【ささいなすれ違い】
ささいなすれ違いで、気が遠くなるくらい遠回りをしてしまうことがある。
それは例えば、七年前のわたし達のこと。
もう、あんな思いは嫌だけど。
肌を重ね合わせるのは、彼……祐一との関係を、繋ぎ止めたいからじゃない。
それがわかったのは、ある日のことだった。
ある日の放課後……。
わたしは親友の香里と一緒に、お気に入りの喫茶店で、女の子の大好物こと、あま〜いデザートを食べていた。
「いただきま〜す♪」
冷たいアイスクリームの塊をスプーンですくい、口の中に運ぶ。するとすぐに、甘くて柔らかい触感と心地よさが全身を包んでくれる。
「う〜ん。やっぱり苺サンデー美味しい〜。幸せ〜」
それは嘘偽りなんてひとかけらもないくらい、素直な気持ちだった。
「そればっかよく食べるわよね。本当に」
「えへへへ。だって、美味しいんだもん〜。イチゴ大好き〜」
わたしはそういって、とろりとした苺のシロップを口に運んだ。
「それはそうと、名雪」
「んにゅ?」
見上げると、香里は少し改まった表情になっていた。何を云いたいのか先回りして考えてみる。……あ、そっか。もしかして。
「あ、香里も一口食べる? イチゴサンデー欲しいんでしょ〜?」
「……違うわよ。そんなことじゃなくて」
何だろう?
「あんた達。どこまで進んだの?」
「???」
どこまで進んだ? ……なんだろう? あ、もしかして。
「えっと、今月の目標タイムのことかな?」
「何よそれ」
「今月はタイムを30秒しか縮められなかったんだよ〜。もっとがんばらないと」
きっと、陸上部でのわたしのタイムのことだよね?
「はいはい。お約束のボケはいいから。あたしが聞いてるのは、あんたと相沢君のことよ」
「祐一と、わたし?」
「そ。どこまで関係が進展したのかなーってこと」
……う。ちょっと鋭いところを突いてくるなぁ。香里は。
「で、どうなのよ?」
「んー。……えっち……したよ」
さすがにわたしも恥ずかしくて、その部分だけは小声になっていた。
「いつ?」
「えっと……えっと……」
あの時。お母さんが事故にあう前のことだった。
「二ヶ月くらい前…かな。もうそれくらいになるかなぁ」
「ふーん」
「な、何か変かな?」
香里の反応は素っ気なかった。……と、いうか。わたしの答えを聞いてどう思ったのかな?
「随分前ね」
「そ、そう?」
そ……そうなのかな?
「で」
「な……何?」
「通算回数は?」
ま、また痛いところを突いてきたよ〜。
「えっと……えっと……」
「一回、ね」
「どうしてわかるの?」
「何となく」
香里は少し呆れたような顔をして、コーヒーを一口飲んだ。
「名雪は相沢君のこと、本当に好きなの?」
「好きだよ」
そればかりははっきりと云えるよ。
「そう」
今日の香里はどこか、変。何故だかドキッとするようなことを云ってくる。
「じゃ、どうして一回しかしてないの?」
「それは。うぅ……」
それにはちゃんと理由があった。
「ま、人それぞれ主義とか事情はあるし、あえて理由は聞かないけど。でもね」
「う、うん」
「たまには受け入れてあげないと、相沢君が可哀相よ」
香里はそれだけ云って、黙ってコーヒーを飲み干した。
それは、云われるまでもないこと。
実はずっと、気になっていた。
受け入れてあげてない……わけじゃない。
拒んだりなんて、勿論していない。
むしろ、受け入れてもらいたい方かもしれない。
(だけど、云えないよ)
『祐一。エッチしようよ』、なんて
(それじゃまるで)
エッチしたいから付き合ってるみたいだもん。
それを察しているのか、祐一からもそういうことをしようとは云ってこない……。
これって、些細なすれ違い……?
「名雪」
「え?」
少しの間、考え事をしていたら。
「苺サンデー。溶けてる」
「あ」
……お店の外は、もう真っ暗になっていた。
別れ際、香里は少し照れくさそうな表情になって云った。
『些細なことですれ違ったら、遠回りしてしまうわよ。……あたしみたいに、ね』
と。
(香里、何かあったのかな?)
でも、云われてみると、そうかも知れない。
あの時は、祐一の優しさに触れて
暖かく、包んでもらって。
(すこし、強引だったけど)
考えてみたら、わたしはずっと受け身なまま。
(これじゃダメ、だよね……)
わかっている。そんなこと、充分わかっている。
わたしだって。
(また……抱きしめて、欲しい……)
勇気のない自分自身にがっかりして、少し溜息をついてしまった。
「名雪。ちょっといいか?」
「あ、うん。何?」
夕食を取り終えて、ソファーでぽけーっとしていたら祐一が話しかけてきた。
「あとでお前のところに布団を持っていくから、部屋にいろよ。秋子さんが新しく買った布団が俺の部屋に置いてあるんでね」
「うん。わかった」
わたしが軽く頷くと、祐一は自分の部屋へと戻っていった。
(あ)
祐一と二人っきりになれるチャンス……かも。
(どうしよう……)
一緒に暮らしていて、あまりにも近いところにいるからか、そういう感覚に疎くなっていたみたいだった。
(考えてみると、側にいすぎるから、かえって……お話する機会とか減ってるかも)
好きな人がいる女の子からしたら、贅沢すぎる悩みかもしれない。
(近すぎると、かえって何かが……遠くなっちゃうのかな?)
