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 各々の役割という名のルート終了後。瓜生家のリビングにて、反省会開催中……。





愛理「呆れ果てたわ紗凪。何よ。何なのよ。男なんか大嫌い〜! とか、新吾のことを散々クズムシとか罵っていたくせに、結局新吾にデレデレしまくりじゃないのよ!」

紗凪「あ〜!? そういう愛理こそ、自分のルート以外では、結婚願望なんて全然これっぽっちもありませ〜んとかなんとかしれっと言っちゃってたくせに、自分のルートじゃ新吾になびきまくりじゃないか」

愛理「そんなの、あんたに言われたくないわよ!」

紗凪「ふーんだ! その言葉、そっくりそのまま返してやる〜。な〜にが、あんたと馴れ合いたくないの! よ〜。あ〜冷たい。新吾可哀想〜」

愛理「あんたも全く同じこと言ってたでしょ! 忘れたとは言わせないわよっ!」

結月「わお。似た者同士」

みう「ふふ。賑やかだね〜ぱにゃちゃん」

ぱんにゃ「うりゅりゅ」

桜乃「このようにして、似たもの同士の不毛な言い争いは果てしなく続いていくのでしたとさ」

愛理「誰が似たもの同士よ!」

紗凪「だーっ! 同類じゃない〜! あたしが愛理と似てるわけない! こんな意地っ張りとあたしを一緒にすんな〜!」

愛理「誰が意地っ張りよ! あたしは全然意地っ張りなんかじゃないんだからねっ!」

結月「どこからどう見てもそっくりさんだね、うん」

みう「紗凪ちゃんと愛理ちゃんって、本当に息ぴったりだね〜」

結月「ふむ。そしてツンデレレベルも全くの互角だね」

桜乃「一言でいうと……類友?」

愛理「類友じゃないわよっ!」

紗凪「類友じゃない〜っ!」

結月「ハモり方までそっくりさん」

アンジェ「そうですねぇ〜。愛理さんもさっちゃんさんもなかなか素直になれない意地っ張りさん同士ですから〜。その点このアンジェはお二方とは違って、とっても素直で友好的なメイドさんなのですよ〜! はうっ!?」

愛理「アンジェ、ちょっと来なさい。みっちりしぼってあげるわ!」

紗凪「アンジェ、あたしも用がある。体育館裏辺りでね!」

アンジェ「ふ、二人がかりでお仕置きなのですか〜!? アンジェ体育館裏で怖い人達にしめられちゃうんですかぁ〜!? ぴょんぴょん跳びはねてみろとか言われちゃうんですかぁ〜!?」

愛理「誰が恐い人達よっ!」

紗凪「誰が恐い人だってぇ〜!?」

アンジェ「怖いです〜〜〜! アンジェ思いっきりびびりまくりです〜〜〜!」

桜乃「……総合すると、お兄ちゃんと一つ屋根の下に住む妹最強ということで」

愛理「ちょっと桜乃! 聞き捨てならないわ! ずるいわよそれ!」

桜乃「どこのどなた様のルートに突入しても、いつでも横合いから奇襲攻撃が可能。フラグをへし折るのはまさに赤子の手をひねるよう。これぞまさしく妹の特権でございます。ふふふふ」

