桜色のエピソード
-浅葉こなみ編- 最近の二人。こなみと悠真の日常。 「兄さん」 休日の朝。今日は母親の葵が一日中仕事ということで、出かけて行った。二人して葵を見送った後、こなみが玄関のドアをしっかりと閉めて鍵をかけたのを確認してから、改めて事を始める宣言をした。 「では、始めましょう」 これから始まる出来事について、悠真も最初は道徳的にいかがなものかと思ったものだ。実のところ、今でも抱いた疑問は変わらない。けれど、それとは別にわくわくしてしまう気持ちもあって、どうにも止められない。それはこなみも同じ。一見すると落ちついているけれど、早る気持ちを押さえ込んでいる。 「すぐ済ませますね」 こなみはそう言ってから、風呂場へと姿を消した。これからの事に備え、シャワーを浴びるために。 ――やがて十数分が過ぎ、こなみがシャワーを浴び終えたのか、ドア向こうの脱衣所からドライヤーで髪を乾かしているであろう音が聞こえる。そしてまた同時に、こなみの声も聞こえてくる。 『兄さん。襲いかかってきてもいいんですよ?』 「しないから」 『……この妹には、襲いかかる気もわかないと?』 悠真はそんなこと、一言も言っていない。 「普通にしたいだけだ」 『わたし達がこういうことをしている時点で、既にもう、普通じゃないと思うのですが?』 「まあ、そうだけど」 葵がいない日は決まって、二人して大いに乱れている。こなみに至っては、下着はおろか、スカートまではかずに悠真を誘惑し続けたりする始末。二人の関係はそれほどまでに乱れまくっていた。こなみの言うとおり、とても普通なものではなかった。 『……本当にしてもいいよ?』 妙に拘るこなみに、悠真は逆に聞いてみた。 「して欲しいのか?」 悠真の問いに素直に答えるこなみ。 『うん。して欲しい。ハードなの、興味あります』 悠真の言う普通とは、優しくて愛情に満ち溢れたもの。こなみが今求めているのは、また違う。甘いミルクもいいけれど、時には熱くて苦いコーヒーを飲みたい。そんな気分。こなみ自身も普段言わないような事を言っているのだと、自分でもわかっている。ソフトな優しい交わりよりも、がつがつと強引なものを求めている。 『兄さんに、激しく犯されたいです』 挑発と本音が混じり合う。悠真も拒否する理由が見当たらない。こなみとやりたい、と心の底から思った。 「……痛かったり本気で嫌だと思ったら、すぐに言うんだぞ?」 『うんっ』 本当に優しいなと、こなみは心の底から思った。そうして悠真はドアを開く。既に髪を整え終え、普段通り薄いピンクのリボンで二房にまとめた姿のこなみがいた。悠真は愛しさの余りこなみを抱きしめて、キスをした。こなみの小柄な体は悠真によってすっぽりと覆われてしまう。 「ん……」 目を閉じていてもわかる温もりに、こなみは身を委ねた。 …………
「んんっ!」 ずにゅりと柔らかくも抵抗のある感触を、二人揃って感じる。洗面台に手を着いているこなみと、その後ろから重なり合うようにして、そそり立つものを少しずつこなみの中へと挿入していく悠真。 「は、ぅ……」 全裸でバスタオルを体に軽く巻いただけのこなみ。そんなものは激しく交われば、いとも簡単にはだけて落ちてしまうことだろう。それにしてもと、こなみは思う。 「んっ。ほとんど前戯も無しで、いきなり入れるのですか?」 キスをして、頬ずりをしたり体同士を擦らせたくらいで、すぐに今の状態。 「激しくしてってリクエストだったし。それに……」 「それに、何ですか?」 「こなみは、もう準備OKみたいだし」 「……」 こなみは悠真との交わりを待ち切れなくて、少しばかり自分でいじっていたのだった。そして悠真は、少し指で触れただけでそれを見破ってしまった。中の柔らかくほぐれた様は、いつでも大丈夫なのだろうと。 「バレバレとは。兄さん恐るべし。よくわかりましたね」 こなみも素直に認める。 「奥まで入れるぞ」 「んっ!」 こなみの中で少しつっかかったように悠真のものの先端が曲がり、すぐに角度を調整して埋まり込んでいく。 「あ、あぁ……。