こんなことじゃ、ダメ……。そのうち、本当に遠のいていっちゃう。
それから数時間が過ぎて……。
(……)
わたしはぬくぬくと暖かいベッドの中でぽけ〜っとし続けていた。そして、時計の針は既に十時を過ぎていた。
(眠れないよ〜)
羊さんの数を数えても、大好きなぬいぐるみのけろぴーをギュッと抱きしめても、全然眠気が増してこない。
(普段は八時くらいに眠くなっちゃうのに)
やっぱり、香里の一言が引っかかっているのかもしれない。
(些細なことですれ違ったら……遠回りしちゃう……か)
祐一と離れてしまうのは、嫌……。
(もう……あの時みたいなのは、嫌だよ)
七年も前のことを思い出すと、哀しい気持ちになってしまう。
(でも、祐一もエッチ……したいのかな?)
もしも祐一がわたしと同じ気持ちで、同じような理由でエッチを我慢というか……言い出せないでいるとしたら。
(それって、気持ちのすれ違いだよね? 香里がいっていた、ささいなすれ違いっていうやつだよね?)
思えば思うほど、思考が迷路に迷い込んで行っているみたい。絡まってしまった糸を解いているみたいで、もどかしくて仕方がない。
(う〜……。わたし、よくわかんなくなってきちゃったよ……)
祐一は、薄い壁一つ隔てた向こう側にいるのに、気持ちを届けるには反対側……地球をぐるりと一周しないといけないみたい。
(……もう。わたしの馬鹿)
考えたって仕方がない。云わなければわからないし伝わらない。想い合うだけでは気持ちが伝わるなんて、エスパーじゃないんだし。それが人間だもんね。
(少し、祐一とお話してこよかな)
そしたら、頭のもやもやも解けるかもしれないし。
なんてことを思って、部屋のドアを開けようとしたら。
突然、コンコンとドアをノックする音が。
「名雪。起きてるかー? 起きてるわけないよなー。入るぞーっ!」
「ええっ!? ゆ、祐一〜っ!?」
「って、珍しいな。この時間に名雪が起きてるなんて」
「な、な、何っ?」
ど、ど、どうして祐一がこの時間に!?
「布団持ってくるって云ってたろ。すっかり忘れてたんだよ」
あ、そ……そういえば。わたしも忘れてた……。
「とにかく開けてくれ。重い」
「あ、う……うんっ!」
ドアを開けると、祐一が布団を抱えながら入ってきた。
「よっ…と」
ぼふっという音を立てて、布団を床に置いて。
「んじゃ。邪魔したな」
(あ)
祐一はそのまま、何事もなかったように出ていこうとして。
「朝、ちゃんと起きろよな」
(祐一、行っちゃう)
「じゃ、おやすみ」
折角勇気を振り絞って、お話しようとして……。でも、祐一の方から来てくれたのに……。
「祐一」
「ん?」
部屋を出ようとドアのノブに手をかけた祐一に、わたしは反射的に抱きついていた。
「待って」
「どうした?」
その瞬間。心に溜まっていた言葉があふれ出てきた。
「わたしのこと……嫌い?」
「へ?」
呆気にとられた感じの祐一。でも、わたしはそれを無視して。
「わたしのこと、嫌い?」
「突然何を言い出すんだよ」
決壊したダムのように、止められなかった。
「だって祐一……。ずっと、何もしないんだよ……」
「な、名雪」
嘘だ。
「わたし……魅力ないの?」
「んなわけないだろ。何云ってんだよ」
何もしないのは、わたしの方。
「祐一にとって、わたしは何?」
「何って。そんなこと、云わなくてもわかるだろ?」
わかっているからこそ、聞きたかった。
「じゃあ……エッチ、してよ」
「お、おい」
わたしは祐一の手首を掴んで、パジャマの上からわたしの胸を触れさせた。
「わたし……平気だよ。祐一になら、何されても」
「なゆ……。どうしたんだよ! 変だぞ、今のお前」
わたし……嫌な娘だ。自分でも痛いほどわかる。ずっとずっと、祐一の温もりを待っていて……その欲求が満たされないと、脅迫みたいな形で祐一に迫る。
「平気……だもん」
それも嘘。だって……胸の鼓動が絶対に伝わっているから。現にわたしは、恥ずかしくて恥ずかしくて……涙目になっている。
「名雪。手を離せよ」
「やだもん……。エッチしてくれるまで、離さないもん」
恥ずかしくて恥ずかしくて、顔が熱くなっていくのがわかるくらい……やせ我慢をしている。きっと祐一からは、わたしの顔は真っ赤なリンゴみたいに見えているは
ず。
「名雪」
「離さないよ。してくれるまで」
わたしが意地を張って手を離さないでいると、やがて祐一は諦めたように溜息をついて……。
「わかったよ。わかったから、してやるから。だから、とにかく手を離してくれよ」
「……うん」
でも、溜息をついているのはわたし自身かも。……自分自身の行動に呆れたから。
「……」
「……」
お互いにかける言葉が見つからなくて、数秒間無言になってしまう。……口を開いたのは、祐一の方からだった。
「でも。一つだけ教えてくれ」
「……うん」
「どうして、いきなりそんなことを云いだしたんだ?」
「だって」
そういわれてみれば……どうしてだろう。
「だって……」
誰よりも一番好きな人だから? 恋人という関係になって……それで……だから……。エッチをするのは当然のこと? しなくてはダメなの? 好きだと、しないといけないの……? おかしいことなの?