愛理「腹黒いわよ桜乃!」

紗凪「恐っ! 桜乃ちゃん笑顔がダークすぎ!」

みう「ぱにゃちゃん。フラグって何かな〜?」

ぱんにゃ「うりゅ?」

アンジェ「桜乃さん! そうはこのアンジェがさせません! 桜乃さんと旦那様のお屋敷に潜入させていただきます!」

桜乃「……。メイドさんのお手は間に合っております。どうぞお暇をお受け取りください」

アンジェ「アンジェいきなり解雇されちゃいました!? 妹はメイドより強しなのでございますか!?」

愛理「いいわ。こうなったら、新吾をあたしの部屋に連れてって同棲してやるんだから!」

みう「だめだよ愛理ちゃん〜。いくら新吾くんが優しくて好きだからって、縄で縛ったり鞭で叩いたりしちゃ」

結月「アイリンは女王様、と。ふむ。どうやら私のお株を奪われてしまったようだね。何ということだろう」

紗凪「あ、あたしは確かに暴力的な娘だと思うけど、愛理みたいに縛ったり鞭とか蝋燭はさすがに使わないわよ?」

アンジェ「愛理さん……。誠に申し訳ございませんが、流石にこのアンジェも旦那様をびしばしとしばき倒されるようなご趣味はいかがなものかと思いましてございます……」

桜乃「そして、痛めつけてから交尾をしようとのし掛かる、と」

結月「わお。交尾……。野性的な響きだね」

アンジェ「きっと名騎手なのですね愛理さんは!」

みう「愛理ちゃん。新吾くんの蛇口を壊しちゃだめだよ〜?」

愛理「誰がアイリンよ結月っ! 何が女王様よっ! っていうか、そんな事するわけないでしょう紗凪! みう先輩もアンジェも、あたしはそんなことしませんし考えてもいません! 桜乃もどさくさ紛れで何口走ってんのよ! ただ単に、新吾と一緒に住んでみたいなって思っただけです! それなのに一体全体何でどうしてそういうことになるのよ!」

みう「うーん。あのお部屋は、二人で住むにはちょっと狭いかな。ぱにゃちゃんもそう思う?」

ぱんにゃ「うりゅうりゅ!」

結月「壁も薄そうだから、ギシギシあんあんと声が筒抜け」

桜乃「昨夜はお楽しみでしたね、と」

愛理「あーもうっ! ほっといてよっ! 貧乏で悪かったわねぇっ!」

桜乃「愛理。喘息もちのお兄ちゃんを、狭く埃っぽい部屋に監禁させるのは、妹として認める事はできません」

愛理「ちゃんと掃除してるわよ! 全然埃っぽくないから! っていうかそもそも監禁じゃないわよ! あーもう、お願いだからそこから離れてよぉっ!」

紗凪「そうそう。愛理が潜んでる粗末な部屋なんかより、新吾はあたしんちに来ればいいのよ。……可愛くないバカ弟が一人いるけど新吾には懐いているみたいだし。まあ、愛理んちの狭さに比べたら天国みたいなものよ」