深い」 ゆっくりと、けれど確実に、ずにゅずにゅと埋没していく。 「んんんっ!」 きつく目を閉じ、歯を食いしばって耐えるこなみ。猛烈な圧迫感に表情を強張らせる。やがて挿入が止まり、こつんと奥まで到達したのがわかる。 「んっ! 妹の子宮はどうですか?」 「よくわからない。けど、きつい。締め付けがすごい」 「あっ。それは……褒められてるんですよね?」 「もちろん。きつくて気持ちいいんだから」 「それはよかった、です。ん、んんっ。妹の中を、思う存分堪能してください。あっぁっ」 もぞもぞと、小刻みに揺れる二人。こなみの丸い尻がぷにゅぷにゅと波打つようにたゆむ。 「こなみ」 「あ、ふっ、んっ」 ぱちゅんぱちゅん、たんたん、とリズムカルに音を立て、重なり合った二人の体が揺れていく。シャワーを浴びたばかりのこなみの尻は暖かくて瑞々しい。悠真にはそれが魅力的に見えて、むんずと強めの力で掴んでしまった。しっとりもちもちの肌に悠真の指がめり込んでいく。 「あ、あ、あっ! に、兄さん……。んひっ! お尻の触り方、えっちです」 「こなみは可愛いな。突けば突くほど、甘ったるい声出して」 「だって。わたしの深いところまで兄さんのが入ってくるから……。んっ! あっ! 子宮……こつんってされてる! はぅっ! あっ!」 「感じてる?」 「うん。気持ちいいよ。声が出ちゃう。あふっ! はっ!」 「そうなのか」 「あ、んっ。んんっ! んぅっ!」 いつの間にかこなみの体を覆っていたバスタオルがはだけ、尻と同じ様にむっちりとした胸が露わになった。それを知って悠真は腕を回し、むんずと掴んで揉みしだく。 「あっ! 兄さんは、気持ちよくないの? んんっ!」 「気持ちいいよ。きつくて熱くてしめつけがたまらない。けど、しばらくこのままでいたい」 だからあえて加減して、速度を早めずにいる。 「そう、なんだ。あっあっあっ! わたしも……しばらくこのままがいい」 洗面台が僅かに揺れる。いつも使っている歯ブラシやコップも一緒に。こなみは鏡に映る自分の姿……兄と交わりながら快楽に溺れ、だらしなく口を開け、喘いでいる自分を見つめる。今の自分は最高に幸せだと、こなみは心の底から思った。 「あっあっ。んっ。気持ちいい。……。でも、兄さん。もっと激しくするんじゃなかったっけ?」 こなみの望みは襲いかかるように激しくというものだったけれど、当初の予定と変わっていった。でも、これはこれでいい。変えなくても問題はない。 「そうだった。でも、今はこのままでいい」 「そっか。……んっ! あっ! 優しい……ね。んひっ! あ、奥に……! 奥に当たってるぅ。はひっ! はぅんっ! それ、いい! あぁんっ!」 密着し合いながら交わる二人。互いにじんわりとこみ上げてくる熱いものを感じるまで続いていく。悠真がこなみの首筋に舌を這わせると、こなみはびくびくっと震えた。 …………
「兄さん……」 全裸のこなみが横たわっているのは、いつもみんなで食事をしているテーブルの上。今は二人のベッド代わりの場所。 「こなみのここ、ぐちょぐちょになってる」 「……つい先程まで兄さんに奥まで入れられて、その上たっぷりと射精までされたんです。ぐちょぐちょなのは当然です」 「そうだな」 「そして、全裸という霰もない姿で大股を開き、今まさに思い切り痴態を晒している妹の割れ目を、あえて指を突っ込んでぐちゅぐちゅかきまぜて、更なる羞恥攻めにするんですね」 「そうなるのかな」 一切反論しない悠真。けれど、こんな事をする理由を淡々と説明し始める。 「さっきかなりの量を中に出したから、指で刺激してきちんと濡れてもらって、中から出してもらおうかと思ったんだ」 「……兄さん、しれっと言いますが。それはものすごく鬼畜な所業ですよ? 新たな辱めを与えて濡れ濡れにさせて、中からかき出そうとするなんて」 「そうか? でも、手でかき出すのも難しいだろ?」 「んっ!」 ぐちゅりと音がした。悠真の指が入ってきている証拠。指で入れるだけじゃなくて、空いた方の手でクリトリスをいじくったり、割れ目の周りをなぞったりしている。 「まあ、いいです。