「怖かった……の」
「え?」
ずっと探していて、偶然ぽとっと落ちてきたような、思いがけない答え……。
「祐一が……何もしないから。だから……わたしに魅力がないのかなって……。わたしとなんて、エッチしたくないのかな…なんて、思っちゃって」
「馬鹿だな」
自分でもそう思う……。情けなくて、祐一と目が合わせられなくて、うつむくしかなかった……。
「わかってるよ……そんなことくらい。自分でも、なんでこんなこと云いだしたのかよくわかってないんだよ……」
「違う。俺が云ったのはお前のことじゃないよ。馬鹿だってのは、俺のことさ」
「え?」
……それは、どういうこと?
「ずっと、お前にそんな思いをさせていたなんて、な。これじゃ、あの時から何も進歩してないな」
「……?」
「どうしてお前にそういう話……ええっと、その。しようって云わなかったかというと。……理由を説明すると我ながら情けなくなるけど。強要してるみたいで嫌だったんだよ」
……。
「お前、俺と付き合ってんだろ? なら、やらせろよな。……なんて、そんなこと云ってるみたいで。身体が目当てで付き合ってる、なんて思われるのが怖くて、なかなか声に出
せなかったんだよ……」
「祐一」
「ごめんな、意気地なしで……。こんなこと、女の子に云わせるようじゃ最低だよな……」
「ううん……。そんなこと、ない」
考え込んでいたのが馬鹿みたい……。わたしも祐一も、同じことで悩んでいたんだ。
「だって……。わたしも、同じことで悩んでいたんだもん……」
「そっか」
また、すれ違うところだった……ね。
「祐一」
わたしはそっと目を閉じて、上を向いた。
「名雪」
祐一は、私を抱きしめて……。
「好きだよ」
それは
そっと触れるだけの、優しいキス
優しくて、暖かい温もりが
すれ違いそうな心を、守ってくれた。
常夜灯の、心細い光の中。わたしと祐一は二人きりだった。
「祐一。何でも、していいよ……」
「名雪」
「あの時は……勢いに飲まれちゃった感じだったから。今は、ゆっくり……好きにしていいよ」
ベッドに横たわって、まな板の上の鯉のようなわたし。って、意味が違う……かな? あれ?
「祐一のしたいこと。なんでも、していいよ……」
どんなことでも、大丈夫。
「名雪……。その……触っても、いい?」
「……」
わたしは声が出なくて……僅かに頷いて、『いいよ』と、意思表示した。
「……」
そうして、ふさ、ふさ、と、祐一がパジャマの上からわたしの胸に触れてきた。仰向けになったわたしの、左右の胸を。
「ん……」
「名雪……。痛く、ないか?」
「大丈夫だよ。……もっと強く触っても、いいよ」
「あ、ああ」
そうして心なしか、わたしの胸を掴む力が強くなっていくけれど。それでも、どこかわたしのことを考えて遠慮してる感じ。
「祐一……。遠慮しなくて、いいんだよ」
「名雪」
「服の上からだけで……いい……の?」
わたしに気なんて使わないで。
「名雪……。可愛いな。お前は」
ぷつ、ぷつ、とパジャマのボタンをはずされて、すぐにわたしの胸が露わになって、冷たい空気に触れる。
「綺麗だよ。名雪」
「……」
祐一は何度かわたしの左右の胸を手で寄せ上げて……。
「ぁ……」
ちゅるちゅる、ちゅるると、エッチな音を立てながら、赤ちゃんみたいに吸い付いていた。
「あ…ぁ。あふ……ぁ……ゆ…いち。恥ずかしいよ……」
「名雪の胸。柔らかくて、暖かくて……綺麗だ」
「あぁ……」
「乳首も綺麗な桜色だし」
そんなことをいいながら、わたしの乳首を人差し指と親指でつまんで、くねくねとこね回したり、ぷにーっとひっぱったりしている。
「そんなこと云われても、あんまり……うれしくな…い…よ。…ん。ふ……」
胸のさきっぽの乳首を口に含んで、吸い付いてる……。そんなことしても、ミルクなんて出ないのに……。
「男の人って、どうして女の子の胸……好きなのかなぁ」
「そりゃ、生まれて最初にくわえるものだし」
「そうなんだ。…あふっ」
祐一の愛撫は優しくて……でも、どこかもどかしくて。
「名雪。気持ちいいのか?」
「う……ん。まだ、わかんないけど。胸が、熱い……よ」
やがてわたしの乳首を口の中に含んで、舌で執拗に舐めて、しゃぶって、転がしてきた。
「ぁぁ……あっ……。あっ……あ……ん……あっ……ん」
むき出しの肌が冷たい空気にさらされてるのに、冷えるどころか身体が火照ってくる……。どうして……なのかな。
「男で胸が嫌いなヤツなんて、いないだろ。……特に、名雪みたいに可愛い娘の綺麗な胸なら」
「…あん。どうして……そんな恥ずかしいこと、堂々と云うの……んっ」
「感じてる名雪が可愛いから、ついいじめたくなっちまうのさ」
「いじわ…る……。んんっ……んっ……」
だけど。わたしが祐一と同じことで悩んでたように……もどかしさを吹き飛ばしたい。だから、もっともっと感じたい。気持ちは一緒。
「もっともっと俺を感じて欲しい。だから、我慢しないでくれ」
「う、ん……。わかった……よ」
「可愛い声、聞かせて」
「あぅ…ん。やぁ……ん」
ぷるぷると胸をもみくちゃにされて、乳首をつままれて……吸い付かれて……。気が付いたらわたしは、祐一の温もりを身体いっぱいに感じていた。
「はふっ……あふっ……だ……め。おっぱいばっかり……そん……な」
執拗に胸を愛撫されて、もだえてしまう。
「ミルク出してよ。ぴゅーって」
「で……ないよぉ。そんな……の」
「そーかな。やってみなきゃわかんないだろ。おりゃっ」
その瞬間『ぎゅっ』というくらい強く、両方乳首を刺激されて……。
「きゃっ……きゃふっ!」
わたしはこらえきれずビクッと身体を反らして、大きな声を出してしまった。
(な、名雪! やばいって。でかい声出したら秋子さんにばれちまうだろ)
(だって……祐一が)
あんなことをされたら、わたし……。
(でも、大丈夫……だよ。きっと。お母さんは明日早いから、もう寝ちゃってるはず……)
(だといいけど。……それにしても、感じちゃった?)
