした口調で、桜乃がそう呟いた。灰色のセーターの布地は色々とおかしい構造だった。

「ど……!?」

 一体どこでそんなものをみつけ、どうやって入手したのか、まるでわけがわからない。大人しくてのんびり屋な桜乃からは想像もできない服。

「最近流行りみたいだから」

 桜乃が着ているのは、巷で話題のホルターネックでオープンバックなセーター。何故だか背中が丸見えで、それだけならまだしもお尻の割れ目までもが半分くらい見えていて、胸の膨らみが横から覗けるような下品なエロさを醸し出している。本来、一枚で着るものではないのに、何故か桜乃は黒いニーハイソックスを覗いて素肌を晒していた。はしたないことこの上ない。

「お兄ちゃんは童貞?」

 二人っきりの時はお兄ちゃん。みんなと一緒の時はお兄さん。今は二人きりだから、お兄ちゃんと呼んだ。両親も不在で家には鍵がかけられていて、誰も邪魔する人はいない。二人だけの時間。

「あのね……」

「お兄ちゃん、童貞じゃないんだ。わたしというものがありながら」

 どこの誰と一夜を過ごしたのよと、まるで彼氏の浮気がばれた時のよう。桜乃はよよよ、と(極めてわざとらしく)悲しそうに目を伏せる。まるで三文芝居のようなやりとり。

「俺の初めての人は桜乃だったでしょ!」

 ボケに対する突っこみ。忘れたとは言わせないよと新吾。

「そういえば、そうでした。……でも、二回目は?」

「二回目も桜乃! 三回目も四回目も、これからもずっと桜乃!」

「まるでプロポーズの言葉、みたいだね」

「そんな変なプロポーズがありますか!」

 言っておきながら、桜乃は頬をほんのり赤らめながら顔をほころばせる。言われた新吾も恥ずかしくなってしまい、視線を逸らす。

「童貞じゃないってことは、このセーターではお兄ちゃんは殺せないと。ヒットマンとして、失格」

 少し背が高めで、すらりとしたスタイルの桜乃。白く瑞々しい肌。背中からお尻のラインがとても艶めかしく見える。極端に大きくもなく、身近にいるびぃかっぷなあの娘のように小さいわけでもない、程良く膨らんだ大きさの胸。

「……童貞じゃなくても、殺されそうだよ」

「そうなんだ。童貞を殺すセーター改め、お兄ちゃんを殺すセーター。ああ、恐ろしい」

 その肌に触れたい。両手で胸を揉み回したい。柔らかそうなお尻に顔を埋めたい。少しとぼけた表情の可愛らしい顔にたっぷりとキスをしたい。細い二の腕に舌を這わせたい。桜乃の姿を見れば見るほど、新吾はそう思えてきてしまう。気が付けばズボンの中がきつくなっていた。

「桜乃……。俺……」

「お兄ちゃんは段々、わたしとえっちしたくなる。したくなる」

 あなたは段々眠くなる、と催眠術でもかけるかのように桜乃は言った。冗談なのだけど新吾は困ったように何も言えないでいる。桜乃は焦らすつもりなどなくて、優しく受け入れる。

「いいよ、お兄ちゃん。えっちしよ」

 新吾にとってはまさにセーターに『殺された』ようだけれど、果たして桜乃にとっては狙い通りだったのだろうか?