思う存分、妹を料理してください。わたしは既にまな板の上の鯉状態ですから」 「まな板の上って。……まあ、始めるぞ」 「んっ!」 悠真の指がぬぷぬぷと入っていく。さしたる抵抗も無く、根本まで埋まる。先程まで入れられていた物より当然ながら細いけれど、動きは遥かに多彩だった。 「んん!」 ひくひくと体を震わせるこなみ。指の刺激は想像以上に強かった。 「あぁぁ。はぅぅっ」 ぬぷり、くちゅり、悠真がこなみの膣内で指をうごめかせる度にそんな湿った音が聞こえる。 「はぅっ……んっ。あ、あ、あ……んぁっ! あひっ! くぅぅっ!」 こなみの切な気な吐息が聞こえる。右手で口元を抑え、小刻みに震える。到底堪えきれるものじゃない。全身で感じてしまい、股間が熱い。 「に、兄さん……! あ……ふっ。だ、め……あっ!」 悠真はそれほど激しく指を動かしているわけではなかった。けれど、こなみの痙攣は早まっていく。 「あっあっあっはぁっぁあぅっ! はうっ! あふっ!」 もはや軽口を叩く余裕もない。完全に指を受け入れ、ちゅぷり、と音を立て続けている秘部からは、精液混じりの愛液がとろとろと止めどなく流れていき、テーブルの上に洪水を作っていく。悠真の目的は完全に正しいようだけれど、こなみにはそんな事を考えている余裕など無いようだった。 「だ、だ、め……。あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ……。んんんぅっ! んあああああああああああああっっ!」 ひときわ大きく反り返り、こなみは達した。テーブルの上から零れた汁がぽたぽたと落ちていく。 「こなみ。もう、いったのか?」 「はい……。兄さんに、いとも簡単に、あっさりといかされてしまいました」 「そんなに激しくしたわけでもないのに、こんなにすぐ?」 悠真の疑問にこなみは答える。 「激しくすればいいというものでもありません。ゆっくりでも、ものすごく気持ちいい時だってあります」 それは、悠真にはわからない感覚。 「そういうものか」 「そういうものです」 じとっとした半開きの眼差しを向けるこなみ。 「気持ちのいい所を、ピンポイントで突かれてしまいました」 「そうか。あっという間だったから、びっくりしたよ」 「兄さんに、文字通り手玉に取られてしまいました」 「そんなつもりはなかったんだけど」 こなみは決して嫌がっているわけではなく、むしろ今以上に望んでいる。その証拠に、大きな胸を自ら掴んで寄せあげて、挑発するような、あるいはねだるような眼差しを悠真に向ける。 「兄さん。……もっと、弄んで欲しい」 悠真を見上げる瞳は潤んでいた。 …………
「んぅ」 こなみは今もテーブルの上で仰向けに横たわったまま、顔を右方向へと傾けている。目の前には悠真の股間。 「んぐ。……。あ」 ぷにゅ、ぷるんと音を立てるようにして瑞々しい唇がふるえ、こなみは咥えていた悠真の亀頭を口から離してしまう。 「失敗です。この格好、結構難しい」 「普通に、立ってすればいいんじゃないか?」 「普通にしてもつまらないです。もっと兄さんに弄んで欲しいから、こんな格好でおしゃぶりしちゃいます」 「そうか」 悠真はそう言って、こなみの口内に再び一物をねじ込む。こなみもすぐに口での愛撫を再開していく。 「あむ、はむ」 ぱく、とアイスクリームにかぶりつくかのよう。口の中で咀嚼するようにもぞもぞとして、再び離す。 「兄さんのおち○ちん、おいしいです。苦くて、しょっぱくて、つーんってして」 「噛むなよ?」 こなみはくすっと笑い、ぺろりと亀頭を舐める。 「噛みません。安心してください」 とても大切な人の体だから、愛しくてたまらない。こなみはアイスキャンディをなめ回すように、亀頭に舌を這わせていく。円を描くようにしてから、割れ目を突く。 「兄さん。いただきます」 軽く目を閉じて、口内いっぱいに埋まりこむ感覚を楽しむこなみ。 「ん、んん、ん、ん、ん」 悠真の前には、横になっていても形の崩れない大きな胸。無意識のまま、手を伸ばしていた。 「ん、あ……。