(……)
こくんと僅かに頷く。
(でも。……おっぱいだけで、いいの?)
(……)
(何でも、していいんだよ……)
祐一が望むなら。
(わたしのこと……好きにして、いいんだよ)
外はただ、雪が降り続けるだけ
わたし達は、ただひたすらに
静寂の中で、肌を重ね合わせ続ける
「名雪の……あそこが見たい」
「……」
「みせて、くれるか?」
「……うん。いい……よ」
祐一のためなら、何でも大丈夫だから。どんな恥ずかしいことだって……。
「あ、まって」
「?」
パジャマのズボンを脱ごうとしたわたしの手を止めて。
「俺が脱がせてやる」
「う……ん」
祐一は、ズボンに手をかけて。……するすると、ゆっくり脱がしていく。
「やっぱり、意地悪……だよ」
わたしが恥ずかしがるのをわかっていてわざとゆっくり、じらすように脱がしていく……。
「名雪……。今日は白なんだな」
「……そんなこと、云わないで」
そうしてズボンがぬがされて、ぽさっと床に放りなげられた。露わになった下着をまじまじとみられて、あまりにも恥ずかしくて、ぷいと目をそらす。
「あ…ぁ」
薄い布地の向こうには、わたしの一番恥ずかしいところ……。
「名雪のことだから、イチゴ柄のパンツでもはいてるのかと思った」
「……ある、けど」
「へえ。見てみたいな」
「う……うん。今度、見せたげる……」
その間にも、祐一はわたしのパンティに手をかけて……さっきと同じように、ゆっくりと脱がしていく。
「ぅ……」
わたしはベッドの上に体育座りして、祐一はベッドの下に座って、覗き込むようにしている。
「恥ずかしいよぉ……。ぅぅ……」
「名雪。少し腰浮かせて」
「う、うん」
するすると、パンティの繊維とわたしの肌が触れ合う音が妙に大きく聞こえる……。
「祐一……。あんまり意地悪しないで……」
「わかった。じゃ、一気に」
そして今度は一気に『ずるっ』という音を立てて、膝のあたりまでずり下ろした。
「きゃっ! も、もう……どうして極端なの……」
恥ずかしがる余裕も与えてくれないなんて。ちょっと、ひどいよ。
「名雪の云うとおりにしただけだ」
「そう……だけど」
もう、完全に祐一のペース。
「で、名雪」
「……?」
「もう少し足を開いてくれると、嬉しいんだけど」
「う〜……」
ただでさえ恥ずかしいのに、これ以上なんて。顔が真っ赤になって、燃えてしまいそう。
「わかった……よ」
拒否しても無駄だし、それに……何でもするって云ったもんね。
「……」
ゆっくりと、ゆっくりと……。足を開いていくと、むき出しになったわたしのあそこが露わになってくる……。
(恥ずかしいよ……。こんな格好……)
「名雪のここ。少し濡れてるな」
「云わないで……」
自分でも気付いている。……おまたのあたりがかすかに湿っていることくらい。
「胸触られて、感じちゃったから?」
「……」
そんなこと、いわなくてもわかるでしょ……。
「敏感なんだな。名雪は」
「だって、だって……」
「だって、何だよ」
「祐一が……優しいから……だよ」
あんなに優しく愛撫されたら……こんな風になっちゃうよ。
「嬉しいこと云ってくれるね」
「……ゆう……いち」
「ん?」
「わたしのこと軽蔑……した?」
エッチな娘だなんて思われて、嫌われちゃったら……嫌だな。
「するわけないだろ。それどころか」
「それどころか?」
「ますます好きになった」
「……」
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい……。祐一の顔をまともに見られないくらい……。
「でも、綺麗だぞ。名雪の大事なところは。……毛も薄いし、びらびらもはみ出してないし、綺麗なサーモンピンクだし」
「嬉しくない……。全然……うれしくないよ〜」
女の子の一番恥ずかしいところを『綺麗』なんていわれても、嬉しくないよ。
「ま、それはさておき。……触るぞ」
「うん」
祐一は、完全に露わになってしまったわたしのあそこをまじまじと見つめてから。
「あっ……」