…………










「んぅ」

 抱きしめ合ってキス。舌を絡ませ、何度も湿った唇同士を触れ合わせる。いつも、誰よりも一番近くにいる女の子と、密着。新吾は桜乃の華奢な体を少し強めに抱きしめる。

「お兄ちゃんは、キスが好き?」

「桜乃とのキスが好き」

「うん。わたしも。んん……。ん……」

 ぷちゅ、ぷつ、とキスの音。同時に新吾は右手で桜乃の胸を直に揉み回していた。桜乃の胸元を軽く覆っているセーターの中に手を潜り込ませて、ごそごそとまさぐる。

「桜乃。他の人の前で、こんな格好しちゃだめだよ?」

「しない。するわけないよ。ん……。お兄ちゃんにだけ、見せたいと思った」

「そっか」

「そう」

 一体どのような経緯でこんなセーターを入手したのか。結局のところはわからずじまい。キスを交わす度に、桜乃のリボンが僅かに震える。

「んぷ……。お兄ちゃん。今日のえっちは立ちバックがおすすめ」

 その説明の仕方は、定食屋の店員がおすすめのメニューを紹介しているみたいだと新吾は思った。

「セーターをぐいって下ろして、お尻を丸出しにして、そこにずにゅって入れるのがいいと思う。それで、あいてる手で、おっぱいもみもみとか、どうかな」

「うん。じゃあ、そうするね。俺も、そうしたいと思ったから」

 エッチのおすすめをしてくる桜乃。本当に、おかしくてとぼけてて、新吾はくすくすと笑ってしまう。

「桜乃。好き」

「私も。好き」

 意味もなく互いに愛の告白。もうしばらくの間、キスの繰り返し。時折見つめ合って、互いに笑顔。本当にこのセーターは、お兄ちゃんを殺すセーターでしたと桜乃は思う。新吾の方も、このセーターに殺されちゃったかなと思う。ぷちゅ、ぷちゅり、つぷ、くぷ、とキスによる唾液の交わりと、ぷるんとした唇の震えが音となって聞こえる。

「ん、ん。……お兄ちゃん。そろそろ、する?」

「ん。その前に、ちょっとだけいいかな」

 新吾は桜乃の後ろに回り込んで屈み込む。そしてセーターのお尻部分をぐい、と下ろしてから顔を埋めた。え、そこ? と桜乃は思いつつ、壁に手を当てて体を支える。

「……っ。お兄ちゃん、お尻……恥ずかしい……。そんなとこ……。ぁ……」

 柔らかくてふかふかなお尻。割れ目を左右に広げて顔を埋める。

「桜乃。濡れてる」

「ぁ……」

 舌が這う。前の方の小さな割れ目と、更に小さなすぼみにも。

「お兄ちゃん……。お尻の穴なんて、恥ずかしい」

「そうだよね」

 でも、やめない。

「変態なお兄ちゃんに、お尻の穴まで舐められてる妹……。これって、どうなのかな」

 今更いけないことだなどと思う事もないけれど、やっぱりいけないことには違いない。

「桜乃だって舐めたことあるでしょ」

 いつだったか桜乃は、お尻の穴のしわの数を数えてみたいとか言いだして、互いに数え合うことになった。とても変な趣向だと新吾は思ったものだ。

「こんなエッチな格好で誘ってくる桜乃も変態でしょ」

「……変態な妹は、嫌い?」

 答えは決まっている。

「大好き」

 嬉しいと桜乃は思う。

「お尻の穴、舐められて……お○んこ濡れ濡れにしちゃった変態妹ですが……嫌いにならないで」

「なるわけないじゃない。それを言ったら俺だって、舐め舐めしているうちに堪らなくなってきちゃったんだよ? ん。まあ……それじゃ、桜乃も準備オッケーみたいだし。入れるよ?」