兄さん、そこは……」 乳首を摘まれて、ぴくんと震えるこなみ。 「こなみ、ちゃんと咥えて」 「んんんっ!」 兄さんは鬼畜です。妹を手玉に取って快感の渦に叩き込んでおいて、それでもしゃぶるのをやめるなといいました。……。等と思っていそうだと悠真は想像した。 「はふっ! んむむむっ! くふっ!」 散々悶えさせられながらも、今度は愛撫を続けるこなみ。とろとろとした暖かい口内と、ざらつく舌先が悠真の背筋を震わせる。 「ううんっ! くぁっ! ふぁっ! も、もう……。らめ……。んんんんんんっ!」 こなみの感じっぷりに興奮しつつ、悠真はもにゅもにゅと鷲掴みにした胸をこねくり回してから、乳首を摘まんで輪ゴムを引っ張るかのように弄ぶ。桜色の乳首が千切れそうなくらい伸びる。その度に、びくびくとこなみの体が震える。 「ふっ! んんぅっ! あふっ!」 こなみは悠真より先に達したくはないと思っているのか、必死にこらえている。そんなこなみをあざ笑うかのように、悠真は摘んだ乳首を強くこね回す。それも、あまりにも絶妙なタイミングだった。 「んんーーーーっ! んあっ! だ、め……。あ、あ……ああああっ! ちくび……気持ち良くて……。あああああああっ!」 こなみはついに耐えきれずに悠真のものを口から離し、絶頂を迎えていった。 「はぁ、はぁ……。兄さんに、先にイってもらおうと思っていたのですが、文字通り弄ばれてしまいました」 「望み通りだったか?」 弄んで欲しいと言っていたのは他でもないこなみ。しかし、それ以外の思いも抱いていたようで。 「うん。……。でも、ちょっと悔しい。イかされっぱなしは」 「そっか」 「はい」 こなみはジト目で悠真を見上げる。このままでは終われない。このままでは中途半端もいいところだ。 …………
「ん……。んん」 こなみの部屋には全裸の二人。その目の前には将棋盤。そして、何故かももぞもぞと小刻みに揺れているこなみ。こなみの下には胡座をかいて座る悠真の姿。つまりこなみは今、兄を椅子代わりにしているのだった。そうして互いに一つに繋がったままの対局が続いていく。 「あふ」 「こなみの番だぞ」 「う、ん……。あ……」 最初に悠真はこの状況を疑問に思い、こなみに問うたものだ。妹よ。これは一体何の儀式だ? と。 そうしたらこなみは答えた。自分だけじゃなく、悠真にも存分に感じて欲しいということで、彼女曰く、将棋盤を前にして一つになることで、何となくだけどリラックスとかできそうとかなんとか。そんなわけでこなみは悠真と再び交わり、少しずつ、小刻みに動いて感じてもらおうとしたのだけど。 「だ、め。何も考えられな……んっ!」 ご覧の有り様ですよと、こなみは思うのだった。何しろこの兄ときたら、手先の使い方も上手で。下から小刻みに突き上げながらも、同時にこなみのふっくらとした丸い胸の膨らみを優しくこねくり回しているのだった。 「ん……。そこ、だめ。あっ」 特に、乳首の摘み方がやらしくてたまらない。きゅ、と摘んでくにゅくにゅとこね回し、胸の中に埋め込んだと思えば今度は引っ張って、こなみをこれでもかとよがらせる。先程いかされたばかりだというのに、またも快感が押し寄せてくる。 「こなみ。ほら」 「あっあっ! だ、め……! んひぅっ! 乳首が……ああぁっ!」 背後から、掴まるような位置に丁度良くある膨らみ。大きさも質感もぴったりだと、悠真にはそう感じられた。 「あ、あ、あ! 兄さんに、また……いかされる」 「こなみは感じやすいな」 「ちがいま、す。……。兄さんが、上手だから……。んひっ!」 「そうなのか?」 「そう、です。あっ! んひっ! そんな、風に……胸を。あっ! はっ!」 乳首が熱い。こなみは必死に快感をこらえ、駒を進めようとする。 「……歩が斜めに進んでいるぞ?」 「だ……って。うぅ」 こなみは足をピッタリと閉じ、両膝に手を当てて屈み込むようにしている。その間も悠真のものがずぶ、ぐむ、と膣内奥深くまで入り込んでいる。ロデオマシンにでも乗せられたかのよう。 「こなみ」 そんな中ぱちん、と駒が進められる音。