わたしの恥ずかしいところに手を伸ばして、ひだひだを指先でなぞってきた。
「んふっ……んん……ん……あふ……ん……あぁん」
そして、つぷっという感覚と共に、祐一の人差し指……第一関節が中に入ってきた。指の柔らかい部分と、固い爪の部分がわたしの中に入って、くちゅくちゅとかきまぜている……。
「名雪。痛くないか?」
「大丈夫……。全然、痛くなんてない……よ」
「じゃあ、もっと深く入れるぞ」
「うん……」
ずず、という感じに第二関節まで埋まり込む。関節部分のしわが肌に擦れ、それを証明していた……。
「あぅ…ん…はぁぁ……ぁふ」
そのまま祐一の愛撫は止まらず、人差し指を全部入れられてしまった。
「はー……はー……。ん……ふ」
「出し入れするぞ?」
「あぁん……」
ずっずっ、ずっず……。ゆっくりと、次第に早く……わたしのあそこを、祐一の指が出入りしていく。
「あっ…ん。だめ……。恥ずかしい……」
「何でも大丈夫って云ったろ」
「……」
「あぁっ! あぁぁっ! あっあんっああんっあんっあんっ! あっ……んっ……ああっ…あんっ」
わたしはこらえきれなくて、甘い声を漏らしてしまう。
「そろそろ、二本入れても大丈夫かな」
「あぅっ」
ずにゅっという音と共に祐一の中指がはいってきた。
「痛っ」
「あ、ごめん。……やっぱり無理か?」
一瞬だけ、ズキッとした……。
「ん……。大丈夫……。ちょっと痛いだけ、我慢できる……」
「でも」
「大丈夫だから……。祐一の好きなように、して……」
「あ、ああ……」
ためらいながら、ゆっくりと二本の指を動かして……。
「んっ……んんっ……っ! んう……ん……んっんっ……あ、あ……あっ」
ぐねぐねと、わたしの中を祐一の指がうごめいていく……。
「痛くないか? 大丈夫か?」
「大丈夫……。もう、痛くない……よ。入れるときだけだったみたい。……えへへ」
最初だけ、痛かったみたい。祐一の不安を晴らすため、笑顔を作ってみせる。
「名雪……」
「きゃっ!」
わたしの笑顔をみて、祐一は突然わたしのあそこから指を引き抜いて、体育座りしていたわたしを仰向けに押し倒してきた。そして、わたしの股を開いて。
「だっ…め。そんな、汚い……よっ」
……果物にかぶりつくように、わたしのあそこに……顔を埋め、吸い付いていた。
「あぁぁぁっ! だめっだめぇっ! 恥ずかしいからだめええっ! そんなところ舐めちゃ嫌っ!」
何でも大丈夫って云っていたのに……。突然こんなことをされると、びっくりしちゃって……。
「名雪……。嫌なのか?」
「あ……。ちが……。ただ、いきなりで……びっくりしたの……。だから」
「ごめん」
「う、ううん……。謝るのは、わたしの方……」
「……」
何か、気まずい……な。
「でも、嫌だっていったのは。……そんなところ、汚いから。だから」
「そんなこと、ない」
「どうして?」
「名雪の大事なところだから」
「……」
わたしのこと、本当に大切に思ってくれてるんだ……。
「祐一」
「ん」
「続き……して」
「いいのか?」
「……うん」
わたしを……。
「メチャクチャに……して」
「……」
人差し指と中指をフックみたいにして、わたしのあそこの……ひだひだを、剥くように開いて、舌を付けてきた。
「あ。…ぁ…ぁ……ぁぁぁ………あっあっあっ! ああんっ! あんっ! はうんっ! あぁはっ! ぁぁっ!」
ぴちゃぴちゃ、ぴちゃぴちゃ……なんて、イヤらしい音なんだろ。とろとろとしたわたしのエッチな汁が止めどなく流れ落ちて、シーツを濡らしていく……。
「あっあっあっ! ああっ! あっ……」
ざらっとした舌の感触と、ぬるっとした潤滑油みたいな……わたしのえっちなお汁……。わたしの中まで入ってきて……。
「気持ちいい?」
「う……ん。くすぐったいけど気持ち……いい……」
寒い夜なのに、着るものも全部脱いじゃって肌がむき出しになっているのに。
「あっ…ふ……。熱い……。熱いよ……祐一……。あそこが……あそこがあついよぉ……」
「名雪……。手がお留守になってるぞ」
「え?」
わたしの、手?