愛理「紗凪……。粗末で悪かったわね。狭くて悪かったわね。覚えてなさいよ」

結月「ふむ。そういう事なら私の家も悪くはないと思うよ? ……ちょっと口うるさいおばあちゃんがいるくらいだけど、何も問題はないさ。はっはっは」

紗凪「ちょっとじゃないちょっとじゃない」

愛理「だれがどう見ても最強最大の障壁じゃないのよ。あのおばあさんは」

桜乃「とても最強なおばあさんだと思います。まるでかなう気がしません」

アンジェ「クワッと目を見開かれて、メイドなどという西洋かぶれのものは邪道じゃっ! とか言われてしまいそうでアンジェ、アイデンティティの危機を感じちゃいます〜!」

みう「う〜ん。うちのお母さんとどっちが手ごわいかな〜?」

桜乃「いい勝負。だけど経験の差でおばあさんの方が有利かもしれません」

みう「そっかぁ。ぱにゃちゃんもそう思う?」

ぱんにゃ「うりゅん!」

結月「散々な言われよう。そんな事は……ある、かも。むむむ。困った……。これでは自宅で新吾といちゃいちゃするのも一苦労。どうしよう……」

桜乃「つまり、まとめると妹最強ということですね」

愛理「だからあたしの部屋に……!」

桜乃「プライベートの全くない閉鎖空間。常に監視されて気が抜けず、ありとあらゆる行動を束縛され続けたお兄ちゃんの心はみるみる病んでいく、と」

愛理「桜乃……。あんたの頭の中で新吾にどんなことをしてんのよあたしは!」

紗凪「まぁ、確かに愛理は独占欲が強そうだもんなー。この中で一番」

愛理「そんなことないわよ! あんた程じゃないでしょうあんた程じゃ!」

紗凪「にゃにお〜! 愛理にだけは言われたくないわよ〜だ!」

アンジェ「ご安心くださいませ! アンジェは徹底的にお尽くし致しますよ〜。ですので皆様、最愛の旦那様のお世話は全てこのアンジェめにお任せくださいませ〜!」

紗凪「ふっふっふ〜。アンジェ。ヘッドドレス取られても同じことが言えるかな? そりゃ!」

愛理「ちょ! 紗凪何やってんのよ! それは……っ!」

アンジェ「はう!? へ、へ、へっどどれしゅかえしてくらしゃい〜〜〜! あんりぇのへっろろれしゅ〜〜〜!」

愛理「ち、ちょっと! あ、あたしのリボン取らないで! それヘッドドレスじゃないからっ! って、ああっ!! あ、暴れないでよぉっ!」

アンジェ「あ、あ、あんしぇのへっろろれしゅかえしれくらしゃいなのれす〜〜〜〜っ!」

紗凪「あ、アンジェこれは違うっ! 新吾から貰ったリボン! わわわわっ!」

愛理「ちょっと紗凪! 責任取ってどうにかしなさいよっ!」

紗凪「アンジェ落ち着け! 暴れんな! って、うわあああっ! 無理! 止められない〜っ!」

アンジェ「あんりぇのへっろろれしゅ! あんりぇのへっろろれしゅ! あんりぇのへっろろれしゅ〜〜〜っ! へっろろれれれしゅうううぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

愛理「きゃ〜〜〜〜〜っ! ちょっと! どこ触ってんのよ〜〜〜!」

紗凪「あ、あ、あたしのびぃかっぷを揉んでいいのは新吾だけ……あ、アンジェ触んな! 揉むな! 揉むなら自分の揉めっての! いっぱい余ってんだろが〜〜〜っ!」

アンジェ「あ、あんしぇのおっぱいはらんなしゃまのためにあるのれしゅ〜〜〜! びえええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!」

桜乃「……メイドさんがご乱心なので、代わりましてこの妹がお茶をいれました。粗茶ですが、どうぞ」

結月「あ、どうも。いただきます」

みう「桜乃ちゃんありがとう。あ、茶柱立ってる〜。何だかいいことありそうだね、ぱにゃちゃん」

ぱんにゃ「りゅう!」

桜乃「さて。そういうわけなので……」

みう「そういうわけなので?」

桜乃「これがお兄ちゃんのパンツです」

結月「洗いたての干したて」

ぱんにゃ「うりゅりゅん」

みう「女の子のパンツと違って楽そうだよねー」

桜乃「いいな。うらやましいな。そう思いませんか?」

みう「思う思う〜」

結月「ならば、穿くしか」

みう「私も穿いてみていいかな?」

桜乃「勿論でございます。……一緒にパンツパーティーでもいかがですか」

結月「おお。パジャマパーティならぬパンツパーティーとは、新しいね。実に新しい発想だよそれは。素晴らしい!」

みう「うんうん。楽しそうだね〜。ね〜、ぱにゃちゃん」

ぱんにゃ「うりゅ〜!」

結月「はっはっは、今宵は寝かせないよ。といったところだね」

桜乃「でも、風邪をひきそうなのでパジャマの上はちゃんと着ましょう」

みう「じゃあ、下だけパンツだね」

結月「あ、ああ。女の子だ。半脱ぎとは、とても女の子らしい……!」

アンジェ「びえええええええええんっ! へっろろれしゅろこなのれしゅか〜〜〜〜っ! ふええぇぇ〜〜〜ん!」

愛理「ちょっとそこ! 呑気にお茶すすってバカなことばっかり言ってないでアンジェを止めてよ! って、あああっ! どこ触ってんのよぉっ! って、どさくさ紛れにぱんにゃを近づけないで! きゃあああああっ!」

ぱんにゃ「う〜りゅ〜!」

紗凪「わーーーわーーーわーーーっ! アンジェ落ち着け! そ、そんなとこ触ってもびぃかっぷだからつまんないぞ! 触んなら愛理のおっぱいを……って、あ、あたしの大切な白リボン解くなーーーーっ! それに、ぱんにゃはボールじゃなーーーーいっ!」

ぱんにゃ「うりゅりゅりゅりゅ!?」

アンジェ「あんしぇめいろなのれしゅ〜! へっろろれしゅはめいろのいのちなのれしゅ〜〜〜! ふええぇぇ〜〜〜ん!」





 このようにして、反省会は混乱したまま終わっていくのでした。



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