いつものように、特に深く考えたわけでもない悠真の一手。 「あ……」 悠真の飛車が、こなみの桂馬を詰んでいた。 「うぅ……」 一瞬にして、心が折れるこなみ。その瞬間、勝敗は決まっていた。……元から勝負以前の状況だったけれども。 「あ、あ、……。う、ん」 もじもじとするこなみに対し、ぐりぐりと左右にうごめく悠真。決して強烈に動いたわけではないけれど、溜まりに溜まった快感はこなみの全身を震わせていく。それに加えて未だに乳首や胸全体をもにゅもにゅと揉みしだかれている。限界だった。 「も、もう……だめ! 我慢できない……。あ、あ、あ……また、兄さんに……いかされる。あっあっ! んくうぅぅぅっ! んぁぁああああっ!」 こなみは悠真に包まれながら、びくびくと体を震わせ、またも不本意な絶頂を迎えさせられた。 「はぁ、はぁ……。参り、まし……た……」 脱力してしまったこなみが将棋盤の上に手をつきながら荒い息を吐いている。そんな中、どぷりと音を立て膣内への射精が容赦無く続いていく。将棋の駒がぽろぽろと落ちていきながら、こなみは快感に身を任せていった。 …………
「あ……」 再びリビングに戻り、ソファーに腰掛けてテレビを見ている二人。……正確には、二人で撮ったビデオを見ていた。それも、全裸で。 「こなみは可愛いな」 「兄さん、恥ずかしい」 液晶テレビの画面には、全裸で交わる二人の姿。以前にベッドの上を狙ってカメラを置いて撮ったもの。気まぐれでやってみた、いけない遊び。 「こなみ。また、したくなってきた」 「うん。わたしも」 画面の中の二人はとても気持ち良さそうに見えた。格好を変え姿を変え、思う存分交わっている。それと同じか、それ以上のことをしたいと思うのは当然のこと。 「兄さんは、本当に悪い人です」 飾るように、あえて全裸だけど美楓学園指定のベレー帽を被らされているこなみ。 「実の妹を、優しい言葉で巧みにたぶらかして、手玉に取って……いっぱい感じさせてその気にさせて」 こなみの胸にめり込む悠真の指。こなみは背筋を震わせながら、八つ当たりのような追求を続ける。 「優しくて、手つきがやらしくて……すごく上手、で。あ……」 ソファーの上で抱きしめ合い、キスをしながら交わる二人。こなみの中に悠真のものがずぶずぶと沈み込んでいく。こなみは心底思う。自分の体の、気持ち良いと思うところを、この兄は本能的に知り尽くしていると。だから、抵抗なんてしたって無駄なのだとわかっている。 「わたしをあっさりと何度もイかせて、んっ……。兄さん無しじゃ、いられない体に調教して……。こんな風に、無意識に腰を動かしちゃうくらい……妹を変態にさせて」 悠真の上でゆらゆらと揺れるこなみ。主導権を握っているのはこなみで、悠真はただじっとしている。悠真のことをどうこう言える立場ではない。 「う、あ……。好き。好きなの、兄さん」 奥まで届きそうな勢いのものが貯まらなく愛おしい。いけない。つい、本音が漏れてしまう。こなみは気を引き締めて、追求をつづける。 「んっ。妹を手込めにして……さんざんよがらせてアヘ顔にさせて……嬉しいですか? ……嬉しいですよね。本当に兄さんは、変態です。犯罪者です」 「じゃあやめるか?」 悠真の一言。こなみの冗談に、あえて悪のりしたように言ってみた。その一言はこなみを大いに動揺させる。 「っ! 意地悪……です。わたしがやめて欲しくないのが分かっていて、そういうことを言うんですね?」 気持ちいい真っ最中なのだから、中断して欲しくない。 「さあ、何のことだ? 俺にはわからないな」 余裕のある一言。何だかわからないけれど、兄さんにはかなわないとこなみは思うのだった。 「まったく、人をジゴロだかクズ虫だかみたいに言うのな」 こなみの狭い膣内に一物を絞り上げられながら、悠真は言った。悠真もまた、この状況をやめたくないと思っていた。互いに毒づくようなやりとりをしながら交わり続ける。日常の中でのごく自然な交わり。 「本当です。あえて衝撃的な一言を言っちゃいます。兄さんはどーしようもないクズ虫ですね。