「胸を揉んで、もだえてよ」
「う……ん。やってみる」
ふにふにと、両手で自分の胸を揉んで……乳首をつまんだりして。
「名雪の恥ずかしい姿。全部みせて」
「あぁん……あぁぁ…ん……や…ん。気持ちいいよぉ……」
じゅるじゅるとかきまぜられて、とろけてしまいそうなくらい身体が火照っていた。
「そろそろ、いい?」
「……うん」
もう、わたしのあそこはびしょびしょ……。なんて、はしたないんだろ……。
それから祐一はわたしに
ベッドの上で四つん這いになって
お尻を高く突き上げるように云ってきた。
「うぅぅ……。恥ずかしいよ〜……」
「いい眺めだぞ。名雪」
今日、一番恥ずかしい瞬間かもしれない。ひざまづいてお尻を突き出してるなんて。
「こんなのやだよ〜……。動物さんみたい……」
「いいじゃないか。ワイルドで」
「何がいいの〜!?」
「ま、それはさておき」
さておかないで……。
「名雪」
「?」
祐一は少し、表情を改めて。
「お前のお尻。綺麗だな」
「嬉しくないよ……」
「どうして?」
「お尻を褒められて喜ぶ女の子なんて、いないよ〜」
「それはまあ、そうだが。……でも、何か変だよな」
「何が?」
「スタイルがいいと褒められて喜ばない女はいないけど、お尻の形がいいって云われて喜ぶ女もいないよな。何故だ?」
「……」
真面目な顔して何をいってんのかなぁ。祐一は……。
「でも、本当に綺麗だぞ。白くて、柔らかくて、ふにふにしてる」
さわさわと、わたしのお尻をまんべんなく触る祐一。
「や、やだよ〜。恥ずかしいよ〜。お尻なんて触らないで〜」
「やだね。こんないい肌触り、ずっと触っていたいな」
「う〜う〜う〜」
やがて、触るだけでは満足しきれなくなったのか、頬をすり寄せたり……か、かぶりついたり。
「きゃぅっ! や、やだ〜!」
抵抗したくてもできない状態だよぉ。とほほ……。
「陸上部だけあって、引き締まってるしな。いい張りしてる」
喜ん……じゃ、ダメなところだよね? それって。
「名雪」
「今度は何?」
「お尻の穴が丸見え」
「っ!」
慌てて手で隠そうと思ったけど、祐一はお見通しのようで、軽く跳ね返されてしまった。
「そんなとこ見ないで〜! 祐一のえっち〜!」
「じゃ、見ない代わりにつんつんと」
「きゃあ〜っ! もう、嫌いになっちゃうよ……そんなことすると」
軽くだけど、そんなところ触らないで……。
「あ、そういうこというのか。じゃ、入れない」
「……そんな」
それは……ひどいよ。さすがに。
「名雪からお願いしてこないと、入れてやんない〜」
「祐一……。わたしのこと、おもちゃにしてる?」
「してる」
あっさりと肯定しないで……。
「祐一……。意地悪しないで、入れて……」
じゃないと、火照った体がおさまらなくて。
「何を?」
「祐一の……」
「だから、俺の何を?」
「祐一の……。う……」
そんなこと、云わせないで……。
「俺の何〜?」
「ゆ……祐一の……。お……ちんち……ん」
〜〜〜〜っ!!!! もう〜〜〜っ!
「はは。ごめんごめん、拗ねた名雪が可愛くてつい、な」
「う〜……。意地悪」
「これが欲しいんだろ?」
ぬっと突き出された、祐一の……あれ。
「……」
「そんな珍しそうにみるなよ。はじめてじゃないだろ?」
「だ、だって……。落ちついてみるのははじめてだよ……」
「ガキのころはしょっちゅうみていたはずなのにな。一緒に風呂入ったりとかしてたのに」
「う、嘘だよ〜! そんなの」
「嘘じゃねえって」
でも……。大きくて、長くて……。これが、わたしの中に……入るんだ。
「名雪」
「……ん」
いくよ、と軽く一言かけてから。
「ん……んん……」
ピトッと先端がわたしのあそこに触れ、あてがわれて……。がっしりと、わたしの腰を両手で掴んで固定して……。
「入れるよっ」
「あ……っ! く……ぅ」
ずっ、という感じにゆっくりと入ってきた。
「痛くないか?」
「だ……いじょうぶ。痛くない……よ」
ずず、ずず……と。たまに、狭いわたしの中をめりめりと掘るような感触があるけれど、充分にほぐされたからか、痛みはなかった。
「痛かったら我慢せず云えよ」
「う……ん」
押し込まれていく……熱くて力強い圧迫感……。
「どんな感じだ?」
「きつ……ぃ。でも……ちゃんと入って、くる……よ」
形から何から、しっかりわかるくらい……わたしの身体は敏感になっていた。
「本当にきついな、名雪の中は。少し力抜けよ」
「う……うぅぅ……。で、でも……」
ず、ず、ず……と、少し強引に、こじ開けるように……。そして……。
「奥まで入った……ぞ」
「う……ん」
その瞬間、わたしと祐一は一つになった……。
「動くぞ」
「……うん」
大きなものを入れられた圧迫感が、一瞬弱まって……引き抜かれていく。そして、抜かれる寸前でまた、押し込まれる。
「はぁっ……ん」
ゆっくりと、ゆっくりと……。
「あふっあぅんっ……うくっ……」
わたしの身体と、祐一の身体が擦れて……ますます熱くなっていく。
「あっあっあっあっ……!」
「名雪の中、きつくて……締め付けてくる」
ちりちりと、祐一の股間の毛と、柔らかいものがお尻にあたる……。固くて、柔らかい……変な感じ。
「ゆ……いち。ああっ」
「もっと早く動いていいか?」
「うん。激しく、して」
奥まで入れられては、引き抜かれ、入れられては、引き抜かれ……。
「熱……い。熱いよぉ……祐一」
「俺もだ。…っく!」
パンパン、パンパンと、わたしの身体と祐一の身体が激しくぶつかる音が聞こえる。
「あぁんっ! あんっあんっ! やっ……あっ……んっ!」
くちゅくちゅと湿った、エッチな音も響いてる。
「ああっ! はぅっ! ゆう…いちっ! ゆういちっ!」
「名雪っ! なゆ…きっ!」
叩きつけられるようなエッチ……。わたしの身体はガクガクと揺らされて、胸もぷるぷると揺れてる。恥ずかしいけれど……恥ずかしさも、どこかに吹っ飛んでしまうくらい……熱いエッチ。
「あっあっあっあっあっ! だめっ! やぁっあっあっ! はげし…。すぎっ! ひぁぁぁっ! わたし……わたしっ! こわれちゃ……う」
バックからずんずん入れられて、おっぱいをぎゅううと強く揉まれて……。でも、不思議と痛くなくて、嫌でもなくて……。それどころか、気持ちよくなってきている。
(祐一のことが好き……だからかな?)