「うん。一思いにやっちゃって」

 新吾の下腹部と桜乃のお尻が密着していく。少し桜乃が背伸びをして位置を調整すると、鍵穴に鍵がしっくりと入り込むかのように、ずぶずぶと潜り込んでいく。

「んっ。あ、ぁっ。お兄ちゃんのおち○ちんが入ってくる……」

 二人は文字通り一つになった。根本までたっぷりと入り込む。

「おっぱいも、揉むよ」

「あっ!」

 桜乃のおすすめ通りに、背後から左右の胸を揉みしだく。乳首が起っているのが手の平に触れてわかる。ひんやりとして、ふにふにの感覚がたまらない。

「あっ! んっ! はぁっ! んっ!」

 少し波打つように、二人は揺れる。

「んっ。はっはっ。あっんっんっ。お兄ちゃんのが、ずにゅずにゅってしてる……」

「桜乃の中。きゅうきゅうに締め付けてくるよ」

「わたしのお○んこ、気持ちいい?」

「うん。最高にね」

 嬉しい。この瞬間がいつまでも続いて欲しい。エッチは最高に幸せな瞬間の連続。夜空に花火が鳴るかのように、快感が弾けて飛んでいく。

「もっと激しく。ずこずこ、ぱんぱんってして」

「うん。いっぱいするよ」

 新吾のものが桜乃の中に全て入り込み、一気に引き抜かれる。その度に桜乃の愛液が糸を引いて流れ落ち、セーターを濡らす。間断なく続く営み。一分、二分……無意識のうちに気が付けば数分が経過しているかのような、温もりに満ちた一時。

「あん。ん、あっ。気持ちいいよ。お兄ちゃん……っ! はふっ! くぅっ! んはっ! あっ! あっ! あっ!」

「俺も」

 桜乃の体が新吾の体を受け入れている。意識が少し薄れ、とろとろになっていきそう。汗ばんだ二人は、エアコンを切っておいてもよかったかななんて事を、こんな時でもちょっとだけ思った。

「あ、あ。やっぱりお兄ちゃん、えっちが上手。……んっ。ぁっ」

「小悪魔な妹に、仕込まれているからね」

「あるときは小悪魔。あるときはヒットマン……。んぁ。あっ。お兄ちゃんを、調教しちゃってる?」

「かもしれないね」

 更に交わりは続く。そのうち二人共段々と余裕がなくなっていく。冗談すら言う余裕が失われていく。

「はふっ! あぁんっ! あふっ! も、もう、だめ。いっちゃいそう。お兄ちゃん……っ! あぁぁっ!」

「俺も、もう出したい。桜乃の中に」

 ぱんぱん、ぱつんぱつんと音が聞こえる。新吾のものが打ち付けられる度に桜乃のお尻が柔らかくたゆみ、熟れた果実からぷちゅぷちゅと甘い汁が滴り落ちていく。

「あ、あっ!」

「っく!」

 互いに絶頂を迎える。どくんどくんと波打つものから、桜乃の膣内に熱いものが注がれていく。あまりにも大量に注ぎ込まれ、溢れ出したものが逆流してはセーターのお尻部分を濡らしていった。

「あ……。セーター……洗わないと」

「誰にも見つからないようにしてね」

 両親に見つかったら、尋問か家族会議かなと新吾は思う。それはたまらない。

「気をつける」

 未だ繋がったまま、何をしているのだろうかと新吾は思う。

「また、これを着てお兄ちゃんとしたいから。……んっ!!」

 桜乃がそう言った瞬間、新吾はどくん、と心臓が大きく一鳴りしたかのように思えた。また、っていうことはそのうち。そのうちというのは今日や、今ではない。けれど、それでは待ちきれない。もっとしたい。挿入されたままのものが一気に勢いを取り戻し、桜乃は背筋を震わせた。

「桜乃……。ごめん」

「いいよ」

 これで俺は二度死んだかなと、新吾は思った。それ程までに、桜乃は可愛くて魅力的で、更に交わってか細い喘ぎ声を聞いてみたいと思った。

「あっあっ……はぁっ!」

 精液まみれの膣内を、新吾のものがゆっくりとかき混ぜはじめた。

「セーターの魔力、恐るべし。あひっ! ……んあぁっ!」

 左右の乳首をきゅううと摘ままれてしまい、悶絶する桜乃。新たなる絶頂はすぐ目の前。ジョークのようなコスチュームは、一撃必殺の効果を秘めているのだった。




















----------後書き----------

 くだんの、童貞を殺すセーターを着た桜乃を見ていてとてもむらむらきたのでその思いを一気にお話にしてみました。

 桜乃可愛いよ桜乃。最高の義妹です。


ご感想を頂けると嬉しいです。





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