……なんて」 悪女のように不敵な笑みを浮かべながら、こなみは言った。心なしかクズ虫の『ク』に力が入ったようだった。 「あ、そういうことを言うんだ」 「あふっ!」 突如、悠真がこなみの体を抱えながら立ち上がった。いわゆる駅弁スタイルと呼ばれる格好に早変わり。大きなものをずにゅ、と奥まで突き込まれ、こなみは全身をぶるると震わせる。 「ああああっ! に、兄さん! 突然何を……っ! あっ!」 「減らず口を聞く妹にお仕置きをしようと思ってな」 「え……。あっ! んんんんんんっ! あひぃっ! これ、だめ! あああああああっ! 感じすぎ……ちゃう! あああんっ!」 ずん、ずん、ずにゅずにゅ、と宙に浮かされながらこなみは揺さぶられ続けた。その刺激はてきめんで、こなみはあっという間に絶頂を迎えさせられてしまう。 「んああああああああっ! に、兄さんごめんなさいぃぃぃ。許して……んひっ! ああああああぁんっ! 気持ち、よすぎて……! ま、またいく! またいっちゃううぅぅぅっ! あひいいいいいいいいっ!」 ずっぷずっぷとテンポ良く水音が響く。こなみの体はおもちゃのように扱われ、絶頂を迎えさせられて脱力した後も突き込まれた。 「も、もぉだめ……。おかしく、なる……。止めて! ああ、あ、あ、ああ、あ、あ、あ……あぐぅっ! あはぁああああっ!」 やっとの事で膣内から悠真のものが引き抜かれ、床に下ろされたと思ったら、こなみの視界が遮られた。悠真がこなみの前に仁王立ちし、今まさに射精が始まろうとしている一物を口元に押し当ててきた。こなみは呆然としながらも口を開け、かぷりと咥え込む。 「飲みな」 「ん……。ミルク飲む。飲むぅ……。んん、ん……んぐ……ん、ん、んんんん。全部、飲み……ます。んぐ、んぐう、んんんぅ」 ごく、ごく、と喉が鳴る音が聞こえる。こなみの様子はまるで寝ぼけてぼーっとしている時のよう。悠真はこなみのベレー帽ごと頭を軽く掴んで固定する。眼下には、こなみの胸元と尻が見えている。ちゅばちゅばと、赤ん坊がミルクを飲んでいるような音が聞こえる。 「んんぅ。兄さんの玉……取ったぁ。あはっ。れろれろするとぴくぴくしてかわいいね」 こなみは口内に射精されたものをしっかりと飲み干してから、悠真の玉にしゃぶりついていった。もじゃもじゃの陰毛が、こなみの瑞々しい唇や白い頬を汚していく。玉の他にも竿の裏すじをじゅるじゅると音を立てて舐め回し、亀頭を自ら頬にぐりぐりと当てていく。 「これで、んん……。一勝一敗です」 頬についた精液を指ですくい取り、しゃぶりながらこなみは言うのだった。 …………
「ん……」 こなみが目覚めると、そこはソファーの上。とても心地の良い眠気だったと思った。幼い頃、兄と共に真夏の暑い日に思い切りプールで遊んで、帰りに冷房の良く効いたバスに乗った時のことを思い出す。まさにそんな感じ。 「起きたか」 「兄さん。わたし、寝ちゃってた?」 「ああ。寝てた」 丁度、こなみが起きるであろう頃を見計らって、コーヒーを二つ持ってきた悠真。 「そうですか。……それにしても」 「何だ?」 こなみは悠真からコーヒーを受け取り、カップに口をつけて少しばかりすすりながら言った。じっとりとした半開きの眼差しを悠真に向けながら。 「気怠げな、事後のコーヒーって感じですね」 「そうか?」 「そうです。……こんな風にブラウスだけ羽織りながら飲んだりすると、更に雰囲気満点です」 「そういうものか」 うんうんと頷くこなみ。裸に白いブラウスとショーツのみという、とてもラフな格好。豊かな胸の膨らみも、白い肌も、どこか赤みを帯びているよう。 「お互いに裸のままベッドで腕枕してもらうとか。そんなのも、事後って感じですね」 「そうか」 砂糖とミルクはこなみの好みに合わせてくれているけれど、何故か少しだけ苦く感じた。 「ドラマの濡れ場の後みたいです」 「今度してみるか。そういうの」 「いいですね」 安っぽいドラマみたいだけど、何だか楽しそうだとこなみは思った。他にはどんなシチュエーションがあるだろう。少し考えてみると。 「兄さん」 こなみはふと、何かを思いつく。 