きっと、そうだと思う。……わたしは長い髪を振り乱して、感じてる。
「なゆき……。俺、も……もう……。早くて、ごめ…ん」
「ま、待って。……一緒に……一緒に」
「そう、だな」
「……一緒に、エッチになろ」
祐一はわたしの中から引き抜いて、転がして裏返すようにして……。
「これなら一緒、だろ? 対面座位、ならね」
「うん。…んんっ! くぁぁっ! はふっ! あふっん!」
抱きしめ合ったまま、わたしの中に入れて……。
「ん、んふ……ん」
「なゆ……き」
なりふり構わず、ぐちゅぐちゅと舌と舌を絡め合うような深いキスをしながら……繋がって……。
「あぅ…んっ。あふ…ん」
ディープキッスなんて、普段ではとてもできないような恥ずかしい行為にも、平然として……。
「うご……いて……」
離れた口と口で糸を引いて……。でも、今はそんなこと気にならない。
「好き……大好き……。祐一っ! ゆういちっ!」
「俺もだ。名雪っ!」
わたしはいつの間にか、祐一の動きに合わせて、腰を上下させていた。
「あふっ! あぁぁっ! あんっ! 祐一! もっと、もっと突いて! もっと激しく、して! もっと強く入れてぇっ!」
「云われなくてもっ! エッチだなっ。名雪は」
「うん……っ。わたし……エッチな娘! 変態かもしれないけど……でもっ…でもっ……ゆういちのことが……すきっ!」
激しいエッチにギシギシとベッドのスプリングが揺れている。でも、そんなことどうでもいい。今は……
「ああっあっあっあっあんっ! ああんっ! あんっあっんっはんっ! ぁっん…あんっあんっはぁん! も…もう…だめ……わたし……」
「どうなりそうだっ」
「いっちゃ……いっちゃうよぉっ! わたし……わたし……いっちゃうっ! はぁぁぁんっ! あぁぁぁんっ! いっちゃうぅぅぅっ! いくぅぅぅっ!」
何かがはじけ、頭の中が真っ白になっていく……。『いっちゃう』と、……卑しく、はしたない言葉を繰り返し。
「俺もだっ! うっ……で、出るっ!」
「あぁぁぁぁっ! あっ…………あっ………あーーーーーっ! いっちゃぅうぅぅっ!」
その瞬間、わたしと祐一は……絶頂を迎えていた……。
「わた……し。……い……ちゃった……よ」
どくんと、熱いものがわたしの身体にぶちまけられた……。
* * * *
「……」
「えへへ」
「何が嬉しいんだか」
「だって〜」
ゴロゴロと、仔猫のような気分。
「一緒に寝たいなんて、子供みたいだな。相変わらず」
祐一とエッチして、そのまま服も着ずに添い寝をしてもらっていたのでした。
「でも〜。好きな人と一緒にいられるんだもん。大好きな祐一と……」
「本人の前で云うかな……。そういうこと」
呆れたような、照れくさそうな、そんな表情の祐一。
「あのね。祐一」
「何だよ」
ちょっと、真面目に。
「祐一が、エッチしたくなったら……いつでも、いっていいから」
「……」
わたしは、祐一のものだから……。
「ありがとう。でも……」
「?」
「名雪が嫌だったら、絶対にやろうなんて云わないから……。ちゃんと、云ってくれよな」
「うん。大丈夫、だよ」
祐一は、わたしのことを本当に……大切に思ってくれてる。嬉しくて嬉しくて……ぽろっと涙が一粒こぼれた。
「って。何で泣くかなー!」
「えへへ。嬉し泣きだよ〜」
「あぁーっ! 何だとこのーっ!」
「きゃあ〜ん。祐一やめて〜。……あははは」
もぞもぞと、ベッドの中で暴れるわたし達。
「あーはいはい。わかったわかった。……でも、そろそろおねんねの時間だ」
「あ……。そだね」
時計の針は、もう遅い時間を差していた。
「今日は、目覚ましいらないね」
「俺をあてにしてるな」
「うんっ」
やれやれといいながら苦笑する祐一。
「起きなかったら、エッチなことするからな」
「え? じゃあ、ずーっと起きないよ?」
「あっそ。じゃ、起きるよーなエッチをするからな」
「え? え?」
それって、どんなエッチ!? う〜……。気になるよぉ。……気になるけど、もう眠いよ〜。
「さて、それじゃ……寝ようか」
「んー。……おやすみのキス〜」
「はいはい、わかったわかった。目ぇ閉じろー」
「うんっ」
軽く目を閉じるとすぐに、唇同士が触れ合って……。
「おやすみ。名雪」
「おやすみなさい。祐一……」
わたしたちは、抱きしめ合ったまま……眠りに落ちていった。
その日から、わたしたちの間で何かが変わっていた。
一つだけ、確かなのは……
必ずしもエッチが好きだから
それだけの理由で、するわけじゃない。
祐一のことが、大好きで……祐一も、わたしのことを大好きでいてくれるから。
だから……
わたしたちはたまに、肌を重ね合わせる……。
例えばそれは、日曜日の午後のこと。
「祐一〜。入るよ〜」
コンコンとノックしても反応がなくて、一言断ってから祐一の部屋へと入る。
「あはは。寝ちゃってるんだ」
疲れて昼寝してる祐一の顔が、とても気持ちよさそうで。
(わたしも一緒に寝て、いいよね?)
