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たとえばそれは -その一-










 夕焼けが辺りの何もかもを鮮やかなバーミリオンカラーに染め上げる頃。制服姿の少女が一人、校舎を背にもたれ掛かるように立ち尽くしていた。セミロングの髪に白いリボンが特徴的な彼女……藤林杏。

(あ、あ)

 少し向こうの方に、帰宅する生徒達が見える。そんな中、彼女は極力目を合わせないようにしていた。それもそのはず。彼女の顔には今、白く粘り気のあるものがべっとりと付いていて、口元までたれてきていたのだから。そして右足の足首辺りには、脱いだ下着を引っかけている。白と淡い水色の縞模様のそれはあたかも、直前まで誰かと交わっていたように。

 それでも、誰も気付きはしない。夕焼けに染まる色の方が遙かに濃くて、結果的にカモフラージュとなり、杏の姿が全く目立たなかったから。気付きそうでいて気付かない。曖昧な感覚に、杏の鼓動は高まったまま安定していた。

(こ、こ……んな、の)

 まさに生殺し状態。そんな状態で、ふらつきながらも杏はどこへともなく歩みを続ける。数刻前、岡崎朋也に云われた一言を思い出しながら。





事の始まり……。





「あっあっあっ」

 それは校門近くの茂みの中。杏は背後から朋也に激しく突き上げられていた。堪えようとしてもどうしても声がでてしまう。仔猫のようにか細く、切なげな声が。

 制服を着たままショーツだけ足下にずらされて、犯されるかのように行為を続ける。こんなところでこんなことをこっそりと。

「こっち向け」

 ぱん、ぱん、と体同士が激しくぶつかり合う音が響く程、何度も何度も杏の中を大きなものが出入りしていく。やがて朋也の鼓動は高まり、達していく。

「あ……」

 出す寸前に朋也は杏の中から引き抜く。そして、杏の体を引き倒すようにしてひっくり返させた。そして。

「んんっ! んぶっ!」

 びしゃ、と叩き付けるようにして一度、二度、三度と大量に射精。杏の顔はあっという間に白く汚されてしまう。けれど、ぬぐい取ることは許されなかった。

「なあ、杏」

「え……?」

 朋也は意地悪だった。そのままの格好で、そこら辺をうろついてみせろ等と云ってみた。あり得ないようなシチュエーションに身を置かせ、恥ずかしがらせて楽しむつもりなのだろう。

 杏の端正な顔。瑞々しい頬も、少し吊り目がちな目尻もどろどろにされて、たれていく。

「ほら」

「あ、う」

 朋也に促され、茂みの中から出ようとする。右を見て、左を見て。

(誰も……いない、よね?)

 恐る恐る歩みを進める。





そして、羞恥の時間が始まった。





(ああ、あ、あ……。す、すごい。何だかもう……)

 立っているだけで濡れてきてしまうような、むしろ誰かに見られたいような欲求に駆られてしまう。強気で、朋也の前ではいつも余裕たっぷりだった彼女の面影は、もはや跡形もなかった。部活動も終わり、帰宅する生徒の数も次第に減っていくけれど、いつ誰にばれるかわからない緊張感に杏は背筋を震わせた。

(だ、め。や、あ……)

 それは、辺りが闇に包まれるまで続いた。

「おい」

「っ!」

 急に背後から声をかけられ、ビクッと震える。すぐに誰かがわかり、杏は溜息をつく。首謀者こと、朋也だった。

「楽しかっただろ」

「そんなわけ……。あ……」

 ない、とは云えずに声が消え入る。朋也はそれを見透かして、ぐい、と杏のスカートをたくし上げた。露わになった秘部は濡れていて、幾筋もの滴がたれていた。

 あまりの羞恥に興奮して、そうなってしまったのだった。言い訳の一つでもしようと思ったが、もはや誤魔化しようがなかった。朋也は意地悪そうに笑った。

「また、してやるからな」

「ん……」

 そしてまた、杏は思った。すぐにまた、朋也に押し倒されるのだろうと。そんな予感がして、完全に的中する。けれど、拒むつもりはまるでなかった。もっとして欲しい。そう思っていたから。





放課後の、二人だけの誰も知らない遊戯は続く。





「ちょ! 朋也っ!」

 暗闇に包まれた体育館のステージの上にて。朋也は杏を求めた。体操服姿の杏を立たせたまま背後から、下着ごとブルマをずりおろす。そうして露わになった割れ目に挿入する。……あれから朋也は杏の制服を脱がせ、あえて体操着姿にさせて羞恥を煽っていたのだった。

「あっ! っくぅ!」

 極限まで羞恥に晒され、濡れていた秘部は柔らかくほぐれていて朋也のものをすんなりと受け入れていた。太く、長いものが奥まで入り込み、杏は熱い吐息と共に甘ったるい喘ぎ越えを上げてしまう。

 朋也は何度か腰を前後に動かした後で、ふと何かを思いついたようで、杏を歩かせる。

「あ! あ! な、にを?」

「このまま、さ。一週してみようぜ」

「え。やっ……あ」

 そのままステージ脇の階段を上らせる。体育館の脇にある狭い通路……キャットウォークと云うべきか、ギャラリーと云うべきか。そう云えばここは何と呼ぶのかな、と朋也は思うが。そんなところへと。うごめいていくうちに、朋也のものはにゅるんという感触とともに抜けてしまう。

「そら」

 改めて挿入。ずにゅ、と奥まで入り込む。

「あうっ! あ……あっあっあっあっ! だ、めっ! こんな……こんな、ぁっ。ひぁぁっ!」

 一つになったまま歩くだけで、結合部がこすれ合い、杏は刺激に晒される。

「ふぁぁぁっ! ああっ! も、もぉ……だ、めぇ。動か……ないで」

 あまりの快感に、杏の足が止まってしまうが。朋也はここぞとばかりに突き上げ始める。杏はつんのめるような形になりながらも、歩みを進めてしまう。

「あっあっ!」

「何だよ。先にイったら罰ゲームだからな」

「う……」

 朋也は意地悪に云いつつ、背後から杏の上着の中に手を入れて下着をずらし、胸を揉みしだく。固く盛り上がった突起、乳首を強く摘みながら。

「ひぅっ! あぅっ! あふぅっ! あっあっあっ!」

 ぱんぱんと音を立てるくらい激しい突き。それでも、ようやく半周回ったところ。朋也も、杏の中のきつさに顔をしかめながら耐えている。

 それでも、されるがままの杏に対し、ペースを握っているのは朋也。どちらが有利かは一目瞭然。

「終わりだ。そらっ」

「あ、あ、あ……ああああああっ! あっあっあっ! あぅっ! だ、めぇぇっ! ああああっ!」

 必死に堪えるも、杏はビクッと大きく震え、あっさりと達してしまった。





そして、朋也の云う罰ゲームが始まる。





「う、ぐ」

 やっと解放され、ステージの上に横たわり、苦しそうに、けれどとても物欲しそうな瞳で杏は呻いた。そして、目の前には朋也。
























----------後書き----------

 罰ゲームの内容とはなんぞや?

 はてさて、お次お次。



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