「一つ、提案があります」 「提案?」 「はい。とても画期的な提案です」 これは絶対に悪巧みをしているなと、悠真は思った。そして、実際その通りだった。 「裸のお付き合いは大事かと」 「……風呂か?」 「ちょっと違います」 こなみが言うには、自分と悠真の交わる様をビデオで撮って、一番いいと思った作品を、二人の母親である葵に見せてみようとのことだった。ちょっとどころの違いではない。 「正気か?」 「ええ、そんなにおかしくもないですよ。これでわたしも女優ですね」 それを見た葵はきっと……絶対に大きなショックを受けることだろう。けれど、そのまま雰囲気に飲ませてしまうこともできるかもしれない。 「事前準備はちゃんとしますよ」 しれっと危ない発言を続けるこなみ。 「葵さんのお茶に、媚薬とか入れちゃうんです」 勿論、強力なやつを。それはさぞかし、パニックになることだろうと悠真は思う。 「こんなのいけないよ! やめようよ! とか、葵さんはそんなことを言うでしょうけれど、その頃葵さんのショーツの中はきっとエッチなお汁でぬるぬるです」 「……どこの成年漫画だ、そのベタな展開は」 「事実は小説よりも奇なりと言いますし。まあともかく、兄さんが葵さんに『葵さん。体が暑そうですよ? もしかして火照ってるんじゃないですか?』とか言って、わたしが『わたし達のビデオを見て興奮しちゃったんじゃないですか?』と、ダメを押します」 「何だかものすごく悪いことをしているな」 「そうですか? 互いの親睦を深めるいいきっかけだと思いますが」 「親睦と言うか何と言うか」 「兄さんは勢いに任せて、葵さんのショーツの中に手を入れたり指でいじったりしてあげてください。わたしはその間に、胸や唇を攻めちゃいます。それで、口では嫌がっていても、こっちのお口は準備OKみたいですよ、とか言っちゃいます。……何だかエッチなおじさんみたいなセリフですね」 きっと、こなみによるものすごく優しい愛撫が始まるのだろう。母親を調教する話が延々と続く。 「ソファーに押し倒して、足を広げちゃって、ローターとか三つくらいいっぺんに入れちゃいましょう」 「そう言えば持っていたな」 こなみが皆に内緒で入手したものを思い出す。これを使ってくださいと、突然手渡された思い出。戸惑いながらも、濡れそぼったこなみの割れ目へつぷつぷと入れていった。それも、三つも。 「はい。わたしの中でカチカチ擦れ合ってましたよね」 葵は二人の子による巧みな愛撫で快楽の渦に溺れさせられ、そして……。 「腰をしっかり掴んで、バックでパンパン音を立てるくらい激しくしてあげてください。その間わたしはお股をじゅるじゅる舐めて貰いますので」 その様子が頭に浮かぶ。堪えきれない快楽に全身を震わせ、絶叫を上げる葵の姿が。更に、絶頂を迎えそうになって甘ったるい声を上げ続ける中で、こなみの秘部に顔を埋めさせられて愛撫を強要される。そんな想像をしていくうちに、悠真はだんだん興奮していき。 「こなみ。だめだ。……また、したくなってきた」 「兄さんもですか? 奇遇ですね。わたしもそうなんです」 相変わらず楽しそうに笑っているこなみ。悠真にはそれが小悪魔のように見えた。 …………
「あっ! ふっ!」 全裸で四つん這い。背後から悠真によってぱんぱんと音を立てながら膣内を突きこまれているこなみ。 「あっあっ! 気持ちいいよ、兄さんのお○んちん。……葵さん、嘘じゃないです。本当に気持ちいいんです」 喘ぎの合間に葵に語りかけるようにしているこなみ。目の前にはビデオカメラ。もぞもぞと前後にうごめくこなみの表情は微妙。がくがくと頭を前後に振り、切なげな吐息を漏らしている。 「葵さんも、あっ。兄さんと一緒に、三人で……んっ。しましょうよ。裸の、お付き合い。ファック、しましょ……っ! あっ!」 ビデオカメラには、こなみの頭の上でぷるぷるとたゆんでいる尻の割れ目が映っている。こなみはただひたすら悠真によって、むっちりとした太股をしっかりと掴まれて密着されている。 「あっんっ! バックは、野性的で……いいです。