そんな祐一をみて、わたしも眠くなって来ちゃって……こっそりベッドの中に入っちゃった。そしたら。
(……あ)
たまたま手に、ぷにゅっとした感触。
(う〜! ゆ、祐一〜……)
それは、その……上手く説明しづらいけれど、祐一の……だ、男性自身……。
(……もしかして祐一。エッチな夢見てる?)
何故か……えーと、何というか……立ってて……。
(もしかしてもしかして、それってわたしの知らない誰かと?)
思考が変な方向にいっちゃって。夢の中の相手に嫉妬しちゃったりして。
(うー。いいもんいいもん。……わたし、負けないよ〜!)
確か……男の人は、口でしてあげると、気持ちいいとかいうけれど。
(わたしだってそれくらい、できるもん! よーし!)
妙な対抗心に目覚めて。わたしは祐一のズボンのホックを開けて……。
(うわ……。おっきいな……)
露わになった……それを、優しく、軽く手で掴んで……。
(じゃ……い、いくよ)
そっと……。
「ん……ん……」
口に含むと、つんとした酸っぱい味がした……。
「ん……ん……んむ……ん」
わたし。本当に……。エッチだ。
「んく……ん……んぐ…………あ……む」
歯を当てないように、傷つけないように……口を目一杯あけて……。
「んん……ん……はむ…………うくぅ……」
ゆっくりと、でも……段々早く……。手は、優しく添えて……。
「ん……ん……ん……ん……」
舌を口の中で動かしながら愛撫を続ける。ぴちゃぴちゃと、エッチな音がする……。
「う……あ」
「んふぅ?」
祐一、夢の中で……感じてる?
「んっんっんっんっ! うんっんっんっ!」
それが何か嬉しくて、愛撫の速度を早める。……やがて。
「んんんんっ! んんんっ! んぶっ!」
祐一はわたしの口内に、勢いよく射精していた。……びしゃっびしゃっというくらい、いっぱい。
「う……あ? なゆ……き?」
「けほっ。ゆーいち。おはよ〜……けほけほ」
熱くて、少しむせてしまったけれど。勿論、こぼさず飲み干す……。ごくっと……。
「ど、どわああああっ! な、な、なっ! 何やってんだよっ!」
「えへへ。びっくりした?」
「するに決まってんだろがっ! てっきり、夢精しちまったのかと思って情けない気分になってたらっ!」
「う〜。……やっぱり夢の中で、知らない娘とエッチなことしてたんだ〜」
すこーしだけ、拗ねてみせる。
「んなわけないだろ。……夢の中で……お前とやっていたんだよ」
あれれれ。わたしはわたしと競争してたんだー。何か変だよ〜。
「あは。そうなんだ」
「そーなんだ、じゃない。……この責任、ちゃーんと果たしてもらうからな」
「うんっ。ちゃんと果たすよ〜」
そうして、わたしは押し倒されて……。
もっともっと、エッチして
もっともっと、愛して……
わたしも、負けないからね!
だから、今みたいにちょっと不意打ちをかけてから、こう云うの。
「祐一。エッチしよっ♪」
大好きな人に
最高の笑顔でね♪
おしまい
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(後書き)
どもども。毎度ありがとーございます、みなるでぃ改でございます。
めっさお久しぶりなSSは、二日で仕上げたなゆなゆもんです、はい。時はたてども未だに名雪は私の中でお気に入りキャラの筆頭なのです。
何故こんなもんを書いたかというと、ある日突然名雪の純愛ものを書きたくなったからです。理由はわからないけど何故かw
別に必然性もあるわけじゃないのに、単なるきまぐれで一気に仕上げてみましたが、いかがでしたでしょーか?w
書いていて云うのもなんですが、純愛ものもたまにはいいですねー。ただ、純愛にしてもえっちものにしても。ただ話をダラダラ進めたりやる(?)だけじゃつまらんので。
とはいっても、↑のようなお話を否定したりする気は毛頭ありません。ただ、たまたま今はそういう気分じゃなかったとゆーいい加減な理由なのですw
それはともかく、何かしらの『理由(と、書いてワケ)』が作品にはあった方がいいんじゃないかと思ったわけであります。
単純にエッチをするにしても、じゃーなんであんた達するわけ? 単に欲求満たしたいだけなん? ちゃうの? そこんとこ、おせーておせーて。なんて、テーマをぐだぐだと提起するとゆーか。
こんなの名雪じゃない! とか、変にアレンジすなっ! とかの否定的なご意見も多々あるかと思いますが。それはそれ、みなるでぃの書くものということでご了承を。
というよりも、SSってそういうもんですしねw
結局のところ『こんなもん書いてみたいなー』と思ったのをぐだぐだ書き殴っただけなのですけどね。
もしこのお話を読んでお楽しみいただけたら幸いです。
……そうでなかったら、すっぱり忘れて何もなかったことにしてくださいw
それでは、また次作をお楽しみに。
この作品を読んで面白いと思われた方、興味深いと感じた方
是非是非ご意見ご感想を
BBSか
メールにどーぞm(__)m