葵さんは、どんな体位が好みですか? ふぐっ!」 ぱちん、と一際大きく突き込まれる。共烈な刺激。 「あっ! こ、これです。これがいいです。奥までこつんって届いて……はうっ! あぅっ! あっはっ! もっと、もっと。あ、あぁぁ、あぁぁぁ! ずこばこされるの、たまりません……!」 こなみは軽く目を閉じ、ぽろぽろと涙をこぼしながら笑っていた。絶頂を迎えるのは十数秒もたたない後のこと。そしてまた、シーンが切り替わる。 「ん、んん。あっ」 悠真とこなみによる、互いの体の舐めあいっこ。こなみのふっくらとした丸い胸の先端を彩る乳首に悠真が吸い付いている。 「兄さん、今度はこっちの番です」 二人はしばらくそうしていたかと思えば、今度はこなみが動いた。そうして悠真の後ろに回ってしゃがみ込み、尻の割れ目に舌を這わせる。 「んぅ。ぷふ。……葵さん、今わたしは……兄さんのお尻の穴、舌で舐めてます。見えますか?」 れろれろと、思いきり出した舌を上下にふるわせてみせる。じゅるり、と、ぬめりを帯びた音が響く。舌先のざらつきが悠真の敏感な場所を刺激する。 「んふぅ。葵さんもしましょうよ。こんな楽しくて気持ちいいこと、他にないです。ん、ん、ん、ん、ん」 こなみは一心不乱に悠真の尻の割れ目を舐めまくった。と、同時に右手を伸ばして悠真の一物を掴んでしごく。 「兄さん、気持ちいいですか? 気持ちいいですよね。こんなにひくひくさせてるんですから。おち○ぽだってもう、さっきまでわたしをばこばこ犯していた時と同じくらい大きくなってます」 しゅこしゅことしごく手を止めないこなみによって、悠真が絶頂を迎える。その瞬間こなみは悠真の尻から顔を離して、一物の前へと移り変わった。今まさに射精を開始しようとしているものの目前に顔を近づける。そして案の定。 「あ、あ、あ、あ、あ! 精子がいっぱい、出てます。たくさん……すごい。シャワーみたい、です。んん、ん。おいし……ん」 こなみの顔や髪に、白濁液が容赦無く降りかかる。こなみはそれらを全て受け止めながら、うっとりとした表情を浮かべる。こなみの首元からごくり、というはっきりした音が響く中、シーンはまた切り替わる。 「あ、あぁぁぁぁぁ。き、もちいぃぃぃ。ああんっ。はぁんっ」 再び映るのは、顔面精液まみれのこなみ。ソファーの背もたれにしがみつきながら何かに耐えている。先程と逆で、悠真がこなみの尻穴に舌や指を這わせているのだった。 「あ、葵……さん。今、わたし……兄さんに、お尻……穴……舐められてます。恥ずかしい……です。はぅっ! あっ! 舌が……中に……!」 そして充分ほぐれたと判断したのか、悠真の舌が離れ、次の行動へと移る……。 「兄さん? ……そこで、するんですね。いいですよ。……葵さん。これから、兄さんのお○んぽを、わたしのお尻にぶち込んでもらいます。ええ、アナルファックです。慣れるまでちょっと怖かったですけど、気持ちいいですよ。あ、あぁぁぁぁぁ! お尻の中にずぶずぶって入ってくる! くぅぅっ! わたしの穴、めちゃくちゃにしてえぇぇぇっ!」 歯を食いしばるこなみ。強ばった表情はやがて、愉悦を感じているものに変わっていく。クールな妹も、快感には勝てないようだった。 「ああっ! ああああああっ! あーーーーーーっ! 気持ちいいですっ! 葵、さん! 一緒に……しましょう……! 兄さんと、一緒に……! 気持ちいいことを……! くぅぅっ! お尻でいっちゃうぅぅぅっ!」 前後に激しく揺さぶられ、滝のように嬉し涙をこぼしながら、こなみはビデオカメラに向かってそう叫んでいた。きっとその思いは届くに違いないと確信しながら。 ----------後書き----------
だいぶお待たせしてしまいましたが、久方ぶりのさくさくえっちSSシリーズ『桜色のエピソード』でした。今回は実妹のこなみ編。 何だか葵お母さんまで巻き込みそうですけれど、お母さん編はまたそのうちということで。
ご感想を頂けると嬉しいです。
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